nvidia出典:(NVIDIA, 2022)

NVIDIAは、2022年9月20日に「NVIDIA GTC」をオンラインで開催して、そこで次世代のゲーミング向けグラフィックボードである「GeForce RTX 4000」シリーズを発表しました。2020年9月24日発売されたAmpere世代のRTX 3090などRTX 3000シリーズの後継モデルです。

実に2年振りの最新モデルということになります。新しいアーキテクチャであるAda Lovelaceを採用しています。2022年10月12日にGeForce RTX 4090の発売が決まりました。下記はGeForce RTX 4090の開封動画です。かなりの大きさであることがわかりますね。RTX 4090については搭載するモデルが限定されそうです。

これまで通り上位モデルから発売予定

NVIDIAの伝統通り、RTX 4000シリーズも上位モデルからリリースされます。RTX 4090の発売日は2022年10月12日22時からです。RTX 4080 16GB/12GBのリリースは2022年11月が予定されています。RTX 4070・RTX 4060などの売れ筋モデルは2023年になりそうです。

RTX 4000シリーズのスペック一覧

RTX 4090RTX 4080 16GBRTX 4080 12GB
コードネームAda LovelaceAda LovelaceAda Lovelace
GPUAD102AD103AD104
プロセス5nm5nm5nm
トランジスタ数763億459億358億
ダイサイズ608m㎡379m㎡295 mm²
SMs1287660
CUDAコア数1638497287680
RTコア数1287660
Tensorコア数512304240
ベースクロック2235 MHz2205 MHz2310 MHz
ブーストクロック2520 MHz2505 MHz2610 MHz
GPUメモリGDDR6X 24GBGDDR6X 16GBGDDR6X 12GB
メモリクロック21.2 Gbps23.0 Gbps21.0 Gbps
メモリバス384 bit256 bit192 bit
メモリバス帯域幅1,018 GB/s735.7 GB/s503.8 GB/s
FP32 Compute82.58 TFLOPS48.74 TFLOPS40.09 TFLOPS
出力1x HDMI 2.1
3x DisplayPort 1.4a
1x HDMI 2.1
3x DisplayPort 1.4a
1x HDMI 2.1
3x DisplayPort 1.4a
TDP450W320W285 W
補助電源1x 16-pin1x 16-pin1x 16-pin
バスインターフェイスPCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16
価格$1,599$1,199$899
国内価格298,000円~219,800円~164,800円~
発売日2022/10/122022/11/??2022/11/??
現在判明しているRTX 4000シリーズのスペックについて解説します。RTX 4090・RTX 4080 16GB・RTX 4080 12GBの3つのラインナップがあります。RTX 4080ではGPUメモリが異なる2種類が用意されているのがポイントです。フラグシップモデルであるRTX 4090は、GPUにAD102を採用しています。フルスペックのAD102ではないことから今後RTX 4090 Tiなどの上位モデルが発売される可能性がありますね。

RTX 4000シリーズは、4nmプロセスを採用しています。トランジスタ数は763億と驚異的な数値です。ダイサイズは608m㎡です。SM数は128で、CUDAコア数は16384です。RTコア数は128、Tensorコア数は512です。ベースクロックは2235MHz、ブーストクロックは2520MHzとかなり高いです。GPUメモリはGDDR6X 24GBを搭載しています。メモリクロックは21.1 GBsです。

メモリバスが384で、メモリバス帯域幅は1,018 GB/sとなります。FP32 Computeは、82.58 TEFLOPSです。出力は1x HDMI 2.1、3x DisplayPort 1.4aです。TDPは450Wとなっています。補助電源は1×16 pinです。バスインターフェイスはPCIe 4.0×16です。価格は$1,599です。国内価格は298,000円~となる予定です。円安の影響もあってかなり高いです。

下位モデルのRTX 4080 16GBは、GPUに一回り小さいAD103を採用しています。12GB版ではさらにAD104を採用していてGPUメモリ容量だけが異なるわけではなく立場的にはRTX 4070 Tiが近いのかもしれません。いずれのモデルもプロセスは4nmでRTX 4090と同じです。RTX 4080 16GBのトランジスタ数は459億で、12GB版よりも28%も多いです。ダイサイズも28%大きいです。

RTX 4080はSM数が76で、CUDAコア数は9,728です。RTコアは76で、Tensorコアは304です。12GBモデルだとSM数が60で、CUDAコア数は7,680となります。RTコアは60で、Tensorコアは240です。クロック周波数はRTX 4080 12GBがもっとも高いです。CUDAコアが少ない分クロック周波数を引き上げています。

RTX 4080 16GBは、RTX 4080 12GBと比べてメモリ周りが共通です。まずは、GPUメモリ容量が33%多く16GBです。さらに、メモリクロックがおよそ10%速く23.0 Gbpsです。メモリバスは256 bitです。メモリバス帯域幅もRTX 4080 12GBと比べて46%も広いです。FP32 Computeは20%程度高くなっています。TDPは12%高く320Wです。価格差は$300です。国内価格では55,000円と差が大きいです。

RTX 4000シリーズのゲーミング性能

RTX 4090

rtx4090performance出典:(NVIDIA-2, 2022)

RTX 4090は、RTX 3090 Tiと比べて2倍以上高い処理性能を発揮します。Cyberpunk 2077(New RT Overdrive)では4倍以上とかなり性能が高いモデルであることがわかります。このCyberpunk 2077(New RT Overdrive)は、新レイトレーシングOverdiriveとDLSS 3に対応するアップデート版です。DLSSを有効にした場合ですので、実際のグラフィックス処理性能はここまで差があるわけではありません。

RTX 4080 16GB/12GB

rtx4080performance出典:(NVIDIA-2, 2022)

RTX 4080 16GB/12GBもかなり高い性能を持つグラフィックボードとなっています。RTX 3080 Tiと比べて、1.5倍から3倍以上のパフォーマンス向上が見込めます。Microsoft Flight Simulatorでは、RTX 4080 16GB/12GBでそれほど差がありません。Warhammer及びCyberpunk 2077では有意に差があります。

RTX 4000シリーズの特徴まとめ

4nmプロセスを採用している

Ada Lovelace世代のRTX 4000シリーズでは、全てTSMC 4nmプロセスを採用しています。Ampere世代のRTX 3000シリーズでは8nmプロセスを採用していたため、ついに半分になったということです。7nmを採用しているAMDのRadeon RX 6000シリーズよりも一回り小さいです。より洗練されたプロセスで高いパフォーマンスを期待できます。省電力性のアップにも繋がりますね。

第3世代RTコア/第4世代Tensorコアを搭載で性能アップ

rtx4000performance出典:(NVIDIA-2, 2022)

第3世代RTコア及び第4世代Tensorコアを搭載しています。レイトレーシングやDLSSといった機能をフルに活用したいゲーマーの方必見です。RTX 3090 Tiと比べて最大で4倍のパフォーマンスアップです。特にPortal with RTX・NVIDIA Race RTX・Cyberpunk 2077(New RT Overdrive)などの次世代タイトルでの適性が高いです。

rtx40dlss3出典:(NVIDIA-2, 2022)

DLSSに対応したタイトルでは2倍以上のパフォーマンス向上が見込めます。2023年に掛けてレイトレーシング・DLSSに対応したタイトルも増えていくことでしょう。そうなればRTX 4000シリーズの価値も上がっていくはずです。

クリエイター適性も向上している

rtx40creator出典:(NVIDIA-2, 2022)

3Dレンダリング(Chaos V-Ray)及びビデオ編集(Devinci Resolve)ではRTX 3090 Tiと比べて半分の時間で完了します。また、これまではAV1のデコードのみに対応していましたが、AV1のエンコードのサポートが追加されています。Intel ArcのみAV1のエンコードに対応していましたが、NVIDIAもついに対応となりました。

性能に比例して消費電力が高くなった

rtx4000watt出典:(NVIDIA-2, 2022)

RTX 4000シリーズは、消費電力の高いグラフィックボードとなっています。ただし、性能が向上しているため省電力性が大きく劣るということではありません。

価格がかなり高い

RTX 4000シリーズは性能も高く非常に魅力的なグラフィックボードですが、価格もかなり高くなりそうです。従来モデルと比べて2倍以上の価格が付いているものもあります。インフレ・半導体不足・円安など様々な影響を受けた結果でしょう。もちろん時間が経てば価格が下がるとは思いますが、今のRTX 3000シリーズと同等の価格まで下がることはないのではないかと思います。

参照外部サイト

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