当記事では、サイコムの販売するゲーミングPCであるG-Master Spear Z790/D5の詳細レビューをまとめている。初期構成ではCore i7-14700K×GeForce RTX 4060を搭載している。これをベースにカスタマイズで自分好みに仕上げよう。カスタマイズ内容を反映したURLを発行できるようになったので、いつでもカスタマイズ画面を呼び出すことができる。友人やSNSで構成の相談がしやすくなった。
当該モデルはサイコムの中でも売れ筋モデルの一つだ。Z790チップセット・DDR5メモリ搭載のハイエンドモデルとなっている。CPUクーラーもNoctua製「NH-U12S redux」を採用するなどこだわりが見える。PCケースはゲーミングPCでも人気の高い「CoolerMaster MasterBoxCM694」を採用している。クリアガラスパネルを選択することも可能だ。カスタマイズをしないとかなり割高なのでその点注意は必要だ。
当ページの目次
- 1 G-Master Spear Z790/D5のスペック解説
- 2 G-Master Spear Z790/D5のカスタマイズ例
- 3 G-Master Spear Z790/D5のカスタマイズ詳細解説
- 4 各タイトルの対応表
- 5 G-Master Spear Z790/D5の性能まとめ
- 6 ベンチマーク検証機器
- 7 G-Master Spear Z790/D5のベンチマーク測定
- 8 G-Master Spear Z790/D5の消費電力
- 9 G-Master Spear Z790/D5の特徴
- 10 競合モデルとの比較
- 11 パソコンケースレビュー
- 12 管理人による総評(G-Master Spear Z790/D5)
G-Master Spear Z790/D5のスペック解説
メーカー | サイコム |
---|---|
ブランド名 | G-Master |
製品名 | G-Master Spear Z790/D5 |
価格 | 273,320円(税込) |
CPU | Core i7-14700K(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
SSD | NVMe 1TB Gen4 NVMe |
HDD | 非搭載 |
電源 | 750W 80PLUS GOLD SilverStone |
マザーボード | チップセットZ790 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 7.0 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 5.1 ・構成 8.0 ・品質/サポート 8.0 |
G-Master Spear Z790/D5のカスタマイズ例
初期構成 | カスタマイズ | 価格差 | |
---|---|---|---|
ブランド | G-Master | G-Master | - |
製品名 | G-Master Spear Z790/D5 | G-Master Spear Z790/D5 | - |
価格 | 273,320円 | 273,260円 | -60円 |
イメージ | - | ||
ケース | 【黒】CoolerMaster CM694 | 【黒】CoolerMaster CM694 | 0 |
マザボ | ASRock Z790 Pro RS [Intel Z790chipset] | ASRock B760 Pro RS [Intel B760chipset] | -9,020円 |
メモリ | 16GB[8GB*2枚] DDR5-4800 | 32GB[16GB*2枚] DDR5-4800 | +7,040円 |
CPU | Core i7-14700K | Core i7-14700KF | -5,630円 |
CPUグリス | CPUクーラー付属グリス | CPUクーラー付属グリス | 0 |
CPUクーラー | Noctua NH-U12S redux | サイコムオリジナルAsetek 670LS + Noctua NF-F12 PWM x2 | +7,980円 |
SSD | Crucial T500 CT1000T500SSD8 | Crucial T500 CT1000T500SSD8 | 0 |
光学ドライブ | 【黒】DVD; ASUS DRW-24D5MT + 書込みソフト | なし | -2,950円 |
GPU | GeForce RTX4060 8GB MSI製GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC | GeForce RTX4060Ti 8GB Manli製M-NRTX4060TI/6RGHPPP-M2546 | +5,960円 |
電源 | SilverStone SST-DA750-G [750W/80PLUS Gold] | SilverStone SST-ET650-HG [650W/80PLUS Gold] | -4,220円 |
ケースオプション | なし | なし | 0 |
HDD | 非搭載 | 非搭載 | 0 |
サイコムではほぼ全ての箇所がカスタマイズ可能だ。選択肢があればダウングレードも可能となる。うまくカスタマイズをすることで価格をほとんど上げずに性能を上げられる。サイコムの販売するG-Master Spear Z790/D5の特徴は、幅の広いカスタマイズにある。徹底解剖サイト推奨カスタマイズのコンセプトは価格を抑えつつ性能のアップだ。比較対象となるモデルを意識した構成を目指す。
サイコム製品は、カスタマイズの自由度が高く変更できる箇所が多くポチポチするだけで楽しめる。反面、選択肢が多く悩ましくなる箇所も多い。まずはマザーボードは苦慮の末にB760まで落とした。これはかなり妥協した部分だ。CPUにCore i7-14700KFを選択していることから本来は力を入れるところかもしれない。オーバークロック対応CPUにオーバークロック非対応のマザーボードを合わせるのも賛否ありそうだ。
今は電力制限の解除が一般的でオーバークロックをしなくても十分な性能を引き出せる。今の主流に乗る形でのコストカットだ。オーバークロックよりも気軽にできるが、実施すると保証対象外となる点は同じだ。この点は注意しよう。
CPUをCore i7-14700KからCore i7-14700KFへ変更している。GPU機能をカットして価格を下げるのでダウングレードと言えるだろうか。これで浮いた予算でCPUクーラーを水冷式の「サイコムオリジナルAsetek 670LS + Noctua NF-F12 PWM x2」に変更した。
ストレージについては標準で1TBになったのでそのままでよいだろう。GPUはGeForce RTX 4060からGeForce RTX 4060 Ti「Manli製M-NRTX4060TI/6RGHPPP-M254」へアップグレードした。Core i7-14700KFの性能を活かすには少しでもGPU性能は高い方がいい。メモリを倍増とする一方で、電源をダウングレードして価格の調整を行っている。この構成なら650W GOLDでも問題ないので削った。
使用頻度の低い光学ドライブも外して少しでも価格を抑えた結果が徹底解剖推奨カスマイズモデルだ。ベースモデルよりも価格を60円ほど下げて圧倒的な性能と構成を手に入れた。こんなカスタマイズができるのはサイコム製品を除いてほとんどないはずだ。性能と構成と価格のすべてでバランスを取ったつもりだ。もっと性能特化にすることも、価格特化にすることもできる。カスタマイズの自由度とはこうあるべきだ。
G-Master Spear Z790/D5のカスタマイズ詳細解説
- CPU
- メモリ
- SSD
- ビデオカード
- 電源
CPUをカスタマイズできるショップはあっても、サイコムほどの選択肢のあるショップはフルカスタマイズショップだけだ。Core i7-14700KよりもCore i7-14700KFの方がゲーミングPCにはメリットがある。CPUの内蔵GPUをカットしても、グラフィックボードを搭載するので問題ない。同じ性能で価格が安くなるのだから最低でもCore i7-14700KFへの変更を推奨したい。
GPU的にはCore i7-14700Fにまで落としてもいい。コストパフォーマンスに特化した構成を作ったり、価格を抑えたりするならCore i7-14700Fへの変更が理想だ。どこを削るかとなればCPUを削る方がいい。Core i7-14700Fの性能があればゲームプレイに大きな影響はでないからだ。妥協できるならCPUをダウングレードするのもおもしろい。
サイコムのカスタマイズは非常に安価だ。DDR5-4800 16GBをDDR5-4800 32GBへアップグレードするのにかかる費用はわずか7,040円である。これならメモリのカスタマイズは優先的に行いたい。他のショップだと10,000円を超えることも珍しくない。GPUの性能的に不要であっても、メモリはゲーム以外の用途でも求められる部分だ。容量が小さくて困ることはあっても、大きくて困ることはほとんどないはずだ。
SSDは標準で1TBだ。元々は500GBがデフォルトだったが1TBへ増量されている。サイコムのストレージはキャンペーンで頻繁に値下げされている。カスタマイズするタイミングで値引きが適用されていれば優先度は非常に高くなる。2TBも安くなることはあるので検討しておきたい。
サイコムのカスタマイズの目玉はCPUとGPUだ。ビデオカードの項目ではGPUを選択できる。標準のRGeForce TX 4060からダウングレードもアップグレードもできる。性能を抑えて価格を下げたり、性能を重視したGPUを選択したりと自由度は高い。ゲームをプレイする上で、最も重要な部分なのでここは性能をある程度重視したい。GPUをダウングレードするのも一つではあるが、GeForce RTX 4060よりも低い性能なら別のモデルを選ぶ方がよくなる。GeForce RTX 4060 Tiは選択しておきたい。
グラフィックボードに必要な電源容量に合わせた設定をおすすめしている。GeForce RTX 4070 Ti以上は750W以上推奨だ。言い換えれば、それよりも低い性能のGPUなら選択できる最低容量でも問題はないということになる。電源にお金をかけるか、コストを優先して削るかの選択だ。
注意したいのは、電源容量が低くても安くなるとは限らないことだ。標準の750W 80PLUS GOLDから650W 80PLUS GOLDへ下げても、メーカーやモデルによっては価格が高くなるものもある。価格を下げる目的なら値引き額はしっかり見ておこう。
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
・4K ・WQHD | ・240fps ・144fps | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
G-Master Spear Z790/D5はCore i7-14700KとGeForce RTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。次世代の標準的な性能で、対応力や汎用性に優れている。多くのゲームをさまざまな環境で快適にプレイできる。高リフレッシュレートも高解像度もそれなりに得意だ。解像度はフルHDとWQHDが主となり、4K解像度は得意とは言えない部分はある。それでも、ミドルクラスの中心となるモデルと考えれば前世代からの進化を感じさせるものだ。
G-Master Spear Z790/D5の性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。
PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
Intel Core i7-14700K(CPU)
初期構成ではこのCore i7-13700Kが選択されている。Intel第13世代の高パフォーマンスモデルでオーバークロックにも対応している。16コア24スレッドとスペックが高く、従来モデルのフラグシップモデルであるCore i9-12900Kと比べて11%も処理性能が向上している。Core i7-12700Kと比べると27%もパフォーマンスが高い。ゲーム実況動画作成から3D CADまで幅広い用途に通用するCPUだ。ゲーム用途でもトップクラスのモデルとなる。RTX 4070 Tiなどのハイエンドクラスのグラフィックボードともある程度バランスを取れる。
GeForce RTX 4060(GPU)
当該モデルでは初期構成でミドルクラスのGeForce RTX 4060が選択されている。RTX 4060以下のモデルを選択するなら他のベースモデルを探す方がよいだろう。RTX 4060は、Ada Lovelace世代でも人気のあるグラフィックボードとなっている。従来モデルのRTX 3060と比べて20%以上も処理性能が向上している。フルHD環境でのゲームプレイを考えている方向けだ。Core i7-13700Kとのバランスはそれほどよくない。Core i7-13700Kの性能を考えるともう少し高みを目指したいところだ。
ベンチマーク検証機器
OS | Windows 11 Home 64bit*カスタマイズ |
---|---|
PCケース | 【黒】CoolerMaster CM694 TG [強化ガラスサイドパネル] *カスタマイズ |
ケースオプション | ARGB発光システム(LEDストリップ2本) *カスタマイズ |
CPU | Core i7-13700KF *カスタマイズ |
GPU | GeForce RTX3060Ti 8GB ASUS製 DUAL-RTX3060TI-O8GD6X-WHITE *カスタマイズ |
メモリ | DDR5-4800 32GB *カスタマイズ |
ストレージ | Crucial P5 Plus CT1000P5PSSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 1TB]*カスタマイズ |
マザーボード | ASUS PRIME Z790-A WIFI-CSM [Intel Z790chipset]*カスタマイズ |
電源ユニット | SilverStone SST-ST85F-PT [850W/80PLUS Platinum]*カスタマイズ |
CPUファン | ASUS TUF GAMING LC 240 ARGB [240mm水冷ユニット] *カスタマイズ |
G-Master Spear Z790/D5のベンチマーク測定
ベンチマークは旧世代のCore i7-13700K×GeForce RTX 3060搭載モデルとなる。現行のCore i7-14700K×GeForce RTX 4060搭載モデルではない点は注意して欲しい。
Cinebench R23
Core i9-13900K | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900 | |
G-Master Spear Z790/D5 | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 7700X |
Cinebench 23では期待通り高いスコアを出している。Core i7-13700KF搭載のG-Master Spear Z790/D5はマルチコアスコアが30,289pt、シングルコアスコアが2.117ptだ。16コア24スレッドと従来モデルのCore i9-12900Kと同等だ。Raptor Cove採用の恩恵でCore i9-12900Kと比べてマルチコア性能が9%高く、シングルコア性能も3%高い。競合モデルのRyzen 9 7900Xと比べてもパフォーマンスは上だ。Core i7シリーズの倍率ロックフリーモデルはかなり高い水準に到達している。
CrystalDiskMark
Gen4 NVMe接続のおかげで読み込み・書き込み速度共にスピーディーだ。Gen3 NVMe接続と比べるとワンランク上となる。今後の定番となるだろう。
FINAL FANTASY XIV 暁月のフィナーレ(FF14)
FINAL FANTASY XIV 暁月のフィナーレでのベンチマーク結果はフルHDで27,337、WQHDで21,114、4Kで16,716だ。
FINAL FANTASY XV(FF15)
FINAL FANTASY XVでのベンチマーク結果はフルHDで12,457、WQHDで9,534、4Kで5,74だ。FF 14よりも負荷が高いタイトルとなる。
G-Master Spear Z790/D5の消費電力
アイドル時 | 高負荷時 |
---|---|
アイドル時で65.8W、高負荷時(FF15ベンチマーク)で394Wだ。高負荷時は350W-400Wの間に推移している。
G-Master Spear Z790/D5の特徴
サイコムの売れ筋ランキングNo.2のモデル
G-Master Spear Z790/D5は、サイコムのBTOパソコン売れ筋ランキング第2位のモデルだ。通常のBTOパソコンでは満足できなくなった中上級者の方は必見だ。この価格帯のモデルが売れ筋モデルに入るのはサイコムならではだろう。初期構成でも273,320円と高価だ。一般的なBTOメーカーの売れ筋は15万円~25万円だが、G-Master Spear Z790/D5はカスタマイズで30万円を超えることも珍しくない。
1位の「G-Master Velox II Intel Edition」でも194,610円と20万円近い。こちらはBTO初心者をターゲットとしたモデルとなる。ドスパラなどのBTOメーカーなどとターゲットが被る。G-Master Spear Z790/D5はサイコムらしさのある一台でおすすめしやすい。Core i7-14700K×GeForce RTX 4060をベースにカスタマイズを楽しめるはずだ。売れ筋モデルであることからも購入しやすいだろう。
標準構成は割高なので非推奨
G-Master Spear Z790/D5はサイコムの人気ゲーミングPCだ。価格だけを見るとCore i7-14700KとGeForce RTX 4060で25万円台なので決して安くない。むしろかなり割高と言わざるを得ない。構成も価格を考えればそれほど優れているわけでもない。なぜこのモデルが受け入れられているのか。それは充実したカスタマイズシステムによるものだ。
G-Master Spear Z790/D5をはじめとするサイコム製品は、ほぼすべてのパーツをカスタマイズできる。CPUやGPUはもちろんのこと、他ショップでは不可能ともいえるマザーボードもカスタマイズ可能だ。このカスタマイズの自由度こそがG-Master Spear Z790/D5の魅力であり持ち味だ。カスタマイズをすれば多少コストパフォーマンスは改善される。当サイト推奨のカスタマイズを見れば分かる通り同等の価格でグラフィックボードをワンランク上げることができた。
標準構成のままでは少し品質のよいパーツを採用したモデルでしかない。価格に見合った価値があるかと言われると肯定はできない。また、カスタマイズすると価格が高くなるので、安価なモデルを探している方にもおすすめはしにくい。他ショップでは再現できないこだわりがあったり、理想とする構成があったりする方に適している。
ダウングレードも行えるので、妥協するところはダウングレードで価格を下げる。そして、こだわりのある箇所にコストをかけて理想のモデルを作り上げる。それをできるのがG-Master Spear Z790/D5だ。コストパフォーマンス以外の箇所を重視して初めて価値を得るモデルだ。その自由度を評価してのおすすめ度である。万人に受け入れられるモデルではない。初心者の方にとっては難しいモデルtなる。理想とする構成よりも価格を重視するなら別のショップで選ぶ方がいいだろう。
ダウングレードこそカスタマイズの華
すでに述べたとおり、サイコムではカスタマイズでパーツのダウングレードが行える。カスタマイズの自由度を語る上で、ダウングレードは本来欠かせないものだ。多くのBTOショップでダウングレードができず、ほとんどの方がカスタマイズを構成のアップグレードと考えている。大手のBTOショップが軒並みダウングレードできないのだから仕方がない。
極端に言えば、CPUの性能を下げてGPUの性能を上げる。ストレージと電源をダウングレードしてメモリ容量をアップする。こういったカスタマイズができてこそ選択の幅が広がる。ベースモデルに沿って強化しかできないのは、カスタマイズ性が高いとは言えない。カスタマイズの自由度が上がるとパーツに詳しくなければ何を選べばいいか分からなくなるというのがネックとなる。
大手ショップがアップグレードのみに絞っているのは、製品を選びやすくするためなのかもしれない。サイコムが初心者におすすめしにくいのは、選択の幅が広すぎるからだ。選択の幅が広いことは必ずしもよいこととは限らない。ほとんどのショップがダウングレードを採用しておらず、中級者以上の受け皿が少ないのも事実だ。
フルカスタマイズできるショップは少なく、規模も大きいとは言えない。量産体制を作りやすい主流のBTOと比べて、フルカスタマイズは同じ製品を量産してストックしておくことが難しい。価格が少し高くなるのも納得できる。自分にとって不要な箇所は削り、必要なところは伸ばす。
完璧な理想に近づけるにはダウングレードが必須だ。構成・品質・メーカーにこだわるのであればフルカスタマイズできるのは大きい。何よりダウングレードで価格や構成を調整できるのは最大の強みと言える。カスタマイズはダウングレードできてこそだ。
競合モデルとの比較
ブランド | G-Master | LEVEL∞ |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | G-Master Spear Z790/D5 | LEVEL-R779-LC147KF-TL1X |
ケース | ミドル | ミドル |
価格 | 273,320円 | 289,800円 |
送料 | 2,920円 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Core i7-14700K | Core i7-14700KF(水冷) |
GPU | RTX 4060 | RTX 4070 |
メモリ | DDR5-4800 16GB | DDR5-4800 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 750W GOLD | 800W GOLD |
マザボ | Z790 | Z790 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | 非搭載 |
納期 | 7日以内 | 2-7営業日 |
保証 (延長) | 1年間 (最長3年間) | 1年間 (最長4年間) |
電話サポート | 平日10:00-17:00 (12:00-13:00除く) | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
比較対象としてパソコン工房のゲーミングブランドLEVEL∞の「LEVEL-R779-LC147KF-TL1X」をピックアップした。価格差は16,480円だ。パソコン工房の場合会員登録を行えば送料が無料になるので実質の価格差は13,560円となる。LEVEL-R779-LC147KF-TL1XではCPUクーラーが240mmラジエーター搭載の水冷式だ。グラフィックスもツーランク上のGeForce RTX 4070にアップグレードされる。電源ユニットも容量が少しだけ多い。
参考までにG-Master Spear Z790/D5のグラフィックスをGeForce RTX 4070にアップグレードするのにかかる費用は29,080円~だ。水冷クーラーへのアップグレードには7,980円のコストが掛かる。つまり、価格差は逆転してLEVEL-R779-LC147KF-TL1Xの方が20,580円安く購入できる。納期や保証期間はそれほど変わらない。パソコン工房では24時間365日の電話サポートが提供されている。サポートを重視するならパソコン工房は魅力的だろう。
パソコンケースレビュー
正面
PCケースは「CoolerMaster CM694 TG」だ。サイコムなど玄人向けメーカーでは定番のケースだと言える。ケースオプションとしてARGB発行システム(LEDストリップ×2本を追加している。光学ドライブ搭載で実用性が高い。最近はドライバーのインストールなどオンラインで完結することが多く必要性は薄れているが、あって困るものでもない。
左側面
強化ガラスサイドパネル仕様だ。中が見えるというだけで一気にゲーミングPCらしさが出てくるのがなんとも面白い。ホワイトのマザーボードとグラフィックボードがアクセントになっている。
左側面内部
グラフィックボード
グラフィックボードはGeForce RTX3060Ti 8GB ASUS製 DUAL-RTX3060TI-O8GD6X-WHITEを選択した。2基のファンを搭載している。ホワイトカラーがおしゃれだ。GPUメモリ規格が通常のGDDR6ではなくGDDR6Xでパフォーマンス面で有利なモデルとなっている。
電源
電源ユニットはSilverStone SST-ST85F-PT [850W/80PLUS Platinum]を選択している。PLATINUM規格でより安定した電源供給が可能だ。Core i7-13700KFとRTX 3060 Tiの組み合わせだとややオーバースペックだが、オーバークロックを考えるならこれぐらいあってもよいだろう。
右側面
Windows OSのライセンスキーが右側面に記載されている。その他は至ってシンプルなデザインだ。
I/Oパネル
本体上部
本体上部にはCPUファンが搭載されている。240mm水冷式のASUS TUF GAMING LC 240 ARGBだ。RGBポンプ&ファンが標準搭載となる。
本体内部後方
マザーボードはASUS PRIME Z790-A WIFI-CSMに変更している。機能面に優れていて評価が高い。ホワイトのデザインもかっこいい。白で揃えたい方には魅力的なモデルだと言える。
背面
背面にもファンが取り付けられている。ポート装備が充実しているのもポイントだ。
- DisplayPort端子
- HDMI端子
- 1 x USB 3.2 Gen 2×2 Type-C
- 4 x USB 3.2 Gen 1ポート (4 X Type-A)
- 3 x USB 3.2 Gen 2ポート(2 x Type-A, 1 x Type-C)
- 有線LAN(2.5GBASE-T)端子×1
- Wi-Fi 6E
- マイク入力端子
- 音声出力端子
- 音声入力端子
底面
管理人による総評(G-Master Spear Z790/D5)
G-Master Spear Z790/D5は、Z790チップセット・DDR5メモリを搭載したハイエンドモデルだ。PCケースにはCoolerMaster MasterBoxCM694を採用している。CPUにはCore i7-14700Kを、グラフィックスにはGeForce RTX 4060を搭載している。これをベースに自由にカスタマイズしよう。基本的にカスタマイズをせずに初期構成のままで購入することは推奨しない。かなり割高になってしまうからだ。カスタマイズをすることである程度中和できる。通常のBTOパソコンには満足できない方はサイコムのこのG-Master Spear Z790/D5をチェックしよう。売れ筋モデルだけあって完成度が高い。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
273,320円(税込) | i7-14700K | RTX4060/td> |
メモリ | SSD | HDD |
DDR5 16GB | 1TB | 非搭載 |
*記載内容は更新時点のものです。内容について万全を期するようにしておりますが、ご購入前に必ず公式サイトのスペックをご確認くださいませ。