当記事では、パソコン工房が販売する「LEVEL-M7P5-R57X-SLX」のレビューを行っている。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。CPUに旧世代のRyzen 7 5700Xを搭載しているということもあって価格が抑えられている。カスタマイズなしでも通用するので初心者の方にもおすすめしやすい。予算15万円前後で考えている方は要チェックだ。
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当ページの目次
LEVEL-M7P5-R57X-SLXのスペック解説
ブランド名 | LEVEL∞ |
---|---|
製品名 | LEVEL-M7P5-R57X-SLX |
価格 | 154,800円(税込) |
CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー) |
グラボ | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 700W BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 8.6 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 10.0 ・構成 7.0 ・品質/サポート 8.7 |
各タイトルの対応表
Apex Legends | FORTNITE | パルワールド |
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・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
LEVEL-M7P5-R57X-SLXはRyzen 7 5700XとRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 4060 Tiは人気が高く性能的にも満足できるはずだ。Apex Legendsもフォートナイトも240Hz環境を実現できる。ただし、Apex Legendsは240fpsの張り付きは難しいので注意してほしい。パルワールドは負荷は高いが、60fpsなら十分安定する。ゲームに関しては安心できる性能だ。
LEVEL-M7P5-R57X-SLXの性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。
Ryzen 7 5700X(CPU)
LEVEL-M7P5-R57X-SLXはCPUにRyzen 7 5700Xを搭載している。一世代前のモデルでゲーム性能的にはCore i5-13400やCore i5-12400が近い。ミドルクラス相当の性能を持っていると考えてよいだろう。GeForce RTX 4060 TiやGeForce RTX 4060との組み合わせで低価格を実現するのが理想だ。現行のRyzen 7 7700Xと比べると17%程度低くなっている。8コア16スレッドとスペックはまずまずだが、アーキテクチャの古さもあってマルチコア性能は控えめだ。ゲーム実況や動画編集などのクリエイター作業については競合のCore i7シリーズと比べると大きく劣る。あくまでも価格を抑えたい方向けのCPUだと認識しておくべきだ。
GeForce RTX 4060 Ti(GPU)
当該モデルではグラフィックスにGeForce RTX 40シリーズ(Ada Lovelace世代)のGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。旧世代のGeForce RTX 3060 Tiと比べて15%以上処理性能が向上している。ミドルハイクラスに属するグラフィックボードでフルHDを中心とするゲームプレイはもちろん、タイトルによってはWQHD環境にも対応可能だ。フルHDで144Hzや165Hzが最も得意なリフレッシュレートで幅広い層のユーザーにおすすめできる。従来製品最高峰のGeForce RTX 2080 Tiを上回る性能を持っていることから、ポテンシャルの高さがわかるだろう。競合モデルはRadeon RX 6750 XTだが、すでに搭載モデルはなく性能帯ではトップモデルと言える。
LEVEL-M7P5-R57X-SLXの特徴&強み
コストパフォーマンス抜群のRTX 4060 Ti搭載モデル
LEVEL-M7P5-R57X-SLXは、コストパフォーマンスの高さが魅力のゲーミングPCだ。15万円台で選択できるGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルは少ない。それもRyzen 7 5700Xで実現しているのだから素晴らしい。廉価モデルであるRyzen 5 4500との組み合わせなら実現可能というくらいだ。優秀な性能と抑えられた価格により、圧倒的なコストパフォーマンスを実現している。
15万円前後はゲーミングPCで最も選ばれている価格帯だ。多くがGeForce RTX 4060搭載モデルで、ミドルクラスが中心である。その人気の価格帯にGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルが割って入れば注目度は高くなる。それなりのCPUとの組み合わせならなおのことだ。コストパフォーマンスを重視するなら、LEVEL-M7P5-R57X-SLXは他とは一味違う。
似たコンセプトを持つモデルは多くあり、各メーカーから類似したモデルが登場している。しかし、LEVEL-M7P5-R57X-SLXに匹敵する評価を持つモデルはない。それほど目立つようなモデルではないが、地味に高い評価を持つモデルだ。もっと広く認知されてもおかしくはない。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの中でもトップクラスのモデルだと見ている。
ミドルクラスの価格帯でミドルハイクラスが選択できる。これだけで選択する理由になる。予算が近いなら、選んで後悔することはない。注意すべきなのはCPUの性能がそれほど高くないことだ。ゲーム以外の用途では思っているよりもパフォーマンスを発揮できない可能性がある。
ゲーム以外の用途も想定している場合は、CPUの性能が十分か確認してほしい。いかにコストパフォーマンスが優れていても、使用に適していなければ意味がない。何にでも使用できる汎用性は持ち合わせていない。高望みしなければある程度対応はできるが、過度な期待はしないほうがいいだろう。
ストレージ1TBの利便性が光る
LEVEL-M7P5-R57X-SLXは、価格が抑えられたモデルにも関わらず構成がそこまで削られていない。特にストレージ容量は標準で1TBと必要十分だ。価格を抑えたモデルは総じて構成が削られる傾向にある。第一に削られるのはストレージだ。低価格が魅力のモデルはストレージ容量が500GBになりやすい。その点でLEVEL-M7P5-R57X-SLXは優れたモデルと言える。
ストレージは何をするにも容量が必要になる。ゲームをプレイするにも、アプリの使用にもダウンロードで空き容量が必要だ。容量が大きいことで、複数のゲームをダウンロードしやすい環境になる。ゲームによっては1つで300GB以上求められることもあり、500GBでは心もとないのが実情だ。ゲームの動画を撮影も保存するときに容量が必要で、編集をするなら編集ソフトの保存、一時ファイルの保存と何をするにもストレージ容量が求められる。
ストレージ容量の空きがなくなると、新しくソフトやゲームをダウンロードできなくなり、都度削除を行わなければならない。動画ファイルがどこかにアップロードして隔離することはできても、ゲームはダウンロードされていなければプレイできない。ゲーミングPCの推奨ストレージ容量は1TB以上だ。500GBで事足りる方もいるかもしれないが、容量が大きくて困ることはないはずだ。
また、500GB・1TB搭載でも、まるまるその容量を保存領域として使用することはできない。OSなどのシステムファイルや削除すると不都合なファイルの存在で、100GB近くは使用することになる。そうなると実際に使用できる容量は500GBなら400GBほど、1TBなら900GBほどだ。この数字を見てわかるように、500GBと1TBは単純に2倍の差ではない。
必須の容量が100GBと想定すれば、2.25倍ほどの差として現れる。大容量のゲームをプレイするなら、500GBでは1つしかダウンロードできない。1TBあることで、ゲームはもちろん、動画や写真を保存する余裕もできる。性能に関わる部分ではないものの、ストレージは利便性に直結するので軽視はできない。そのストレージが充実しているLEVEL-M7P5-R57X-SLXはおすすめだ。
競合モデルとの比較
ブランド | LEVEL∞ | GALLERIA |
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イメージ | ||
製品名 | LEVEL-M7P5-R57X-SLX | GALLERIA XA7R-R46T |
ケース | ミニ | ミドル |
価格 | 154,800円 | 169,980円 |
送料 | 2,200円 | 3,300円 |
CPU | Ryzen 7 5700X | Ryzen 7 5700X |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 700W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B550 | B550 |
納期 | 2-7日 | 最短翌営業日 |
保証 (延長保証) | 1年間 (最長4年間) | 1年間 (最長5年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
すぐに必要なら選択肢に入るだろうか。1週間程度と2~3日の差で18,480円の差なら、少し待った方がよくも思える。GALLERIA XA7R-R46T 5700X搭載の延長保証は5年でLEVEL-M7P5-R57X-SLXは4年で差が生じている。保証を少しでも長く受けるならGALLERIA XA7R-R46T 5700X搭載が少しリードしている。価格は当然高くなるので、5年受けることにメリットがあるかは微妙なところだ。
パソコンケースレビュー
LEVEL∞ M-Classでは2023年3月15日に登場した新しいミニタワーケースを採用している。最新モデルらしく大型水冷クーラーに対応しているなど拡張性が向上している。画像はCore i5-13400×RTX 3050搭載モデルのもので一部内部・背面のI/Oパネルが異なる点は注意して欲しい。
正面
ミドルタワーケースをそのまま小さくしたデザインとなる。正面の真ん中にLEVEL∞のロゴが刻印されている。シンプルなデザインながら高級感もある。マットブラックがかっこいい。
左側面
左側面には何もない。本体上部ケース取り外し用のネジがある。
左側面内部
内部にもかなり余裕があることがわかる。RTX 40シリーズの大型グラフィックボードも搭載可能だ。電源部分としっかりと区分されていて熱対策も問題ない。
右側面
右側面も左側面と同様だ。意外とここまで落ち着いたデザインを採用したケースは希少だ。
右側面内部
右側面の内部はシンプルだ。配線の取り回しがかなりキレイで素晴らしい。
I/Oパネル
前面には電源ボタン、USB 3.0×2、ヘッドセット端子×1が配置されている。USB Type-Cがあればよかったのだが、コストが重要となるBTOパソコンなら仕方がないのかもしれない。
背面
背面には12cmのケースファンが見える。拡張スロットは4つだ。RTX 3060 Ti搭載時はその内3つがグラフィックボード専有(画像は2つ)となる。PCI Express 4.0[x16] ※x4動作が余っている。
本体上部
本体上部には2基のファン(12cm)が搭載(画像は1基)されている。初期構成のままなら十分なエアフローを確保できる。
本体下部
本体下部にはメッシュ加工が施されたカバーが取り付けられている。メンテナンス性が高いのは魅力だ。
管理人による総評(LEVEL-M7P5-R57X-SLX)
LEVEL-M7P5-R57X-SLXは、Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCだ。対抗製品のCore i5-14400FとGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせに対して、性能ではなく価格で勝負するタイプのモデルである。コストパフォーマンスで上回ることができるので一歩リードした存在と言える。Ryzen 7 5700Xは旧世代となってしまったが、依然人気は高いままだ。旧世代らしく、メモリ周りなど旧世代のものを採用していることで価格を抑えられているのだろう。競合モデルと比べても優秀だ。予算が合う方は積極的に候補に入れてもよいと思う。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
154,800円 | Ryzen 7 5700X | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | 電源 |
DDR4 16GB | 1TB | 700W(B) |