【コスパ7.5】NEXTGEAR JG-A5G6Tのレビュー | 充実の構成と手厚いサポートが強み
マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A5G6T」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。ゲームに対する優れたパフォーマンスと選びやすい価格とバランスがよく当サイトでも注目している。価格的に初心者にもおすすめしやすく、性能的には中級者以上の方にもおすすめできる。
CPU性能は控えめで、クセのあるモデルと言える部分もある。価格・構成・性能のバランスは悪くなく、ゲームに関しては非常に優秀な性能を持つ。高リフレッシュレートにも対応できるので、FPSなどの対人要素の強いゲームにも適している。マウスコンピューターは送料無料、3年保証に加えて365日24時間電話に対応している。こういった部分でも総額費用を抑えやすく、パソコンに不慣れな方にもおすすめだ。
NEXTGEAR JG-A5G6Tのスペック解説
メーカー | マウスコンピューター |
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ブランド名 | NEXTGEAR |
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製品名 | NEXTGEAR JG-A5G6T |
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価格 | 154,800円(税込) |
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CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
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GPU | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
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メモリ | DDR4-3200 16GB |
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ストレージ | SSD 1TB NVMe |
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電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
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マザーボード | チップセットB550 |
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おすすめ度 | Aランク |
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評価 | ・コスパ 7.5
—–内訳—– ・ショップ評価 8.9 |
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2024/7/26追記
NEXTGEAR JG-A5G6Tは、5,000円の値引きが適用されている。値引きされても評価は変わっていない。厳密に言えば小数点第二位以下の数値に変化がある程度だ。ゲーミングPC全体で見れば値上げ傾向にあるがし、その中での値下げは評価を上げそうなものだ。Ryzen 5 4500搭載モデルは早々に価格が下がっていたこともあり、5,000円の値下げでは評価を上げるには至らなかったということだろう。
GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの値上げ額は大きく、コストパフォーマンスを武器にしていたモデルは軒並み厳しい状況だ。評価維持となっても、7.5と高い数値のNEXTGEAR JG-A5G6Tは十分評価されていると言える。同じ15万円台でも、159,800円と154,800円では受ける印象が違う。ゲーミングPCで最も人気の価格帯は15万円前後で、150,000円に近づく5,000円の値引きは、より選ばれやすくなる変化である。
現在Ryzen 5 4500搭載モデルは、CPU性能の低さからコアなゲーマーにはあまり歓迎されていない。年々進化するPCゲームは、グラフィックボードだけではなくCPUの性能も求められる。価格を抑えることを第一としたRyzen 5 4500は、メリットとデメリットがはっきりしている。幅広いジャンルのゲームをプレイする予定なら、Ryzen 5 4500搭載は大きなマイナスとなるだろう。
ミドルハイクラスのゲーミングPCは、性能と価格のバランスが重要だ。コストパフォーマンスに重きを置くNEXTGEAR JG-A5G6Tは、価格でゲーミングPCを選ぶ方の目に留まりやすい。ミドルハイクラスのゲーム性能はあっても、CPU性能が求められる場面には弱い。この特徴を理解した上で選択しなければ後悔する可能性もある。
それぞれのモデルにある強みと弱みを理解すれば、NEXTGEAR JG-A5G6Tは優秀なモデルだ。それだけに、価格の安いモデルは、性能などの特性を理解した中級者向けの側面がある。充実したサポートと合わせて、少しターゲットが絞りにくい印象だ。性能と価格はゲーミングPCにとって永遠のテーマだ。安い分のデメリットを理解して選んでもらいたい。
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カスタマイズについて(おすすめ度)
- CPU ×
- CPUグリス ×
- CPUファン –
- メモリ △
- SSD –
- 電源 △
カスタマイズの選択肢は広くない。以前は選択できたSSDが選択できなくなっている。標準の構成は優秀なので、カスタマイズの必要性は低い。好みに応じて選ぶべきというのが率直な意見だ。CPUの変更は費用が高いことと、性能がそれほど上がらないのでおすすめしにくい。それなら標準でRyzen 5 5500を搭載したモデルを探した方がいい。
Ryzen 5 4500の発熱量であれば、CPUグリスを選択するメリットもない。メモリと電源は一考の余地はある。GeForce RTX 4060 Tiの性能なら、ゲームでメモリ32GBを活かせる。CPU性能が低いので、活かすことのできるゲームは限られる。それほど重要性は高くないものの、ゲーム以外にも使用する部分だ。32GBへ変更しても困ることはないだろう。
電源は標準で750W 80PLUS BRONZEを搭載している。容量だけを見れば十分過ぎる電源だ。今後CPUやグラフィックボードの変更を検討するなら、750W 80PLUS GOLDへの変更くらいはありだ。ハイエンドクラスを目指す可能性があるなら850W 80PLUS GOLDも選択肢に入る。重要性は低く、好みでカスタマイズする箇所である。
各タイトルの対応表
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
NEXTGEAR JG-A5G6TRyzen 5 4500とRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。グラフィックボードの性能は優秀だが、CPU性能はあまり高くない。ゲームではCPU性能が足を引っ張る場面もありそうだ。CPU負荷の高いゲームや高いフレームレートを安定させるのは苦手だ。
人気のApex Legendsは、240fpsの安定はむずかしい。200fps以上の安定は目指せるため、240Hzに対応できる性能ではある。一部のステージでは200fpsを切ることもあるが、240Hz環境を活かせる性能だ。同ジャンルのフォートナイトは負荷が小さく、240fpsの張り付きが可能だ。アップデートで要求スペックが高くなりつつあり、今後については少し不安がある。設定を下げることで対応できる範囲なので、高設定のゲームプレイを想定するなら微妙なラインだ。
大きな話題を呼んだパルワールドは、要求スペックが高めだ。60fpsの安定はできるが、144fpsの安定は目指しにくい。144Hz環境には対応できるものの、マルチサーバーでは少し安定性を欠く。60fps以上で安定するくらいだと認識しておきたい。今も人気のMinecraftは、Modを導入しても快適にゲームプレイができる。影Modのように、グラフィックの品質を向上させるModは負荷が大きい。影Modでは少し設定を下げることをおすすめしたい。CPU性能の低さがあまり影響しないため、Ryzen 5 4500であっても満足できるはずだ。
NEXTGEAR JG-A5G6Tの性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなど様々なパーツの集合体だ。ゲーミングPCの性能を決める重要な部分はCPUとグラフィックボードの性能だ。この2つのスペックを詳しく見ていく。CPUとグラフィックボードの性能を数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方にとっても直感的にわかりやすいはずだ。
AMD Ryzen 5 4500(CPU)
NEXTGEAR JG-A5G6Tに搭載されているCPUはRyzen 5 4500だ。一世代前のRyzen 5 3500と同じZen 2アーキテクチャを採用している。6コア6スレッドから、6コア12スレッドにスペックアップしている。スレッド数は倍になっているが、L3キャッシュは半減している。これが原因で見た目ほどゲーム性能は伸びていない。
Ryzen 5 3500とは5%ほどの差しかなく、ほぼ同等と言える性能だ。Ryzen 5 3600には及ばない。対抗となるCore i5-13400に対しては40%近くの差をつけられている。Ryzen 5 4500は性能よりも価格に重きを置いたCPUである。価格を武器にできる性能帯のモデルには有用なCPUと言える。
GeForce RTX 4060 Ti(GPU)
当該モデルではグラフィックスにミドルハイクラスのGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。RTX 3070と同等の性能を持ち、従来モデルのRTX 3060 Tiよりも15%程度性能が高い。WQHD解像度への対応力が増しており、フルHDなら240Hz環境を目指すことができる。非常に幅広い環境に適応できるため、PCゲームをプレイする上で目指したいGPUと言える。
ただし、CPUの要求スペックがRyzen 5 4500で十分である場合に限る。Core i7-13400のような高性能なCPUが求められると、環境は制限される可能性がある点は理解しておくとよい。設定を下げれば対応できることもあるので、設定を下げることに抵抗がなければ問題はない。
CPUとGPUのバランス考察
Ryzen 5 4500とGeForce RTX 4060のバランスはあまりよくない。Ryzen 5 4500では、GeForce RTX 4060 Tiの性能を最大限引き出すことが難しい。この組み合わせは性能を第一にしておらず、コストパフォーマンスを重視するものだ。そのため、バランスの悪さというデメリットよりも、価格を抑えやすいメリットを選びたい。最近はCPU負荷がほどほどのゲームが多く、グラフィックボードの性能に依存するゲームが主流だ。Ryzen 5 4500の性能の低さは、GeForce RTX 4060 Tiの性能でカバーしやすい。性能を基準にするとバランスはよくないが、価格にまで言及すればバランスの取れた組み合わせと言えるかもしれない。
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NEXTGEAR JG-A5G6Tの特徴
15,000円の値上げも評価は維持
NEXTGEAR JG-A5G6Tも、円安や部材高騰の影響を受けて15,000円の値上げが適用された。GeForce RTX 4060やGeForce RTX 4060 Tiはとくに値上げ額が大きいように感じる。人気のグラフィックボードを搭載したモデルということもあって、ギリギリまで価格を下げて力を入れていた影響なのかもしれない。
価格の安さが魅力だったNEXTGEAR JG-A5G6Tは、その強みを失ったかに思えた。しかし、他のメーカー製品も大幅な値上げを適用したことで、相対的に立ち位置を維持することになった。GeForce RTX 4060 Ti搭載で15万円台なら、相場よりも安いと言っていい。
評価も変わらず、これまで通り選びやすいモデルだ。ゲーミングPCは15万円前後のモデルが最も選ばれている。その枠に収まるNEXTGEAR JG-A5G6Tは、最も人気のあるモデルになれるポテンシャルを秘めている。値上げの影響で再注目され、よりおすすめしやすいモデルとなった。
登場時は159,800円で販売されていたが、その後15,000円の値下げにより144,800円となった経緯がある。今回の15,000円の値上げは、元に戻っただけだと考えられる。価格を抑えやすいRyzen 5 4500を搭載していても、GeForce RTX 4060 Tiと組み合わせれば15万円台~16万円台になる。それを14万円台で展開し、高騰後は15万円台での販売だ。
価格を強みにしているモデルなだけあって、値上げ後もお得感は消えていない。予算を抑えつつ、扱いやすく性能が不足しにくいモデルを挙げるとすれば、NEXTGEAR JG-A5G6Tは入るだろう。単に価格が安いだけのモデルではない。それはコストパフォーマンスの高さが示している。予算が16万円以下なら、NEXTGEAR JG-A5G6Tは有力なモデルとなるはずだ。選択しても後悔しにくいモデルなので、価格が下がるのを待たずに選んでも問題ない。
充実した構成も持ち味のひとつ
NEXTGEAR JG-A5G6Tは価格だけのモデルではない。充実の構成も魅力となる。NEXTGEAR JG-A5G6TはSSD 1TB、チップセットはB550採用だ。ゲーミングPCを支える部分がしっかりしていることが、値上げ後も評価を維持できる要因である。NEXTGEARシリーズ同様に、価格を意識したモデルは多い。
その中で、NEXTGEAR JG-A5G6Tよりも優れた構成を持つ同じ性能帯のモデルはない。多くのメーカーで展開されるRyzen 5 4500とGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルは、価格を重視するあまり構成が蔑ろにされているように感じる。たとえば、Ryzen 5 4500搭載モデルは一律でSSD 500GBに固定されていたり、チップセットもA520という低グレードが採用されていたりする。
一方で、優れた構成はマイナス要素になりやすい。単純な価格勝負になると、構成を削ったモデルの方が安い。NEXTGEAR JG-A5G6Tは、購入後の利便性に焦点をあてたモデルだ。価格は購入時だけのもので、性能や構成は購入後に影響を与えるものだ。実際に使用すると、SSD 1TBの存在は大きい。チップセットB550は体感しにくいかもしれないが、パフォーマンスやUSBポート数などの利便性に影響している。
構成がしっかりしていると、購入後にかかる費用も抑えられる。たとえば、SSD 500GBでは容量が不足してくるだろう。その時には増設を検討するはずだ。1TBの容量があれば、多少乱暴な使い方をしても容量が足りなくなる場面は少ない。ストレージにかかる費用はわずかなものでも、後から追加する手間と費用が抑えられるのは大きい。
今やPCゲームは1つ100GB~300GBのものが増えている。アップデートが繰り返されると、必要な空き容量は増えてくる。ストレージだけがしっかりしていても、その恩恵はゲーマーにとっては素晴らしいものだ。様々なゲームをプレイするには、それだけ容量が必要になるからだ。この性能帯でSSD 1TBを採用しているNEXTGEAR JG-A5G6Tは、やはり頭一つ抜けた存在である。
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競合モデルとの比較
ブランド名 | NEXTGEAR | LEVEL∞ |
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イメージ | | |
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G6T | LEVEL-M7P5-R45-SLX |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 154,800円 | 144,800円 |
送料 | 無料 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 500GB |
電源 | 750W BRONZE | 700W BRONZE |
マザーボード | B550 | B550 |
納期 | 約6営業日 | 2-7日後 |
基本保証 (延長) | 3年間 (-) | 1年間 (最長4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEだ。NEXTGEAR JG-A5G6Tの強力なライバルで、どちらも特徴的なモデルだ。NEXTGEAR JG-A5G6Tは、2倍のSSD容量を持ち、基本保証が3年間と手厚いサポートが魅力だ。LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEは価格が10,000円安い。総合的に見ればNEXTGEAR JG-A5G6Tの方が優秀だが、同じ性能なら価格の安さでLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEを選んでもおかしくない。
SSDは後から増設できるため、構成のアドバンテージはそれほど大きくない。注目すべきは10,000円安いLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITE、3年間の保証が受けられるNEXTGEAR JG-A5G6Tだ。予算を少しでも抑えるならLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEがおすすめだ。パソコンにあまり慣れていないなら、不測の事態に対応できるサポートがあるNEXTGEAR JG-A5G6Tがいい。
LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEも延長保証で3年間の保証を選択できる。しかし、製品価格の10%が費用としてかかる。そうなると価格差は逆転し、価格が高く構成が乏しいモデルになってしまう。保証が必要だと感じるならNEXTGEAR JG-A5G6Tを選ぶ方が無難だ。
パソコンケースレビュー
「NEXTGEAR JG-A5G1D」のレビューで撮影したケース画像だ。基本的な中身は同じだ。カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評(NEXTGEAR JG-A5G6T)
NEXTGEAR JG-A5G6Tは、Ryzen 5 4500×RTX 4060搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCである。RTX 4060 Ti搭載モデルの中でも実質最安値クラスと言える価格が最大の武器だ。Ryzen 5 4500の処理性能の低さが弱点となる。ゲームプレイだけなら問題はないが、ゲーム実況や動画配信となると避けた方がよいかもしれない。こうした弱点を持ちつつも、おすすめできるのはゲーム性能の高さによるところが大きい。本格的なゲーム環境も整えられるので、純粋にPCゲームをプレイするなら扱いやすく頼もしい性能と言える。
実質最安値というのは、送料が無料であることや手厚い保証などを考慮すれば相対的に安いということだ。コストパフォーマンスには現れない部分まで評価を加えるなら、間違いなくトップクラスのモデルになる。少しクセのあるモデルなので、そのクセを扱いこなすことができれば満足できるはずだ。価格は購入時だけのもので、性能やサポートは購入後から続くものだ。その価格も、性能もサポートにも優れているのがNEXTGEAR JG-A5G6Tだ。初心者から中級者まで幅広いゲーマーにおすすめできるモデルである。
価格 | CPU | グラボ |
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154,800円(税込) | 5 4500 | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
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DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |