NEXTGEAR JG-A7A7Xtop


マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7A7X」のレビューを行った。Ryzen 7 5700X×Radeon rX 7700 XT搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。フルHD環境でのゲームプレイを考えているユーザー向けだ。昨今グラフィックボードの品薄が深刻で特にミドルハイクラス以上のモデルの入手が困難になっている。競合のGeForce RTX 4060 Tiの代替モデルとして考えるとしっくりくる。レイトレーシング性能はやや控えめだが、グラフィックス処理性能が高く候補に入れるのも悪くない。比較対象モデルもチェックしておくとよいだろう。

NEXTGEAR JG-A7A7Xのスペック解説

nextgear

メーカー マウスコンピューター
ブランド名 NEXTGEAR
製品名 NEXTGEAR JG-A7A7X
価格 189,800円(税込)
CPU Ryzen 7 5700X(レビュー)
GPU Radeon RX 7700 XT(レビュー)
メモリ DDR4-3200 16GB
ストレージ SSD 500GB Gen4 NVMe
電源 550W 80PLUS BRONZE
マザーボード チップセットB550
おすすめ度 Bランク
評価 ・コスパ
6.8

—–内訳—–
・ショップ評価
8.9

189,800円で販売されているゲーミングPCだ。送料がかからないのでこの価格で購入できる。CPUにはRyzen 7 5700Xを、GPUにはRadeon RX 7700 XTを搭載している。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと平均的だ。電源ユニットは550W BRONZEとなる。マザーボードのチップセットはB550だ。おすすめ度はBランクとなる。構成を抑えすぎなことがマイナスだ。コストパフォーマンスは7.0と標準より少し高い程度だ。価格を抑えるために大幅に構成を削っていることもあって評価的に伸び悩む印象を受ける。もう少し武器になる要素を伸ばしたい。物足りなさはあるが、ミドルハイクラスとしては無難な選択肢になりそうだ。

>>NEXTGEAR JG-A7A7Xを購入<<

カスタマイズについて(おすすめ度)

  • CPU -
  • CPUファン ×
  • CPUグリス ×
  • メモリ △
  • SSD △
  • 電源 〇

性能に対して価格が抑えられているモデルだ。そこだけを見ればコストパフォーマンスは優れている。一方で、構成の乏しさも否めない。カスタマイズを行うと構成はカバーできても、価格が高くなってしまいせっかくの強みを失う。標準ではできない構成なのでそこをどう評価するかがポイントとなる。強みと弱みのメリハリがはっきりしているだけに、そこまでカスタマイズをおすすめできるわけではない。

CPUファン・CPUグリスは変更の必要がない。Ryzen 7 5700Xの発熱量はそれほど大きくない。あえて変更するメリットは薄く、効果を体感するのもむずかしい。ここは標準構成のままが無難だ。メモリは一考の価値がある。Radeon RX 7700 XTの性能を活かすなら32GBも悪くない。悩ましいのはカスタマイズ費用の高さだ。価格という強みを失うのは痛い。必要になれば増設で対応するなどの方法をおすすめする。もう少し気軽にカスタマイズできるようになれば、BTOパソコンの特徴を活かしやすいように思う。

SSD容量のカスタマイズは多くのモデルで推奨している。ただし、NEXTGEAR JG-A7A7Xではあまりおすすめしていない。それは、メモリと同様にカスタマイズの費用が高いからだ。Gen4規格を採用したことで、1TBへのカスタマイズ費用は9,900円と高い。初期構成がGen3接続であれば、もう少し費用を抑えられたのではないか。Gen4接続にしたことでカスタマイズもあまりおすすめできなくなっている。容量が気になるなら、別途外付けのストレージやストレージの増設を推奨したい。

電源は標準で550W 80PLUS BRONZEが採用されている。この性能帯では抑えられた容量で、余裕のある容量とは言えない。通常モデルでは750W 80PLUS BRONZEが採用されているため、コストカットの意味合いが強い。弱点を補うカスタマイズなら、電源の変更をおすすめしたい。標準的な750W 80PLUS BRONZEにすれば、ハイクラスにも対応できる。電源容量は動作の安定にもつながるので、カスタマイズをおすすめしている。

各タイトルの対応表

Apex Legends フォートナイト マイクラ モンハンワイルズ
Apex-Legends
・240Hz

・144Hz
fortnite
・240Hz

・144Hz
palworld
・影Mod

・通常
monsterwilds
・144fps

・60fps

対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解であることをご了承いただきたい。

Ryzen 7 5700XとRadeon RX 7700 XTを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。CPU性能は少し心もとないが、ゲーム性能は優秀で扱いやすい。最新ゲームや負荷の高い環境にも対応できるので、本格的なプレイスタイルにも適している。

国内で高い人気を誇るApex Legendsでは、標準設定でも200fps程度が期待できる。240fpsの完璧な張り付きはむずかしく、最低設定でも場面によっては200fps程度に落ち込む。戦闘中は意外と安定するので、Apex Legendsに適した性能と言える。ただし、最高設定では144fpsになるので注意したい。

同ジャンルのフォートナイトは、最高設定での負荷がApex Legendsよりも大きい。設定変更による負荷の幅が大きく、納得できるラインまで調整できるので安心だ。おおむね240fpsで安定させられるが、最低設定に近い環境になる。ゲームモードによって負荷が変わってくるので、確実なことは言えない。フォートナイトをプレイするなら、NEXTGEAR JG-A7A7Xを基準に考えるのも悪くない。

今も高い人気があるMinecraftは、表示チャンクを広げすぎなければ、影Modのような負荷の高いModを導入しても余裕がある。作り込んだレッドストーン回路や経験値タワー周辺では負荷が大きくなるものの、妥協できる範囲のはずだ。カクつくこともないので、Minecraftに対してはややオーバースペックな印象を受ける。

話題を集めるモンハンワイルズでは、144fpsの環境を標準以上の設定で実現できる。負荷やフレームレートの安定で攻略難易度も快適性も変わってくるゲームだ。NEXTGEAR JG-A7A7Xくらいの性能は最低限みておく方が今後も安心だ。最高設定では60fps程度にまで落ち込む場面が目立つ。設定は少し下げて余裕を持たせる方がよい。

NEXTGEAR JG-A7A7Xの性能まとめ

ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。ゲーミングPCの性能は、主にCPUとグラフィックボードによって決定される。この2つのスペックを詳しく見ることで、そのモデルが持つ性能が理解できる。CPUとグラフィックボードの性能を数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方でも直感的にわかりやすいはずだ。

AMD Ryzen 7 5700X(CPU)

ryzen75700x-20250307

Ryzen 7 5700Xは2世代前のモデルということになる。現行のRyzen 7 9700Xと比べると25%近くもゲーム性能が低い。あくまでもミドルクラスのCPUとして考えるのが正解だ。競合のCore i5-14400に近いゲーム性能を持ちGeForce RTX 4060 TiやRadeon RX 7700 XTとの組み合わせなら悪くない。3D V-Cache搭載のRyzen 7 5700X3Dも登場したが性能差は大きい。

Radeon RX 7700 XT(GPU)

rx7700xt-gamescore

Radeon RX 7700 XTのゲーム性能スコアは29,998だ。競合のGeForce RTX 4060 Tiと比べて7%弱性能が高くなっている。前世代のRadeon RX 6800と同等の性能を持つ。フルHD環境+高リフレッシュレートでのゲームプレイに対応可能だ。上位モデルであるRaddeon RX 7800 XTとの性能差は10%程度とやや大きくなっている。これまで日の目を見ることはなかったが、GeForce RTX 4060 Tiの品薄状況が続き代替モデルとして登場している。

CPUとGPUのバランス考察

5700x-rx7700xtbalance

Ryzen 7 5700XとRadeon RX 7700 XTの組み合わせは標準的だ。ゲームによってはRyzen 7 5700Xがボトルネックとなるおそれがある。失敗する組み合わせとは言わないが、価格を意識した組み合わせなので性能面はやや不安がある。プレイするゲームや環境によっては、性能の下がるグラフィックボードを搭載したモデルよりも負荷を感じるかもしれない。それでも、体感するほどの差が生じるゲームは限られている。重大な問題を引き起こすほどではないので安心してほしい。

>>NEXTGEAR JG-A7A7Xを購入<<

NEXTGEAR JG-A7A7Xの特徴&注意点

一長一短のコラボレーションモデル

当サイト「ゲーミングPC徹底解剖」とNEXTGEARブランドのコラボレーションモデルだ。通常のNEXTGEAR JG-A7A7X(209,800円)よりも20,000円安い。ベースモデルに対して価格を強く意識したモデルといえる。当然価格を抑えるためにコストカットも行っている。

コラボレーションモデルは、ベースのNEXTGEAR JG-A7A7Xに比べて構成が大きく落ちる。CPUファンは水冷式から標準の空冷ファンになり、SSD容量は1TBから500GBへダウンしている。また、電源容量も750W 80PLUS BRONZEから550W 80PLUS BRONZEと大きく下がった。ここを受け入れられるかどうかがポイントだ。

コラボモデルを通常モデルと同じ構成にカスタマイズをすると217,300円で通常モデルよりも7,500円高くなる。カスタマイズが割高なのは一般的なこととはいってもこれは厳しい。特に水冷式のCPUファンへの変更が+12,100円と高めだ。一見するとコラボレーションモデルとして安価なモデルだが、実際には相応の構成を削ったことによるコストカットだ。

強力なモデルというわけではなく、NEXTGEAR JG-A7A7Xを候補に加えている方にとっての有力な選択肢というポジションだろうか。NEXTGEAR JG-A7A7Xの可能性を広げる立場にある構成が最低限に下がり、価格を抑えたダウングレードモデルだ。ベースモデルと同じ構成にせず、必要な部分だけカスタマイズすることを前提に考えたい。そうなれば、20,000円の価格差を活かしつつ無駄を省くことができる。

CPUファン・SSD・電源のうち1箇所か2箇所のカスタマイズなら、コラボレーションモデルがお得だ。ただし、2箇所をカスタマイズする場合、そのうちの1つは必ず電源でなければならない。CPUファンとSSDのカスタマイズを行うと20,000円を上回る。価格差が逆転した時点でコラボレーションモデルを選択するメリットがなくなる。そういった部分も考えて選択してほしい。

コレボレーションモデルだからと手放しでおすすめできない。人を選ぶモデルであり一長一短ある。上位互換に位置していないので、カスタマイズの有無も考慮したい。少しむずかしく感じる場合は通常のNEXTGEAR JG-A7A7Xを選んでおくといい。NEXTGEAR JG-A7A7Xはカスタマイズの知識などが求められるので初めてのゲーミングPCなど、パソコンに慣れていなければ選択しにくいはずだ。

NEXTGEAR JG-A5G60は、高騰が続く中でも価格を据え置きにして展開している。少し前に、5,000円の値上げが適用されたものの、すぐに5,000円引きとなり元に戻った。価格が大きく振れない安定感がNEXTGEAR JG-A5G60の魅力と言える。とくに、価格が高騰している時期に安定しているのは心強い。

RTX 4060 Tiの代替モデルとして存在感を増す

Radeon RX 7700 XT搭載のNEXTGEAR JG-A7A7Xは、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの代替と考えるとよいだろう。当然GeForce RTX 4060 Tiの在庫が安定すれば候補から外れてしまうだろう。現在人気のGeForce RTX 4060 Tiは在庫不足で取り扱いメーカーが激減している。取り扱いがあっても価格がやや不安定だ。その点、Radeon RX 7700 XTは価格も在庫も安定している。今の状況ならNEXTGEAR JG-A7A7Xを候補に加える方も多いように思う。

Radeon RX 7700 XT搭載モデルは、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの対抗というよりも代替の印象が強い。性能が近くても価格を抑えられていないこともあってか、そもそもRadeon RX 7700 XTを取り扱っているメーカーも少ない。Ryzen 7 5700XとRadeon RX 7700 XTは、Core i5-14400FとGeForce RTX 4060 Ti相当だ。総合性能で言えばCore i5-14400FとGeForce RTX 4060 Tiの方が優れている。

Ryzen 7 5700Xを採用したコラボレーションモデルでも、コストパフォーマンスの面から見ればいまひとつである。NEXTGEARシリーズはCPUがRyzenシリーズに固定されている。それにしては価格が抑えきれていない。これは、Ryzen 7 5700Xの価格が安くても、Radeon RX 7700 XTの価格が高いということなのだろう。やはり、ミドルハイクラスの対抗製品というよりも、代替製品でしかないのだろう。

本来Radeonシリーズは、GeForceシリーズよりも価格が安くなるはずだ。MSRPではRadeon RX 7700 XTが$449で、GeForce RTX 4060 Tiが$499であることからも意識しているのは間違いない。グラフィックボード単体での価格は安いはずが搭載モデルになると価格差が逆転することも珍しくない。入荷数の差が仕入れ値に影響しているのかはわからないが、もう少し安く展開できなければ魅力的とは言えない。

コラボレーションモデルは、構成こそ削っているが価格を重視している。この点はRadeon RX 7700 XT搭載モデルの強みを活かそうとしているので方向性は正しい。ただ、あと一歩足りない。代替製品から抜け出すには、真っ向から勝負できる要素が必要だ。取り扱いメーカーの少なさが知名度の差を物語っているように、その差を埋められる強力な一撃がほしい。グラフィックボードの供給が安定しない今は一定の評価を得られることは間違いない。

>>NEXTGEAR JG-A7A7Xを購入<<

競合モデルとの比較

ブランド名 NEXTGEAR LEVELθ
イメージ nextgear Magnate-G MTW12th
製品名 NEXTGEAR JG-A7A7X Magnate-G MV-TiW
ケース ミニ ミニ
価格 189,800円 174,980円
送料 無料 3,300円
CPU Ryzen 7 5700X Core i5-14400F
CPUクーラー 空冷 空冷
GPU RX 7700 XT RTX 4060 Ti
メモリ DDR4-3200 16GB DDR5-4800 16GB
SSD 500GB Gen4 NVMe 500GB Gen4 NVMe
電源 550W BRONZE 650W BRONZE
マザーボード B550 B760
納期 約25営業日 10日
基本保証
(延長保証)
3年間
(-)
1年間
(最長5年間)
電話サポート 24時間365日 24時間365日
公式 公式 公式
レビュー 当ページ レビュー
比較対象はドスパラのMagnate-G MV-TiWだ。価格差は14,820円でMagnate-G MV-TiWの方が安い。送料3,300円を考慮すると実質の価格差は11,520円だ。Magnate-G MV-TiWはCPUにCore i5-14400Fを搭載しNEXTGEAR JG-A7A7Xよりも優れている。構成も同等以上でNEXTGEAR JG-A7A7Xと違って目立った弱点がない。電源ユニットが650W BRONZEなのは素晴らしい。コストパフォーマンスの観点からもMagnate-G MV-TiWの方がおすすめしやすい。

ショップの特性を見ると標準で3年間の保証が付くマウスコンピューターが優勢だ。納期は約25営業日と受け取りまで1ヵ月程度かかるのはマイナスとなる。総合的に見てMagnate-G MV-TiWを選ぶのが無難だ。もう少しアピールできるポイントがあればNEXTGEAR JG-A7A7Xにもチャンスはあった。キャンペーンやセールに期待したいところだ。

パソコンケースレビュー

NEXTGEAR JG-A5G1D」のレビューで撮影したケース画像だ。基本的な中身は同じだ。カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。

梱包

NEXTGEAR-konpou
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。

NEXTGEAR-konpou2
かなりきれいに梱包されている。

正面

NEXTGEAR-syoumen
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

ライトアップ

NEXTGEAR-lightup
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。

I/Oパネル

NEXTGEAR-iopanel
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。

イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。

また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。

右側

NEXTGEAR-right
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。

右側内部

NEXTGEAR-rightinside
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。

搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。

左側内部

NEXTGEAR-leftinside
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。

ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。

背面

NEXTGEAR-haimen
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。

気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。

もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。

NEXTGEAR-soko
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。

電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。

そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。

管理人による総評

nextgear

少し前までは表に出ることのなかったRadeon RX 7700 XT搭載モデルだ。当サイトとのコラボレーションモデルとして登場した。GeForce RTX 40シリーズの供給が安定せず今回のチョイスとなった。CPUにRyzen 7 5700Xを搭載することで価格を抑えている。CPUとGPUのバランスはベストとは言えないものの及第点だ。構成も標準モデルから見ると見劣りしてしまう。189,800円を切る価格を実現するには不可欠だった。メモリやストレージはいいが、電源ユニットについてはカスタマイズを検討してもよいかもしれない。

価格 CPU グラボ
189,800円 7 5700X RX7700XT
メモリ SSD チップセット
DDR4 16GB 500GB B550