ドスパラが販売する「GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載」のレビューをまとめた。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCだ。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの中で、最も価格を抑えやすい組み合わせと言える。
性能にやや不安はあるものの、この価格帯では性能の高い部類に入る。あくまでも、価格ありきのモデルなので、予算が潤沢にあるなら候補から外してもよい。価格が安い理由は構成面に弱点があるからだ。今は比較対象モデルも同時にチェックしておこう。
当ページの目次
GALLERIA RM5R-R46のスペック
メーカー | ドスパラ |
---|---|
ブランド名 | GALLERIA |
製品名 | GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載 |
価格 | 152,980円 |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB NVMe |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットA520 |
おすすめ度 | Bランク |
評価 | ・コスパ 6.3 —–内訳—– ・ショップ評価 8.9 |
8,000円の値引きが適用された、少し前の2,000円引きと合わせて実質10,000円の値引きとなった。ただ、円安などによる値上げ自体はトータルで15,000円ほどだったため、元の価格に戻ったわけではない。これが評価をいまひとつ伸ばしきれない要因となっている。
Ryzen 5 4500を搭載したモデルは、何を置いても価格の安さが求められる。CPU性能が控えめな分、価格を抑えることでバランスを取っているからだ。144,980円は最安値ではないものの、十分選択肢に入る価格ではないだろうか。それだけに、もう少し印象のよい価格になっていればと思う。具体的には139,980円など、もう一段下の価格帯だ。
GALLERIA RM5R-R46Tには、価格以外に特徴がない。優れた性能や構成もなく、価格を抑えるためにすべてが最低限に留まっている。それでも価格で勝負できないのは苦しい。過去最安値は131,800円だ。ここまで価格が下がれば一気に評価は高まる。GALLERIA RM5R-R46Tが登場したときの価格は144,980円で、現在の価格と同じだ。これだけでもがんばっているのは伝わるが、やはりあと一歩届かないという評価だ。
価格が安ければコストパフォーマンスは重要ではない。選びやすさこそRyzen 5 4500搭載モデルの強みだ。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルは人気があるため、どこのメーカーも力を入れている。当然価格競争は熾烈なものとなる。その競争に入っていけないGALLERIA RM5R-R46Tは、それだけで選ばれにくくなる。
決して悪いモデルではないので、ケースのデザインが好みだったり、ドスパラのサービスやサポートを気に入っていたりすれば選んでも後悔はない。モデル以外の部分に注目することがなければ、比較の項目でピックアップしているモデルをチェックしてほしい。GALLERIA RM5R-R46Tを候補に入れているなら、魅力的に見えるはずだ。
GALLERIA RM5R-R46Tのカスタマイズ(おすすめ度)
- CPU -
- CPUファン ×
- CPUグリス ×
- メモリ △
- SSD △
- 電源 ×
GALLERIA RM5R-R46Tはカスタマイズをおすすめしにくいモデルだ。CPUファン・CPUグリスはRyzen 5 4500には標準のもので十分だ。性能が控えめなCPUは、発熱量も控えめだ。変更しても恩恵を受けることはできないだろう。見た目やこだわりがある場合に限りカスタマイズするくらいにしておこう。
メモリ容量は32GBへの変更自体は悪くない。ただ、コストに見合っていないこと、32GBを求められる用途に対応しにくい性能であることからおすすめしにくい。メモリ消費の激しい用途を想定している場合に限りカスタマイズしたいところだ。もう少しカスタマイズ費用が安ければおすすめしやすい。カスタマイズ費用も見直してもらいたいところだ。
SSDは1TBへの変更は検討してもよい。ストレージ容量が2倍になるというのは、単純に保存できる容量が2倍になるというわけではない。OSのインストール、必須のアプリやゲームで300GB必要だとすると、200GBと700GBの保存容量になる。実質3.5倍の保存容量を有することになる。SSDの容量アップは幅広くゲームをプレイするならおすすめだ。ただし、カスタマイズするならメモリかSSDのどちらかに留めておきたい。
電源は標準構成をおすすめしている。一番は価格を抑えるためだ。少し価格が高くなれば別の価格帯となる。価格帯が上がれば別の選択肢が出てくるはずだ。低価格であることが強みのモデルは、カスタマイズすると評価を著しく低下させるおそれがある。何も変化させないことがGALLERIA RM5R-R46Tのよさを引き出せる構成だ。変更するなら、別のモデルも検討した方がいい。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
---|---|---|---|
・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz | ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
GALLERIA RM5R-R46Tは、Ryzen 5 4500とRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。CPU性能は控えめであるため、ゲーム以外の用途は苦手だ。しかし、グラフィックボードの性能は優秀で、設定や環境を気にしなければプレイできないゲームは存在しない。
人気のApex Legendsは設定を下げれば240Hz環境に対応できるくらいの性能はある。240fpsの張り付きは難しいので、あくまでも240Hz環境だということを理解したい。フレームレートの安定にはCPUの性能も影響する。CPU性能が低いため、あまり高い数値の安定は得意ではない。200fps前後、場面によっては160fps前後での安定となる。
フォートナイトも設定次第で240Hz環境に対応可能だ。DirectX 12環境では不可能なので、DirectX 11環境が前提となる。年々負荷が高まっている印象があるので、少し余裕を見て144fps~165fpsの安定を目指す方が無難かもしれない。あまり高望みすると満足できないので、144Hz~165Hz環境への対応するくらいの認識がよさそうだ。
話題のパルワールドは性能的に少し苦手だ。推奨環境にメモリ32GBが要求されるようなゲームだ。グラフィックボードの性能に特化したGALLERIA RM5R-R46Tは万能ではない。総合的な性能が求められるゲームは対応しにくい。60fpsでのゲームプレイを目指すくらいがよさそうだ。Minecraftは安心してプレイできる。影Modを導入してもそれなりの快適性を維持できる。多少表示チャンクを広げても負荷は許容範囲内だ。影Mod導入時は設定に注意したいが、グラフィックボードの性能が求められるゲームは得意だ。Minecraftを快適に遊び尽くすなら、GALLERIA RM5R-R46Tは悪くない選択肢である。
GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載のゲーミング性能
AMD Ryzen 5 4500(CPU)
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 5 7600 | |
Core i5-14400 | |
Ryzen 5 7500F | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 5600 | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 | |
Core i3-12100 | |
Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5500 | |
Ryzen 5 3600 | |
Ryzen 5 4500 | |
Ryzen 5 3500 | |
Ryzen 3 4100 |
Ryzen 5 4500は、一世代前のRyzen 5 3500と同じZen 2アーキテクチャを採用している。6コア6スレッドから、6コア12スレッドにスペックアップしている。スレッド数が倍になったものの、L3キャッシュは半減しており、思ったよりも性能が伸びていない。Ryzen 5 3500とは7%ほどの性能差と同等に近い性能だ。
一方で、対抗CPUとなるCore i5-13400とは30%以上の性能差となっている。CPUの性能は大きく差をつけられているが、価格は非常に安いのが特徴だ。性能を求めないミドルクラス前後のモデルには、価格という強みを活かしやすく適正が高い。RTX 4060 Tiにはこの点であまり合わないのではないかと感じている。
GeForce RTX 4060 Ti(GPU)
RTX 4070 | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti 16GB | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 SUPER |
GPUにはミドルハイクラスのGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。RTX 3070と同等の性能を持ち、従来のRTX 3060 Tiよりも15%ほど性能が高い。フルHDなら240Hz環境を目指すことができ、最新のゲームでも144Hz環境に対応できそうだ。もっとも、CPUの要求スペックがRyzen 5 4500に収まればの話なので、必ずしも高リフレッシュレート環境を構築できるわけではない。WQHD解像度への対応力も増し、様々な環境に対応できるのが強みのGPUだ。
CPUとGPUのバランス考察
Ryzen 5 4500とGeForce RTX 4060 Tiのバランスはよいとは言えない。Ryzen 5 4500はGeForce RTX 4060 Tiの性能を引き出せるとは言いにくいからだ。ただ、性能を重視したモデルではないので仕方のないことだ。価格的なものに目を向けると選択肢に入る。また、この評価は必ずしも性能を決定するものではない。Ryzen 5 4500を搭載しても快適にプレイできるゲームもあれば、そうでないゲームもあるということを意味している。選択をおすすめしないバランスとはならないので理解しておいてほしい。あくまでも、組み合わせで見る一つの指標だ。
GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載の特徴まとめ
性能よりも価格重視のゲーミングPC
GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載は、何を置いても価格が魅力的なモデルだ。RTX 4060 Ti搭載モデルとしては、総合的な性能は低めながら、価格を抑えるための犠牲だと思えば納得できる範囲である。GeForce RTX 4060搭載モデル並みの価格でRTX 4060 Ti搭載モデルを選択できる。これこそがGALLERIA RM5R-R46Tを選ぶ最大のメリットだ。
ただし、最近はGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの価格も大きく低下傾向にある。結果的にGALLERIA RM5R-R46Tのアドバンテージは失われつつあり、このまま価格が維持されると他のRTX 4060 Ti搭載モデルにも並ばれてしまう。14万円台でRTX 4060 Ti搭載モデルをなかなか選べない今が最も輝く状態なのかもしれない。
価格を抑えたモデルには様々な弱みがある。構成や性能を抑えてのコストカットだ。構成、性能がしっかりして、価格を抑えたモデルというのは基本的に存在しない。セールやキャンペーン時に選択できる程度のものだろう。そういう意味では、いつでも選べるGALLERIA RM5R-R46Tは心強い選択肢だ。
性能的には初心者から上級者まで受け入れやすいモデルながら、構成的には初心者向けだ。ゲーミングPCの買い替えとなると、少し物足りなさのあるモデルであることは否定できない。GALLERIA RM5R-R46Tは初めてのゲーミングPCにおすすめしたい。その理由は後述するが、一番は価格の安さが魅力であることだ。
コストパフォーマンスという点では優秀で、14万円台のモデルの中でも秀でた存在だ。初心者や初めてのゲーミングPCには、価格が重視されやすい。中級者以上になると、構成にこだわりが出てくる。そういったもののない状態である方にはおすすめできる。弱点もあるが、価格という強みもある。価格を重視する方が選べば後悔しないモデルである。
CPU性能の低さと廉価なチップセットが弱点
GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載は、性能や構成に関しては価格相応というのが本音だ。Ryzen 5 4500は非常に性能が低く、ゲーム性能も控えめだ。Core i5-13400と比べて40%~50%ほどの差をつけられるゲームもある。ゲームでも大きな差をつけられているが、CPUが持つ処理性能でもCore i5-13400よりも40%ほど低くなる。
Ryzen 5 4500を搭載することで価格は抑えられる。しかしながら、性能面では妥協を強いられることになる。Core i5-13400F搭載モデルの価格は15万円台である。性能差を考えるとCore i5-13400F搭載モデルの方がコスパが高くなるケースもあるだろう。
価格の安さに振り切ったGALLERIA RM5R-R46Tの競合製品はCore i5-13400F搭載モデルだ。一部セールモデルではCore i5-13400FとRTX 4060 Tiの組み合わせで14万円台に突入した例もある。圧倒的なアドバンテージと言えなくなりつつある。また、チップセットにも弱点はある。グラフィックボードに影響を与える部分なので虫はできない。
GALLERIA RM5R-R46Tに採用されているチップセットは廉価なA520だ。このA520はPCIe 4.0をサポートしておらず、PCIe 4.0接続のRTX 4060 Tiには性能に制限が加わる形になる。A520がというよりも、この世代のチップセットは最上位のX570のみPCIe 4.0をサポートしている。そのため、RTX 4060 Ti搭載モデルの中で総合的な性能は低めという評価になっている。
競合となるCore i5-13400F搭載モデルは、そのほとんどにB760が採用されている。B760はPCIe 4.0をサポートしており、一世代前のB660でさえサポートしている。つまり、Core i5-13400F搭載モデルはCPU性能でもGPU性能でも、GALLERIA RM5R-R46Tより強力ということになる。これが、こだわりのある中級者以上におすすめしにくい理由だ。
もっとも、体感できるほどの差が出ることはそう多くない。少なくともRTX 4060並みに性能が落ちるわけではないので、こだわりがなければそこまで大きなデメリットとは言えない。それでも、弱点であることに変わりはないので、しっかり理解しておきたいポイントだ。
他社メーカーのモデルと比較
ブランド名 | GALLERIA | LEVELθ |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | GALLERIA RM5R-R46T | LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITE2 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 144,980円 | 139,800円 |
送料 | 3,300円 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB | NVMe 500GB |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | A520 | B550 |
納期 | 翌日出荷 | 2~7日後 |
基本保証 (延長保証) | 1年間 (最長5年間) | 1年間 (最長4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEだ。価格差は5,180円でLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEの方が安い。また、パソコン工房は会員登録で送料が無料になるので、実質の価格差は8,480円まで広がる。チップセットも優れている点も評価できる。総合的に見てLEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEの方がお得なモデルと言える。
GALLERIA RM5R-R46Tには明確に優れた部分がない。強いて言えばケースデザインだろうか。好みは人によるところだが、ガレリアブランドのゲーミングPCは多くのゲーマーに選ばれている。GALLERIAのケースの方が好みだというなら、8,480円の価値を見出だせるならGALLERIA RM5R-R46Tも悪くない。見た目を重要視しないなら、LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITEが無難だ。
パソコンケースレビュー
正面
ドスパラの新ケースとなっている。デザインハウスが設計したケースだけあってデザイン性が高い。ミニタワーケースとなっているが、従来のミニタワーよりは一回り大きくなっていてミドルタワーの差が縮まっている。違うのは高さだけで奥行きと幅はミドルタワーと共通だ。
右サイド
右サイドはシンプルで吸気口だけが設けられている。高さ分の吸気口があるのでエアフロー改善には効果的だ。ガンメタリックのケースが高級感を演出している。
左サイド
左サイドにも吸気口がある。また、一部クリアガラスパネルを採用していて中身が見えるようになっている。最近のモデルらしいデザインだと言える。
背面パネル
背面パネルについてはオーソドックスなものになっている。前面の両サイドから取り入れられた空気が上部及び後ろから排出してくれる。本体内部に熱がこもらないような工夫が見られる。140mmサイズの冷却ファンを搭載しているのも後押ししてくれる。
I/Oパネル
前面に斜めにI/Oパネルが配置されている。電源ボタン、USB 3.2 Gen1 Type-A x4、ヘッドフォン端子が設けられている。USBが4つもあるのは使い勝手が良い。
本体上部
本体上部にもメッシュ加工が施されていてここから熱を放出する仕組みだ。高性能なグラフィックボードやCPUを搭載していても発熱が問題とならない工夫がある。
本体内部
*GALLERIA RM5R-R36 5600X搭載ではないため一つの参考として欲しい
内部にはある程度の余裕がある。ガレリアブランドの場合ミニタワーケースでもサイズは大きめであることがわかる。
正面-LED
ケースの枠組みにLEDが配置されている。オシャレな演出だ。このLEDについては専用のソフトウェアからコントロールすることができる。
管理人による総評(GALLERIA RM5R-R46T)
GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載は、ドスパラのGALLERIAシリーズの中で、最も安価なGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルである。CPUにRyzen 5 4500を選択することで価格を抑えている。Ryzen 5 4500の性能はやや控えめであること、チップセットがPCIe 4.0をサポートしていないことで全体的なパフォーマンスは少し下がる。
GeForce RTX 4060 Tiのパフォーマンスを最大限発揮できないとしても、ワンランク下の性能にまで落ちるわけではない。一時は競合不在で圧倒的なモデルだったが、今は競合も追随してきていて厳しい状況にある。唯一の武器だった価格で戦えなくなっているのだ。もう少し値下げされないと選ぶ理由はなさそうだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
144,980円 | Ryzen 5 4500 | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |