画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i7-11700Kのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。オーバークロックに対応した高性能モデルだ。Core i7-10700Kの後継モデルで性能の底上げが行われている。最大20%程度性能が引き上げられた。ゲームプレイだけではなくクリエイター作業にも最適だ。
上位モデルであるCore i9-11900Kと同じ8コア16スレッドのCPUなので、コストパフォーマンスは優秀で評価は上々だ。コアとスレッドに焦点を当てれば意外と選択肢として悪くない。後継モデルは、Intel第12世代の「Core i7-12700K」だ。12コア20スレッドとAMD製CPUと比べても見劣りしない水準に到達した。Ryzen 9シリーズと同等以上の性能を期待できる。
Core i7-11700Kの基本情報
コードネーム | Rocket Lake |
---|---|
プロセス | 14nm |
コア/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
定格/最大クロック | 3.6 GHz/ 5.0 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB |
TDP | 125W |
発売日 | 2021年3月30日 |
MSRP | $399 |
中古価格 | 30,980円~ *2024/7時点 |
特徴 | (+) 14nmプロセスの最高峰モデル (+) 8コア16スレッドでパフォーマンスが高い (-) ゲーミング性能でi7-10700に劣る (-) BTOパソコンではマイナーな存在になる |
評価 | ・総合評価 6.0 ・ゲーム評価 6.5 |
当ページの目次
Core i7-11700Kのスペック
i7-11700K | i7-10700K | 7 5800X | |
---|---|---|---|
ブランド | Intel | Intel | AMD |
コードネーム | Rocket Lake | Comet Lake | Zen 3 |
プロセス | 14nm | 14nm | 7nm |
CPUコア数 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 |
定格クロック | 3.6GHz | 3.8GHz | 3.8GHz |
最大クロック | 5.0GHz | 5.1GHz | 4.7GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
Turbo Boost 2.0 | 4.9GHz | 5.0GHz | - |
Turbo Boost 3.0 | 5.0GHz | 5.1GHz | - |
TVB | × | × | - |
Adaptive Boost | × | × | - |
Precision Boost 2 | - | - | ◯ |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 32MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-3200 |
PCI Express 4.0対応 | ◯ | × | ◯ |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 750 | UHD Graphics 630 | 非搭載 |
TDP | 125W | 125W | 105W |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 | 非同梱 |
MSRP | $399 | $374 | $399 |
中古価格 | 30,980円 | 23,980円 | 25,980円 |
発売日 | 2021/03/30 | 2020/05/20 | 2020/11/05 |
プロセスはまさかの14nmを維持
最新のRocket Lake世代でもプロセスは14nmが維持された。10nmプロセスへの切り替えは実現されたなかった。どうやら10nmプロセスの完成度がまだ低くてクロック周波数を引き上げることが難しいなどの要因があったようだ。それでもCPUコアを長年使い続けていたSky Lake世代のコアからは脱却している。
Ice Lake世代で見られた10nmプロセス用のSunny Coveをわざわざ14nmプロセス用に改良してCypress Coveを作り上げたのだ。この対応は異例中の異例だと言えるだろう。Cypress CoveになってIPCが19%改善してCPU性能自体は向上している。同じクロック周波数ならより高いパフォーマンスを発揮できるということだ。
Zen 3アーキテクチャのRyzen 7 5800Xでは7nmプロセスを採用している。いち早く微細化されたプロセスを採用してる競合のAMDが一歩先を進んでいると考えてよい。次世代でも10nmプロセスになるはずなのでAMDの凄さがわかる。ただし、14nmプロセスで7nmプロセスと対等に渡り合えているのは評価すべき点だ。
クロック周波数は僅かにダウン
旧モデルのCore i7-10700Kと比べるとクロック周波数が引き下げられている。定格クロックは5%ダウン、最大クロックは2%ダウンだ。それでもCPUコアの刷新でIPCが改善されているためより高いCPU性能を発揮できる。ブースト機能はTurbo Boost 2.0とTurbo Boost 3.0のみだ。Core i9-11900やCore i9-11900Kと差別化が図られている。
Ryzen 7 5800Xと比べると定格クロックは5%低いが、最大クロックは7%高い。Ryzen 7 5800XではCore i9-11900KのAdaptive Boostと同等のPrecision Boost 2が搭載されている。全コア稼働時でも温度や消費電力の余力があればより高いクロック周波数を引き出すことができる。
メモリなど機能面も大幅強化
メモリDDR4-3200対応・PCI Express 4.0対応・UHD Graphics 750搭載など機能面もしっかりと強化されている。ただし、メモリとPCI Express 4.0についてはすでに第3世代のRyzenシリーズでは採用されていたものでやっと追いついた形だ。グラフィックボードやSSDでPCI Express 4.0を活用すればより快適なパソコン環境を構築できるだろう。
内蔵グラフィックスについては、Ryzen 7 5800Xには搭載されていないのでIntelならではの強みだと言える。従来モデルのUHD Graphics 630と比べて50%程度のパフォーマンス向上が見込める。ゲーミングPCとしての購入を考えているなら外付けのグラフィックボード搭載が基本となるのでそれほど気にしなくてもよい。CPU内蔵グラフィックス非搭載のFシリーズも選択肢に入る。
TDPは125Wだが大幅に消費電力アップ
TDPはCore i7-10700Kと同じ125Wに収まっているが、実際の稼働時の消費電力は高い。ここに14nmプロセスの限界が見られる。Ryzen 7 5800XはTDPが105Wで実際の消費電力も抑えられていて7nmプロセスの強みを発揮できている。少しでも早い段階で10nmプロセスに移行しないと差を付けられるばかりだ。
Core i7-11700Kの最新評価【2024年】
Core i7-11700Kは発売当時ハイクラスに属するCPUだった。次世代モデルで言えばCore i5-13400やCore i3-13100が近い。今ではエントリークラス~ミドルクラス相当の性能を持つに留まる。グラフを見ても上に多くのモデルがあることからも判断できるだろう。CPUも世代が変わると一気に古いモデルが下に追いやられてしまう。Core i7-11700Kの性能的にはGeForce RTX 4060など60番台までのグラフィックボードと組み合わわせたい。
一世代前のCore i7-10700Kと比べて5%程度ゲーム性能が向上していて、上位モデルであるCore i9-10900Kと同等のパフォーマンスを発揮する。一方で、Ryzen 7 5800Xよりも劣ってしまっているのはユーザーが気になるところだろう。7nmプロセスを採用したZen 3アーキテクチャのポテンシャルの高さには驚くしかない。同じ8コア16スレッドのCPUでも性能差が生じてしまっている。
また、パワー効率から見てもRyzen 7 5800Xは優秀だ。省電力性に優れていて自作ユーザーにとっては選びやすいかもしれない。その後登場したRyzen 7 5700Xもおすすめだ。Intel第12世代のCore i7-12700Kになると25%以上もゲーミング性能が向上している。プロセスの微細化やハイブリッドコアアーキテクチャ採用によって大きく性能が引き上げられている。今買い換えを考えているならCore i7-12700Kは魅力的な選択肢となる。
Core i7-11700Kの中古価格は30,980円~だ。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i7-11700KFなら28,980円~購入できる。同等の性能を持つCore i5-11600Kが23,980円~なのでこちらを選ぶ方がよいかもしれない。そして、ゲーム性能を追求するならRyzen 7 5700Xがおすすめだ。新品で22,704円~とCore i7-11700Kよりも30%近くも安く購入できる。Intel製CPUにこだわりがないなら十分候補に入るはずだ。
Core i7-11700Kのゲームベンチマーク一覧
ゲームプレイ時のフレームレートを計測している。グラフィックボードはRTX 2080 Ti固定だ。WQHD環境及び4K解像度を対象としている。結論から言うと、Intel第10世代に勝てない状況だ。まさか旧モデルに及ばないとは思わなかった。ゲーミングPCに搭載するCPUとして考えるならIntel第10世代CPUを検討してもよいかもしれない。
Cyberpunk 2077
Core i7-10700K | |
Core i9-11900K | |
Core i7-10700 | |
Core i7-11700K | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 7 5800X |
Metro Exodus
Core i7-10700K | |
Core i7-10700 | |
Core i9-11900K | |
Core i7-11700K | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 7 5800X |
Red Dead Redemption 2
Core i7-10700K | |
Core i7-10700 | |
Core i9-11900K | |
Core i7-11700K | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 7 5800X |
その他アプリケーションのベンチマーク
様々なアプリケーションにおけるパフォーマンスを見ていく。競合であるRyzen 7 5800Xや旧モデルであるCore i7-10700Kとの性能差に注目したい。
Cinebench R23
Handbrake
PCMARK 10
Y-Cruncher
BTOパソコンにおけるCore i7-11700Kについて
Core i7-11700に比べるとラインナップは少ない
Core i7-11700Kは、BTOパソコンではそれほど採用されることがない。売れ筋は一つ下のCore i7-11700だ。Core i7-11700でも十分な性能を持っているからだと言える。BTOメーカーからするとCore i7-11700Kを選ぶならCore i9-11900Kを選んで欲しいというのが本音だろう。
Core i7-11700Kになるとオーバークロック対応でより高価なマザーボードを搭載する必要があることも避けられる要因かもしれない。中にはKシリーズを搭載していながらもHシリーズを採用しているモデルもある。Core i7-11700K搭載モデルを選ぶ際はマザーボードのチップセットもチェックしておこう。
性能が高くRTX 3070以上とも合わせられる
Core i7-11700Kは非常に性能の高いCPUでハイクラスのRTX 3070やRTX 3080と合わせてもボトルネックとはならない。RTX 3060だとややCPU性能に合っていないと言える。もちろんそれ自体がデメリットになるわけではない。
クリエイター作業を考えているならCPU性能は高いに越したことはない。定番のCore i7-11700よりも余裕が持てるという意味でラインナップがあれば選択肢に入れてもよい。ショップによってはカスタマイズで対応することもできる。
消費電力が上がっても搭載される電源は変わらない
Core i7-11700Kは、Core i7-10700Kよりも消費電力が高くなったのは事実だ。ただし、電源ユニットをアップグレードするほど高いわけではなく神経質にならなくてもよい。BTOメーカーのラインナップを見てもCore i7-10700K搭載モデルと同じ電源ユニットを搭載していることからもわかる。Adaptive Boostが搭載されているCore i9-11900Kに比べるとマイルドだ。
Core i7-11700K搭載おすすめゲーミングPC
LEVEL-R059-117K-TAX(パソコン工房)
CPU:Core i7-11700K
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:700W BRONZE
パソコン工房のミドルタワーでもCore i7-11700K搭載モデルが登場した。グラフィックボードにはRTX 3070を搭載していて高いレベルでのゲームプレイが可能だ。4K解像度にも対応できるポテンシャルがある。メモリ16GB、SSD 1TBという構成だ。ダブルストレージはなくなってしまったがSSD容量が増えているので使い勝手は良好だ。快適性は増していると言える。
ZEFT G17T(セブン)
CPU:Core i7-11700K(水冷クーラー)
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
パソコンショップセブンでもCore i7-11700K搭載のゲーミングPCを販売中だ。ベースモデルとしてカスタマイズを楽しむこともできる。PCケース・CPU・グラフィックボード・マザーボード・電源ユニットなど幅広い候補の中から選ぶことができる。もちろんカスタマイズをしなくても十分にこだわりの見られる一台だと言える。PCケースの「Thermaltake Versa H26 Black」はBTOパソコンとしては珍しくデザイン性に優れている。拡張性も高く将来の換装にも対応しやすい。
GALLERIA ZA7C-R38 第11世代Core搭載(ドスパラ)
CPU:Core i7-11700K(水冷)
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
ドスパラの人気ゲーミングPCブランドのガレリアシリーズでも搭載モデルが販売されている。チップセットにはZ590を搭載していてオーバークロックにも対応できる。CPUクーラーには評判のよいGAMMAXX L240 V2+を選択している。高品質なモデルにふさわしい構成だと言える。RTX 3070×Core i7-11700Kの組み合わせで税込み26万円台なら悪くない。高解像度でのゲームプレイに適している。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も充実している。電源ユニットは750W GOLDだ。
LEVEL-R059-117K-VAX(パソコン工房)
CPU:Core i7-11700K
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:800W TITANIUM
RTX 3080×Core i7-11700K搭載のゲーミングPCだ。最新のCore i7-11700KとRTX 3080との相性は優れている。従来モデルよりもゲーミング性能が向上してより安定したゲームプレイが可能だ。4K解像度でのゲームプレイも視野に入る。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も充実している。ダブルストレージではなくなったが大きなデメリットではないはずだ。800W TITANIUM電源で安心してゲームを楽しめるだろう。
G-Tune XN-ZJ(G-Tune)
CPU:Core i7-11700K(水冷)
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:800W TITANIUM
JeSU公認のゲーミングPCだ。コストパフォーマンスが高くこの価格帯ではおすすめの一台だ。グラフィックスにはハイエンドクラスのRTX 3080を搭載している。4K解像度でのゲームプレイに適している。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も圧巻だ。電源ユニットは800W TITANIUMを採用している。ハイエンドのモデルにふさわしい構成だと言える。
管理人による総評(Core i7-11700K)
Core i7-11700Kは、Rocket Lake世代のハイパフォーマンスモデルだ。上位モデルであるCore i9-11900Kと同じ8コア16スレッドモデルでコストパフォーマンスに優れる。Core i7-11700と比べてもクロック周波数が高く様々なアプリケーションに対応できる。
BTOメーカーのラインナップではほとんど搭載モデルがない。より高価なチップセットZ590を搭載する必要がありコスト面で不利だからだろう。Core i7-11700でも十分性能は高く消費電力の面でも有利だ。より高みを目指したいユーザー向けだと言える。
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