rtx3090ti

当記事では、GeForce RTX 3090 Tiの性能スペック&搭載BTOパソコンを紹介している。2022年3月にAmpere世代の最後の砦となるフラグシップモデルが登場となった。2020年9月にリリースされていた「GeForce RTX 3090」を超える性能を持つ。残念ながらこのRTX 3090 Tiはゲーマーにおすすめできるグラフィックボードとは言えない。どちらかというとGPUメモリ容量が必要なクリエイターの方だろう。プロフェッショナル向けのNVIDIA RTXシリーズと比べると安く購入できるからだ。

ゲーマーの方におすすめできないという点ではRTX 3090も同様だったが、性能に対して価格が高すぎることだ。RTX 3090が27,8万円に対してRTX 3090 Tiは35万円以上だ。30%程度も価格が高いにも関わらず得られる性能は10%未満に留まる。ゲームプレイだけをメインに考えるなら「GeForce RTX 3080 Ti」や「GeForce RTX 3080 12GB」でも十分な性能を持っている。これなら次世代のRTX 4000シリーズ(Ada Lovelace)を待つほうがよい。

GeForce RTX 3090 Tiの基本情報

アーキテクチャAmpere
プロセス8nm
CUDAコア10752
ベースクロック1560 MHz
ブーストクロック1860 MHz
GPUメモリ24GB GDDR6X
TDP450W
発売日2022年03月29日
MSRP$1,999
中古価格149,980円
特徴 (+) Ampere世代最強・最速のグラフィックボード
(+) RTX 3090と比べて最大10%高い処理性能を持つ
(-) 単体価格が35万円以上とかなり高価
(-) 歴代最高クラスの消費電力の高さ
評価6.0

GeForce RTX 3090 Tiの基本スペックを押さえる!

RTX 3090 TiRTX 3090RTX 3080 Ti
コードネームAmpereAmpereAmpere
GPUGA102GA102GA102
プロセス8 nm8 nm8 nm
ダイサイズ628.4m㎡628.4m㎡628.4m㎡
トランジスタ数283億283億283億
SMs848280
RTコア数84基82基80基
Tensorコア数336基328基320基
CUDAコア数107521049610240
ベースクロック1560 MHz1395 MHz1365 MHz
ブーストクロック1860 MHz1695MHz1665 MHz
GPUメモリ24GB GDDR6X24GB GDDR6X12GB GDDR6X
メモリクロック21.0 Gbps19.5Gbps19.0Gbps
メモリバス384 bit384 bit384 bit
メモリバス帯域幅1,008 GB/s936.0 GB/s912.4 GB/s
FP32 Compute40.00 TFLOPS35.58 TFLOPS34.10 TFLOPS
TDP450W350W350W
MSRP$1999$1499$1199
中古価格149,980円136,980円72,980円
発売日2022/03/292020/09/242021/06/03
RTX 3090 Tiのスペックを見ていく。RTX 3090と同じAmpere世代にのグラフィックボードでGPUも同じGA102だ。プロセス・ダイサイズ・トランジスタ数も変わらない。SMの数が82→84へと2つ増える。RTコア及びTensorコアもそれぞれ増えている。CUDAコア数は10496(82×128)から10752(84×128)となった。さらに、ベースクロックが12%高く、ブーストクロックも9%高い。

メモリ周りも少しだけ強化されている。GPUメモリはGDDR6X 24GBでここは同じだ。メモリクロックが19.5 Gbpsから21.0 Gbpsへと8%程度引き上げられている。メモリバスは384 bitと共通で、メモリバス帯域幅は1,008 GB/sとついに1000の大台を超えた。FP32 Computeは、RTX 3090と比べて12%程度高い。TDPは29%高く450Wとなった。スペックを上げた分だけ消費電力が高くなったことになる。価格差は$500だ。

RTX 3080 Tiも同じGPUを搭載している。SMsはRTX 3090 Tiよりも4つ少ない。RTコアは80基、Tensorコアは320基だ。CUDAコア数は10240となる。RTX 3080 Tiと比べるとベースクロックは14%高く、ブーストクロックは11%高い。GPUメモリ容量は半分の12GBだ。メモリクロックは19.0 Gbpsだ。メモリバスは384 bitと同じだ。メモリバス帯域幅はRTX 3080 Tiよりも10%近く広い。FP32 ComputeはRTX 3080 Tiよりも18%高い。TDPは350WでRTX 3090 Tiの方が29%大きい。価格差は$800となる。

GeForce RTX 3090 Tiの最新評価【2024年】

rtx3090tigamescore

GeForce RTX 3090 Tiのゲーム性能スコアは39,024だ。現行のAda Lovelace世代で言えばGeForce RTX 4070 Tiに匹敵する。ゲーム性能は高く4K環境にも対応できるポテンシャルを持つ。VRAM 24GB搭載も強力だ。GeForce RTX 4070 Tiの倍の容量となる。ただし、GeForce RTX 4070 Ti(新品で115,290円~)よりも35,000円高くGeForce RTX 3090 Tiの価格は中古で149,980円~となる。

GeForce RTX 4070 Tiは中古だと10万円前後で購入可能だ。上位モデルであるGeForce RTX 4070 Ti SUPERでも128,700円~とGeForce RTX 3090 Tiよりも安価だ。タマが少ないこともあってやや高めといえる。VRAMを重視しないなら素直にGeForce RTX 4070 Tiを選ぶ方がよいだろう。

GeForce RTX 3090 Tiの特徴&注意点【2022年】

GeForce RTX 4000シリーズ発売を控え最強モデルが登場

RTX 3090 Tiは、RTX 3090のスペックアップモデルでより高い性能を持っている。現行最強・最速のグラフィックボードの誕生だ。2022年3月にまさかAmpere世代のグラフィックボードが登場するとは思わなかった。2020年9月にRTX 3090が登場して一年半振りに最強の性能を塗り替えたことになる。2022年末には次世代モデルであるRTX 4000シリーズが発売される予定で、それまでの繋ぎということだろうか。

それならRTX 3090並の性能を持ちつつ価格を抑えたモデルが欲しかったというのが本音だ。これだけ価格が高いとあえて選ぶ理由が見つからない。価格を抑えたモデルで言えばRTX 3080 TiやRTX 3080 12GBなどが該当するだろう。今になって高すぎるグラフィックボードの需要があるとは思えない。さすがに35万円オーバーのグラフィックボードを買えるユーザーは限定されるはずだ。BTOパソコンならなおのことだ。

Quadroの購入検討中のクリエイターの方向けのモデル

GeForce RTX 3090 Tiは、ゲーマーの方向けというよりはQuadro/NVIDIAシリーズの購入を考えているクリエイターの方向けだと言ってもよいのではないかと思う。これまでのTITANシリーズに近い立ち位置だ。RTX 3090 TiではGPUメモリ容量が24GBと大容量なのは心強い。ゲームプレイにおいてこれだけのGPUメモリを活かせる用途はない。

例えば、同じ価格帯のNVIDIA RTX A5500は、同じGPUメモリ容量を持っていて価格は税込30万円以上だ。RTX 3090 Tiは同じGPUメモリ容量ながらより上位規格であるGDDR6Xを搭載している。バンド幅も広く大規模な3D CADなどの作業に最適だ。クリエイター作業を中心に考えつつゲームプレイにも対応したいと考えている方にとっては魅力的なモデルになるだろう。

消費電力の高さを受け入れる必要がある

rtx3090tiwatt
RTX 3090 Tiは非常に消費電力の高いグラフィックボードでそれを受け入れる必要がある。RTX 3090と比べても15%程度消費電力が高くなっている。アイドル時なら20%近い消費電力だ。同じアーキテクチャを採用しつつCUDAコアが増えてクロック周波数を引き上げたなら当然だろう。

公式での推奨電源ユニットは850Wとなっているが、余裕を持たせるために1000W GOLD以上の電源ユニットを選択しておきたいところだ。CPUクーラーやケースファンなどにもお金を掛けておく必要がある。消費電力が高いということはそれだけ注意しなければいけないことが増えるのだ。

GeForce RTX 3090 Tiのゲーミング性能

4K解像度×最高設定でのフレームレートを見ていこう。ゲームプレイ向けのグラフィックボードとは言えないもののその性能の高さから基本的に4Kでのゲームプレイが前提となるグラフィックボードだと考えてよい。

Far Cry 6

farcry6

RTX 3090 Ti86.2
74.8
RTX 309082.6
71.1
RX 6900 XT81.9
70.7
RTX 3080 Ti80.5
68.6
RX 6800 XT79.0
65.7
RTX 3080 12GB78.3
66.8
RTX 3080 10GB74.5
66.2
平均fps最小fps
Far Cry 6ではRTX 3090と比べて4%程度高いフレームレートとなった。最小fpsは5%伸びている。価格差を考えると納得できるわけではない。やはりゲームプレイをメインに考えている方には不向きだ。RX 6900 XTと比べると5%程度平均fpsが高い。想定通りのパフォーマンスだと言えるだろう。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077top

RTX 3090 Ti57.2
50.9
RTX 309051.5
47.0
RTX 3080 Ti46.4
42.3
RTX 3080 12GB44.6
40.3
RTX 3080 10GB40.8
37.7
RX 6900 XT39.6
36.4
RX 6800 XT38.5
36.7
平均fps最小fps
Cyberpunk 2077ではRTX 3090と比べて11%程度平均フレームレートが高い。最小fpsも8%程度伸びている。RTX 3080 Tiと比べると23%フレームレートが高い。負荷の高いタイトルになると性能差がある程度出てくると考えてよいのではないかと思う。RTX 3090 Tiでも60fpsに届かないのはゲーム側の問題だと言えるかもしれない。

Hitman 3

hitman3

RTX 3090 Ti111.6
94.9
RTX 3090105.3
92.5
RX 6900 XT98.7
88.2
RTX 3080 Ti93.7
84.0
RX 6800 XT91.5
82.0
RTX 3080 12GB87.1
80.5
RTX 3080 10GB84.2
76.8
平均fps最小fps
Hitman 3では、RTX 3090と比べて6%程度高いフレームレートを計測している。最小fpsも3%程度伸びている。RX 6900 XTと比べると平均fpsが13%高く、最小fpsも8%程度高い。高リフレッシュモニターを活かせるだろう。

Watch Dogs Legion

watchdogslegion

RTX 3090 Ti67.5
57.8
RTX 309064.3
55.7
RTX 3080 Ti62.2
54.0
RTX 3080 12GB60.5
53.7
RX 6900 XT57.4
46.8
RTX 3080 10GB54.6
45.3
RX 6800 XT51.8
43.6
平均fps最小fps
Watch Dogs LegionではRTX 3090との性能差がそれほど大きいわけではない。平均fpsは5%程度だ。最小fpsの伸びは4%に留まる。RX 6900 XTと比べると18%もパフォーマンスが高い。Watch Dogs Legionで60fps以上で安定させたいならRTX 3090 TiあるいはRTX 3090は魅力的な選択肢となる。ただし、やはり価格差を考えるとRTX 3080 Tiでも十分なのではないかと思う。

F1 2021

F1 2021

RTX 3090 Ti94.2
81.5
RTX 309085.6
71.0
RTX 3080 Ti81.9
70.3
RTX 3080 12GB77.5
65.6
RX 6900 XT63.4
49.7
RTX 3080 10GB72.7
61.8
RX 6800 XT59.6
46.4
平均fps最小fps
F1 2021ではRTX 3090と比べて10%高いフレームレートを計測している。最小fpsも14%も高い。RX 6900 XTとの差は49%と大きい。これはレイトレーシング性能の差が如実に現れている形だ。レイトレーシング性能を重視するならGeForce製グラフィックボードは魅力的な選択肢となる。

GeForce RTX 3090 Ti搭載おすすめゲーミングPC

ZEFT G29Z9TA(セブン)

ZEFT CR39E価格:626,780円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:GeForce RTX 3090 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB
HDD:2TB
電源:1000W PLATINUM

CPUにハイエンドクラスのCore i9-12900Kを搭載したゲーミングPCだ。16コア24スレッドとマルチスレッド性能が高くクリエイター作業にも対応しやすい。ウルトラハイエンドモデルのRTX 3090 Tiに合わせるCPUとしてふさわしい。メモリ32GB、SSD 1TB、HDD 2TBと構成も抜群だ。電源ユニットは1000W PLATINUMを採用している。PCケースは人気の高い「Cooler Master MASTERBOX CM694 TG」が選択されている。カスタマイズでクリアガラスパネル採用ケースを選ぶこともできる。

GALLERIA UA9C-R39T(ドスパラ)

ZEFT CR39E価格:699,980円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:GeForce RTX 3090 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB
HDD:2TB
電源:1000W PLATINUM

ドスパラのフラグシップモデルもリリースされている。税込70万円近い価格は驚くしかない。アルミ製の高級感のあるPCケースを採用しているのが強みだ。BTOメーカーとしてはかなり魅力的なケースだと言える。4K解像度でのゲームプレイを考えているユーザー向けだ。RTX 3090 Tiは、GPUメモリ容量が24GBと大容量でゲームプレイ以外にも対応しやすい。ゲーミングPCとして考えるとかなり割高だ。メモリ32GB、SSD 1TB、HDD 2TBと構成も抜群だ。

ZEFT R39Z9TF(セブン)

ZEFT R36Z価格:746,680円(税込)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:GeForce RTX 3090 Ti
メモリ:DDR4-3200 64GB
SSD:1TB NVMe
HDD:2TB NVMe
電源:1200W PLATINUM

ホワイトのPCケースがオシャレな一台だ。ASUS製の「ASUS TUF Gaming GT501 White Edition」を採用している。クリアガラスパネル採用で中を見せられる。エアフローもしっかりしていて高性能なグラフィックボードを搭載していても問題ない。CPUには第4世代RyzenシリーズのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950Xを搭載している。16コア32スレッドとマルチスレッド性能が高く動画編集やゲーム実況などの作業にも対応可能だ。メモリ64GB、SSD 1TB、HDD 2TBと圧倒的過ぎる構成だ。やはりゲーミングPCというよりはクリエイターPCと言えそうだ。

ZEFT G29Z9TD(セブン)

ZEFT-R9FDtop価格:756,580円(税込)
CPU:Core i9-12900K
GPU:GeForce RTX 3090 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB
HDD:16TB
電源:1200W PLATINUM

PCケースに「Fractal Design Define 7 Black TG Light Tint」を採用した一台だ。落ち着いたデザインで使用するユーザーを選ばない。水冷CPUクーラー搭載で熱対策もばっちりだ。ハイエンドモデルのCore i9-12900K×RTX 3090 Ti搭載モデルにふさわしい。メモリ32GB、SSD 1TB、HDD 16TBと圧倒的過ぎる構成だ。ストレージ容量が多くたくさんの動画や画像を保存できる。電源ユニットは100W PLATINUMを採用している。光学ドライブ標準搭載となっているのも高評価だ。