画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i3-12100のスペックと性能ベンチマークを紹介している。Alder Lake世代におけるエントリークラスモデルであるCore i3-12100が発売された。ゲーミングCPUとして選ばれることがそれほど多いモデルというわけではないが、世代を重ねるごとに着実に進化を果たしているのも事実だ。
2022年2月時点で搭載BTOパソコンのラインナップはなく、自作PCユーザー向けということになる。その後ドスパラ(サードウェーブ)、パソコン工房、パソコンショップセブンなどから搭載モデルが販売されている。搭載モデルについては、「Core i3-12100搭載ゲーミングPC一覧」で紹介している。単体価格では18,000円前後だ。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i3-12100Fなら13,600円前後で購入できる。コア8スレッドのCPUがどのぐらいゲーム用途で通用するのか詳しく見ていこう。
Core i3-12100の基本情報
コードネーム | Alder Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 4コア / 8スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 3.3 GHz/ 4.3 Ghz |
Eコア定格/最大クロック | – |
L3キャッシュ | 18MB |
PBP | 60W |
MTP | 89W |
MSRP | $122 |
国内価格 | 17,900円 |
発売日 | 2022年01月24日 |
特徴 | (+)歴代最強のCore i3シリーズとなる (+)競合不在で圧倒的な地位を築く (-)4コア8スレッドとスペックは控え目 (-)搭載ゲーミングPCは販売されていない |
評価 | ・総合評価 4.0 ・ゲーム評価 4.5 |
当ページの目次
Core i3-12100の基本情報
基本スペック
i3-12100 | i5-12400 | i3-10100 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Alder Lake | Comet Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 14nm |
Pコア | 4 | 6 | 4 |
Eコア | - | - | - |
トータルコア | 4 | 6 | 4 |
スレッド数 | 8 | 12 | 8 |
定格クロック | 3.3GHz(P) | 2.5GHz(P) | 3.6GHz(P) |
最大クロック | 4.3GHz(P) | 4.4GHz(P) | 4.3GHz(P) |
定格クロック | - | - | - |
最大クロック | - | - | - |
オーバークロック | × | × | × |
L3キャッシュ容量 | 18MB | 18MB | 6MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-2666 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 730 | UHD Graphics 730 | UHD Graphics 630 |
CPUクーラー | ○ | ○ | ○ |
PCI Express | 5.0 | 5.0 | 3.0 |
PBP | 60W | 65W | 65W |
MTP(PL2) | 89W | 117W | 90W |
MSRP | $122 | $192 | $122 |
国内価格 | 15,980円 (12,980円/Fモデル) | 21,980円 (19,480円/Fモデル) | 10,980円 (9,980円/Fモデル) |
発売日 | 2022/01/24 | 2022/01/05 | 2020/05/27 |
Core i3-10100が14nmプロセスだったことを考えると微細化が進んでいるということになる。コア/スレッドはCore i3-10100と同じ4コア8スレッドとなっている。定格クロックは8%低く、最大クロックは同じ4.3GHzだ。これだけを見ると何が変わったのか疑問に感じてしまうかもしれない。
答えは10nmプロセスの採用とCPUコアの改良によってIPCが19%改善(wccftech, 2021)したことにある。これによって同等あるいはそれよりも低いクロック周波数でも効率的により高いパフォーマンスを得られる。L3キャッシュ容量は3倍の18MBだ。対応メモリもDDR4-2666からDDR5-4800/DDR4-3200へとなった。もっともエントリークラスのCore i3シリーズでDDR5-4800を選ぶことはないだろう。
内蔵グラフィックスもUHD Graphics 730へと変わっている。CPUクーラーは同梱だ。PCI Expressも3.0から5.0へとアップグレードされた。PBPは5%低く60Wだ。MTPも89Wとなる。価格はどちらも同じ$122だ。
上位モデルのCore i5-12400と比較していこう。プロセスは同じ10nmだ。コア/スレッド共に50%引き上げられて6コア12スレッドとなる。定格クロックはCore i3-12100の方が32%高く、最大クロックはCore i5-12400の方が3%高い。L3キャッシュ容量はどちらも同じ18MBだ。これはCore i3-12100とCore i5-12400がどちらもH0ダイを採用しているからだ。上位モデルのC0とは違ってEコアは搭載されていない。
PCI Expressは5.0と共通だ。PBPはCore i5-12400の方が9%高く、MTPもCore i5-12400の方が30%弱高い。コアが多い分だけ省電力性の観点からは不利になる。価格差は$70だ。いずれのモデルもCPU内蔵グラフィックス非搭載のFモデルも販売されている。
Ryzen 5シリーズと比較
Core i3-12100 | Ryzen 5 3600 | |
---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Zen 2 |
プロセス | 10nm | 7nm |
コア | 4 | 6 |
スレッド数 | 8 | 12 |
定格クロック | 3.3GHz | 3.6GHz |
最大クロック | 4.3GHz | 4.2GHz |
オーバークロック | × | ○ |
L3キャッシュ容量 | 18MB | 32MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 730 | × |
CPUクーラー | ○ | Wraith Stealth |
PCI Express | 5.0 | 4.0 |
PBP | 60W | 65W |
MTP(PL2) | 89W | - |
MSRP | $122 | $199 |
国内価格 | 18,700円 | 16,390円* |
発売日 | 2022/01/24 | 2019/07/07 |
定格クロックはRyzen 5 3600の方が9%高く、最大クロックはCore i3-12100の方が3%高い。Ryzen 5 3600はオーバークロックに対応していてより高いクロック周波数を実現することができる。L3キャッシュ容量もRyzen 5 3600の方が80%も多い。対応メモリは最新モデルであるCore i3-12100の方が上位規格に対応している。ただし、実用面からはDDR4-3200が選ばれることが多く同等だ。
いずれのモデルもCPUクーラーを搭載している。PCI ExpressはCore i3-12100の方が上位規格に対応している。PBPはCore i3-12100の方が3%抑えられている。価格差は$77だ。さすがに3年近くの月日が流れると性能的に遅れを取る形になる。Core i3-12100の進化は素晴らしい。
Ryzen 5 3600の中古価格は16,390円でCore i3-12100の新品価格に近い。純粋なCPU性能では6コア12スレッドのRyzen 5 3600が有利だが、ゲームプレイだけを考えるとCore i3-12100の方が優れている。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i3-12100Fならさらに4,000円程度安く購入できる。
Core i3-12100の最新評価【2024年】
廉価モデルながら数値的には侮れない
Core i3-12100のゲーム性能スコアは23,258とそこまで悪くない。旧世代のCore i5-11400を上回るスコアだ。Core iシリーズの廉価モデルとは言っても最低限の性能は持っている。それでも60番台や50番台のグラフィックボードと組み合わせたい。旧世代のグラフィックボードの方が性能を引き出しやすいだろう。注意点はCore i3-12100はコアが4コアと少ないことからゲームによってはもたつきを感じてしまう可能性があることだ。
MMORPGなど負荷の高いタイトルではロード時間が長くなってしまう可能性がある。より快適性を求めるなら6コア12スレッドのCore i5-11400やRyzen 5 5500辺りを選ぶのが無難だ。ゲーム性能自体は同等だが、見えない部分で差が出ることもある。総合性能にはそこまで期待しない方がよい。ゲームプレイ以外の用途でも考えているなら吟味する必要がありそうだ。
中古価格は12,980円とコスパは良好
製品名 | コア/スレッド | ゲーム性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|
Core i7-10700F | 8/16 | 23,553 | 22,980 | 1.025 |
Core i3-13100F | 4/8 | 23,381 | 15,480 | 1.510 |
Core i3-12100F | 4/8 | 23,258 | 12,980 | 1.792 |
Core i5-10600K | 6/12 | 22,841 | 19,980 | 1.143 |
Core i5-11400F | 6/12 | 22,473 | 16,980 | 1.323 |
Core i5-10400F | 6/12 | 22,301 | 13,980 | 1.595 |
Ryzen 7 3700X | 8/16 | 21,811 | 18,480 | 1.180 |
Ryzen 5 3600X | 6/12 | 21,664 | 12,980 | 1.669 |
Ryzen 5 3600 | 6/12 | 21,467 | 11,980 | 1.792 |
Core i3-12100の中古価格は12,980円(Fモデル)からと格安だ。CPU内蔵グラフィックス搭載のCore i3-12100だと+1,000円〜2,000円を見ておくとよい。この性能帯ではトップクラスのコストパフォーマンスを誇る。Core i3-12100は4コア8スレッドとスペックが低いことを気にしないのであれば十分選択肢に入る。場合によってはCore i5-10400FやRyzen 5 3600Xも検討しよう。やはりゲームプレイにおいて4コアでは心許ない部分がある。
Core i3-12100の特徴&注意点
史上最強のCore i3シリーズが登場
Core i3-12100は、紛れもなく歴代最強のCore i3シリーズとなる。従来モデルのCore i3-10100と同じ4コア8スレッドとスペックながら90%以上もパフォーマンスが向上している。6コア12スレッドのCore i5-10600Kに匹敵するマルチスレッド性能の高さは圧巻だ。
ゲーミング性能についてはRyzen 5 3600やRyzen 7 3700Xと同等以上となっている。Core i5-11400に匹敵するほどだ。上位モデルのCore i5-12400になると当然より高い性能を得られる。販売価格はCore i3-12100が18,700円(i3-12100Fなら14,580円)で、Core i5-12400が28,450円(i5-12400Fなら25,460円)となる。+10,000円で得られる性能は高い。コストパフォーマンスを考えるならCore i5-12400の方が上だ。搭載ゲーミングPCならその差は縮まる傾向にある。
競合不在で圧倒的な地位を築く
$150以下という価格帯において競合がいない状態でCore i3-12100の独壇場となりそうだ。Core i3-12100で$122(国内価格18,000円)でCPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i3-12100Fで$104(国内価格14,000円)となる。第4世代RyzenシリーズになってAMDは戦略の方向転換を行った。つまり、コスパ重視からパフォーマンス重視になったのだ。Intel第12世代Core iシリーズの登場で性能でも価格でも劣るCPUが出来上がってしまった。
第4世代Ryzenシリーズで最も安価なモデルは$259の「Ryzen 5 5600G」(国内価格31,500円)だ。Core i3-12100の倍以上の価格だ。マルチスレッド性能こそ高いが、ゲーミングCPUとしての評価は低い。L3キャッシュ容量が少なくフレームレートが安定しないのだ。さすがにゲーミング性能についてはRyzen 5 5600Gが上だが価格に見合う価値があるとは思えない。その上位モデルのRyzen 5 5600Xになると35,980円とさらに高くなる。Ryzen 3 3300XやRyzen 3 3100では相手にならず八方塞がり状態だ。
パソコン工房から搭載モデルがリリースされる!?
Core i3-12100がリリースされて2週間程度の月日が流れてたが、未だにCore i3-12100搭載モデルを販売しているBTOメーカーはない。パソコンショップセブンやサイコムでも取り扱いはないようだ。狙い目は現時点でCore i3-10105を搭載したゲーミングPCを販売しているパソコン工房だろう。GTX 1660 Ti×Core i3-12100を組み合わせたモデルが出れば注目度は増すだろう。
今のところは自作PCの構築を考えている中上級者向けのCPUだと言える。単体価格で14,000円~購入することができる。グラフィックボードの価格が高騰している今CPUの価格を抑えるというのは理にかなっている。少しでも安くゲーミングPCを作りたいなら魅力的な選択肢になるのではないかと思う。消費電力も比較的抑えられていて現在のシステムからの換装も行いやすいはずだ。
その後2022年4月になってパソコンショップセブンで取り扱いが始まった。RTX 3060搭載モデルも選択可能だ。Core i5-12400搭載モデルと比べて価格が特別安いわけではなく、選びづらいが今後に期待したい。今後パソコン工房でもラインナップが増えていくのではないかと思う。
Core i3-12100のゲームベンチマーク一覧
Far Cry 6
Hitman 3
Cyberpunk 2077
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
7-Zip
Adobe Premier Pro
Adobe Photoshop
Corona 1.3
Core i3-12100搭載ゲーミングPC一覧
Magnate IH(ドスパラ)
CPU:Core i3-12100
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:450W 80PLUS BRONZE
サードウェーブのビジネスモデルとなっている。PCケースはオーソドックスなものだ。税込99,980円と価格が抑えられているのが魅力だ。グラフィックスにはTuring世代のエントリークラスであるGTX 1650を搭載している。メモリ8GB、SSD 500GBと構成は控えめだ。場合によってはメモリのカスタマイズを検討しよう。電源ユニットは450W BRONZEを採用している。
STYLE-M06M-121-RJX(パソコン工房)
CPU:Core i3-12100
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE
Core i3-12100×GTX 1660 SUPER搭載のビジネスモデルだ。GTX 1660 SUPER搭載モデルとして最安値クラスとなっている。Core i3シリーズを選択したことで価格を抑えることに成功している。グラフィックスにGTX 1660 SUPERを搭載していることでフルHD環境でのゲーム適性が向上している。タイトル次第では標準設定以上でも問題ない。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も十分だろう。電源ユニットには500W BRONZEを採用している。
ZEFT G21DA(セブン)
CPU:Core i3-12100
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W BRONZE
グラフィックスにTuring世代のエントリークラスであるGTX 1650を搭載したゲーミングPCだ。Core i3-12100と合わせるには十分だろう。PCケースには「SilverStone SST-PS14B-E」を採用している。落ち着いたデザインのミドルタワーケースだ。メモリ8GB、SSD 500GBと構成は最小限に留まる。これをベースモデルにカスタマイズで自分好みに仕上げるのがよさそうだ。
ZEFT G15HL(セブン)
CPU:Core i3-12100
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE
Ampere世代のエントリークラスであるRTX 3050を搭載したゲーミングPCだ。GTX 1650と比べてワンランク高い性能を得られる。フルHD環境ならある程度対応可能だ。PCケースには「Thermaltake Versa H26」を採用している。クリアガラスパネル採用でデザイン性に優れている。電源カバー搭載でケース内のケーブルをまとめやすい。実用性もしっかり考えられているのだ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も平均以上だ。
ZEFT G21DN(セブン)
CPU:Core i3-12100
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
グラフィックスにRTX 3060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCとなっている。PCケースには「Thermaltake Versa H17」を採用している。シンプルなミニタワーケースだ。拡張性・メンテナンス性も高い。フルHD環境なら高設定でも安定したゲームプレイが可能だ。メモリ16GB、SSD 500GBという構成だ。電源ユニットは750W GOLDを余裕がある。将来的な換装にも対応できる。
管理人による総評(Core i3-12100)
Core i3-12100は、Alder Lake世代における低価格帯のCore iシリーズだ。スペックは4コア8スレッドと控え目だが、アーキテクチャの改良もあって従来モデルよりも大幅にパフォーマンスが引き上げられている。2.0万以下でCPUを購入したいならおすすめだ。CPU内蔵グラフィックス非搭載モデルなら1.4万円で購入できる。
ゲーミング性能については、Core i5-10600Kに匹敵するほど高くなっている。フルHD環境でミドルクラスまでのグラフィックボードと合わせるなら悪くない。もっとも搭載ゲーミングPCが販売されていないため自作ユーザー向けとなる。Core i5-12400が2.2万円~2.4万円で購入できるため悩ましい選択となる。+6,000円でより高いパフォーマンスを得られるのは大きい。
参照外部サイト
- Intel Alder Lake CPUs Will Feature 8+8 Core Design And A Massive 19% IPC Increase Over 11th Generation CPUs(wccftech, 2021)
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