Core i7-3770K画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Core i7-3770Kの性能スペック及びベンチマークについて解説している。Sandy Bridge世代のCore i7-2700Kの後継モデルがリリースされた。プロセスが32nmから22nmへと微細化されている。Intelの言うところのチックタック戦略(Intel, 公開年不明)の”チック”に当たる世代だ。つまり、プロセス・テクノロジーの刷新を行ったということになる。

残念ながら一世代前のCore i7-2700Kと比べてそれほど性能が伸びたわけではない。プロセスの微細化で空いたスペースは内蔵グラフィックスのHD Graphics 4000に割り当てられた。今回はCPU内蔵グラフィックスの強化に注力したようだ。なお、末尾のKは倍率ロックフリーモデルであることを意味していてマザーボードのチップセットなど環境さえ整っていればオーバークロックができる。後継モデルは、”タック”の「Core i7-4770K」となる。性能とパワー効率の引き上げに注力した世代ということだ。

Core i7-3770Kのスペック比較

i7-3770Ki7-2700KFX-8150
メーカーIntelIntelAMD
コードネームIvy BridgeSandy BridgeZambezi
プロセス22 nm32 nm32 nm
トランジスタ数14億11.6億12億
ダイサイズ160 mm²216 mm²315 mm²
CPUコア数448
スレッド数888
定格クロック3.5 GHz3.5 GHz3.6 GHz
最大クロック3.9 GHz3.9 GHz4.2 GHz
L3キャッシュ8MB8MB8MB
対応メモリDDR3-1600DDR3-1333DDR3
内蔵GPUIntel HD 4000Intel HD 3000非搭載
ソケットSocket 1155Socket 1155Socket AM3+
TDP77 W95 W125 W
PCI-ExpressGen 3 16 LanesGen 3 16 LanesGen 2
MSRP$313$317$245
中古価格5,980円~4,980円~データなし
発売日2012/04/292011/10/242011/10/12
Core i7-3770Kは、Ivy Bridge世代の高パフォーマンスCPUだ。プロセスは22nmとSandy Bridge世代のCore i7-2700Kで採用されている32nmから微細化が進んでいる。トランジスタ数はCore i7-2700Kから21%増えて14億だ。ダイサイズは26%小さい。CPUコア数及びスレッド数は4コア8スレッドと共通だ。定格クロック及び最大クロックも変わっていない。L3キャッシュ容量も8MBと同じだ。

対応メモリはDDR3-1333からDDR3-1600とより高速なメモリをサポートしている。内蔵GPUもHD 3000からHD 4000へとアップグレードされている。増えたトランジスタはこの内臓GPUに充てられていると考えてよい。ソケットはSocket 1155と共通だ。TDPは19%減って77Wとなる。今世代からPCI-ExpressはGen 3 16 Lanesをサポートしている。価格は$4安く$313だ。

FX-8150はAMDが販売する高性能CPUだ。プロセスは32nmとなっている。CPUコアはCore i7-3770Kの倍の8コアとなる。スレッド数は8で共通だ。定格クロックはFX-8150の方が3%高く、最大クロックもFX-8150の方が8%高い。対応メモリはDDR3だ。FX-815は内蔵GPU非搭載となっている。ソケットはAM3+だ。TDPは125WとCore i7-3770Kよりも60%以上も高い。PCI-ExpressはGen 2だ。価格は$245とCore i7-3770Kよりも20%弱安い。

Core i7-3770Kの評価【2024年】

ゲーム用途はやや力不足となる

i7-3770kgamescore
Core i7-3770Kは今となってはそこまで性能の高いCPUではない。ゲーム用途ではぎりぎりのラインだ。組み合わせるならGTX 1050やGTX 950など旧世代の50番台のグラフィックボードとなる。ゲーム性能スコアを見てわかる通り当サイトがゲームプレイ時に基準としている20,000スコアに届かない。

Core i7-3770Kが発売されたのは2012年4月だ。さすがに10年以上も月日が流れたなら仕方ないと諦めがつくのではないかと思う。なお、次世代モデルのCore i7-4770KやCore i7-4790Kでも厳しい状況となっている。一つ救いがあるとすればCore i7-3370Kがオーバークロックに対応していることだろう。高性能なCPUクーラーを搭載しているなど条件を満たしていればこのグラフ以上の数値を目指すことができる。目安としては5%程度の上積みを期待できる。

中古価格は5,980円~

i7-3770kchuko

じゃんぱらでの中古価格は5,980円~となっている。ボックスだと9,980円とやや高くなる。ある程度の価値が残っていると言えるだろう。Intel製CPUの倍率ロックフリーモデルは底が堅い。Core i7シリーズにこだわりがあるわけではないなら、2世代後のCore i3-9100Fもおすすめだ。Core i7-3770Kよりも安くワンランク高いゲーム性能を得られる。オーバークロックには非対応だが、通常の使用ならコストパフォーマンスは悪くない。6コア6スレッドの「Core i5-9400」になればより適正が上がるが、価格は9,980円前後とやや高めだ。

Core i7-3770Kのベンチマーク

PCMark 7

pcmark7corei7-3770k-PCMark 7

PCMark 7では従来モデルのCore i7-2700Kと比べて5%程度スコアが伸びている。ハイエンドモデルのCore i7-3960Xよりもスコアが高いのはクロック周波数の高さからだろう。競合モデルであるAMD FX-8150と比べると30%以上もパフォーマンスで上回っている。8コアというスペックがうまく活かせていないように思える。

Blender

blenderclassroomcorei7-3770k-blender

Blenderは3DCGソフトとなっている。CPU性能を測る上で参考になるだろう。Core i7-2700Kと比べて5%程度パフォーマンスが向上している。下位モデルであるCore i5-2550Kと比べて15%程度パフォーマンスで上回っている。競合モデルであるAMD FX-8150と比べると33%もスコアが高くなっている。

Handbrake

handbrakecorei7-3770k-handbrake

動画のエンコードに掛かる時間をまとめたものだ。Core i7-2700Kとの差は3%程度それほど大きくない。やはり大幅に性能が向上したわけではないと考えておこう。それでもAMD FX-8150と比べて16%もパフォーマンスが高い。本来コアが多い方が有利なエンコードの作業でこれだけ差をつけるのは悩ましいところだろう。事実6コア12スレッドのCore i7-3930XやCore i7-3960Xは高い性能を発揮している。AMD製CPUのバランスの問題だろうか。

Core i7-3770Kのゲームベンチマーク

Batman: Arkham City

batman

Core i7-3960X136.5
125.7
Core i7-3770K129.3
123.0
Core i7-2700K127.8
115.4
Core i5-2550K126.9
117.6
Core i7-3930X121.4
115.2
AMD FX-815094.8
91.3
1680×10501920×1080
Batman: Arkham Cityでのフレームレートを見ていく。1050pではCore i7-2700Kと比べて1%程度フレームレートが高く、1080p(フルHD)では7%フレームレートが高くなっている。上位モデルであるCore i7-3960Xと比べると最大5%程度パフォーマンスが劣る。AMD FX-8510は全く通用しておらずフレームレートの差は36%とかなり大きい。4コア以上になってもゲームプレイではあまり意味がないと考えてよい。また、ゲーム側の最適化の問題もあるのかもしれない。その点AMD製CPUは不利になってしまう。

The Elder Scrolls V

The Elder Scrolls

Core i7-3960X134.8
123.3
Core i7-3770K126.1
118.6
Core i7-3930X122.5
115.9
Core i7-2700K120.9
115.7
Core i5-2550K118.6
113.0
AMD FX-815069.4
66.6
1680×10501920×1080
The Elder Scrolls Vでは、Core i7-3930Xよりも高いフレームレートを計測している。ゲームプレイにおいては6コア12スレッドである必要はないと考えてよい。従来モデルのCore i7-2700Kと比べて1050pでは6%上回り、1080pでも2%上回っている。AMD FX-8150は全く通用しておらずフレームレートは69.4fpsとかなり厳しい。ゲーム目的ならIntel製CPUを選ぶのが吉だ。

World Of Warcraft

worldofwarcraft

Core i7-3960X138.9
129.4
Core i7-3770K136.0
128.3
Core i7-2700K127.7
123.6
Core i5-2550K126.1
118.5
Core i7-3930X119.3
114.2
AMD FX-815077.8
71.6
1680×10501920×1080
World Of WarcraftでもCore i7-3960Xに次いで高いフレームレートを計測している。従来モデルのCore i7-2700Kと比べて1050pでは7%高く、1080pでも3%高い。高解像度になるとGPUがボトルネックとなりその差が縮まる傾向にある。AMD FX-8150と比べると60%以上もフレームレートが高い。ゲームプレイを考えるならCore i5-2550K以上のCPUを選択しよう。

Core i7-3770Kの評価&特徴【2012年】

性能はi7-2770Kから微増に留まる

Core i7-3770Kは、従来モデルのCore i7-2770Kからの性能アップは微増に留まる。最大で10%弱と新しい世代のモデルとしては物足りさないと感じる方が多いはずだ。これだけの伸びであればCore i7-2770Kから買い替える必要はないだろう。Core i7-2770Kの所有者は第4世代以降のCPU購入を検討するとよいと思う。2世代前のCPUからの買い替えなら性能差を体感しやすくおすすめだ。4コア8スレッドというスペックで現行モデルでトップクラスの性能を持つ。AMD FX-8150と比べると性能差は大きい。

Intel Z77 Expressなどのチップセットに対応

Ivy Bridgeに対応したチップセットとしては、Intel Z77 Express・Intel H77 Express・Intel Z75 Express・Intel B75 Expressが挙げられる。USB 3.0のサポートや最大3画面出力などより実用性の高いチップセットとなっている。なお、従来モデルであるSandy Bridgeと同じソケットLGA1155に対応していて従来モデルのチップセットと互換性がある。PCIe 3.0のサポートを重視しているなら最新のチップセットを用意しよう。

省電力性が高くなった

i73770k-watt
Core i7-3770Kは省電力性の高いCPUとなっている。プロセスが22nmへと微細化されたこともポイントだ。Core i7-2700Kと比べて10%程度性能が上がっているにも関わらず消費電力は2%-3%程度抑えられている。次世代モデルではさらに洗練されたアーキテクチャになる可能性がある。AMD FX-8150と比べると30%近くも消費電力が抑えられていることがわかる。

CPU内蔵グラフィックスが強化されている

The Elder Scrolls

Radeon HD 657062.5
45.8
AMD A8 385042.3
34.0
Core i7-3770K38.9
30.1
Core i7-2700K27.4
21.6
1600×9001920×1080

Core i7-3770Kを含むIvy Bridge世代最大のハイライトは内蔵グラフィックスの強化だろう。前世代のHD 3000からHD 4000へとアップグレードされている。The Elder Scrolls Vではおよそ40%程度グラフィックス処理性能が引き上げられている。他のタイトルでも同等のパフォーマンスを期待できる。1600×900など解像度を落としてその上で設定を調整すればゲームに対応できなくもない。もちろん外付けのグラフィックボードとの性能差は大きく基本的にはおすすめしない。DirextX 11をサポートしていてより最新のAPIに対応できる。

参照外部サイト

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