Core i3-9100F画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Core i3-9100Fのレビュー&性能ベンチマークを検証している。Core i3-9350Kが先に登場していたが、廉価モデルであるこのCore i3-9100Fが発売開始となったことで第9世代のCore i3シリーズがやっと揃った形になる。低価格帯のゲーミングPCを購入したいあるいは自作PCを組みたいと待ち焦がれていた方も多いのではないだろうか。価格が安いCore i3-9100FでもBTOパソコンの場合それほど価格が抑えられているわけではないのが玉にキズだ。

なお、Core i3-9100とCore i3-9100Fの違いはCPU内蔵グラフィックスが搭載されているかどうかだ。当サイトではグラフィックボード搭載が前提のゲーミングPCを取り扱っているため内蔵グラフィックスのない”F”を中心に取り扱っている。基本的に性能的な違いはないと考えて問題ない。後継モデルは「Core i3-10100」だ。ハイパースレッディングに対応したことでCPU性能は向上している。

Core i3-9100Fの基本情報

コードネームCoffee Lake
プロセス14nm
コア/スレッド数4コア/4スレッド
定格/最大クロック3.6 GHz/ 4.2 Ghz
L3キャッシュ6MB
TDP65W
発売日2019年5月16日
価格$97
特徴 (+) ギリギリゲーミングCPUとしても使える
(+) 税込み15,000円前後で購入できる
(-) 今後は性能面で厳しくなる可能性が高い
(-) 搭載BTOパソコンのラインナップが少ない
評価・総合評価
2.5

・ゲーム評価
2.5

Intelでは例年通り上位モデルからラインナップを発売する流れとなっていたためエントリーモデルであるCore i3-9100Fの発売までかなり時間が掛かった。第9世代の第1弾であるCore i7-9700Kなどは2018年10月に発売されたことから半年以上経過したことになる。安価なゲーミングPCを構築したい方にとっては魅力的なCPUとなるだろう。

価格の安さが最大のウリのCPUとなっている。ゲーム向けとして考えると及第点だ。過度な期待をしないのであれば十分選択肢に入る。ただし、BTOメーカーから搭載モデルはコストパフォーマンスが高いとは言えないため、自作PCを組みたい方向けだ。将来性が高いモデルではないため長く使いたいと考えている方は避けた方がよいだろう。

Core i3-9100Fの基本情報

スペック

i3-9100Fi3-9350Ki3-8100
コードネームCoffee Lake-RCoffee Lake-RCoffee Lake
プロセス14nm14nm14nm
CPUコア数444
スレッド数444
定格クロック3.6GHz4.0GHz3.6GHz
最大クロック4.2GHz4.6GHz-
L3キャッシュ6MB8MB6MB
メモリ規格DDR4-2666DDR4-2666DDR4-2666
グラフィックス非搭載UHD 630UHD 630
TDP65W91W62W
価格$97$173$117
発売日2019年5月16日2019年4月12日2017年11月2日
Core i3-9100Fの比較対象は、前世代のCPUの「Core i3-8100」だ。前モデルと比べてアーキテクチャはほとんど変わらずコードネームはRefreshとなっている。コア/スレッドも4コア4スレッドと共通だ。大きく変わったのはブーストクロックに対応したことだ。これはコアに余裕がある場合定格クロック周波数を引き上げることができる機能のことを指している。

定格クロックは3.6GHzと変わらないものの、ブーストクロックがあることで結果的により高いパフォーマンスを発揮することができる。ゲーミング用途として考えるならより好ましくなったと言える。価格は$5アップなのでほぼ同等と考えてよいだろう。グラフィックスレスモデルのCore i3-9100Fならより安価だ。グラフィックボード搭載を前提としているのであればFシリーズで十分だ。

今世代からCPU内蔵グラフィックス非搭載モデルが登場している。グラフィック処理を行うなら外部のグラフィックボードを同時に購入する必要がある。ゲーミングPC=グラフィックボード搭載なので、CPU内蔵グラフィックスが搭載されていないこと自体特に大きな問題とはならない。上位のCore i3-9350Kになるとオーバークロックに対応しクロック周波数も大きく、L3キャッシュも33%アップとなる。ただ、Core i5-9400Fの価格が$182であることを考えるとゲーミングPCにはi5の方がよいだろう。

総合性能

corei3-9100seinou

総合性能は、前世代のCore i3-8100よりもワンランクアップとなり順当だ。前世代の上位モデルに当たるCore i3-8350Kに近づいているとは言えまだまだ及ばない。飛躍的な性能アップというわけではないということは理解しておこう。3世代前のCore i5シリーズの最上位モデルであるCore i5-6600Kに匹敵する性能は評価に値するだろう。

2023年時点ではやはり通用しないモデルとなっている。これから購入するなら最低でもCore i3-10100以上、できればRyzen 5 3500以上を選択したいところだ。Core i3-10100ならハイパースレッディングに対応したことで性能的には30%以上性能が高い。さすがに4コア4スレッドというスペックでは厳しくなっている。

Core i3-9100Fの最新評価【2023年】

i3-9100fgamescore

2023年時点ではゲーミングCPUとしては通用しないモデルとなってしまった。ハイパースレディングに対応した後継モデルであるCore i3-10100でも厳しい状況で、ハイパースレッディングに対応していないCore i3-9100では限界が見える。フルHD環境で設定を下げるのであれば対応できなくないが、すぐに買い替えのタイミングが来てしまうだろう。性能的にGTX 1650やGTX 1050 Tiとの組み合わせとなる。

Core i3-9100Fは中古で7,000円以下で購入できるので魅力的に見えてしまうかもしれないが、性能も価格相応で購入は推奨しない。ゲームプレイにおいて妥協が必要になってくる。それならもう少し予算を増やして10,000円前後で販売されている新品のRyzen 5 4500を選ぶ方が好ましい。保証もあるので結果的に安く済む可能性が高い。

もう少し背伸びをしてRyzen 5 5500を選択するのもよいだろう。新品の税込価格は15,000円前後でCore i3-9100Fよりも20%以上性能が高く一気にゲーム適性が向上する。BTOパソコンではそれほどメジャーなモデルではないが、自作PCユーザーには希望の星となる。後悔したくないのであればできる限り新しいモデルを選択しよう。

Core i3-9100Fのゲームベンチマーク一覧

Battlefield1

battlefieldcorei3-9100f-battlefield

従来モデルのCore i3-8100と比べると3%性能アップとなる。Core i5-9400Fとの差は8%だ。ボトルネックとなっておらず十分通用することがわかる。グラフィックボードにコストをかければある程度までフレームレートを高くできるだろう。

Civilization 6

civ6corei3-9100f-civ6

負荷の高いタイトルでも68fpsと安定している。ただし、場面が重くなるとややフレームレートが低下することがある。Core i3-9100F搭載のゲーミングPCを作るのであれば設定は上げすぎない方がよいだろう。フルHD×標準設定ぐらいがちょうどよい。Core i5-9400Fになると一気にフレームレートが高くなる。フレームレートの差は20%程度と大きい。Core i5までには大きな壁がある。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R15

cinebenchcinebench-corei3-9100f

定番のベンチマークソフトでスコアを計測している。スペック通りのスコアが出るため性能を比較するのに便利なソフトだと言える。Core i3-8100と比べるとマルチスレッド性能で3%アップとなっている。シングルスレッド性能は2%だ。Core i5-9400Fは、6コア6スレッドとコア数が多くスコアも伸びている。ゲーム適性はやはりCore i5だろう。

Adobe Premiere Pro CC

Adobe Premiere Pro CCCore i3-9100F-adobe

AdobeソフトでのYoutube動画のアップロード速度を計測。数値が少ないほど高性能ということになる。Core i3-9100Fはやや苦戦となった。Core i5-9400Fと比べるとおよそ30%の性能差がある。CPU負荷の高い作業においてはやはりコア数が多いほど有利だと言える。

Core i3-9100Fの特徴詳細【発売時点】

ゲーミングPCとして通用する性能を持つ

Core i3-9100Fは、ゲーミングPC搭載のCPUとして十分な性能を持っている。ここが最低基準として考えても良いだろう。これは次のゲームのベンチマーク(フレームレート)を見ればわかる。確かにCore i5などに比べると性能は劣るが、快適なゲームプレイができる証明としては十分だ。

グラフィックボードがあまりに高性能な場合CPU性能がボトルネックとなってしまいパフォーマンスを引き出すことができない。バランスを考えると最適なグラフィックボードとしてはGTX 1050、GTX 1050 Ti、GTX1650、GTX 1650 Super、GTX 1660などが挙げられる。AMDならRadeon RX 5500 XTまでだろう。ロークラス~ミドルクラスがよい。

BTOパソコンではi5-9400Fの影に隠れ注目度は低い

Core i3-9100Fはやや立ち位置的に中途半端な存在だ。コスパの高いゲーミングPC向けCPUとしては、Core i3-9100Fの上位モデルである「Core i5-9400F」の人気が高い。単体の価格としておよそ倍額の15,000円と高額だが、これがBTOパソコンとなるとその差はほとんどなくなってしまう。

事実10万円以下の価格の安いゲーミングPCのほとんどがCore i5-9400F搭載となっている。Core i3-9100を搭載したゲーミングPCはほとんどなく、上位モデルであるCore i5-9400Fの影に隠れCore i3-9100Fは注目されにくいと言える。自作ユーザーにとってもおよそ7,000円で上位モデルでかつゲーム適性がより高いCPUが手に入るとなると立ち位置が難しくなってしまう。将来性もやはりCore i5に軍配が上がる。

ビジネス向けモデルとして考えると魅力的

エントリークラスとは言ってもCore iシリーズであることに変わりはない。そういう意味では、CeleronやPentiumよりもワンランク以上パフォーマンスが向上する。エクセルやオフィスを使いながら簡単な写真編集をしたり、WEBデザイン向けアプリケーションを使ったりするのであれば魅力的なモデルとなる。Core i5-9400Fと比べると分が悪いが、下位モデルと比べると優秀だ。

BTOパソコンでもグラフィックボードが非搭載のモデルではコストパフォーマンス優れているものが多い。当然その場合はCPU内蔵グラフィックスが搭載されたCore i3-9100を採用していることは触れておきたい。単体の価格としては価格が上がってもBTOパソコンとしてみるとグラフィックボードが搭載されていない分割安だと言える。

Core i3-9100F搭載のゲーミングPC一覧

GALLERIA SS(ドスパラ)

galleriass価格:84,980円
CPU:Core i3-9100F
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:250GB
HDD:非搭載
電源:550W 80PLUS GOLD

GTX 1650×i3-9100搭載のゲーミングPCだ。スリムタワーケースを採用していて省スペース性が魅力となっている。ゲーミング性能は控えめで最低限の性能に留まる。設定調整を行えばFULL HD環境に対応することが可能だ。メモリ8GB・SSD 250GBと全体的に構成は抑えられているが、電源ユニットだけは550W GOLDと高性能モデルを採用。これはスリムタワーの排熱性能の弱さをカバーするためだと言える。

STYLE-M140-i3-RVS(パソコン工房)

style価格:79,980円
CPU:Core i3-9100F
GPU:GeForce GTX 1650 Super
メモリ:DDR4 8GB
SSD:非搭載
HDD:1TB
電源:500W BRONZE

GTX 1650 Superを搭載したゲーミングPCだ。ゲーム適性は高く価格設定も妥当だ。メモリ8GB、HDD 1TBと構成は必要最低限だが、初心者の方なら検討する価値がある。将来性考えるとややCPU性能がネックになってしまうことは理解しておこう。

PG-EN(ストーム)

sys_pg_eb価格:87,800円(税込)
CPU:Core i3-9100F
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:250GB
HDD:1TB
電源:750W 80PLUS GOLD

GTX 1650搭載の格安ゲーミングPCだ。税込み表記のため他のメーカーの価格設定(税抜)に合わせると80,000円程度となる。性能的にはそれほど高くないが、十分FULL HD環境でのゲームプレイに対応することができる。構成は価格を考えると十分だろう。このクラスならカスタマイズをせずに選択したい。

SR-ii3-4660H/S7/GF/W10(セブン)

SR-ii9-8862HS5GPW10価格:102,800円
CPU:Core i3-9100
GPU:GeForce GTX 1660 Super
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:500W BRONZE

PCケースに「Thermaltake Versa H26 Black」を採用していることで優位性がある。アクリルサイドパネルで魅せるゲーミングPCとなっている。グラフィックボードにはミドルクラスのGTX 1660 Superを搭載している。性能が上がった分価格も跳ね上がっているため積極的におすすめできるわけではない。それでもメモリ16GB、SSD 500GB NVMe対応とポテンシャルが高い。

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