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当ページでは、Core i9-8950HKの性能レビュー及びベンチマークの紹介をしている。Intel第8世代ノート向けCPUのフラグシップモデルだ。6コア12スレッドというスペックは、下位モデルのCore i7-8750Hと同等だ。CPUの基本性能を意味するクロック周波数が高くクリエイター向け要素が強くなる。

また、非常に高価なため予算に余裕がある方向けだ。発熱量が多く熱のコントロールが鍵となるなど注意するべき点も多いので、購入前に必ずチェックして欲しい。後継モデルは「Core i9-9980HK」だ。8コア16スレッドと高いスペックを誇る。

Core i9-8950HKの概要

基本スペック

i9-8950HKi7-8750Hi7-7820HK
コードネームCoffee LakeCoffee LakeCaby Lake
プロセス14nm++14nm++14nm++
CPUコア数664
スレッド数12128
定格クロック2.9GHz2.2GHz2.9GHz
最大クロック4.8GHz4.1GHz3.9GHz
L3キャッシュ12MB9MB8MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2400
内蔵GPUUHD 630UHD 630HD 630
TDP45W45W45W
価格$583$395$378
発売日2018/04/032018/04/032017/01/03
Core i9シリーズになるとノート向けとは言えデスクトップ向けに引けを取らないパフォーマンスを持つ。前世代のフラグシップモデルのCore i7-7820HKと比較すると大幅に性能が向上していることがわかる。コア数・スレッド数がそれぞれ50%アップでブースト時クロック周波数も24%アップしている。

L3キャッシュも50%アップしていてより効率的にPC作業を行うことが可能だ。対応メモリもDDR4-2400からDDR4-2666へとアップグレードされている。CPU内蔵グラフィックスはHD 630からUHD 630へとマイナーチェンジが行われた。もっともグラフィックボードを搭載することが多いCPUであるためCPU内蔵グラフィックスの性能はそれほど重視されないはずだ。

下位のCore i7-8750Hと比較していこう。Core i7シリーズはゲーミングノートPCで最も多く採用されているCPUだ。6コア12スレッドというスペックは共通となっている。Core i7-8750Hと比べると定格クロックは35%アップ、最大クロックは17%アップとなっている。L3キャッシュも33%多く12MBとなる。対応メモリ・内蔵GPUは共通だ。TDPも45Wとなっている。価格差は$188であることを考えるとスペックについてインパクトはない。

なお、ゲーミングノートPCの価格は$188以上に差が出るためコスパはどうしても低くなってしまう。例えば、Dell G7 15のCore i9-8950HK搭載モデルの定価は211,980円、Core i7-8750H搭載モデルは169,980円と42,000円の差がある。これは他のブランドでも同様だ。

参考までにデスクトップ向けのCore i7-8700のスペックは、6コア12スレッドでクロック周波数は3.2GHz/4.6GHzとなっている。ブースト時に関してはCore i9-8950HKが上回る。ただし、価格は$303なのでデスクトップの方が50%近く安い。これは省電力性を維持するためにコストが掛かってしまうため仕方がない。

総合性能

corei9-8950hkseinou

ノート向けのCPUのトップに君臨するCore i9-8950HKは下位モデルに当たるCore i7よりも当然性能は高い。性能差は5%程度それほど大きいわけではない。フルHDやWQHD環境ならCore i7-8750Hでも十分対応できる。CPUよりもグラフィックボードやメモリに予算を割いた方がより快適にゲームプレイができるだろう。当然予算が潤沢にある方であればCore i9を選ばない理由はない。

次世代モデルのCore i7-9750Hと同等の性能を持っている。2024年時点でもある程度通用するCPUだと考えてよいだろう。Core i9-9980HKになると性能差は35%程度と大きい。やはり6コア12スレッドから8コア16スレッドへとスペックが引き上げられたことが要因だ。世代を重ねるごとに着実に性能は向上している。

Core i9-8950HKの特徴まとめ

ノートパソコン向けCPUのフラグシップモデル

Core i9-8950HKは、ノート向けCPUのフラグシップモデルとなっている。クロック周波数はデスクトップ向けのモデルと比べても遜色ないレベルだ。ただ、消費電力を上げない=発熱を抑えるためにCPUの開発にコストが掛かっていてそれがそのまま跳ね返ってきているのが現状だ。

スペックのところで見た通り価格差が大きいためコストパフォーマンスは高くない。ゲーミングパフォーマンスに関してはCore i7よりも15%-20程度フレームレートが上がる。オーバークロックをしてもゲームプレイではそれほどメリットはない。CPUがボトルネックとなりやすいHitmanなどで恩恵を得ることができる。反対にGTA5などではCPUによる差は顕著に現れない。

発熱のコントロールが難しくコストが高い

CPU性能が高すぎるため発熱のコントロールが難しいという弱点があるのだ。できる限り消費電力を抑えて発熱量を低くしているものの負荷が高くなるとどうしても発熱量が多くなっている。

熱を持ちやすいということは周知の事実なため各メーカーはノートPC本体にもコストを掛けている。本体は重くなりがちで持ち運びもしにくくなる。通常2.0kgのノートPCだが、倍近くになることも珍しくない。

要は性能の高いCPUを搭載しているが故に本体価格は高くなり、本体も重くなってしまうのだ。ゲーミングノートPCに何を求めるかによるが、やはりi9になるとデメリットが顕著に現れてしまうことは理解しておこう。

BTOパソコンのラインナップは多くない

搭載モデルは極端に少ないことを知っておく必要がある。i9シリーズ搭載モデルはDell、ALIENWARE、ASUS、MSI、Acerから販売中だ。カスタマイズをすることができるためある程度自分好みのモデルに仕上げることはできるだろう。当然価格は跳ね上がるため現実的ではないかもしれないが…

現在国内のBTOメーカーからCore i9-8950HK搭載のゲーミングノートPCは販売されていない。少し前までG-TuneのウルトラスペックがウリのNEXTGEAR-NOTE i7910シリーズがあったが全く売れないためか販売が終了となっている。ドスパラやTSUKUMOでも販売されていないため海外ブランドのモデルを探すしかない。

Core i9-8950HKの概要と気になるところ

Core i9-8950HKの性能の高さは理解していただけだろう。しかし、デメリットとなる部分も多く初めて購入するゲーミングノートPCとしてはふさわしくない。発熱のコントロールのために本体価格もi7と比べて上がり50万円近くになるものもある。ここまで来るとマニア向けの一台だと言えてしまう。

Core i7-8750Hと比較すると動画編集やRAW現像などクリエイター向けの作業では20%以上のパフォーマンスアップを期待できる。一方、ゲームプレイにおいてそこまで大きな差が出るわけではなく、むしろ熱を持ちすぎて反対にパフォーマンスが落ちてしまうこともある。ファンノイズの大きさも気になる。残念ながら外出先で快適にゲームプレイをするには向いていない。

純粋にゲームを楽しみたいだけならグラフィックボードにお金を掛けるべきだろう。CPUにお金を掛けるメリットを体感することは難しいと言える。ややネガティブな意見が多くなってしまったが、全くおすすめできないというわけではない。ここで紹介しているゲーミングモデル(Dell G7 15 スプレマシーを除く)であれば熱のコントロールという面では十分カバーできる。予算があるのであれば選択する価値はある。

Core i9-8950HKのベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)

Cinebench R15

cinebenchr15cinebenchcorei9-8950hk

レンダリングでCPU性能を図る定番のベンチマークだ。シングルスレッド性能はおよそ20%高く、マルチスレッド性能はおよそ25%高くなっている。やはりポテンシャルは高く熱のコントロールがうまくできれば数値通りのパフォーマンスを発揮することが可能だ。Core i7-8750Hと比べるとコントロールしにくい面があり発熱量をコントロールできないと大きくパフォーマンスが落ちてしまうことになる。ゲーミングノートPCの本体が大きくなりがちなのは仕方がないのだ。

Geekbench 4.1 64-bit

gekkbench40geekbench-corei9-8950hk

CPU及びGPUのベンチマークを測定することができるベンチマークソフトだ。Cinebench R15を補完するのに活用している。シングルスレッド性能は約6%高く、マルチスレッド性能は約20%高い。Cinebenchと比べると性能差は小さくなっている。このように色々な環境で測定すれば実際の環境にも当てはまることが可能だ。

x264 HD Benchmark 4.0

x264 HD Benchmark 4.0x264-corei9-8950hk

H264のエンコード速度を計測するベンチマークソフトだ。下位モデルのCore i7-8750Hと比べてそれぞれ15%、30%の性能差が出ている。動画を扱う作業では強みを発揮することができるだろう。クロック周波数が多いこととL3キャッシュ容量が多いことがプラスに働いている形だ。

Core i9-8950HK搭載おすすめゲーミングPC

Dell G7 15 スプレマシー(Dell)

Dell G7 15価格:194,597円(送料・税込み)
CPU:Core i9-8950HK
GPU:GeForce GTX 1060 6GB
メモリ:16GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:1TB

キャンペーンを活用すれば税込み20万円以下で購入できる格安モデルだ。グラフィックボードには人気の高いGeForce GTX 1060 6GBを搭載しFULL HD環境を得意としている。ただ、問題は他のi9搭載モデルと比べるとわかるとおり価格差がありすぎる。このDell G7 15はALIENWAREの廉価モデルでコストカットされている。発熱の多いi9で使うには本体が薄すぎて心許ない。基本的にはこのモデルは選択しない方が良いだろう。

ALIENWARE m17 スプレマシー VR(エイリアンウェア)

LIENWARE 15full価格:368,980円
CPU:Core i9-8950HK
GPU:GeForce RTX 2080
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB
HDD:1TB

最新のRTX 2080を搭載したゲーミングノートPCだ。上記のDell G7と比べると明らかに本体が異なる。本体は重く、分厚くなり排熱に配慮されていることがわかる。価格はほぼ倍増だが、購入するならこのクラスを選択するべきだろう。現時点で購入できるゲーミングノートPCの中でも最も性能が高いおすすめの一台だ。

ROG G703GI G703GI-I9G1080(ASUS)

ROG G703GI価格:549,800円
CPU:Core i9-8950HK
GPU:GeForce GTX 1080
メモリ:DDR4 64GB
SSD:512GB
HDD:2TB

税込み約60万円と非常に高額なゲーミングノートPCだ。グラフィックボードにはGTX 1080を搭載し高いパフォーマンスを発揮。WQHD環境以上でも十分対応することができデスクトップパソコンと比べても劣らない。リフレッシュレートは144Hzに対応しよりスムーズな描写が可能となる。冷却性能にお金が掛けられ熱の心配はほとんどないレベルだ。これだけ出せば当然だろうが…

GT75 8RG-009JP(MSI)

GT75 8RG-009JP価格:489,800円
CPU:Core i9-8950HK
GPU:GeForce GTX 1080
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB
HDD:1TB

MSI製のゲーミングノートPC。グラフィックボードにはGTX1080を採用。構成的にもROG G703GIと非常に良く似ている。この当たりはケースやブランドの好みで選択してしまっても良いだろう。性能面や機能面でも不足はない。

Predator Helios 500 PH517-51-F93Z(Acer)

PH517-51-F93Z価格:431,780(税込)
CPU:Core i9-8950HK
GPU:GeForce GTX 1070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:2TB

AcerのゲーミングPCブランド「Predator」の一台となっている。グラフィックボードにはGTX1070を搭載し高い性能を発揮。上記の2つのモデルに比べるとグラフィック性能は劣るものの将来性が高い。144Hzの高速リフレッシュレートに対応しFPSでも快適にゲームプレイをすることが可能。

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