画像引用元:https://www.tekwind.co.jp/
当記事では、GeForce GTX 780のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2024年時点だとエントリークラス相当の性能だ。GPUメモリ容量が3GBと少なめなのが時代に合っておらず厳しくなってきた。GeForce GTX 700シリーズは、GeForce GTX 600シリーズと同じKeplerと同じ基本的なグラフィックス技術を採用したリフレッシュモデルとなっている。
上位のGeForce GTX TITANと同じGPUを採用しているのがポイントだ。前世代のGTX 680を超えるグラフィックス性能を持つ。GTX 600シリーズが登場して1年経ち製品サイクルが来たので、今回新しいモデルを発売する必要があったと言える。後継モデルはMaxwell世代の「GeForce GTX 980」だ。価格が$100安くなってより購入しやすくなっている。
当ページの目次
GeForce GTX 780の概要
スペック
GTX 780 | GTX TITAN | GTX 680 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Kepler | Kepler | Kepler |
GPU | GK110 | GK110 | GK104 |
プロセス | 28nm | 28nm | 28nm |
ダイサイズ | 561m㎡ | 561m㎡ | 294m㎡ |
トランジスタ数 | 70.8億 | 70.8億 | 35.4億 |
CUDAコア数 | 2304 | 2688 | 1536 |
コアクロック | 863 MHz | 836 MHz | 1006 MHz |
ブーストクロック | 902 MHz | 876 MHz | 1058 MHz |
GPUメモリ | GDDR5 3GB | GDDR5 6GB | GDDR5 2GB |
メモリクロック | 1502 MHz (6 Gbps) | 1502 MHz (6 Gbps) | 1502 MHz (6 Gbps) |
メモリバス | 384 bit | 384 bit | 256 bit |
メモリバンド幅 | 288.4 GB/s | 288.4 GB/s | 192.3 GB/s |
TDP | 250W | 250W | 195W |
電源 | 1x 6-pin + 1x 8-pin | 1x 6-pin + 1x 8-pin | 2x 6-pin |
MSRP | $649 | $999 | $499 |
中古価格 | 7,980円 | 9,980円 | 3,980円 |
発売日 | 2013/03/23 | 2013/02/27 | 2012/03/22 |
GTX 680と比べるとCUDAコア数は50%増えて2304となる。コアクロックは14%低く、ブーストクロックも14%低い。CUDAコアが増えた分だけクロック周波数は抑えられている。GPUメモリ容量は1GB増えて3GBとなった。メモリクロックは6 Gbpsと共通で、メモリバスが384 bitとなっている。メモリバンド幅は50%アップだ。TDPは29%増えて250Wとなる。これによって1x 6-pin + 1x 8-pinへと変わっている。価格差は$150とかなり大きい。
GTX TITANでは15個の内14個のSMXが有効化されているが、GTX 780では12個のSMXが有効化されている。つまり、CUDAコアは2688→2304(12×192)だ。テクスチャユニットも224から192へとスペックダウンしている。それでもGTX 680と比べて50%もアップした。基本的なアーキテクチャが同じでも搭載されているGPUが異なるためGTX 680とは全く別物の製品だと考えてよい。
メモリ周りについてはGTX TITANを踏襲する形だ。GPUメモリ容量のみ半減しているが、メモリクロック周波数は同じ1502MHzでメモリバンド幅も288.4 GB/sとなっているまた、クロック周波数も3%程度高い。消費電力はTITANと同じ250Wだ。GTX 680と比べてスペックが引き上げられていることを考えると消費電力が30%アップも仕方がない。このスペックならGTX TITANに近いパフォーマンスを発揮できるだろう。GTX TITANよりは価格が抑えられているとは言ってもGTX 680よりも30%アップの$649はデメリットだと言える。
Radeonシリーズと比較
GTX 780 | HD 7970 GHz Ed. | HD 7990 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Kepler | Tahiti | Malta |
GPU | GK110 | Tahiti XT2 | Malta XT |
プロセス | 28nm | 28nm | 28nm |
ダイサイズ | 561m㎡ | 352 mm² | 365 mm² |
トランジスタ数 | 70.8億 | 43.13億 | 43.13億 |
CUDAコア数 | 2304 | 2048 | 2048×2 |
コアクロック | 863 MHz | 1050 MHz | 950 MHz |
ブーストクロック | 902 MHz | 1500 MHz | 1000 MHz |
GPUメモリ | GDDR5 3GB | GDDR5 3GB | GDDR5 3GB×2 |
メモリクロック | 1502 MHz (6 Gbps) | 1500 MHz (6 Gbps) | 1500 MHz (6 Gbps) |
メモリバス | 384 bit | 384 bit | 384 bit×2 |
メモリバンド幅 | 288.4 GB/s | 288.0 GB/s | 288.0 GB/s×2 |
TDP | 250W | 300W | 375W |
電源 | 1x 6-pin + 1x 8-pin | 1x 6-pin + 1x 8-pin | 2x 8-pin |
価格 | $649 | $499 | $999 |
発売日 | 2013/03/23 | 2012/06/22 | 2013/04/24 |
一方で、ダイサイズはGTX 780が圧倒的に大きい。トランジスタ数も60%以上も多い。メモリ周りは共通していることがわかる。大きく違うのは消費電力だ。実質下位モデルであるRadeon HD 7970 Ed.でさえ300WとGTX 780の20%増となっている。クロック周波数を極限まで引き上げた結果だろう。
Radeon HD 7990は、当時一般的だったデュアルGPUカードだ。Radeon HD 7970 GHz Ed.を2基搭載されていると考えるとわかりやすい。結果的にCUDAコア数・GPUメモリ・メモリバス・メモリバンド幅などは2倍だ。Radeon HD 7970 GHz Ed.よりもコアクロック・ブーストクロックは抑えられていてこれはデュアルGPUカードの宿命だ。さすがにクロック周波数を維持してしまうと消費電力が上がりすぎるなどの不都合が生じるのだ。
GeForce GTX 780の最新評価【2024年】
GeForce GTX 1650を超えるゲーミング性能を持つ
GeForce GTX 780は、1世代前のTuring世代の「GeForce GTX 1650」と同等の性能だ。かつてのハイエンドモデルはエントリークラスの性能に留まる。時代の流れは残酷だ。エントリークラスであるGeForce GTX 1650のGPUメモリが4GBなので、それよりも1GB容量が少ないのはネックとなってしまう。タイトルによってはパフォーマンス面でGeForce GTX 1650に劣ることもある。
それでもGeForce GTX 770やGeForce GTX 760に比べるとある程度ゲームプレイに対応できると考えてよいかもしれない。設定を下げることで主流のフルHD環境を構築することが可能だ。GeForce GTX 780 Tiになるとワンランク性能が上がるが、GeForce GTX 1650の後継モデルである「GeForce GTX 1650 SUPER」には及ばない。
現行のAmpere世代のエントリークラスである「GeForce RTX 3050」になるとさらに性能差が広がっている。50%程度の性能差があってさらにレイトレーシング・DLSSといった機能が追加されている。9年前のグラフィックボードだとかなり厳しい状況になったと考えて間違いない。省電力性を考えてもRTX 3050は魅力的な選択肢となるだろう。
価格が落ちきっていて中古が狙い目だが…
中古価格はかなり落ちてきていて狙い目と言えるかもしれない。ライトユーザーの方で性能に納得できるのであれば選択肢に入れてもよい。Turing世代の50番台と同等の性能があることを考えると通用しないわけではないからだ。中古価格の相場としては税込8,000円前後だ。最近は流通量が減少傾向にあり、他のモデルも比較検討しておこう。
同等の性能を持つGeforce GTX 1650の中古価格が15,000円前後なのでおおよそ40%安く購入できるということになりコスパは高い。もちろん省電力性などを考慮するとGeForce GTX 1650を選ぶ方がよい。下位モデルであるGeForce GTX 770もGeForce GTX 780と同等の価格で、性能差を考えるとGeForce GTX 780の方が選びやすい。GeForce GTX 780の立ち位置自体は悪くない。
また、最近の傾向的にGPUメモリ容量が3GBと少ないことはデメリットとなる。現行のエントリークラスであるGeForce RTX 3050でもGPUメモリ容量は6GB/8GBと余裕がある。GeForce GTX 780は将来性がないモデルということもあって積極的におすすめできるわけではない。ある程度限られた環境でかつ予算を抑えたモデルを探している方向けだ。
GeForce GTX 780のベンチマーク
Battlefield 3
Tomb Raider
The Elder Scrolls V: Skyrim
Hitman: Absolution
GeForce GTX 780の特徴【発売時点】
競合のいない価格帯で独壇場
NVIDIAラインナップ | 価格帯 | AMDラインナップ |
---|---|---|
GTX Titan | $999 | HD 7990 |
GTX 780 | $649 | |
$449 | HD 7970 Ed. | |
GTX 770 | $399 | |
$379 | HD 7970 | |
GTX 660 Ti | $279 |
GTX 780は、競合がいない$649という価格帯に入るグラフィックボードとなっている。AMD Radeon HD 7990とRadeon HD 7970 Ed.とちょうど間に収まる。Radeon HD 7970 Ed.とHD 7970 Ed.の価格差・性能差が大きいので絶妙な価格を攻めているように思える。下位モデルであるGTX 770で$400前後の価格帯をカバーできているので隙間はない。
GTX 780 Tiの登場でGTX 780の価格が下がった
2013年11月7日にGTX 780 Tiが登場したことでGTX 780の価格が下がっている。GTX 780 TiがこれまでのGTX 780の$649でGTX 780が%499へと引き下げられている。これだけ価格が下がればユーザーにとっても購入しやすくなったと言える。NVIDIAの戦略はさすがだと思う。隙間なく抑えていてこれでAMD製グラフィックボードの立場が危ういものになった。
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