Ryzen Threadripper 1900X BOX出典:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Ryzen Threadripper 1900Xの性能スペックについて検証している。2017年8月10日に発売されたデスクトップ向けハイエンドPCだ。RyzenのメインストリームであるRyzen 7 1800Xと同等の8コア16スレッドを搭載したCPUだ。基本的にメインストリームを抜けたハイエンドモデルはゲームプレイに適していないことが多いが、当該CPUにはゲームモードが搭載されているのがポイントとなる。

上位モデルにThreadripper 1920XやThreadripper 1950Xも存在している。Threadripper 1900Xは、Ryzen 7 1800Xとコア/スレッドは同等だが、アーキテクチャやメモリで差別化が行われていてIntel Core i7-7820Xを意識したものだと言える。このハイエンドモデルであるRyzen Threadripper 1900Xはゲームプレイにおいて優位に立てるのかが気になるところだ。ベンチマークを踏まえて検証していこう。

Threadripper 1900X からの買い替え目安

Threadripper 1900X を搭載した新品のPCは、現在ほぼ流通していない。いま同じくらいの性能なら Ryzen 5 4500(単体 約8,000円) が相当する。(2017/08/31 発売)

THIRDWAVE AD-R5A56A-01W Ryzen5 4500搭載(ドスパラ)

THIRDWAVE AD-R5A56A-01W Ryzen5 4500搭載 コスパ 9.5
買い替え目安Threadripper 1900X → Ryzen 5 4500|ほぼ同じゲーム性能・コア/スレッド 8/16→6/12
価格 149,980 円 +送料 3,300円
CPU Ryzen 5 4500
GPU RTX 5060
メモリ DDR4 16GB16GB×1枚
SSD 500GB Gen4 NVMe
電源 650W 80PLUS BRONZE
マザボ B550
長所
  • RTX 5060搭載モデルで最安クラスの14万円台
  • メモリ16GBを標準搭載
  • 翌日出荷に対応
短所
  • CPU性能が低くPCIe 3.0接続でGPUの帯域が狭い
  • メモリがシングルチャネル構成
  • 初期構成では光らない
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管理人

搭載するRyzen 5 4500は、Threadripper 1900Xとほぼ同じ性能だ。コア/スレッドは6/12、最大4.10GHz、TDPは65W。CPU単体では約8,000円である。

THIRDWAVE AD-R7X57A-09W Ryzen7 9700X/LEDファン標準搭載モデル(ドスパラ)

SALE THIRDWAVE AD-R7X57A-09W Ryzen7 9700X/LEDファン標準搭載モデル コスパ 9.7
ドスパラ周年祭 ~2026/10/30(金)10:59あと10日5時間
買い替え目安Threadripper 1900X → Ryzen 7 9700X|約2.0倍のゲーム性能
価格 254,980 円 +送料3,300円
CPU Ryzen 7 9700X
GPU RTX 5070
メモリ DDR5 16GB16GB×1枚
SSD 500GB Gen4 NVMe
電源 750W 80PLUS GOLD
マザボ A620A
長所
  • Ryzen 7 9700X×RTX 5070のゲーミングPCとしては破格
  • LEDファン標準搭載で見た目も良い
  • ドスパラ周年祭対象(カスタマイズ半額)
短所
  • メモリ16GB×1枚のシングルチャネル構成
  • SSD 500GBは少なめ
  • A620Aチップセットで拡張性は控えめ
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管理人

搭載するRyzen 7 9700Xは、Threadripper 1900Xの約2.0倍のゲーム性能にあたる。コア/スレッドは8/16、最大5.50GHz、TDPは65W。CPU単体では約40,900円である。

NEXTGEAR JG-A7G70(ホワイト)7800X3D×RTX 5070(マウスコンピューター)

NEXTGEAR JG-A7G70(ホワイト)7800X3D×RTX 5070 コスパ 9.8
買い替え目安Threadripper 1900X → Ryzen 7 7800X3D|約2.2倍のゲーム性能
価格 299,800 円 送料無料
CPU Ryzen 7 7800X3D
GPU RTX 5070
メモリ DDR5 16GB16GB×1枚
SSD 500GB Gen4 NVMe
電源 650W 80PLUS BRONZE
マザボ A620A
長所
  • Ryzen 7 7800X3D×RTX 5070でWQHDまで快適に遊べる
  • 240mm水冷クーラーを標準搭載
  • AM5プラットフォームでCPUの載せ替え先が広い
  • 基本3年保証と24時間365日の電話サポート付き
短所
  • メモリが16GB×1のシングルチャネル構成
  • 電源が650W BRONZEでGPU換装の余地は狭い
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管理人

搭載するRyzen 7 7800X3Dは、Threadripper 1900Xの約2.2倍のゲーム性能にあたる。コア/スレッドは8/16、最大5.00GHz、TDPは120W。CPU単体では約41,900円である。

性能の倍率は当サイトのゲーム性能スコアにもとづく比較値である。掲載価格・在庫は変動するため、購入前に公式サイトで最新の情報を確認してほしい。

Threadripper 1900Xの概要

基本スペック

Threadripper 1900X Threadripper 1920X Ryzen 7 1800X
メーカー AMD AMD AMD
コードネーム Zen Zen Zen
プロセス 14nm 14nm 14nm
トランジスタ数 96億 96億 48億
ダイサイズ 213 mm² 213 mm² 192 mm²
CPUコア数 8 12 8
スレッド数 16 24 16
定格クロック 3.8GHz 3.5GHz 3.6GHz
最大クロック 4.0GHz 4.2GHz 4.0GHz
オーバークロック ○ ○ ○
L3キャッシュ 16MB 32MB 16MB
メモリコントローラー Quad Channel Quad Channel Dual Cannel
対応メモリ DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666
PCI-Express Gen 3.0×64 Gen 3.0×64 Gen 3.0×16
CPUクーラー 非同梱 非同梱 Wraith Max
TDP 180W 180W 95W
MSRP $549 $799 $499
発売日 2017/08/31 2017/08/31 2017/03/02

Threadripper 1900Xの基本スペックを見ていこう。コードネームはZenでプロセスは14nmだ。これはメインストリームのRyzen 7 1800Xと同じということになる。トランジスタ数はRyzen 7 1800Xの倍の96億でトランジスタ数が増えた分だけダイサイズも大きくなり213 m㎡だ。CPUコア及びスレッド数は同じ8コア16となっている。

Threadripper 1900Xでは、2つのダイがありそれぞれのダイに2つのCPU Complex(CCX)ある。つまり合計4つのCCXがあるということだ。このCCXには1つ当たり4つのコアがある。ダイ同士の接続にはInfinity Fabricが使用されている。全部で4つあるCCXの内2つのCCXが無効化されている。つまり、全部で8コア(4+4)ということだ。フルスペックなら16コア(4×4)Ryzen 7 1800XではThreadripper 1900Xとは異なりCCXが2つ(4+4)で全てが有効されている。

これだけだとほとんど同じCPUのように思えるかもしれないが、当然差別化が行われている。1つには、Threadripper 1900Xではクアッドコアチャネルのメモリコントローラーを搭載しメモリバンド幅が広くなっている。これはRyzen 7 1800Xがデュアルチャネルであることと比べて優位性を持っていると言えるだろう。また、PCIe 3.0について64レーンをサポートしているのも特徴だ。SLIを考えている方やNVMe対応SSDの搭載を考えている方には魅力的だろう。価格差は$50だ。

上位モデルのThreadripper 1920XになるとCPUコアが12、スレッド数が24と50%引き上げられる。Threadripper 1900XではCCXごとに4つのコアがあったが、Threadripper 1920Xでは3つのコアがある。つまり、2つのダイにそれぞれ3つのコアを持つCCXが2つあるということだ。Threadripper 1920Xの方が定格クロックは8%低く、最大クロックは5%高い。L3キャッシュが32MBと大容量なのもポイントだ。より効率的にデータのやり取りを行うことができる。消費電力は180Wに留められている。価格差は$250とやや大きい。

Intel製CPUと比較

Threadripper 1900X Core i7-7820X Core i7-8700K
メーカー AMD Intel
コードネーム Zen Sky Lake Coffe IntelLake
プロセス 14nm 14nm 14nm
トランジスタ数 96億 – –
ダイサイズ 213 mm² – 154 mm²
CPUコア数 8 8 6
スレッド数 16 16 12
定格クロック 3.8GHz 3.6GHz 3.7GHz
最大クロック 4.0GHz 4.5GHz 4.7GHz
L3キャッシュ 16MB 11MB 12MB
対応メモリ DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666
メモリコントローラー Quad Channel Quad Channel Dual Channel
PCIe Lanes 64 28 16
CPUクーラー 非同梱 非同梱 非同梱
TDP 180W 140W 95W
MSRP $549 $599 $359
発売日 2017/08/10 2017/06/26 2017/10/05

Threadripper 1900Xは、2017年7月にIntelが発売されたCore i7-7820XにぶつけたCPUだ。比較すると非常に似たスペックということがわかる。CPUコア及びスレッド数は同じ8コア16スレッドだ。Threadripper 1900Xの方が定格クロックが6%高く、最大クロックは10%低い。L3キャッシュは16MBとCore i7-7820Xよりも45%多い。

対応メモリDDR4-2666と共通だ。PCle Lanesの数もThreadripper 1900Xが64と130%多くなっている。CPUクーラーはいずれのモデルも非同梱だ。消費電力はCore i7-7820Xと比べて30%程度大きく180Wだ。価格差は$50でThreadripper 1900Xの方が少しだけ安い。

これまでAMDの主な長所は低価格で多くのコアを手に入れることができて、さらに高性能なマザーボードを活用できるということだった。Threadripper 1900Xもこのフィロソフィーを持っていると言える。ただし、今回はIntelのCore i7-7820Xも似たようなスペックを持っているため独壇場というわけではない。

メインストリームのCore i7-8700Kになるとワンランクスペックが落ちる。6コア12スレッドと33%少ない。定格クロックは3.7GHzで最大クロックは4.7GHzと高い。最大クロックが高いことはゲームプレイにおいてはプラスに働くだろう。L3キャッシュは12MBとなっている。消費電力は95Wとハイエンドモデルと比べるとかなり省電力性が高いことがわかる。

Ryzen Threadripper 1900Xの最新評価【2025年】

Ryzen Threadripper 1900Xgamescore
上記テーブルはゲーム性能をまとめたものだ。Ryzen Threadripper 1900X(ゲームモード)のゲーム性能スコアは18,295と価格帯を考えるとそこまで高くない。もっともメインストリームのモデルというわけではないので仕方がないだろう。Ryzen 7 1800Xと比べると3-4%程度パフォーマンスが低い。比較的新しいZen 2のRyzen 5 4500の方が15%以上性能が上だ。入手のしやすさやゲームプレイ時の安定感を考えれば魅力的な選択肢となる。

チップセット的にもRyzen 7 1800XやRyzen 5 4500の方がおすすめしやすい。Ryzen 7 1800XのソケットAM4はRyzen 5000シリーズまで使用可能だ。一方で、Ryzen Threadripper 1900Xで採用されるソケットTR4は第2世代のRyzen Threadripper 2000シリーズ(Ryzen Threadripper 2950X etc.)までしか使えない。Zen 2以降Threadripper 3000シリーズでは使用不可となる。もちろんAM4とTR4にも互換性はなく使いづらい。

Ryzen Threadripper 1900Xの特徴&注意点

2021年時点でもCPUの総合性能はまずまず

Threadripper 1900XseinouThreadripper 1900Xの総合性能をまとめている。現行モデルで言うとCore i5-10400と同等だ。$182のミドルクラスのCPUと同等になるとは驚くばかりだ。それだけ時代の進化が驚くべきものだということだろう。AMD製CPUで言うとRyzen 5 3600Xより少し高い程度に留まる。

メインストリームのRyzen 7 1800Xより僅かに高いだけでCore i7-8700Kに劣っていることがわかる。ハイエンドモデルとは言ってもRyzen 7 1800Xとそれほどパフォーマンスに違いがないのが悩ましい。やはりCCXが増えたことによる弊害があるのではないかと思う。コスパの面から選択肢に入らない方が多いのではないだろうか。Ryzen Threadripper 1900Xは、Quad ChannelやPCIe Lanesに魅力を感じる方向けだと言える。

ゲームモード搭載もゲーミング性能は平凡

Threadripper 1900Xではゲームモードを搭載しているのが特徴だ。ゲームモードではCPUの設定をデータプロセスをローカルダイに限定して、メモリコントローラーをNUMAにすることでゲームに最適化するというわけだ。さらに、ダイ間のレイテンシを除去するためにソフトウェアを通じて一つのダイを無効化する。

つまり、AMDのゲームモードを設定するとThreadripper 1900Xのスペックは4コア/8スレッドにするということだ。これはRyzen 5 1500Xや1400と同等だ。これだけ聞くとあまり期待できように感じてしまうが、メモリ周りが強化されていることやクロック周波数が高いことはプラスになる。ベンチマークスコアを見る限りゲームモード自体は有効で、クリエイターモードと比べて5%-15%程度パフォーマンスが向上することがわかる。ただし、価格を考えるとゲーム目的ではおすすめしづらい。初めからゲームを想定したメインストリームのRyzen 7 1800Xを選択すれば解決する。

コストが掛かりすぎてコスパが悪い

Threadripper 1900Xの機能を活用するために高価格のX399規格のマザーボードを選択する必要がある。5万円以上する代物で、2万円程度で購入できるX370とは異なる。Threadripper 1900Xの国内価格が税込み75,060円(AKIBA PC Hotline, 2017)で、メインストリームのRyzen 7 1800Xが64,584円(価格.com, 2017)だった。本体価格では10,000円の差に留まるが、マザーボードまでコストに入れるとかなり厳しい。

いくらThreadripper 1900Xが、Threadripperシリーズの中では安価だと言ってもこれでは選択肢に入らない。パフォーマンスが高くかつ安い代替品(Ryzen 7 1800XやCore i7-8700 etc.)があるからだ。非常に立ち位置の難しいCPUだと言える。そういう背景もあってしばらくして中古価格が暴落した。マザーボード代を含めた価格設定にしないと売れないからだ。

Ryzen Threadripper 1900Xのベンチマーク

Cinebench R15

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レンダリングをさせてそのスコアを計測している。マルチスレッド及びシングルスレッド性能を計ることが可能だ。Threadripper 1900Xもおおよそスペック通りの性能が出ている。Core i7-7820Xのブースト性能が上回った形だ。それでもCore i7-8700XやRyzen 7 1800Xを圧倒する性能を発揮している。一方、シングルスレッドについては、Core i7-8700Kが優勢となっている。ゲームではシングル性能が重要と言われているので、Core i7が選択肢に入るというわけだ。

Handbrake

handbrakeTR1900handbrake

動画のエンコードに掛かる時間を計測している。数値が少ないほど高性能ということになる。x264ではRyzenが健闘している。しかし、x265になるとCore i7-8700Kが優勢でさらに、Core i7-7820Xと比べても大きく差をつけられている。それでも高い性能であることに変わりはないが…

7-zip

TR19007zip

Zipファイルの圧縮及び解凍速度を計測。解凍スピードはRyzenが圧倒。Threadripper 1900Xはi7-7820Xよりも6%高い速度を出している。一方、圧縮速度についてはIntel製が優勢だ。

Ryzen Threadripper 1900Xのベンチマーク(ゲーム)

Civilization Ⅵ

civ6TD1900x-Civilization Ⅵ

Threadripper 1900Xはゲームモードで計測している。Threadripper 1900Xは高いパフォーマンスを出している。ただ、Core i7-8700Kが82.8fpsとそれ以上に高いパフォーマンスを発揮。やはりゲームプレイについてはCore i7-8700Kが強い。Core i7-7820Xはあまり性能を生かしきれていない。Ryzen 7 1800Xとの差は5%となっている。Civ 6では通常モードよりゲームモードの方が優勢なようだ。

Hitman

hitmanTD1900x-hitman

Threadripper 1900Xが苦戦する結果となった。DirectX12には弱いのかもしれない。Civ6とは異なりCore i7-7820Xがトップとなった。Threadripper 1900Xとの差は30%以上だ。これは最適化の問題かもしれない。コア数が多いとタイトルによっては安定しないことがある。その点Core i7-8700Kは高いスコアを出している。Ryzen 7 1800Xとの差は4%と劣る結果となってしまった。今後ドライバーの更新があれば何か変わる可能性がある。

Grand Theft Auto V

gta5TD1900x-gta5

GTA 5ではCore i7-8700Kがトップになった。Threadripper 1900Xは下から二番目だ。Creatorモードだと少しだけパフォーマンスが向上している。ゲームモード時ではRyzen 7 1800Xよりも1%高い程度に留まる。Core i7-7820Xとの差は10%と大きい。

参照外部サイト

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ベンチマークテスト環境

desktoppc

GPU EVGA GeForce GTX 1080 FE
メモリ 32GB DDR4-3200
SSD 1TB Samsung PM863
電源ユニット “SilverStone ST1500, 1500W”
マザーボード Asus X399 ROG Zenith Extreme

参照元:AMD Ryzen Threadripper 1900X CPU Review (tom’s HARDWARE)