マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A5G1D」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 5 4500×GTX 1660 SUPER搭載のロークラスのゲーミングPCだ。NEXTGEARブランドではケースデザインが一新されてよりゲーミングPCらしさが出た。税込10万円前後の低価格帯ではあまり見られない本格的なゲーミングPCに仕上がっている。
マウスコンピューターの製品は、3年保証や24時間365日の電話サポート付きで非常に充実したサポートが魅力だ。低価格なモデルは初心者に選ばれやすく、NEXTGEAR JG-A5G1Dはそのニーズにしっかり対応できている。パソコンに慣れていなくても安心して選ぶことができるのはNEXTGEAR JG-A5G1Dの魅力の一つだと言えるだろう。
当ページの目次
NEXTGEAR JG-A5G1Dのスペック解説
ブランド名 | NEXTGEAR |
---|---|
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G1D |
価格 | 99,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
グラボ | GeForce GTX 1660 SUPER(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 512GB NVMe |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ 8.6 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 8.7 ・構成 7.0 ・品質/サポート 10.0 |
NEXTGEAR JG-A5G1Dの別モデルを紹介
ブランド | NEXTGEAR | NEXTGEAR | NEXTGEAR |
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イメージ | |||
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G1D | SSD 1TBモデル | スターター5点セット |
ケース | ミニ | ミニ | ミニ |
価格 | 99,800円(税込) | 109,800円(税込) | 139,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | GTX 1660 SUPER | GTX 1660 SUPER | GTX 1660 SUPER |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 512GB | NVMe 1TB | NVMe 512GB |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE | 500W 80PLUS BRONZE | 500W 80PLUS BRONZE |
マザボ | B550 | B550 | B550 |
備考 | - | - | モニター・デバイス付属 |
公式 | 公式 | 公式 | 公式 |
SSD 1TBモデルは、SSD 512GBモデルと比べて、SSD容量倍増で1万円アップとなっている。気になるのは、マウスコンピューターのカスタマイズで512GBから1TBへの変更は8,800円だ。そのため、1TBモデルは少しだけ損なモデルと言える。実は512GBモデルはSSDのカスタマイズができない。512GBが少しだけお得に設定されていると考えるべきだろう。どちらにしても価格は抑えられているので、1TBモデルも十分おすすめできる。
スターター5点セットはNEXTGEAR JG-A5G1D、ゲーミングモニターのiiyama G-MASTER GB2470HSU-5、ゲーミングマウスのLogicool G304、ゲーミングキーボードのLogicool G213r、ゲーミングヘッドセットのLogicool G331がセットになったモデルだ。これらをカスタマイズで追加すると141,270円なので、1,470円お得ということになる。
注意点として、マウス・キーボード・ヘッドセットの中で1つでも不要なデバイスがあった場合は、別途カスタマイズで追加するか、購入した方が安くなる。5点セットは初心者ユーザーというよりも、初めてのゲーミングPCの場合にのみおすすめできるセットモデルだ。すでにデバイスを一つでも持っている、あるいは不要だと思うデバイスがセットに含まれているなら避けた方がいいだろう。
NEXTGEAR JG-A5G1Dのカスタマイズについて
NEXTGEAR JG-A5G1Dはカスタマイズを行うことで評価を下げる可能性がある。これはNEXTGEAR JG-A5G1Dだからではなく、低価格帯のモデルはおしなべて評価が下がる。カスタマイズで検討すべきはケースぐらいだ。NEXTGEAR JG-A5G1Dに採用されているケースは天板部にファン非搭載のケースだ。3,300円で天板2基追加される。さらに、5,500円で赤色LEDファンになり、前面に2基と天板に2基追加された完成形のケースが選択できる。
見た目に最も影響を与える部分なので、見た目を重視するなら5,500円の赤色LEDファン搭載ケースにしたい。グラフィックボードの交換などで長くケースを使っていくなら、冷却性能の高さも重要になる。最低でも3,300円プラスのケース、見た目を重視するなら5,500円のケースを選択しておきたい。
低価格帯のモデルは性能が控えめなので、メモリや電源のカスタマイズをカスタマイズするメリットはほとんどない。また、NEXTGEAR JG-A5G1Dはメインストレージのカスタマイズができず、構成を変更してプラスになるカスタマイズが難しい。
ストレージ容量が1TBのモデルが別に用意されているのでそちらを確認してほしい。109,800円なので1万円アップとなり、10万円を超えてしまうのがネックだ。他のカスタマイズとして、周辺機器やデバイスの追加が考えられる。NEXTGEAR JG-A5G1Dの場合は構成より、周辺機器やデバイスの追加の追加の方が恩恵は大きい。注意点として単品での追加はAmazon等で購入した方が安くなる。
低価格が武器のモデルなだけに、できるだけ価格を抑えた選択がいい。もしも、モニターやマウス、キーボードを購入予定であるなら、周辺機器がセットになったスターター5点セットがある。ゲーミングモニター、マウス、キーボード、ヘッドセットがセットになって139,800円だ。10万円を大きく超えるものの、モニターなどを別途購入すると本体代とは別に4万円~5万円はかかってしまう。そのことを考えればお得な選択肢である。
カスタマイズ自体はあまり推奨できないため、必要な箇所がストレージやデバイスであるならこういった選択肢がある。NEXTGEARのストレージ増量モデルやセットモデルは、マウスコンピューターの中でも非常にお得なモデルだ。必要なら是非とも選択したいモデルだ。ここではNEXTGEAR JG-A5G1Dのカスタマイズではなく、カスタマイズを検討している型に向けた選択肢として、同型の別モデルをピックアップしているのでチェックしてほしい。
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
・4K ・WQHD | ・240fps ・144fps | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
NEXTGEAR JG-A5G1DはRyzen 5 4500とGTX 1660 SUPERを搭載したロークラスのゲーミングPCだ。性能よりも価格を重視したモデルで、フルHDを超える解像度にはあまり適していない。また、Apex Legendsやフォートナイトのようなゲームでも、設定を下げなければ快適なゲームプレイは難しい。設定を下げることで144Hzの高リフレッシュレートに対応できるようになる。性能を武器に快適性を求めるのではなく、価格と対応力でうまくバランスを取ったモデルである。
NEXTGEAR JG-A5G1Dの性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのPCパーツの集合体だ。その中でゲーミングPCの性能を決める重要な部分はCPUとGPU(グラフィックボード)の性能だ。この2つのスペックをより詳しく見ていく。
ゲーミングPCの性能を知るには、CPUとGPU(グラフィックボード)の性能を知ることで理解できるようになる。数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方にとってもわかりやすいはずだ。
AMD Ryzen 5 4500(CPU)
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 5 7600 | |
Core i5-14400 | |
Ryzen 5 7500F | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 5600 | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 | |
Core i3-12100 | |
Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5500 | |
Ryzen 5 3600 | |
Ryzen 5 4500 | |
Ryzen 5 3500 | |
Ryzen 3 4100 |
Ryzen 5 4500は、前世代のRyzen 5 3500と同じZen 2アーキテクチャを採用したCPUだ。コア数が6コア6スレッドから6コア12スレッドへとアップしている。純粋な処理性能は高くなったと考えてよい。一方で、L3キャッシュ容量が半減となりゲーム適性はそれほど高くない。とくにゲームをメインで考えているなら、Ryzen 5 4500の性能は心もとない部分がある。あくまでも最低限のゲーム性能を持つに留まる。GTX 1660 SUPERとの組み合わせなら大きなデメリットはない。競合モデルのCore i5-13400との性能差は30%以上とかなり大きい。ゲーム性能ではそれ以上の差があると考えておこう。
GeForce GTX 1660 SUPER(GPU)
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1660 Ti | |
GTX 1660 SUPER | |
GTX 1660 | |
GTX 1650 SUPER | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1060 3GB | |
GTX 1650 | |
GTX 960 |
ロークラスであるGTX 1660 SUPERは、GTX 16・RTX 20シリーズ(Turing世代)ではミドルクラスの性能があった。時間が経過したことで、現行としては少し低めの性能ながら、今でも使用率の高いGPU(グラフィックボード)となっている。フルHD環境でも設定次第では144Hzの高リフレッシュレートに対応できる。
上位モデルのGTX 1660 Tiとは5%程度の差しかなく同等と言える。従来モデルのGTX 1060 6GBと比べると15%程度パフォーマンスが高い。人気の高いミドルクラスのRTX 3060には40%ほど差が開いていることで、性能が追いついていないことはわかる。それでも、最低限とも言えるGTX 1650に対しては50%性能が高い。今でも選択するメリットのあるGPU(グラフィックボード)である。
NEXTGEAR JG-A5G1Dの特徴
低価格帯最強のゲーミングPC
NEXTGEAR JG-A5G1Dは、通常販売されているゲーミングPCの中で最安値クラスの一台だ。税込10万円を切る低価格が魅力のモデルとなる。一般向けであればサードウェーブ(ドスパラ)の「Lightning AT5」など近い価格のモデルはあるが、ゲーミングPCとなると10万円を下回るのは難しい。セールやキャンペーンでもない限り、10万円切りのモデルはそうそうお目にかかれない。構成を少しでも強化すると10万円を超えてしまうようなギリギリさはある。
ゲーミングPCらしいケース、構成を採用していながら10万円を下回ったのは称賛したい。とくに、現行最低限と言えるGTX 1650ではなく、実用的に最低限としたGTX 1660 SUPERを搭載していることは大きい。価格を下げることだけを求めたモデルではないことがわかる。GTX 1650では快適にプレイできないゲームも多く登場している。GTX 1660 SUPERなら設定次第で対応できる。GTX 1660 SUPERはSteamの使用率でトップ10に入る人気GPUだ。
低価格ながらも、ゲームへの信頼度の高いGPUだ。初心者でも安心して選べるだけの性能は有している。ゲーミングPCの中で最安値クラスと言える価格でありながら、性能は最低限ではない。この事実がNEXTGEAR JG-A5G1Dの低価格帯最強の評価につながっている。また、低価格帯のモデルは最低限の構成や性能を持つモデルが多いことから、コストパフォーマンスが伸びにくい傾向にある。
その中で9.0に迫る評価は圧倒的だ。初心者のエントリーモデルとしても優秀な存在だ。これまでありそうでなかった、低価格帯のゲーミングPCの登場は素直に喜びたい。そして、低価格帯を支えてきた一般向けモデルに対抗できるモデルがようやく誕生だ。ゲーミングPCらしい見た目からも、強力な選択肢になることだろう。
低価格を活かせる送料無料と保証3年
NEXTGEAR JG-A5G1Dを含むマウスコンピューターの製品は送料無料に加え、3年間のセンドバック保証が付与される。同じマウスコンピューターでもG-Tuneブランドの製品は元々の価格が高いことから、ネガティブな印象が強かった。対してNEXTGEARシリーズは価格をしっかり抑えたモデルが多い。NEXTGEAR JG-A5G1Dのように10万円を下回るモデルにとって、送料無料は非常に大きい。相場的には2,200円~3,300円が浮く計算だ。
これならカートに入れてから価格の上乗せでびっくりすることもない。保証も3年あるので予算を抑えたい学生や初心者ユーザーにとって、これだけで選ぶ理由になりそうだ。単に価格が安いだけのモデルではない。そういったモデルでもニーズはあるが、その上をいくのがNEXTGEAR JG-A5G1Dだ。価格も安く、性能も保証もしっかりしている。まさに低価格モデルの頂点に立つような存在だ。
何よりケースの見た目がかっこいい。ゲーミングPCらしさのあるデザインを採用した低価格モデルは意外と少ない。これもまた選択する理由となる要素だ。NEXTGEAR JG-A5G1Dが登場した時の衝撃は、NEXTGEARを冠していた頃のG-Tune製品を見た時のようだ。他ショップの製品に対して、確実なアドバンテージや武器を持っている。
おすすめしやすく、自分もほしいと思えるモデルだ。NEXTGEARシリーズこそ、G-Tuneに期待していた展開だ。安くて高性能、それに加えて保証まで強みにしている。サポートまで加味すれば、NEXTGEAR JG-A5G1Dは最もおすすめできる10万円以下のモデルだ。
競合モデルとの比較
ブランド | NEXTGEAR | Lightning |
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イメージ | ||
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G1D | Lightning AT5 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 99,800円(税込) | 92,980円(税込) |
送料 | 無料 | 3,300円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | GTX 1660 SUPER | GTX 1660 SUPER |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB | NVMe 500GB |
電源 | 500W BRONZE | 550W BRONZE |
マザボ | B550 | A520 |
納期 | 最短翌営業日 | 最短翌営業日 |
基本保証 | 3年間 | 1年間 |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
NEXTGEAR JG-A5G1Dのベンチマーク(一般)
Cinebench R23
Ryzen 5 4500はやはりそれほどCPU性能は伸びない。マルチコアが8,794でシングルコアが8,471だ。従来モデルのRyzen 5 3500と比べてマルチコアが15%高いが、シングルコア性能は5%程度ダウンとなっている。ハイパースレッディングに対応したことでマルチコア性能が伸びるのは順当だ。アーキテクチャ的にはRyzen 5 3500と同じとなる。
Blender-CPU
BlenderのスコアはRyzen 5 3600と同等だ。Ryzen 5 3500と比べて80%程度スコアが高い。
Blender-GPU
GPUでのレンダリングをすると871.55となる。GTX 1650と比べて80%程度スコアが高い。RTX 3060のおよそ35%程度だ。
PCMark 10
PCMark 10はブラウジング・ビデオ会議・エクセル・画像編集・動画編集など一般的なPC作業のパフォーマンスを計測したものだ。Ryzen 5 3500とほとんど変わらないスコアとなっている。Core i3-12100にも劣っている。この辺りはグラフィックボードの性能も影響している。
Adobe Photoshop CC
PugetBench for PhotoshopでのベンチマークでもPCMark 10と同様の傾向が見られる。高性能なグラフィックボードを選択すればもう少しスコアが伸びるはずだ。
NEXTGEAR JG-A5G1Dのベンチマーク(ゲーム)
Fire Strike
Time Spy
FF 15
- 12000~ 非常に快適
- 9000~11999 とても快適
- 6000~8999 快適
- 4500~5999 やや快適
- 3000~4499 普通
- 2500~2999 やや重い
- 2000~2499 重い
- 0~1999 動作困難
NEXTGEAR JG-A5G1Dのフレームレート計測
フォートナイト
フルHDでは78.1fpsと最高設定でも問題なくゲームプレイを楽しめる。WQHDでも54.6fpsとまずまずの数値だ。負荷の軽めのタイトルであればGTX 16シリーズでも通用する。高リフレッシュレートを希望するなら設定を少し落とした方がよさそうだ。GTX 1650と比べると60%近くもフレームレートが高く、予算を増やしてNEXTGEAR JG-A5G1Dを選択する方がよいのではないかと思う。
FF14
FF14ではフルHDで97.5fps、WQHDで69.6fpsとなった。高解像度でのゲームプレイに対応できるポテンシャルがある。RTX 3060になれば60%前後もフレームレートが高くなる。GTX 16シリーズとRTX 30シリーズの間には大きな壁がある。GTX 1650との性能差は大きく、妥協してGTX 1650を選ぶよりもGTX 1660 SUPERを選択した方が満足が高くなりそうな気がする。
Blue Protocol
Blue ProtocolではフルHDでのゲームプレイがベストだ。71.9fpsと快適にゲームを楽しめる。設定を下げれば高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応可能だ。RTX 3060との性能差は60%以上とかなり大きいことがわかる。この辺りはCPU性能の差も現れているように思う。
FORZA HORIZON 5
FORZA HORIZON 5では苦戦している。最高設定でのゲームプレイはやや厳しいと考えておこう。設定を一つか二つ落としてゲームをする必要がある。最高設定だとフルHDでも46.8fpsだ。RTX 30シリーズあるいはRadeon RX 7000シリーズとの性能差は大きい。
Cyberpunk 2077
負荷の高いタイトルの一つであるCyberpunk 2077ではフルHDで55.3fpsとまずまずの数値だ。設定を下げれば問題なく対応できそうだ。より環境にこだわりたいならRTX 3060搭載モデル以上を選択したい。
パソコンケースレビュー
カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評(NEXTGEAR JG-A5G1D)
NEXTGEAR JG-A5G1Dは、Ryzen 5 4500×GTX 1660 SUPER搭載のロークラスのゲーミングPCである。最近のマウスコンピューターにはなかった低価格帯のモデルで、構成やサポートが充実していながら価格を抑えることに成功している。Ryzen 5 4500はゲーミングPCに採用されるCPUの中では最低限だ。性能ははっきり言って低い。それでも、価格も相応に安くミドルクラス以下の性能のGPU(グラフィックボード)とは組み合わせてもデメリットになりにくい。
その特性を上手く活かせているモデルと言える。ゲームをフルHDやそれよりも低い解像度でプレイするなら十分対応できる。ストレージはSSD 512GB Gen4 NVMeで、マザーボードのチップセットも最低限のA520ではなくB550を採用している。価格は最低限に留めているが、構成は最低限ではないところに魅力を感じる。単に安いだけのゲーミングPCではなく、その見た目からも低価格帯を引っ張っていけるゲーミングPCである。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
99,800円(税込) | 5 4500 | GTX1660Super |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 512GB | 非搭載 |