画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当記事では、Radeon R9 390のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。NVIDIA製ミドルクラスの「GeForce GTX 970」の対抗モデルとして2015年10月に発売されたグラフィックボードだ。Radeon R9 290からの実質リネームモデルということもあり革新的なモデルとはならなかった。
Grenadaアーキテクチャを採用していてhawaii世代から進化している。GTX 900番台が発売されてから1年の歳月が流れすぐにNVIDAが次世代モデルをリリースするだろう。それを考えるとそれほどおすすめできるわけではない。後継モデルは、Polaris 10を採用した「Radeon RX 480」だ。新しいアーキテクチャになって省電力性に優れたモデルとなっている。
当ページの目次
Radeon R9 390の概要
基本スペック
R9 390 | R9 390X | R9 290 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Grenada | Grenada | Hawaii |
アーキテクチャ | GCN 2.0 | GCN 2.0 | GCN 2.0 |
プロセス | 28nm | 28nm | 28nm |
トランジスタ数 | 62億 | 62億 | 62億 |
ダイサイズ | 438 mm² | 438 mm² | 438 mm² |
コンピューターユニット | 40 | 44 | 40 |
CUDAコア数 | 2560 | 2816 | 2560 |
クロック周波数 | 1000MHz | 1050MHz | 947MHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR5 | 8GB GDDR5 | 4GB GDDR5 |
メモリクロック | 6 Gbps | 6 Gbps | 5 Gbps |
メモリバス | 512 bit | 512bit | 512bit |
メモリバンド幅 | 384.0 GB/s | 384.0 GB/s | 320.0 GB/s |
TDP | 250W | 275W | 250W |
価格 | $329 | $429 | $399 |
発売日 | 2015/6/18 | 2015/6/18 | 2013/11/7 |
クロック周波数が5%高くなり1000MHzに到達している。メモリ周りも強化されている。GPUメモリ容量も倍増で8GBでパフォーマンスに与える影響が大きい。メモリクロックも20%速くなり6 Gbpsだ。メモリバスは512GBで共通となっている。メモリバンド幅は20%高く384.0 GB/sだ。TDPは250Wと変わっていない。価格は$70安くなった。ユーザーからするとメリットが大きい。
上位のRadeon R9 390Xになるとコンピューターユニットが4つ増えて44となる。結果的にCUDAコアが2816(44×64)へと10%も増えた。さらに、CUDAコアが10%上がり、クロック周波数も5%高くなる。確実に性能は上になるということがスペックからもわかる。メモリ周りは共通だ。消費電力も10%アップしているのは仕方がないだろう。価格は$429とかなり高めだ。コストパフォーマンスを考えるとRadeon R9 390の方が好ましいだろう。
NVIDIA製モデルと比較
R9 390 | GTX 970 | |
---|---|---|
コードネーム | Hawaii | GM204 |
プロセス | 28nm | 28nm |
トランジスタ数 | 62億 | 52億 |
ダイサイズ | 438 mm² | 398 mm² |
CUDAコア数 | 2560 | 1664 |
周波数 | 1000MHz | 1050MHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR5 | 4GB GDDR5 |
メモリクロック | 6 Gbps | 7 Gbps |
メモリバス | 512bit | 256bit |
メモリバンド幅 | 384.0 GB/s | 224.4 GB/s |
TDP | 250W | 145W |
価格 | $290 | $329 |
発売日 | 2015/10/9 | 2014/9/19 |
そしてメモリバンド幅は70%アップの384.0 GB/sだ。スペック的にはR9 390の方が高いが、ゲーム側の最適化の問題もあってうまくパフォーマンスを発揮できていない。消費電力が73%高い250Wというのはデメリットだと言える。価格差は$39でRadeon R9 390の方が安価だ。
Radeon R9 390の特徴と強み
ゲーミング性能は控え目
Radeon R9 390Xとの性能差も5%程度とそれほど大きくなく、やはりこの世代では大きな進歩がなかったと言える。ここに記載はないが、前世代のRadeon R9 290Xよりも性能が高いのは評価できる。Radeonが大きく変わったのは次世代モデルであるRadeon RX Vega 56/64からだろう。Radeon R9 390はそれまでのつなぎだ。
次世代のエントリークラスであるRadeon RX 5500 XTやGeForce GTX 1650 SUPERにも劣ってしまいフルHD環境でも設定調整が必須となる。快適なゲームプレイを考えている方には不向きだ。CPUもエントリークラスのものでも十分合わせることができる。低コストのゲーミングPCを構築したいなら意外と悪くないのかもしれない。そうなるとGeForce GTX 1060 6GB/3GB辺りも選択肢に入るはずだ。
中古で購入することは難しい
中古で取り扱いのあるショップを見つけることは難しい。基本的にはこれから購入することは不可能だと考えてよい。友人や知人に譲ってもらえるなど特殊なケースを除いて基本的に見ることもないはずだ。ゲーミング性能もそれほど高くないので、基本的には現行のエントリークラスあるいはミドルクラスのグラフィックボードを購入した方が満足度が高い。
Radeon R9 390のベンチマーク
フルHD環境+最高設定での平均フレームレートを計測。WQHD以上になると性能不足となるので、フルHDが最適だろう。もっともこの解像度がユーザー利用者の分布が多いところなので問題はない。
Battlefield 4
Grand Theft Auto V
Hitman
Radeon R9 390発売当時の評価【2015年】
Radeon R9 390は、GPUメモリ8GB搭載のGTX 970対抗製品となるハイクラスのグラフィックボードだ。高解像度においてはGTX 970を少し上回る場面もあるなどなかなか優秀なようにも思える部分もある、あ価格が高いというデメリットが目立つ。やはりリネームモデルだけではNVIDIA製グラフィックボードに太刀打ちできなかった。価格もGTX 970より高いためあまりおすすめはできない。
元々の性能はそこまで高くないため高解像度に対応できるといっても、設定を大きく落とさなくてはならない。残念ながら実用性は低いと言わざるを得ない。4K解像度となると本来高解像度に対応していないGTX 970を下回ってしまい、本末転倒な結果となっている。前モデルの200番台ではRadeon R9 290XよりRadeon R9 290のほうが優れているという結果が出ている。正しくはベンチマーク上ではほとんど差がなかったということだが…
リネームに近いモデルである以上、そういう面も持っているのかもしれないが全体的な性能はGTX 970より大きく下回る。それでも場面によっては大きく上回ることもあるので圧倒的な差があるわけでもなく、やはりGTX 970とGTX 960の間だろう。潜在能力は高くGTX 970よりも高負荷に耐えられるので現状は好みでR9 390を選んでも問題はなさそうだ。
また、消費電力はNVIDIA製品の上位モデル並みなのも変わらない。やや無理やり作った感があるのも事実だ。これは性能云々というよりも、ブランドで決めた結果というのが最適な選択になることは間違いない。
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