画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i7-10750Hのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。第9世代CPUでも主流だった6コア12スレッドのCore i7-9750H待望の後継モデルだ。アーキテクチャは共通で大きな進化があるわけではないが、ゲーミングノートの定番モデルとなっている。ゲーミングノートにおいてどのCPUか悩んだらこのCore i7-10750Hを選択しておけば間違いない。性能と価格のバランスがよく初心者の方でも扱いやすいからだ。人気モデルだったこともあり中古市場に多くのCore i7-10750H搭載モデルがある。
最近は上位モデルである「Core i7-10875H」や「Core i7-10870H」を搭載したモデルが増えている。今後は8コア16スレッドのモデルが主流になるのかもしれない。Core i7-10750Hの後継モデルは8コア16スレッドの「Core i7-11800H」だ。Tiger Lake世代では10nmプロセス採用でより高いパフォーマンスを発揮する。6コア12スレッドは下位モデルの「Core i5-11400H」に引き継がれている。メニーコアの時代が本格的に到来した。
当ページの目次
よくわかる!!Core i7-10750Hの特徴まとめ
コードネーム | Comet Lake |
---|---|
プロセス | 14nm++ |
コア/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック | 2.6 GHz/ 5.0 Ghz |
L3キャッシュ | 12MB |
TDP | 45W |
発売日 | 2020年05月22日 |
価格 | $395 |
コメント | (+)ゲーミングノートPCの主流になるポテンシャルを持つ (+)価格・性能・省電力性の3つを兼ね備えたCPU (-)デスクトップ向けCore i7シリーズと比べると性能は控え目 |
評価 | ・総合評価 6.0 ・ゲーム評価 6.0 |
Core i7-10750Hの基本情報
基本スペック
Core i7-10750H | Core i7-10875H | Core i7-9750H | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | Intel |
プロセス | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ |
コードネーム | Comet Lake | Comet Lake | Coffee Lake-R |
CPUコア数 | 6コア | 8コア | 6コア |
スレッド数 | 12スレッド | 16スレッド | 12スレッド |
定格クロック | 2.60 GHz | 2.30 GHz | 2.60 GHz |
最大クロック | 5.00 GHz | 5.10 GHz | 4.50 GHz |
L3キャッシュ | 12MB | 16MB | 12MB |
対応メモリ | DDR4-2933 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
TDP | 45W | 45W | 45W |
価格 | $395 | $450 | $395 |
発売日 | Q2'20 | Q2'20 | Q2'19 |
最大クロックが4.50GHzから5.0GHzに引き上げられていることとメモリがDDR4-2933に対応しているぐらいで大きく変わっていない。それでもゲームプレイにおいてはクロック周波数が高い方が有利なのでゲーミングノートに搭載するCPUとして最適だ。
Core i7-10750Hになって新ブースト機能「Thermal Velocity Boost」によってノートパソコンでも5.0GHzを達成したのは素晴らしい。デスクトップ向けCPUでもなかなか達することができなかった領域に踏み出した。ただし、熱の問題があるためここまでクロック周波数が上がることは稀だと考えた方が良いかもしれない。それはベンチマークを見ても明らかだ。L3キャッシュも12MBと前世代と同じ水準に留まっている。
上位モデルであるCore i7-10875Hも同じアーキテクチャを採用している。スペックはアップグレードされていて8コア16スレッドとマルチスレッド性能が大きく向上しているのがポイントだ。第9世代でも8コア16スレッドのCPUがあったが、Core i9-9980HKと一般的なモデルとは言えなかった。Core i7まで降りてきたことでラインナップも増えてくるかもしれない。コア以外にもスペックは目を見張るものがあり、L3キャッシュも16MBと35%引き上げられている。それでも価格や排熱の問題から搭載モデルは少ないだろう。
AMD製CPUと比較
Core i7-10750H | Ryzen 7 4800H | Ryzen 5 4600H | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | AMD | AMD |
プロセス | 14nm++ | 7nm | 7nm |
コードネーム | Comet Lake | Zen 2 | Zen 2 |
CPUコア数 | 6コア | 8コア | 6コア |
スレッド数 | 12スレッド | 16スレッド | 12スレッド |
定格クロック | 2.60 GHz | 2.90 GHz | 3.00 GHz |
最大クロック | 5.00 GHz | 4.20 GHz | 4.00 GHz |
L3キャッシュ | 12MB | 8MB | 8MB |
TDP | 45W | 45W | 45W |
価格 | $395 | - | - |
発売日 | Q2'20 | Q2'20 | Q2'20 |
定格クロックも2.90 GHzと余裕がある一方で最大クロックは4.20GHzに抑えられている。これがゲームプレイにどのような影響を与えるか気になるところだ。Core i7-10750Hでは5.00GHzであることを考えると大きな差がある。スペックだけを見るとRyzen 5 4600Hの方が似ている。クロック周波数が抑えられていることからゲーム適性はIntel製CPUの方が高い。相性の問題もあるのだろうか。
Core i7-10750Hの最新評価【2024年】
Core i7-10750Hの性能スコアは9,415だ。10,000に到達していないが、最低限のCPU性能を持っているといえる。従来モデルのCore i7-9750Hよりも12%程度パフォーマンスが引き上げられている。次世代のCore i5-11300Hと同等の性能を持つ。競合のRyzen 7 4800Hと比べると35%程度劣る。8コア16スレッドのモデルには叶わない。Core i7-10750Hは、GeForce GTX 1660 Ti MobileやGeForce GTX 1650 Mobileとの組み合わせが多い。中古市場を見てもこれらのグラフィックボードを搭載したモデルが中心となる。CPUのボトルネックはそこまで心配しなくてもよさそうだ。
Intel Core i7-10750Hの特徴【2020年】
2020年ゲーミングノートの主流CPUになる運命
Core i7-10750Hは、間違いなく主流のゲーミングノート向けCPUになる運命にある。第8世代、第9世代と二世代に渡ってメインストリームであり続けたCore i7シリーズの後継モデルなのだからこの点には期待が持てる。Core i7-10750Hを含めたこれまでの末尾にHを冠したCore i7シリーズは性能・価格・排熱の三点から主力になり得るモデルだと言える。ゲーミングノート向けのCPUとしてうまくバランスが取れたCPUなのだ。
ゲーミングノートPCの課題はCPU性能だ。グラフィックボードはデスクトップ向けモデルに付いていっているが、CPUについてはやや物足りない状況となっている。その点6コア12スレッドとマルチスレッドが高くある程度ボトルネックを避けられるのが特徴だ。デスクトップ向けのCore i5-9600に近い性能で扱いやすい。ノート向けのCore i5シリーズになると性能が物足りなくなってしまう。Core i5-10300H搭載モデルが少ないのはそのためだ。
また、上位モデルのCore i9シリーズなどに比べて価格が手頃で購入しやすいのは嬉しい。20万円以下に抑えるにはCore i7シリーズしか選択肢に入らない。最後に発熱の問題が挙げられる。Core i9シリーズや第10世代のCore i7-10875Hになると確実に発熱量が上がり問題となる。排熱対策を行うためには本体を大きくしてエアフローの改善などにコストを掛けなければいけない。ゲーミングノートPCの価格が上がり、持ち運びもしにくいという状態になってしまうのだ。
搭載モデルは減少傾向にある
発売当初は搭載モデルも多く主流になる運命だったが、2021年3月時点でCore i7-10750H搭載モデルは減ってきている。海外メーカーだけではなくドスパラ・G-Tune・パソコン工房などゲーミングノートの販売に力を入れている国内BTOメーカーでも搭載モデルは少ない。その要因は上位モデルであるCore i7-10875HやCore i7-10870H搭載モデルが増えているからだ。
価格が下がってきている中でより高性能なCPUが選択されているということになる。また、これまでの世代と異なるのはAMD製CPUを搭載したゲーミングノートPCのラインナップもあるということだ。今まではゲーミングノート=Intel製CPUとなっていたが、その構図は崩れ始めている。それでもIntel Core i7シリーズが主流であることに間違いはない。次の世代からどうなっていくのか楽しみだ。
アーキテクチャは前世代のComet Lakeと酷似
注意点としては第9世代あるいは第8世代のCore i7シリーズと比べて大きくパフォーマンスが向上したわけではないということだ。三世代に渡って14nmプロセスを採用していてアーキテクチャに大きな進化はない。一方で、ノート向け省電力モデルのIce Lake世代では10nmプロセスを採用していることから期待していた。
さらに、競合のAMDが7nmプロセスを採用していることを考えると悩ましい。Intelにはデスクトップ向けCPUの供給不足という問題があるためそれが解決しないと何も始まらない。今後プロセスの縮小を始めとするアーキテクチャーの変化があるでは大幅なパフォーマンス向上は見込めない。現時点でCore i7-8750Hからの買い替えだと性能面においてはメリットがないと言える。
例えば、動画のエンコードやRAW現像などの作業において体感できる性能差はないということだ。ただし、その間にグラフィックボードの性能は向上しているためパフォーマンスは向上する。買い替えの対象となるのはより快適にゲームをプレイしたいと考えるゲーマーぐらいだろう。
Core i7-10750Hのベンチマーク一覧
Cinebench R20
Handbrake
PCMARK10
Core i7-10750H搭載おすすめ中古ゲーミングノートPC
G-Tune P5 167907(マウスコンピューター)
価格:70,800円
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650 Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 256GB
電源:ACアダプター
Core i7-10750H×GeForce GTX 1650 Mobile搭載のエントリークラスの一台だ。新品価格は15万円前後だった。およそ半額で購入できる。メモリ16GB・SSD 256GBと構成はやや控えめだ。
ROG Zephyrus M15 GU502LW GU502LW-I7R2070(ASUS)
液晶:15.6インチ4K
重量:不明
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2070 Max-Q Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 1TB
電源:ACアダプター
15.6インチ4Kディスプレイを搭載したモデルだ。グラフィックスには省電力性を重視したGeForce RTX 2070 Max-Q Mobileを搭載している。そこまで性能が高いわけではなく4Kディスプレイを活かすのは難しい。メモリ16GB・SSD 1TBと構成は平均以上だ。液晶に輝度ムラとフレーム部分に傷・シール痕がある。
ILeNXs-15FX068-i7_-RXSXM(パソコン工房)
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1660 Ti Mobile
メモリ:8GB
ストレージ:SSD 512GB
電源:ACアダプター
Core i7-10750H×GeForce GTX 1660 Ti Mobile搭載のミドルクラスの一台だ。15.6インチFHDディスプレイを搭載している。メモリ8GB・SSD 512GBと構成は平均以下となる。
GALLERIA GCL2060RGF-T 168104(ドスパラ)
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2060 Mobile
メモリ:32GB
ストレージ:SSD 1TB
電源:ACアダプター
Core i7-10750H×GeForce RTX 2060 Mobile搭載のミドルクラスの一台だ。GeForce GTX 1660 Ti Mobile搭載モデルよりも性能的に余裕がある。メモリ32GB・SSD 1TBと構成も充実している。発売当時の価格は19万円前後だ。およそ45%安く購入できる。
Core i7-10750H搭載のゲーミングノートPC一覧
G-Tune P5(G-Tune)
モニター:15.6インチ 60Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:非搭載
GTX 1650 Mobileを搭載したゲーミングノートPCだ。第9世代CPUから最新モデルへと切り替えられた。税込13万円台という低価格が特徴となっている。ゲーミング性能は控え目で設定調整が必須となる。FULL HD環境で標準設定が基準だ。メモリ8GB、SSD 256GB NVMe対応と構成も控え目でゲーミングモデルというよりはビジネスモデルという側面が強い。
GF63-10SCSR-007JP(MSI)
液晶:15.6型 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti MAX-Q
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
GTX 1650 Ti MAX-Qを搭載したゲーミングノートPCだ。税込み13万円台という価格設定が嬉しい。本体も1.86kgとゲーミングノートにしては軽いため持ち運びもしやすい。グラフィックボード性能はミドルクラスに届かないぐらいだ。FULL HD環境×設定調整が基本となる。メモリ16GB、SSD 512GBという構成を考えれば割安感がある。
ROG Strix G15 G512LU(ASUS)
液晶:15.6型 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
GTX 1660 Ti×i7-10750Hを搭載したゲーミングノートPCだ。オーソドックスなモデルで初心者の方にもおすすめしやすい。FULL HD環境でのゲームプレイに最適だ。タイトルによっては設定調整が必要となる。それでもメモリ容量が16GBと余裕があり安定したゲームプレイが可能だ。SSD 512GB NVMe対応と最近の流行を取り入れている。基本的にストレージはクラウドを活用するとよいだろう。USB Type-C画面出力に対応しているのも嬉しい。
AORUS 17G SB-7JP1130MH(GIGABYTE)
液晶:17.3型 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
144Hz対応モニターを搭載したゲーミングノートPCだ。ウルトラベゼルのため視認性が高くゲームがプレイしやすい。本体が重いため持ち運びを中心に考えている方は注意して欲しい。キーボードにはオムロン製のメカニカルキーボードを採用している。G2Esport認定モデルで信頼性も高い。予算に余裕がある方は必見だ。GTX 1660 Ti×i7-10750Hの売れ筋の構成が魅力の一台だと言える。FULL HD環境でのゲームプレイに最適だ。
AERO 15 KB-7JP1130SH(GIGABYTE)
液晶:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
GIGABYTEのゲーミングノートPCが早くも登場している。144Hz対応液晶モニターを採用している。15.6インチモニターでゲーマーだけではなくクリエイターの方にもおすすめしたい。RTX 2060×Core i7-10750Hの組み合わせはミドルクラスとして人気が高い。GTX 1660 Tiよりもゲームプレイに余裕が生まれるため予算に余裕があるのであれば選択肢に入れたい。メモリ16GB、SSD 512GBと充実の構成も魅力的だ。
GNシリーズ FRZN712/A(フロンティア)
液晶:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2070 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512G NVMe対応
HDD:非搭載
RTX 2070 SUPER×i7-10750H搭載の最新ゲーミングノートPCだ。新しいグラフィックボードに新しいCPUを搭載したモデルとなっている。FRONTIERのノートしては珍しく144Hz対応モニターを搭載している。高性能モデルを活かせるモニターだ。性能は高く高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応できる。設定にこだわりたいゲーマーの方も必見だ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も充実していてカスタマイズは不要だ。Wi-Fi 6対応など目に見えない部分にも抜かりはない。このクラスになると重量が増えて来るのがネックとなってしまう。
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ゲーム推奨 | BTOショップ比較 | グラボ比較表 |
ベンチマークテスト環境
モデル | MSI GS66 Stealth |
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GPU | Nvidia GeForce RTX 2060 |
メモリ | 16GB DDR4-2666 |
ストレージ | 512GB SSD |