画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i7-10875Hの性能レビュー及び搭載ゲーミングノートPCの紹介をしている。第10世代Comet Lake Hシリーズの中でも最も面白いCPUの一つだ。8コア16スレッドとかつてのCore i9シリーズと同等のスペックを持つCPUがCore i7シリーズ最上位に降りてきた。
ゲーミングノートPCのCPUとしては性能と価格のバランスの良い「Core i7-10750H」が主流になる可能性が高いが、このCore i7-10875Hもある程度ラインナップが増えるかもしれない。どのぐらいのゲーミング性能を持っているのかを詳しく見ていこう。
コードネーム | Comet Lake |
---|---|
プロセス | 14nm++ |
コア/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
定格/最大クロック | 2.3 GHz/ 5.1 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB |
TDP | 45W |
発売日 | 2020年05月22日 |
価格 | $450 |
コメント | 前世代のCore i9に匹敵する高いスペックを持つ 価格が高くそれほどラインナップが増えない可能性が高い 発熱量も多くノートパソコン向けとは言いにくい |
評価 | ・総合評価 9.0 ・ゲーム評価 |
当ページの目次
Core i7-10875Hの基本情報
基本スペック
Core i7-10875H | Core i9-10980HK | Core i9-9980H | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | Intel |
プロセス | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ |
コードネーム | Comet Lake | Comet Lake | Coffee Lake-R |
CPUコア数 | 8コア | 8コア | 8コア |
スレッド数 | 16スレッド | 16スレッド | 16スレッド |
定格クロック | 2.30 GHz | 2.40 GHz | 2.30 GHz |
最大クロック | 5.10 GHz | 5.30 GHz | 4.80 GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB |
対応メモリ | DDR4-2933 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
TDP | 45W | 45W | 45W |
価格 | $450 | $583 | $556 |
発売日 | Q2'20 | Q2'20 | Q2'19 |
定格クロックは同じ2.30GHz、最大クロックは4.80GHz→5.10GHzへと7%程度引き上げられている。ノート向けモデルで5.0GHzオーバーは驚きだ。L3キャッシュは同じ16MBを搭載している。対応メモリについては規格がDDR4-2933と高性能なものになっている。今回のComet Lakeで大きく変わった部分だ。もう一つ価格が$556から$450へと20%安くなったのも嬉しい。
現行上位のCore i9-10980HKとスペックを比較してこう。プロセス、アーキテクチャーは当然共通している。8コア16スレッドも同じだ。定格クロックは2.30GHz→2.40GHz、最大クロックは5.10GHz→5.30GHzへと引き上げられている。消費電力は45Wだ。価格が$583とかなり高めで前モデルのCore i9-9980Hと同水準となっている。
AMD製CPUと比較
Core i7-10875H | Ryzen 9 4900HS | Ryzen 7 4800H | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | AMD | AMD |
プロセス | 14nm++ | 7nm | 7nm |
コードネーム | Comet Lake | Zen 2 | Zen 2 |
CPUコア数 | 8コア | 8コア | 8コア |
スレッド数 | 16スレッド | 16スレッド | 16スレッド |
定格クロック | 2.30 GHz | 3.00 GHz | 2.90 GHz |
最大クロック | 5.10 GHz | 4.30 GHz | 4.20 GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 8MB | 8MB |
TDP | 45W | 35W | 45W |
価格 | $450 | - | - |
発売日 | Q2'20 | Q2'20 | Q2'20 |
Ryzen 9 4900HSは、消費電力が35Wに抑えられた省電力CPUとなっている。Ryzen 7 4800Hと同様に競合になる可能性がある。Ryen 7 4800Hと比べてわずかにクロック周波数が高い。それでもCore i7-10875Hの最大クロック5.10GHzには遠く及ばない。L3キャッシュは8MBとなっている。
Intel Core i7-10875Hの特徴
Core i7-108750Hは競合のAMDを意識したCPU
Core i7-10875Hが生まれたのはAMDの存在があったからと言っても過言ではない。AMDがRyzen 7 4800Hという8コア16スレッドのモデルを市場に投入することに対してCore i7-10875Hを当てたことになる。これで8コア16スレッド搭載モデルを以前より安く購入できるようになった。ユーザーからするとメリットが大きいと言える。
長い間IntelはゲーミングノートPC向け市場を独占していたので、彼らはすでにユーザーやメーカーの心を掴んでいる。Core i7-10875Hが、市場でどのような立ち位置になるのか気になるところだ。それはIntelのCPU内だけではなくRyzenを含めて注目したい。
価格・排熱がネックで主力にはなれない可能性が高い
Core i7-10875Hは、8コア16スレッドと性能の高さが魅力のCPUだ。ゲーミングノートPCのCPU性能の底上げに一役買う存在だと言える。動画編集やRAW現像をしたいと考えているクリエイターの方にもおすすめだ。一方で、性能が高いゆえのデメリットがある。一つは価格だ。単体価格で $450とCore i7-10750Hの$395よりもおよそ15%高価だ。
性能が高いということは発熱量が高くなるということに繋がる。熱をコントロールできないとパフォーマンスを100%引き出すことができない。そうなると本末転倒なので、各BTOメーカーは本体にお金を掛ける必要がある。ここでもコストが掛かってしまうのだ。本体が大きく、重くなってしまうデメリットも生じる。なかなか扱いが難しいCPUだと言える。
現時点で搭載モデルのラインナップは限定的
2020年5月時点でCore i7-10875Hを搭載したゲーミングノートPCはほとんどない。GIGABYTEから数モデルが販売されているぐらいだ。ユーザーからすると選択肢がないのは厳しい。GTX 1660 TiやGTX 1650 Ti SUPERなどミドルクラス以下のモデルとの組み合わせは考えにくいためラインナップ自体も限定的になるだろう。
もしかしたら、今後増えていく可能性はあるが下位のCore i7-10750Hに比べると数は少ないはずだ。国内メーカーからの販売はほとんどなく海外メーカーが中心になると考えている。GIGABYTE、MSIなどゲーミングノートPCの販売に力を入れているところが有望だ。
Core i7-10875Hのベンチマーク一覧
Cinebench R20
Ryzen 7 4800Hはマルチスレッド性能がずば抜けている。Ryzen 9 4900HSをも上回るが、これは消費電力の差が生じているのかもしれない。Core i7-10875Hと比べて50%近くスコアが高い。もちろんこれはあくまでもベンチマークなのでリアルにおいて完璧に当てはまるわけではない。それでもこれだけ高いマルチスレッド性能は驚きだ。ゲームプレイにおいてCore i7-10875Hがどこまで健闘できるのかがポイントとなる。
Handbrake
PCMARK10
Core i7-10875H搭載のゲーミングノートPC一覧
G-Tune H5(G-Tune)
価格:219,800円
モニター:15.6インチ 240Hz対応
CPU:Core i7-10875
GPU:GeForce RTX 2070 SUPER Mobile
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
RTX 2070 SUPER Mobile搭載のゲーミングPCだ。RTX 2070 Mobileよりもワンランク高いパフォーマンスが手に入る。CPUにはCore i7-10875Hを搭載。8コア16スレッドとマルチコア性能が大きく向上している。240Hzパネルを活かせる性能を持つ一台となっている。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成も充実していてカスタマイズのことは考えてなくてもよいいだろう。ハイクラスゲーミングノートを探している方は必見だ。
G-Tune E5-144(G-Tune)
モニター:15.6インチ 144Hz対応
CPU:Core i7-10875H
GPU:GeForce RTX 2060 Mobile
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
リニューアルに伴い従来モデルよりも33%軽量化されている。RTX 2060 Mobile×Core i7-10875H搭載のゲーミングノートPCだ。CPU性能の高さが光る。8コア16スレッドとマルチコア性能が高くCore i7-10750Hと比べてもゲーム適性が高い。FULL HD環境で高リフレッシュレートが可能なゲーミング性能を持つ。液晶モニターは144Hz対応で滑らかなゲーム描写が可能となる。また、スリムベゼルを採用し視認性が高い。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成も充実している。
GALLERIA GCL2060RGF-T(ドスパラ)
液晶:15.6インチ 144Hz
重量:約1.85kg
駆動時間:約3.8時間
CPU:Core i7-10875H
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
RTX 2060×i7-10875H搭載のゲーミングノートPCだ。価格も引き下げられてコストパフォーマンスが大幅にアップしている。性能的にはRTX 2060 Mobileを搭載していることからFULL HD環境でのゲームプレイに最適だ。設定を調整すれば対応力は高い。RTXシリーズの特徴であるレイトレーシングやDLSSにも対応しているが、性能的にやや物足りない。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成は十分だ。クリエイター向けモデルとしても最適だろう。
AORUS 17G KB-8JP2130MH(GIGABYTE)
液晶:17.3インチ 240Hz
重量:約2.7kg
駆動時間:約8時間
CPU:Core i7-10875H
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
RTX 2060を搭載したゲーミングノートPCだ。17.3インチと大型モニターを搭載しているためゲームに没頭しやすい。さらに、240Hz液晶モニターとなっているので、滑らかなゲーム描写が可能となる。240Hzを活かすには設定を落とす必要がある。FULL HD環境で60fps以上であれば安定して出せる。
AORUS 15G XB-8JP2130MP(GIGABYTE)
液晶:15.6インチ 240Hz
重量:約2.2kg
駆動時間:約8時間
CPU:Core i7-10875H
GPU:GeForce RTX 2070 SUPER MAX-Q
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
RTX 2070 SUPER MAX-Qを搭載したハイエンドのゲーミングノートPCだ。240Hzを存分に活かせるパフォーマンスを持っている。デザイン性も高く評価が高い。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成も充実している。本格的にノートでもゲームを楽しみたいという方向けだ。ただし、税込み30万円オーバーという価格はなかなか手が出せないかもしれない。
AORUS 15G YB-8JP2130MP(GIGABYTE)
液晶:15.6インチ 240Hz
重量:約2.2kg
駆動時間:約8時間
CPU:Core i7-10875H
GPU:GeForce RTX 2080 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
AORUS 15Gシリーズのフラグシップモデルとなっている。グラフィックボードにはハイエンドのRTX 2080 SUPERを搭載。4K解像度でのゲームプレイにも対応できる高い性能が魅力だ。Core i7-10875Hの高い性能との相性も良い。メモリ16GB、SSD 512GBとグラフィックス性能とCPU性能を考えるとやや控え目に感じてしまうかもしれない。ゲームプレイを存分に楽しみたい方は要チェックだ。
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ベンチマークテスト環境
モデル | Gigabyte Aorus 15G XB |
---|---|
GPU | Nvidia GeForce RTX 2070 Super Max-Q |
メモリ | 16GB DDR4-2933 |
ストレージ | 512GB SSD |