AERO 15 KB-7JP1130SH画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Core i7-10750Hの性能レビュー及びベンチマークを紹介している。第9世代CPUでも主流だった6コア12スレッドのCore i7-9750H待望の後継モデルだ。アーキテクチャは共通で大きな進化があるわけではないが、ゲーミングノートの定番モデルとなっている。

ゲーミングノートにおいてどのCPUか悩んだらこのCore i7-10750Hを選択しておけば間違いない。性能と価格のバランスがよく初心者の方でも扱いやすいからだ。最近は上位モデルである「Core i7-10875H」や「Core i7-10870H」を搭載したモデルが増えている。今後は8コア16スレッドのモデルが主流になるのかもしれない。

Core i7-10750Hの後継モデルは8コア16スレッドの「Core i7-11800H」だ。Tiger Lake世代では10nmプロセス採用でより高いパフォーマンスを発揮する。6コア12スレッドは下位モデルの「Core i5-11400H」に引き継がれている。メニーコアの時代が本格的に到来した。

よくわかる!!Core i7-10750Hの特徴まとめ

cpu

コードネームComet Lake
プロセス14nm++
コア/スレッド数6コア/12スレッド
定格/最大クロック2.6 GHz/ 5.0 Ghz
L3キャッシュ12MB
TDP45W
発売日2020年05月22日
価格$395
コメント(+)ゲーミングノートPCの主流になるポテンシャルを持つ
(+)価格・性能・省電力性の3つを兼ね備えたCPU
(-)デスクトップ向けCore i7シリーズと比べると性能は控え目
評価 ・総合評価
6.0

・ゲーム評価
6.0

Core i7-10750Hの基本情報

基本スペック

Core i7-10750HCore i7-10875HCore i7-9750H
メーカーIntelIntelIntel
プロセス14nm++14nm++14nm++
コードネームComet LakeComet LakeCoffee Lake-R
CPUコア数6コア8コア6コア
スレッド数12スレッド16スレッド12スレッド
定格クロック2.60 GHz2.30 GHz2.60 GHz
最大クロック5.00 GHz5.10 GHz4.50 GHz
L3キャッシュ12MB16MB12MB
対応メモリDDR4-2933DDR4-2933DDR4-2666
TDP45W45W45W
価格$395$450$395
発売日Q2'20Q2'20Q2'19
Core i7-10750Hのスペックについて、前世代のCore i7-9750Hと現行上位のCore i7-10875Hと比較していく。最新のComet LakeになってもプロセスはCoffee Lake世代と同じ14nm++を採用している。つまり、アーキテクチャーは変わっていないということだ。Intelはまだ14nmプロセスにこだわっている。というよりも供給不足の問題もあってなかなか対応できないというのが本当のところだろう。

最大クロックが4.50GHzから5.0GHzに引き上げられていることとメモリがDDR4-2933に対応しているぐらいで大きく変わっていない。それでもゲームプレイにおいてはクロック周波数が高い方が有利なのでゲーミングノートに搭載するCPUとして最適だ。

Core i7-10750Hになって新ブースト機能「Thermal Velocity Boost」によってノートパソコンでも5.0GHzを達成したのは素晴らしい。デスクトップ向けCPUでもなかなか達することができなかった領域に踏み出した。ただし、熱の問題があるためここまでクロック周波数が上がることは稀だと考えた方が良いかもしれない。それはベンチマークを見ても明らかだ。L3キャッシュも12MBと前世代と同じ水準に留まっている。

上位モデルであるCore i7-10875Hも同じアーキテクチャを採用している。スペックはアップグレードされていて8コア16スレッドとマルチスレッド性能が大きく向上しているのがポイントだ。第9世代でも8コア16スレッドのCPUがあったが、Core i9-9980HKと一般的なモデルとは言えなかった。Core i7まで降りてきたことでラインナップも増えてくるかもしれない。コア以外にもスペックは目を見張るものがあり、L3キャッシュも16MBと35%引き上げられている。それでも価格や排熱の問題から搭載モデルは少ないだろう。

AMD製CPUと比較

Core i7-10750HRyzen 7 4800HRyzen 5 4600H
メーカーIntelAMDAMD
プロセス14nm++7nm7nm
コードネームComet LakeZen 2Zen 2
CPUコア数6コア8コア6コア
スレッド数12スレッド16スレッド12スレッド
定格クロック2.60 GHz2.90 GHz3.00 GHz
最大クロック5.00 GHz4.20 GHz4.00 GHz
L3キャッシュ12MB8MB8MB
TDP45W45W45W
価格$395--
発売日Q2'20Q2'20Q2'20
AMD製CPUと比較していく。Core i7-10750Hの直接の競合はRyzen 7 4800Hになるだろう。Zen 2アーキテクチャを採用しプロセスは7nmとIntelより先を行っている。さらに、スペックも8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高い。コア/スレッドの多さはデスクトップ向けRyzenシリーズと共通だ。

定格クロックも2.90 GHzと余裕がある一方で最大クロックは4.20GHzに抑えられている。これがゲームプレイにどのような影響を与えるか気になるところだ。Core i7-10750Hでは5.00GHzであることを考えると大きな差がある。スペックだけを見るとRyzen 5 4600Hの方が似ている。クロック周波数が抑えられていることからゲーム適性はIntel製CPUの方が高い。相性の問題もあるのだろうか。

Intel Core i7-10750Hの特徴

2020年ゲーミングノートの主流CPUになる運命

Core i7-10750Hは、間違いなく主流のゲーミングノート向けCPUになる運命にある。第8世代、第9世代と二世代に渡ってメインストリームであり続けたCore i7シリーズの後継モデルなのだからこの点には期待が持てる。Core i7-10750Hを含めたこれまでの末尾にHを冠したCore i7シリーズは性能・価格・排熱の三点から主力になり得るモデルだと言える。ゲーミングノート向けのCPUとしてうまくバランスが取れたCPUなのだ。

ゲーミングノートPCの課題はCPU性能だ。グラフィックボードはデスクトップ向けモデルに付いていっているが、CPUについてはやや物足りない状況となっている。その点6コア12スレッドとマルチスレッドが高くある程度ボトルネックを避けられるのが特徴だ。デスクトップ向けのCore i5-9600に近い性能で扱いやすい。ノート向けのCore i5シリーズになると性能が物足りなくなってしまう。Core i5-10300H搭載モデルが少ないのはそのためだ。

また、上位モデルのCore i9シリーズなどに比べて価格が手頃で購入しやすいのは嬉しい。20万円以下に抑えるにはCore i7シリーズしか選択肢に入らない。最後に発熱の問題が挙げられる。Core i9シリーズや第10世代のCore i7-10875Hになると確実に発熱量が上がり問題となる。排熱対策を行うためには本体を大きくしてエアフローの改善などにコストを掛けなければいけない。ゲーミングノートPCの価格が上がり、持ち運びもしにくいという状態になってしまうのだ。

搭載モデルは減少傾向にある

発売当初は搭載モデルも多く主流になる運命だったが、2021年3月時点でCore i7-10750H搭載モデルは減ってきている。海外メーカーだけではなくドスパラ・G-Tune・パソコン工房などゲーミングノートの販売に力を入れている国内BTOメーカーでも搭載モデルは少ない。その要因は上位モデルであるCore i7-10875HやCore i7-10870H搭載モデルが増えているからだ。

価格が下がってきている中でより高性能なCPUが選択されているということになる。また、これまでの世代と異なるのはAMD製CPUを搭載したゲーミングノートPCのラインナップもあるということだ。今まではゲーミングノート=Intel製CPUとなっていたが、その構図は崩れ始めている。それでもIntel Core i7シリーズが主流であることに間違いはない。次の世代からどうなっていくのか楽しみだ。

アーキテクチャは前世代のComet Lakeと酷似

注意点としては第9世代あるいは第8世代のCore i7シリーズと比べて大きくパフォーマンスが向上したわけではないということだ。三世代に渡って14nmプロセスを採用していてアーキテクチャに大きな進化はない。一方で、ノート向け省電力モデルのIce Lake世代では10nmプロセスを採用していることから期待していた。

さらに、競合のAMDが7nmプロセスを採用していることを考えると悩ましい。Intelにはデスクトップ向けCPUの供給不足という問題があるためそれが解決しないと何も始まらない。今後プロセスの縮小を始めとするアーキテクチャーの変化があるでは大幅なパフォーマンス向上は見込めない。現時点でCore i7-8750Hからの買い替えだと性能面においてはメリットがないと言える。

例えば、動画のエンコードやRAW現像などの作業において体感できる性能差はないということだ。ただし、その間にグラフィックボードの性能は向上しているためパフォーマンスは向上する。買い替えの対象となるのはより快適にゲームをプレイしたいと考えるゲーマーぐらいだろう。

Core i7-10750Hのベンチマーク一覧

Cinebench R20

cinebenchcinebenchr20-i7-10750h

Core i7-9750Hと比較すると2%スコアが伸びているだけだ。スペック通りのパフォーマンスだと言える。やはり5.0GHzを引き出せてはいないようだ。Core i7-8750Hと比べると4%上がっている。それでも2世代で4%しか伸びていないことを考えるとがっかりしてしまうかもしれない。上位のCore i7-10875Hになるともうワンランク性能が上がるということがわかる。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が向上するためだ。

Handbrake

handbrakehandbrake-i7-10750h

動画のエンコードに掛かる時間を計測している。数値が少ない方が高性能ということだ。Core i7-9750Hとの違いは2%となっている。Core i7-8750Hとの違いも4%でCinebench R20と同じだ。Ryzen 7 3750Hでは苦戦しているもののRyzen 7 4800Hになると一気にトップに躍り出た。Intel第10世代CPUはAMD第3世代と競合することになりそうだ。

PCMARK10

pcmark10pcmark10-i7-10750h

Core i7-9750Hからのパフォーマンス向上は1%-2%で僅少だ。コア数及びマルチスレッドが多い上位モデルが有利な結果となっている。Essentials TestではCore i7-10875Hがトップだ。ベンチマークはスペックに忠実だ。

Core i7-10750H搭載のゲーミングノートPC一覧

G-Tune P5(G-Tune)

NEXTGEAR-NOTE i7920価格:131,780円(税込)
モニター:15.6インチ 60Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:非搭載

GTX 1650 Mobileを搭載したゲーミングノートPCだ。第9世代CPUから最新モデルへと切り替えられた。税抜11万円台という低価格が特徴となっている。ゲーミング性能は控え目で設定調整が必須となる。FULL HD環境で標準設定が基準だ。メモリ8GB、SSD 256GB NVMe対応と構成も控え目でゲーミングモデルというよりはビジネスモデルという側面が強い。

GF63-10SCSR-007JP(MSI)

GF63-10SCSR-007JP価格:137,800円(税込)
液晶:15.6型 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti MAX-Q
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載

GTX 1650 Ti MAX-Qを搭載したゲーミングノートPCだ。税込み13万円台という価格設定が嬉しい。本体も1.86kgとゲーミングノートにしては軽いため持ち運びもしやすい。グラフィックボード性能はミドルクラスに届かないぐらいだ。FULL HD環境×設定調整が基本となる。メモリ16GB、SSD 512GBという構成を考えれば割安感がある。

ROG Strix G15 G512LU(ASUS)

ROG Strix G15 G512LU価格:159,800円(税込)
液晶:15.6型 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載

GTX 1660 Ti×i7-10750Hを搭載したゲーミングノートPCだ。オーソドックスなモデルで初心者の方にもおすすめしやすい。FULL HD環境でのゲームプレイに最適だ。タイトルによっては設定調整が必要となる。それでもメモリ容量が16GBと余裕があり安定したゲームプレイが可能だ。SSD 512GB NVMe対応と最近の流行を取り入れている。基本的にストレージはクラウドを活用するとよいだろう。USB Type-C画面出力に対応しているのも嬉しい。

AORUS 17G SB-7JP1130MH(GIGABYTE)

AORUS 17G SB-7JP1130MH価格:186,780円(税込)
液晶:17.3型 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載

144Hz対応モニターを搭載したゲーミングノートPCだ。ウルトラベゼルのため視認性が高くゲームがプレイしやすい。本体が重いため持ち運びを中心に考えている方は注意して欲しい。キーボードにはオムロン製のメカニカルキーボードを採用している。G2Esport認定モデルで信頼性も高い。予算に余裕がある方は必見だ。GTX 1660 Ti×i7-10750Hの売れ筋の構成が魅力の一台だと言える。FULL HD環境でのゲームプレイに最適だ。

AERO 15 KB-7JP1130SH(GIGABYTE)

AERO 15 KB-7JP1130SH価格:197,780円(税込)
液晶:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

GIGABYTEのゲーミングノートPCが早くも登場している。144Hz対応液晶モニターを採用している。15.6インチモニターでゲーマーだけではなくクリエイターの方にもおすすめしたい。RTX 2060×Core i7-10750Hの組み合わせはミドルクラスとして人気が高い。GTX 1660 Tiよりもゲームプレイに余裕が生まれるため予算に余裕があるのであれば選択肢に入れたい。メモリ16GB、SSD 512GBと充実の構成も魅力的だ。

GNシリーズ FRZN712/A(フロンティア)

FRZN712A価格:194,800円(税込)
液晶:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2070 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512G NVMe対応
HDD:非搭載

RTX 2070 SUPER×i7-10750H搭載の最新ゲーミングノートPCだ。新しいグラフィックボードに新しいCPUを搭載したモデルとなっている。FRONTIERのノートしては珍しく144Hz対応モニターを搭載している。高性能モデルを活かせるモニターだ。性能は高く高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応できる。設定にこだわりたいゲーマーの方も必見だ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も充実していてカスタマイズは不要だ。Wi-Fi 6対応など目に見えない部分にも抜かりはない。このクラスになると重量が増えて来るのがネックとなってしまう。

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