Lenovo Legion 570i

当ページでは、Ryzen 5 6600Hの性能レビュー及び搭載ゲーミングノートPCの紹介をしている。Zen 3+アーキテクチャを採用した新しいCPUだ。Ryzen 5 5600Hのマイナーチェンジモデルと考えるとわかりやすい。6コア12スレッドというスペックはRyzen 5 5600Hと変わっていないが、クロック周波数やメモリ周りなどいくつか変更されている。

競合モデルであるCore i5-12500Hと比較しながら詳しく見ていこう。すでにRyzen 5 6600後継モデルは減少傾向にある。今はドスパラから「GALLERIA RL5R-G165」が販売されているぐらいだ。市場で最も安価なゲーミングノートPCの一つと言える。次世代モデルは、Zen 4のRyzen 5 7640HS・Zen 3+のRyzen 5 7535HSだ。Ryzen 5 7535HSが立ち位置的に近いように思う。

よくわかる!!Ryzen 5 6600Hの特徴まとめ

cpu

コードネームZen 3+
プロセス6nm
コア/スレッド数6コア / 12スレッド
コア定格/最大クロック3.3 GHz/ 4.5 Ghz
L3キャッシュ16MB
内蔵グラフィックスRadeon 660M
TDP45W
発売日2022年01月
価格
特徴 (+) Ryzen 5 5600Hと比べて8%程度性能が高い
(+) 内臓グラフィックスが強化された
(-) Core i5シリーズと比べると性能は劣る
(-) 搭載モデルのラインナップはほとんどない
評価 ・総合評価
7.0

・ゲーム評価
6.5

Ryzen 5 6600HのCinebench R23スコア

cinebenchr15ryzen56600h-cinebenchr23

定番のベンチマークソフトであるCinebench R23でのパフォーマンスを見ていこう。従来モデルのRyzen 5 5600Hと比べてマルチコア性能が8%高く、シングルコア性能は1%程度高い。Intel第11世代のCore i7-11800Hに近い性能を持っている。

競合モデルであるCore i5-12500Hと比べるとマルチコア性能が7%低く、シングルコア性能は20%程度低い。6コア12スレッドのCPUと12コア16スレッドのCPUでは土台が違う。おそらくRyzen 5 6600H搭載モデルの方が安く購入できるようになるのではないかと思う。

Ryzen 5 6600Hの基本スペック

Ryzen 5 6600HRyzen 5 5600HCore i5-12500H
コードネームZen 3+Zen 3Alder Lake
プロセス6nm7nm10nm
コア6612(4P+8E)
スレッド数121216
定格クロック(P)3.3 GHz3.3 GHz2.5 GHz
最大クロック(P)4.5 GHz4.2 GHz4.5 GHz
定格クロック(E)--1.8 GHz
最大クロック(E)--3.3 GHz
L3キャッシュ16MB16MB18MB
対応メモリDDR5-4800
LPDDR5-6400
DDR4-3200DDR5-4800
LPDDR5-5200
DDR4-3200
内蔵グラフィックスRadeon 660MRadeon Vega 7Iris Xe Graphics
PBP(TDP)45W35-54W45W
MTP--95W
価格--$311
発売日Q1'22Q1'21Q1'22
Ryzen 5 6600Hは、Zen 3+アーキテクチャを採用したCPUとなっている。従来モデルのRyzen 5 5600Hで採用されたZen 3アーキテクチャのリフレッシュモデルだ。プロセスが7nm→6nmへと微細化されている。6コア12スレッドというのは共通だ。定格クロックも3.3GHzと変わっていないが、最大クロックについては8%高くなり4.5GHzとなった。L3キャッシュは16MBと共通だ。

対応メモリについてもDDR4-3200からより上位のDDR5-4800・LPDDR5-6400へと変更されている。また、内蔵グラフィックスもRadeon Vega 7からRadeon 660Mへとアップグレードされている。グラフィックス処理性能は50%程度高くなった。TDPは45Wとなる。このクラスでは平均的な消費電力だと言える。

競合モデルであるIntel Core i5-12500Hのスペックを見ていこう。Alder Lake世代のCPUでプロセスは10nmだ。Ryzen 5 6600Hの6nmと比べると一回り大きい。Core i5-12500Hは、12コア16スレッドと高スペックだ。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していてパフォーマンス重視のPコアと効率性重視のEコアが搭載されている。

Ryzen 5 6600Hと比べるとコアが倍増で、スレッド数も33%多い。定格クロックはRyzen 5 6600Hの方が32%高く、最大クロックは4.5GHzと同じだ。Eコアに該当するコアはRyzen 5 6600Hには搭載されていない。L3キャッシュはCore i5-12500Hの方が13%多く18MBとなる。メモリについてはDDR5だけではなくDDR4をサポートしているのがポイントだ。低価格帯のモデルならコストを抑えるためにDDR4を選ぶことができる。

Core i5-12500Hに採用されている内蔵グラフィックスはIris Xe Graphicsです。Radeon 660Mと比べると性能は劣る。PBP(TDP)は45Wで、MTP(PL2)は95Wとなる。価格は$311だ。Core i5-12500Hの価格を考えるとRyzen 5 6600Hの価格は$250ぐらいだろうか。

Ryzen 5 6600Hの強み&搭載モデルの特徴

Ryzen 5 5600Hとの性能差はそれほど大きくない

Core i7-12700H23,029
Ryzen 9 6900HS17,127
Core i5-12500H17,085
Ryzen 7 6800H17,045
Core i9-11980HK16,954
Core i7-11800H15,631
Ryzen 7 5800H15,559
Ryzen 5 6600H14,392
Ryzen 5 5600H13,127
Core i5-11400H11,961
Ryzen 5 4600H11,141
Core i5-10300H6,599
Ryzen 5 3550H6,0742
Ryzen 5 6600Hは、2021年1月に発売されたRyzen 5 5600Hの後継モデルだが性能的に大幅に進化しているわけではない。Ryzen 5 5600Hとの性能差は9%前後だ。上位モデルであるRyzen 7 6800Hとの差は18%となる。競合モデルであるCore i5-12500Hとの差もおよそ18%で圧倒されてしまっている。もちろん性能で劣る分だけ価格が抑えられるだろう。もはやAMD製CPUの優位性はなくなっている。

元々AMDがメニーコアを一般的なものにしたが、Intelも第12世代になってその上を来た。Core i5シリーズで12コアの時代が来るとは驚きだ。Ryzen 5 6600Hはまだ6コア12スレッドなので性能差は歴然だと言える。Ryzen 5 5600Hの後継モデルとしてリリースするならもう少しパフォーマンスを上げて欲しかったのが本音だ。第5世代Ryzenシリーズに期待するしかない。

内蔵GPUがRadeon Graphics→Radeon 660Mへと強化された

RTX 3050 Desktop14,734
RTX 3050 Ti Mobile11,843
RTX 3050 Mobile11,185
GTX 1650 Ti Mobile9,129
GTX 1650 Mobile8,544
GTX 1050 Mobile5,350
GeForce MX4504,476
Radeon 680M4,387
Radeon 660M3,856
Iris Xe Graphics(12700H)3,061
Radeon Graphics(5800H)2,434

従来モデルのRyzen 5 5600Hとの違いで言えば、内蔵GPUがRadeon 660Mへと強化されたのも挙げられる。グラフィックス処理性能は従来モデルのRadeon Graphicsよりも58%程度向上していてIris Xe Graphicsも上回る。解像度及び設定を落とせばゲームプレイに対応できなくもない。動画編集やWEBデザインなどでも恩恵は得られるだろう。

問題はRyzen 5 6600HはゲーミングノートPCやクリエイターノートPC向けのCPUで外付けのグラフィックボードが搭載されることがほとんどだということだ。おそらくグラフィックボード非搭載モデルはリリースされないのではないかと思う。そうなるといくら性能が高くなっても宝の持ち腐れとなってしまう。

搭載モデルがほとんど販売されていない

冒頭で述べた通りまだRyzen 5 6600Hを搭載したゲーミングノートPCのラインナップは少ない。Dellで販売されているゲーミングノートPCぐらいだろう。2022年7月時点では旧世代に当たるRyzen 5 5600Hを搭載したモデルのラインナップの方が多くまだまだ最新モデルへの切り替えは進んでいないようだ。

ドスパラなどの大手BTOメーカーでRyzen 5 5600H搭載モデルの取り扱いがあったことを考えると近い内にRyzen 5 6600Hを搭載したゲーミングノートPCが増えてくるのではないかと思う。Intel Core i5シリーズと比べて性能で劣ってしまうため価格勝負に来る可能性もある。そうなれば低価格帯のゲーミングノートPCを探している方にとっては好ましいことだろう。

Ryzen 5 6600Hのベンチマーク一覧

Handbrake

handbrakeryzen56600h-handbrake

Handbrakeでのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 5 5600Hと比べて4%程度パフォーマンスが向上している。75Wになると20%程度パフォーマンスが高くなる。競合モデルであるCore i5-12500Hとの性能差は5%-7%程度だ。12コア16スレッドというスペックは圧巻だ。それでも極端に重いファイルを取り扱うわけでなければRyzen 5 6600Hでも十分通用すると考えてよい。

7-Zip

zipryzen56600h-zip

従来モデルのRyzen 5 5600Hと比べてZipファイルの解凍速度は5%速くなり、圧縮速度も8%速くなった。Core i5-125500Hと比べると解凍速度は4%遅く、圧縮速度は10%遅くなっている。純粋にコア/スレッドが多いほうが有利になるということだろう。用途によってはCore i5-12500Hとの性能差が大きくなることがわかる。

Adobe Photoshop

photoshopryzen56600hphotoshop

Adobeの人気ソフトであるPhotoshopのパフォーマンスを見ていく。Intel製CPUが得意とするアプリケーションの一つだ。従来モデルのRyzen 5 5600Hと比べて4%程度パフォーマンスが引き上げられている。Core i7-11800Hよりもわずかに性能が高い。Core i5-12500Hと比べると20%程度劣っている。

Ryzen 5 6600H搭載のゲーミングノートPC一覧

GALLERIA RL5R-G165 (ドスパラ)

GALLERIA-RL5R-G165-300x300価格:89,980円+送料3,300円
液晶:15.6インチFHD 144Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce GTX 1650 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:120W ACアダプター
コスパ:8.0

公式サイト詳細

税込89,980円の格安ゲーミングノートPCだ。旧世代のCPUとGPUを組み合わせることでこの低価格を実現している。ゲーミング性能は控えめで設定調整が必須だ。高リフレッシュレートを目指すよりも60fpsでまったりゲームを楽しみたい方向けだ。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと構成は十分だ。これならカスタマイズをせずに購入する方がよいだろう。価格が高くなってしまっては本末転倒だ。

Victus 16(AMD) 価格.com限定モデル(HP)

Victus 16価格:209,000円(税込) 109,800円(税込)
液晶:16.1インチFHD 144Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

Ryzen 5 6600H×RTX 3050 Mobile搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。16.1インチFHDディスプレイを搭載してりう。144Hz対応だ。本体重量は約2.48kgとやや重い。持ち運びを考えている方は注意しよう。価格.com限定モデルで通常ラインナップよりも35,000円も安く購入できる。ゲーミングノートPCの価格が上昇している中で非常に魅力的なモデルの一つだ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 512GB NVMeという構成だ。マウス付きとなっている。

Dell G15 ゲーミング ノートPC(Dell)

dellg15note価格:129,980円(税込) 119,580円(税込)
液晶:15.6インチFHD 120Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

Ryzen 5 6600H×RTX 3050搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。割引適用中は税込11万円台で購入できる。15.6インチ120Hz対応モニター搭載で快適なゲームプレイが可能だ。メモリはDDR5-4800 16GBとRyzen 5 6600Hに合わせてアップグレードされている。ストレージはSSD 512GB NVMeを搭載していて必要十分だ。

Lenovo IdeaPad Gaming 370(Lenovo)

Lenovo-IdeaPad-Gaming-370i価格:124,850円(税込)
液晶:16.0インチWUXGA 165Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

Lenovoが販売するゲーミングノートPCだ。16.0インチWUXGAディスプレイを搭載している。165Hz対応だが、性能的にはそれほど高リフレッシュレートでのゲームプレイは期待できない。価格重視で選びたい方向けだと言える。Ryzen 5 6600H×RTX 3050 Mobile搭載で税込124,850円となる。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 512GB NVMeという構成だ。最短1-2営業日での出荷に対応しているのは嬉しい。

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