当ページでは、Ryzen 5 6600Hの性能レビュー及び搭載ゲーミングノートPCの紹介をしている。Zen 3+アーキテクチャを採用した新しいCPUだ。Ryzen 5 5600Hのマイナーチェンジモデルと考えるとわかりやすい。6コア12スレッドというスペックはRyzen 5 5600Hと変わっていないが、クロック周波数やメモリ周りなどいくつか変更されている。
競合モデルであるCore i5-12500Hと比較しながら詳しく見ていこう。すでにRyzen 5 6600後継モデルは減少傾向にある。今はドスパラから「GALLERIA RL5R-G165」が販売されているぐらいだ。市場で最も安価なゲーミングノートPCの一つと言える。次世代モデルは、Zen 4のRyzen 5 7640HS・Zen 3+のRyzen 5 7535HSだ。Ryzen 5 7535HSが立ち位置的に近いように思う。
当ページの目次
よくわかる!!Ryzen 5 6600Hの特徴まとめ
コードネーム | Zen 3+ |
---|---|
プロセス | 6nm |
コア/スレッド数 | 6コア / 12スレッド |
コア定格/最大クロック | 3.3 GHz/ 4.5 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB |
内蔵グラフィックス | Radeon 660M |
TDP | 45W |
発売日 | 2022年01月 |
価格 | – |
特徴 | (+) Ryzen 5 5600Hと比べて8%程度性能が高い (+) 内臓グラフィックスが強化された (-) Core i5シリーズと比べると性能は劣る (-) 搭載モデルのラインナップはほとんどない |
評価 | ・総合評価 7.0 ・ゲーム評価 6.5 |
Ryzen 5 6600HのCinebench R23スコア
競合モデルであるCore i5-12500Hと比べるとマルチコア性能が7%低く、シングルコア性能は20%程度低い。6コア12スレッドのCPUと12コア16スレッドのCPUでは土台が違う。おそらくRyzen 5 6600H搭載モデルの方が安く購入できるようになるのではないかと思う。
Ryzen 5 6600Hの基本スペック
Ryzen 5 6600H | Ryzen 5 5600H | Core i5-12500H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Zen 3+ | Zen 3 | Alder Lake |
プロセス | 6nm | 7nm | 10nm |
コア | 6 | 6 | 12(4P+8E) |
スレッド数 | 12 | 12 | 16 |
定格クロック(P) | 3.3 GHz | 3.3 GHz | 2.5 GHz |
最大クロック(P) | 4.5 GHz | 4.2 GHz | 4.5 GHz |
定格クロック(E) | - | - | 1.8 GHz |
最大クロック(E) | - | - | 3.3 GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 18MB |
対応メモリ | DDR5-4800 LPDDR5-6400 | DDR4-3200 | DDR5-4800 LPDDR5-5200 DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | Radeon 660M | Radeon Vega 7 | Iris Xe Graphics |
PBP(TDP) | 45W | 35-54W | 45W |
MTP | - | - | 95W |
価格 | - | - | $311 |
発売日 | Q1'22 | Q1'21 | Q1'22 |
対応メモリについてもDDR4-3200からより上位のDDR5-4800・LPDDR5-6400へと変更されている。また、内蔵グラフィックスもRadeon Vega 7からRadeon 660Mへとアップグレードされている。グラフィックス処理性能は50%程度高くなった。TDPは45Wとなる。このクラスでは平均的な消費電力だと言える。
競合モデルであるIntel Core i5-12500Hのスペックを見ていこう。Alder Lake世代のCPUでプロセスは10nmだ。Ryzen 5 6600Hの6nmと比べると一回り大きい。Core i5-12500Hは、12コア16スレッドと高スペックだ。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していてパフォーマンス重視のPコアと効率性重視のEコアが搭載されている。
Ryzen 5 6600Hと比べるとコアが倍増で、スレッド数も33%多い。定格クロックはRyzen 5 6600Hの方が32%高く、最大クロックは4.5GHzと同じだ。Eコアに該当するコアはRyzen 5 6600Hには搭載されていない。L3キャッシュはCore i5-12500Hの方が13%多く18MBとなる。メモリについてはDDR5だけではなくDDR4をサポートしているのがポイントだ。低価格帯のモデルならコストを抑えるためにDDR4を選ぶことができる。
Core i5-12500Hに採用されている内蔵グラフィックスはIris Xe Graphicsです。Radeon 660Mと比べると性能は劣る。PBP(TDP)は45Wで、MTP(PL2)は95Wとなる。価格は$311だ。Core i5-12500Hの価格を考えるとRyzen 5 6600Hの価格は$250ぐらいだろうか。
Ryzen 5 6600Hの強み&搭載モデルの特徴
Ryzen 5 5600Hとの性能差はそれほど大きくない
Core i7-12700H | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i5-12500H | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i9-11980HK | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 6600H | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i5-11400H | |
Ryzen 5 4600H | |
Core i5-10300H | |
Ryzen 5 3550H |
元々AMDがメニーコアを一般的なものにしたが、Intelも第12世代になってその上を来た。Core i5シリーズで12コアの時代が来るとは驚きだ。Ryzen 5 6600Hはまだ6コア12スレッドなので性能差は歴然だと言える。Ryzen 5 5600Hの後継モデルとしてリリースするならもう少しパフォーマンスを上げて欲しかったのが本音だ。第5世代Ryzenシリーズに期待するしかない。
内蔵GPUがRadeon Graphics→Radeon 660Mへと強化された
RTX 3050 Desktop | |
RTX 3050 Ti Mobile | |
RTX 3050 Mobile | |
GTX 1650 Ti Mobile | |
GTX 1650 Mobile | |
GTX 1050 Mobile | |
GeForce MX450 | |
Radeon 680M | |
Radeon 660M | |
Iris Xe Graphics(12700H) | |
Radeon Graphics(5800H) |
従来モデルのRyzen 5 5600Hとの違いで言えば、内蔵GPUがRadeon 660Mへと強化されたのも挙げられる。グラフィックス処理性能は従来モデルのRadeon Graphicsよりも58%程度向上していてIris Xe Graphicsも上回る。解像度及び設定を落とせばゲームプレイに対応できなくもない。動画編集やWEBデザインなどでも恩恵は得られるだろう。
問題はRyzen 5 6600HはゲーミングノートPCやクリエイターノートPC向けのCPUで外付けのグラフィックボードが搭載されることがほとんどだということだ。おそらくグラフィックボード非搭載モデルはリリースされないのではないかと思う。そうなるといくら性能が高くなっても宝の持ち腐れとなってしまう。
搭載モデルがほとんど販売されていない
冒頭で述べた通りまだRyzen 5 6600Hを搭載したゲーミングノートPCのラインナップは少ない。Dellで販売されているゲーミングノートPCぐらいだろう。2022年7月時点では旧世代に当たるRyzen 5 5600Hを搭載したモデルのラインナップの方が多くまだまだ最新モデルへの切り替えは進んでいないようだ。
ドスパラなどの大手BTOメーカーでRyzen 5 5600H搭載モデルの取り扱いがあったことを考えると近い内にRyzen 5 6600Hを搭載したゲーミングノートPCが増えてくるのではないかと思う。Intel Core i5シリーズと比べて性能で劣ってしまうため価格勝負に来る可能性もある。そうなれば低価格帯のゲーミングノートPCを探している方にとっては好ましいことだろう。
Ryzen 5 6600Hのベンチマーク一覧
Handbrake
7-Zip
Adobe Photoshop
Ryzen 5 6600H搭載のゲーミングノートPC一覧
GALLERIA RL5R-G165 (ドスパラ)
価格:89,980円+送料3,300円
液晶:15.6インチFHD 144Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce GTX 1650 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:120W ACアダプター
コスパ:8.0
税込89,980円の格安ゲーミングノートPCだ。旧世代のCPUとGPUを組み合わせることでこの低価格を実現している。ゲーミング性能は控えめで設定調整が必須だ。高リフレッシュレートを目指すよりも60fpsでまったりゲームを楽しみたい方向けだ。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと構成は十分だ。これならカスタマイズをせずに購入する方がよいだろう。価格が高くなってしまっては本末転倒だ。
Victus 16(AMD) 価格.com限定モデル(HP)
価格:209,000円(税込) 109,800円(税込)
液晶:16.1インチFHD 144Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
Ryzen 5 6600H×RTX 3050 Mobile搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。16.1インチFHDディスプレイを搭載してりう。144Hz対応だ。本体重量は約2.48kgとやや重い。持ち運びを考えている方は注意しよう。価格.com限定モデルで通常ラインナップよりも35,000円も安く購入できる。ゲーミングノートPCの価格が上昇している中で非常に魅力的なモデルの一つだ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 512GB NVMeという構成だ。マウス付きとなっている。
Dell G15 ゲーミング ノートPC(Dell)
価格:129,980円(税込) 119,580円(税込)
液晶:15.6インチFHD 120Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
Ryzen 5 6600H×RTX 3050搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。割引適用中は税込11万円台で購入できる。15.6インチ120Hz対応モニター搭載で快適なゲームプレイが可能だ。メモリはDDR5-4800 16GBとRyzen 5 6600Hに合わせてアップグレードされている。ストレージはSSD 512GB NVMeを搭載していて必要十分だ。
Lenovo IdeaPad Gaming 370(Lenovo)
価格:124,850円(税込)
液晶:16.0インチWUXGA 165Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
Lenovoが販売するゲーミングノートPCだ。16.0インチWUXGAディスプレイを搭載している。165Hz対応だが、性能的にはそれほど高リフレッシュレートでのゲームプレイは期待できない。価格重視で選びたい方向けだと言える。Ryzen 5 6600H×RTX 3050 Mobile搭載で税込124,850円となる。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 512GB NVMeという構成だ。最短1-2営業日での出荷に対応しているのは嬉しい。
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