画像引用元:https://www.amd.com/
当ページでは、Ryzen 7 3800XTの性能レビュー及びベンチマークを紹介している。Ryzen 7 3800Xの発売からおおよそ1年後に新しいCPUが登場した。Ryzen 7 3800Xと比べて最大クロック周波数が0.2GHz引き上げられてパフォーマンスが向上している。価格が高めなのでRyzen 7 3800XやRyzen 7 3700Xと比べた優位性は低い。
2020年秋以降の発売を控えるRyzen 4000シリーズまでの間を埋める存在だ。2020年11月に後継モデルである「Ryzen 7 5800X」がリリースされた。Zen 3アーキテクチャ採用となりより洗練されたCPUとなっている。同じ8コア16スレッドというスペックながらゲーム適性も向上していてゲーミングCPUとしての評価も高い。
当ページの目次
Ryzen 7 3800XTの特徴まとめ
コードネーム | Zen 2 |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
定格/最大クロック | 3.9 GHz/ 4.7 Ghz |
L3キャッシュ | 32MB |
TDP | 105W |
発売日 | 2020年07月17日 |
価格 | $399 |
コメント | Ryzen 7 3800Xよりもクロック周波数が200MHzアップ Ryzen 7 3800Xにコストパフォーマンスで劣る CPUクーラーは同梱されておらず別途購入する必要がある |
評価 | ・総合評価 6.5 ・ゲーム評価 6.0 |
Ryzen 7 3800XTの総合性能
さすがにRyzen 7 5800Xと比べると性能差はあるが、Ryzen 7 3800XTの性能は高く現時点でも十分通用すると考えてよい。ゲーミングCPUとしての評価もまずまずだ。Intel製CPUに比べると性能は見劣りしてしまうが、Zen +アーキテクチャを採用したRyzen 7 2700Xから大きく進化している。当面の間は通用しそうだ。
Ryzen 7 3800XTの基本情報
基本スペック
7 3800XT | 7 3800X | 7 3700X | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
トランジスタ数 | 38億 | 38億 | 38億 |
ダイサイズ | 74 mm² | 74 mm² | 74 mm² |
コードネーム | Zen 2 | Zen 2 | Zen 2 |
CPUコア数 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 |
定格クロック | 3.9 GHz | 3.9 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 4.7 GHz | 4.5 GHz | 4.4 GHz |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 32MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
PCI-Express | Gen 4 | Gen 4 | Gen 4 |
TDP | 105W | 105W | 65W |
CPUクーラー | × | 同梱 | 同梱 |
価格 | $399 | $399 | $329 |
実売価格 | 52,000円 | 44,000円 | 41,000円 |
発売日 | 2020年7月17日 | 2019年7月7日 | 2019年7月7日 |
Ryzen 7 3800Xの下位モデルであるRyzen 7 3700Xと比較すると、定格クロックが8%高く最大クロックも7%高い。L3キャッシュはRyzen 7 3800XTと同じ32MBだ。消費電力については65Wと40%程度省電力となっている。運用面では扱いやすく人気が高いCPUだ。定価が$329で実売価格は41,000円でお得感がある。コストパフォーマンスの高さから人気が高いのはこのRyzen 7 3700Xだ。
Intel製CPUと比較
7 3800XT | i7 10700K | |
---|---|---|
イメージ | ||
メーカー | AMD | Intel |
プロセス | 7nm | 14nm |
コードネーム | Zen 2 | Comet Lake |
CPUコア数 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 |
定格クロック | 3.9 GHz | 3.8 GHz |
最大クロック | 4.7 GHz | 5.1 GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 32MB | 16MB |
オンボードGPU | 非搭載 | UHD 630 |
クーラー | 非搭載 | 非搭載 |
TDP | 105W | 125W |
価格 | $399 | $399 |
発売日 | 2020年7月17日 | 2020年5月21日 |
定格クロックが0.1GHz Ryzen 7 3800XTの方が高く、最大クロックは0.4GHz Core i7-10700Kの方が高い。いずれのCPUもオーバークロックに対応している。L3キャッシュはRyzen 7 3800XTが、Intel Core i7-10700Kの倍の32MBとなっている。Core i7-10700KにはCPU内蔵グラフィックス(UHD 630)が搭載されているのもポイントだ。Core i7-10700Kの方が消費電力が大きいのはプロセスが大きいことに起因しているのかもしれない。Ryzen 7 3800 XTは105Wと比較的抑えられている。
Ryzen 7 3800XTの最新評価【2024年】
まずはゲーム性能を見ていこう。上記テーブルは各CPUのゲーム性能をまとめたものだ。Ryzen 7 3800XTのゲーム性能スコアは22,032とまずまずだ。エントリークラスとして考えると十分な性能を有している。Ryzen 7 3800Xとの性能差は小さく1%未満だ。ゲームプレイにおいて性能差を体感することは難しいだろう。従来モデルのRyzen 7 2700Xと比べると10%以上性能が高い。発売当時の競合であるCore i7-10700Kとの性能差は8%弱とやや大きい。ゲームプレイ時の安定感ではIntel製CPUに軍配が上がる。参考までにCore i7-10700Kの価格は24,980円~となる。Kシリーズは価格が下がりづらく高値安定だ。
Zen 2アーキテクチャはまだまだ発展途上で次世代のZen 3アーキテクチャ以降大きくゲーム性能が引き上げられている。Zen 3アーキテクチャ採用のRyzen 7 5700Xになると22%以上性能が高い。同じ8コア16スレッドというスペックでもIPCの改善などで性能が高くなっている。Ryzen 7 3800XTの中古価格は21,980円~で、Ryzen 7 5700Xは22,480円~とほとんど変わらない。この価格差ならRyzen 7 5700Xを選ぶか通常のRyzen 7 3800Xを選ぶ方がよいだろう。
次はマルチコア性能スコアをまとめている。Ryzen 7 3800XTのスコアは21,207とRyzen 7 3800Xと比べて100pt上がっただけだ。それでもCore i7-10700Kと比べて10%近くも性能が高い点は評価できる。Ryzen 7 2700Xと比べると35%以上も性能が高い。Zen +からの進化は目を見張るものがある。Ryzen 7 5700Xとの性能差は7%前後だ。ゲーム性能ほど差があるわけではない。
Ryzen 7 3800XTの特徴詳細【2020年時点】
前モデルより順当に性能が向上している
Ryzen 7 3800XTは、Ryzen 7 3800Xからしっかりと性能がアップしている。RTX 2060 SUPER以上のグラフィックボードに合わせるのにぴったりだ。ただし、Ryzen 7 3800Xからの買い替えで性能差を体感できるほどではないので、Ryzen 5シリーズ以下からのアップグレードに最適だと言える。
今回XTシリーズが3つ販売開始となった。その中でRyzen 7 3800XTがもっともクロック周波数の引き上げが大きかったというのは興味深い。他の2種類については引き上げは0.1GHz(100MHz)に留まるが、Ryzen 7 3800XTでは倍の0.2GHz(200MHz)となっている。ただし、他のモデルと比べて性能的に大幅な伸びがあるかと言われると否だ。
CPUクーラーはセットになっていない
Ryzen 7 3800XTにはCPUクーラーが搭載されていないという点は注意すべきだろう。意外と大きなデメリットと言えるかもしれない。Ryzen 7 3800Xに搭載されてたのにどうしてRyzen 7 3800XTでは除外してしまったのか不思議だ。CPUクーラーの分(5,000円程度)だけ高くなったと考えることができる。
自作ユーザーで購入を考えている方はCPUクーラーの購入を考える必要がある。BTOメーカーのカスタマイズでRyzen 7 3800XTを選択する場合別途CPUクーラーを追加しなければいけない。結果的にCPUパフォーマンス以上の費用を支払わなければいけないということだ。
割高感がありコスパには疑問が残る
Ryzen 7 3800XTについては割高でコストパフォーマンスはいまいちだ。コスパ重視でのCPU購入を考えている方は注意しよう。Ryzen 7 3800XTの価格が落ち着く頃にはRyzen 7 3700Xの価格も下がるだろうし、また第4世代Ryzenシリーズも発売されているかもしれない。定価はRyzen 7 3800Xと同じ$399だが、販売から1年以上経過しているRyzen 7 3800Xは価格が落ちてきていて実売価格では8,000円程度の差がある。
Ryzen 7 3800XTの52,000円(+CPUクーラー代)に対してRyzen 7 3800Xの41,000円は性能差以上に価格差が大きい。さらに前の項目で解説したCPUクーラーを考えると10,000円以上の差があるということになってしまうのだ。BTOメーカーの販売する完成品ならまだしも自作ユーザーにとってはマイナスだろう。
Ryzen 7 3800XTのゲームベンチマーク一覧
Far Cry New Dawn 1080p
Core i9-10900K | |
Core i7-10700K | |
Ryzen 7 3800XT | |
Ryzen 7 3800X | |
Ryzen 9 3900XT | |
Ryzen 7 3700X |
Far Cry New Dawn 1440p
Core i9-10900K | |
Core i7-10700K | |
Ryzen 7 3800XT | |
Ryzen 7 3800X | |
Ryzen 9 3900XT | |
Ryzen 7 3700X |
Borderlands 3 1440p
Core i9-10900K | |
Core i7-10700K | |
Ryzen 7 3800XT | |
Ryzen 7 3800X | |
Ryzen 9 3900XT | |
Ryzen 7 3700X |
Ghost Recon Breakpoint 1440p
Core i9-10900K | |
Core i7-10700K | |
Ryzen 9 3900XT | |
Ryzen 7 3800XT | |
Ryzen 7 3800X | |
Ryzen 7 3700X |
Total War : Three Kingdoms 1080p
Core i9-10900K | |
Core i7-10700K | |
Ryzen 9 3900XT | |
Ryzen 7 3800XT | |
Ryzen 7 3800X | |
Ryzen 7 3700X |
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R20
Adobeソフト
7-Zip
Ryzen 7 3800XT搭載おすすめゲーミングPC
G-Tune XN-A(G-Tune)
CPU:Ryzen 7 3800XT
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:2TB
電源:850W PLATINUM
RTX 3080を搭載した希少なゲーミングPCだ。2021年3月時点でRTX 3080搭載モデルを見つけることは難しい。RTX 3080はゲーミング性能が高く多くのゲーマーに選ばれていたグラフィックボードだ。4K解像度や高リフレッシュレートでのゲームプレイに対応することができる。CPUクーラー搭載で熱対策もばっちりだ。メモリ16GB、SSD 512GB、HDD 2TBと構成も十分だろう。電源ユニットは余裕の850W PLATINUMと妥協は見られない。
LEVEL-M0B4-R7XT-RWX(パソコン工房)
CPU:Ryzen 7 3800XT
GPU:GeForce RTX 2060 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:700W BRONZE
RTX 2060 SUPER×Ryzen 7 3800XT搭載のゲーミングPCだ。税抜15万円台と比較的価格は抑えられている用に思う。メモリ16GB、SSD 500GB NVMe対応と構成も十分だ。電源ユニットにも700W BRONZEを採用し安心してゲームをプレイすることができる。
G-Tune EN-A(G-Tune)
CPU:Ryzen 7 3800XT
GPU:Radeon RX 5700
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:2TB
電源:700W BRONZE
Radeon RX 5700×Ryzen 7 3800XT搭載のゲーミングPCだ。RTX 2060 SUPERと同等の性能を持ちミドルクラスのモデルとして評価されているが、Ryzen 7 3700X搭載モデルと比べるとコストパフォーマンスに劣る。もうワンランク上の性能が手に入る価格帯だ。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応、HDD 2TBと構成も充実している。電源ユニットにも余裕の700W BRONZEを採用していて扱いやすい。
G-Tune HP-A(G-Tune)
CPU:Ryzen 7 3800XT
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4 32GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:4TB
電源:800W TITANIUM
RTX 3080×Ryzen 7 3800XTのハイクラスのゲーミングPCだ。CPU寄りのモデルとなっている。4K解像度でのゲームプレイに対応できるほどの性能を持つ。WQHD HD環境で高いフレームレートで安定させることが可能だ。ゲームプレイにこだわりを持ちたい方は必見だ。もちろん動画配信などにも対応しやすい。メモリ32GB、SSD 1TB、HDD 4TBと構成が充実している。電源ユニットには800W TITANIUMを採用し抜かりはない。高いレベルでのゲームプレイができる。
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