Ryzen 9 7900
当ページでは、Ryzen 9 7900のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2023年1月にRyzen 7000シリーズの省電力モデルが3つリリースされた。16コア32スレッドのRyzen 9 7950XのXなしモデルはリリースされておらず、この12コア24スレッドのRyzen 9 7900が省電力モデルのフラグシップモデルとなる。

Ryzen 9 7900Xのクロック周波数を落としたモデルで消費電力は65Wに抑えられている。オーバークロックの余力もあり、オーバークロックを行えばRyzen 9 7900Xと同等のパフォーマンスを期待できる。Intel第13世代の無印モデル(Core i9-13900 etc.)などがリリースされますます市場が盛り上がりそうだ。今はAM5プラットフォームのコストが高い分Ryzen 7000シリーズが不利なように思える。搭載モデルは「Ryzen 9 7900搭載おすすめゲーミングPC」で紹介中だ。ゲーム性能だけを考えると下位モデルのRyzen 7 7700XRyzen 7 7700の方が性能が高い。これはRyzenシリーズの仕様上の問題だと言える。詳細は「Ryzen 9 7900の最新評価【ゲーム性能】」で解説している。

Ryzen 9 7900の基本情報

コードネーム Zen 4(Raphael)
プロセス 5nm
コア/スレッド数 12コア/24スレッド
定格/最大クロック 3.7 GHz/ 5.4 Ghz
L2キャッシュ 12MB
L3キャッシュ 64MB
TDP 65W
PPT 88W
発売日 2023年01月14日
MSRP $429
国内価格 68,800円~ *2024/10時点
特徴 (+)Ryzen 7000シリーズ省電力モデルの最高峰
(+)12コア24スレッドと高スペック
(+)オーバークロックの余力が大きい
(-)ゲーム適性はRyzen 7シリーズに劣る
(-)今はRyzen 9 7900Xと変わらない価格設定
(-)搭載モデルの価格がかなり高い
評価 ・総合評価
8.0

・ゲーム評価
7.0

Ryzen 9 7900の概要

スペック

Ryzen 9 7900 Ryzen 9 7900X Core i7-13700K
メーカー AMD AMD Intel
コードネーム Zen 4
(Raphael)
Zen 4
(Raphael)
Raptor Lake
プロセス 5nm 5nm 10nm
トランジスタ数 131.4億 131.4億
ダイサイズ 71 mm²×2 71 mm²×2 257 mm²
I/Oダイプロセス 6nm 6nm
I/Oダイ 122 mm² 122 mm²
コア/スレッド数 12 / 24 12 / 24 16(8P+8E)/ 24
定格クロック(P) 3.7 GHz 4.7 GHz 3.4 GHz
最大クロック(P) 5.4 GHz 5.6 GHz 5.4 GHz
定格クロック(E) 該当コアなし 該当コアなし 2.5 GHz
最大クロック(E) 該当コアなし 該当コアなし 4.2 GHz
オーバークロック
L2キャッシュ 12MB 12MB 24MB
L3キャッシュ 64MB 64MB 30MB
対応メモリ DDR5-5200 DDR5-5200 DDR5-4800
DDR4-3200
内蔵グラフィックス Radeon Graphics Radeon Graphics UHD 770
CPUクーラー Wraith Prism なし なし
PCI-Express Gen 5, 24 Lanes Gen 5, 24 Lanes Gen 5, 24 Lanes
PBP 65W 170W 125W
MTP(PL2) 88W 230W 253W
MSRP $429 $549 $409
国内価格 58,435円~ 61,980円~ 59,980円~
発売日 2023/01/14 2022/09/27 2022/10/20

*価格は2024/6時点のもの

Ryzen 9 7900は、Zen 4アーキテクチャ採用の高性能CPUだ。Ryzenシリーズは長らくチップレットテクノロジーを採用していて5nmプロセスのCCDと6nmプロセスのI/Oダイの2つのダイを組み合わせている。一つの大きなダイでCPUを構築するよりも、ダイを分割できる分コスト面で有利だ。AMDが積極的に採用している技術となっている。

12コア24スレッドというスペックはRyzen 9 7900Xと共通だ。クロック周波数はかなり抑えられている。定格クロックは20%低く、最大クロックも4%低い。Ryzen 9 7900もオーバークロックに対応している。12MBのL2キャッシュと64MBのL3キャッシュを搭載している。対応メモリはDDR5-5200だ。DDR4メモリはサポートしていない。

内蔵GPUはRadeon Graphicsだ。CPUクーラーはAMD Wraith Prismが同梱となる。TDP・PL2共に62%低くそれぞれ65W・88Wに抑えられている。価格は$429でRyzen 9 7900Xと比べて$120安い。現在のRyzen 9 7900Xの国内販売価格は58,435円~でRyzen 9 7900Xよりも3,500円程度安価だ。MSRPの差を考えるともう少し価格差がほしいところだ。

Intelの同価格帯のモデルと比較していく。Ryzen 9 7900が$429に対して、Core i7-13700Kは$409でおおよそ同等だと考えてよいだろう。実売価格ではCore i7-13700Kは59,980円~とRyzen 9 7900と同等だ。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i7-13700KFならもう少し安く購入可能だ。Core i7-13700Kは、Raptor Lake世代のCPUで10nmプロセスを採用している。ダイサイズは257m㎡だ。Core i7-13700Kは、ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していて16コア24スレッドと高いスペックを実現している。8つのPコアと8つのEコアを組み合わせている。

Core i7-13700KのPコアの定格クロックは3.4GHzとRyzen 9 7900の方が9%高い。最大クロックはどちらも5.4GHzと高い水準にある。Core i7-13700KにはEコアが搭載されていて定格クロックが2.5GHz、最大クロックが4.2GHzだ。バックグラウンドでの作業などにおいてパフォーマンスを発揮するコアだ。Core i7-13700Kもオーバークロックに対応している。Core i7-13700KはL2キャッシュが24MBとRyzen 9 7900の倍だ。一方で、L3キャッシュは30MBとRyzen 9 7900の方が2.1倍多くなっている。

対応メモリはDDR5-4800・DDR4-3200だ。コストをシビアに見ている方にとってDDR4メモリをサポートしているのは魅力的だろう。内蔵グラフィックスはIntel UHD Graphics 770を搭載している。内蔵GPUの性能はUHD Graphics 770の方が上だ。CPUクーラーは非同梱となる。PCI-ExpressはGen 5, 24 Lanesだ。Core i7-13700Kは倍率ロックフリーモデルということもあって消費電力は高い。TDPは125W、PL2も253WとRyzen 9 7900の方が最大65%も消費電力が抑えられている。

性能

ryzen97900画像引用元:https://wccftech.com/

AMD公表の資料によると、従来モデルのRyzen 9 5900Xと比べてゲーミング性能は7%~31%も向上していることがわかる。クリエイター性能についても最大48%向上しているということだ。省電力モデルながらかなり期待できるモデルだと言えるだろう。

Ryzen 9 7900の最新評価【ゲーム性能】

ryzen97900gamescore
Ryzen 9 7900のゲーミング性能はそれほど高いわけではない。スコアは33,464だ。旧世代のRyzen 9 5900Xと比べて20%以上性能が高くなったが、Intel第14世代のCore i7-14700と比べると12%もパフォーマンスが低い。Core i7-14700は61,980円で購入できるので、Ryzen 9 7900とほとんど価格が変わらずコストパフォーマンス的にも見劣りしてしまう。CPU内蔵グラフィックス非搭載のCore i7-14700Fならさらに安く購入可能だ。

Intel第12世代のCore i9-12900Kと同程度の性能を持つに留まる。Ryzen 7 7700XやRyzen 7 7700とほとんど性能が変わらないのは痛い。これはCCX×2基というRyzen 9シリーズにおける仕様上の問題だろう。Ryzen 9シリーズではCCX×2基搭載でCCX間のやり取りが必要になりレイテンシが発生してしまう。ゲームプレイにおいて不利になる。CCX×1基構成のRyzen 7シリーズは強力だ。

なお、3D V-Cache搭載のRyzen 9 7900X3Dになると20%以上性能が高くなるが、他のRyzen 7000X3Dシリーズと比べるとワンランク性能が低い。Ryzen 9 7900は立場的に中途半端なモデルであることがわかるだろう。

次世代のRyzen 9 9900Xになると2%-3%程度パフォーマンスが高くなる。ただし、価格が88,800円と高く選びづらい。Ryzen 9 7900やRyzen 9 7900Xが市場から消えてRyzen 9 9900Xの価格が落ち着くまでは待つ方が良いように思う。ゲームプレイだけを考えるなら今後発売される予定のRyzen 9000X3Dを検討しよう。

Ryzen 9 7900の特徴&注意点

Ryzen 7000シリーズ無印の最上位モデルとなる

型番 総合性能
Core i9-13900K 42,134
Ryzen 9 7950X 41,866
Core i7-13700K 37,895
Ryzen 9 7900 OC 37,608
Ryzen 9 7900X 37,541
Ryzen 9 7900 31,376
Core i5-13600K 30,159
Core i7-12700K 30,046
Ryzen 9 5900X 28,457
Ryzen 7 7700X 27,183
Ryzen 7 7700 25,754
Core i5-12600K 25,507
Core i5-13400 25,345
Ryzen 7 5800X3D 23,098
Ryzen 7 5700X 22,789

Ryzen 9 7900は、Ryzen 7000シリーズのXなしモデルのフラグシップモデルだ。従来モデルのRyzen 9 5900Xと比べて10%以上パフォーマンスが高い。TDPを抑えつつも高い性能を発揮することで期待できる。下位モデルであるRyzen 7 7700と比べて23%程度処理性能が高い。Ryzen 9 7900Xと比べて15%程度処理性能が抑えられている。

Ryzen 7 7700XとRyzen 7 7700の性能差が5%程度であるのに対して、Ryzen 9 7900XとRyzen 9 7900では性能差が15%程度と大きくなっている。これは12コア24スレッドとコア数が多くTDPを抑えると1コア当たりのパフォーマンスが制限されるからだろう。

Ryzen 9 7900はオーバークロックの余力が大きく、Ryzen 7900Xと同等の高いパフォーマンスを得られる。コストパフォーマンスの観点からは非常に魅力的なモデルだ。オーバークロック及び電力制限を解除すると保証の対象外となってしまう点は理解しておこう。なお、電力制限を解除すると付属のCPUクーラーでは冷却が間に合わずCPUの許容温度である95℃に到達してしまう。オーバークロックや電力制限を前提とするならより高性能な社外製のCPUクーラーを用意しておく必要がある。

ゲーム性能はRyzen 7シリーズに劣る

Ryzen 9 7900は、マルチスレッド性能の高いCPUだがゲーム性能は下位モデルのRyzen 7シリーズに劣ることがある。これはRyzen 9シリーズの仕様上の問題だ。Ryzen 9シリーズでは2つのCCDを搭載している。1つのCCDの中にはコアが8つとL3キャッシュ8MBが含まれるCCXとcIODとの接続のためのAMD Infinity Fabricがある。

つまり、8コア16スレッドのRyzen 7 7700XやRyzen 7 7700では1つのCCDで満たせるが、12コア以上のRyzen 9シリーズではこのCCDを2つ用意する必要がある。Ryzen 9 7900では各CCXのコアを2つずつ無効化して、6×2という構成だ。2 CCD構成のボトルネックが発生しているのだ。

ベンチマークを見ると分かる通り、Ryzen 7 7700にも及ばないタイトルが大半だ。やはり、2つのCCDを搭載していることでマルチスレッド性能は上がるが、ゲーミング性能は低くなってしまうということに繋がる。ゲーム以外でもアプリケーション次第では十分なパフォーマンスを発揮できないことがある。

最上級のCPUクーラー「Wraith Prism」が同梱でお得

amdCooler Solutions
Ryzen 9 7900は、Ryzen 9 7900Xと違ってCPUクーラーが同梱となっている。その中でもRyzen 9 7900で同梱のWraith PrismはCPUクーラーの最上級モデルとなっていて高い冷却性能を発揮する。Ryzen 7 7700も同様だ。別途CPUクーラーを用意する必要がない。ただでさえAM5のプラットフォームにコストが掛かってしまうので、CPUクーラーだけでも付いてくるのは大きなメリットだと言える。

Ryzen 9 7900は、TDPが65Wに抑えられているため純正品でも十分対応できるということだろう。105WのCPUにも対応できるほどの性能を持つ。Ryzen 9 3900XやRyzen 7 3800Xなどで採用されていたことからもそのポテンシャルの高さがわかるはずだ。AMDに言わせるとこれまでの純正品ではなかった品質を持っているということだ。RGB LED搭載でファンリングが光る仕組みとなっている。

搭載ゲーミングPCの価格が高く評価が上がらない

Ryzen 9 7900 Core i7-13700K(F)
パソコン工房(RTX 4080) 444,800円~ 409,800円~
ドスパラ(RTX 3070) 284,980円~ 234,980円~
TSUKUMO(RTX 3060) 284,400円~ 251,800円~

Ryzen 9 7900搭載モデルの価格はまだまだ高く評価はそれほど上がらない状況だ。パソコン工房では最低価格が444,800円~(RTX 4080搭載モデル)、ドスパラが284,980円~(RTX 3070搭載モデル)、TSUKUMOが284,400円~(RTX 3060搭載モデル)となっている。RTX 3060搭載モデルが28万円台というのは厳しい。いくらRyzen 9 7900Xよりも安価とは言ってもこれだけ価格が上がれば本末転倒だ。

Intel第13世代Core i7-13700K搭載モデルと比べても3万円~5万円程度の差がある。性能的にCore i7-13700Kの方が上であることを考えると、Ryzen 9 7900にとって立場はない。価格が高くなっている理由は高価なDDR5メモリやマザーボードを用意しなければいけないためだ。新しいAM5への切り替えのため旧世代のモデルを流用できないのも痛い。もう少しユーザーの間で普及すれば価格も引き下げられるだろう。

Ryzen 9 7900のゲームベンチマーク一覧

Far Cry 6

farcry6Ryzen 9 7900-farcry6

Far Cry 6では、Ryzen 9 7900Xと比べて3%-5%程度フレームレートが低くなっている。PL2が制限されていてもそこまで大きな影響はなさそうだ。クリエイター作業に比べて負荷が軽めということだろう。下位モデルであるRyzen 7 7700との性能差は1%程度とほとんど同じでコスパを考えるとRyzen 7700あるいはRyzen 7 7700Xが優勢だ。全体的にIntel製CPUが有利なタイトルと言えるだろう。Core i7-13700Kになると11%-17%もフレームレートが向上する。最小fpsが高くなりより安定したゲームプレイが実現する。

Hitman 3

hitman3Ryzen 9 7900-hitman3

Hitman 3ではRyzen 9 7900Xと比べて9%も平均fpsが低くなっている。競合モデルのCore i7-13700Kと比べても22%-25%とかなりフレームレートの差が大きくなっている。本来下位モデルであるRyzen 7 7700Xにも及ばないのは悩ましい。これはCCDが2基搭載されていることの弊害だろう。CCD間でのやり取りによってレイテンシが発生してパフォーマンスを阻害しているのではないかと考えられる。8コアのRyzen 7 7700Xにはそれは当てはまらない。Ryzen 9 7900Xに関してはそれを高いクロック周波数でカバーしているということだろうか。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077topRyzen 9 7900-cyberpunk2077

Cyberpunk 2077では、掲載しているCPUの中で下から二番目という結果となった。旧世代のRyzen 9 5950Xと比べて平均fpsが8%高く、最小fpsも11%高くなっている。Ryzen 9 7900Xとの差は最大7%とやや開いた形だ。Ryzen 7 7700XやRyzen 7 7700よりも平均fpsが9%程度低いが、最小fpsは10%前後高き。これは評価が難しいところだが、CCD 2基搭載のRyzen 9シリーズは少し不利になると考えてよいだろう。Core i7-13700Kと比べると18%-29%もフレームレートが低く圧倒的な差を見せつけられている。Cyberpunk 2077のプレイを考えているならIntel製CPUを優先することをおすすめする。

Red Dead Redemption 2

Red Dead Redemption 2Ryzen 9 7900-reddeadredemption2

Red Dead Redemption 2でのフレームレートを見ると、Intel製CPUと比べても見劣りしない結果となっている。平均fpsではCore i7-13700Kと比べて1%程度高い。一方で、最小fpsは6%劣っている。Ryzen 9 7900Xと比べると2%-10%程度フレームレートが低い。特に最小fpsの落ち込みは気になるところだ。130fpsを超えられないのはなにかがボトルネックとなっているのではないかと思う。負荷が掛かるとCCD間のやり取りが発生してしまいそれがパフォーマンスに影響を与えているのかもしれない。Ryzen 7 7700XやRyzen 7 7700よりもフレームレートが低いことからある程度納得できる結果と言える。

Watch Dogs: Legion

watchdogslegionRyzen 9 7900-watchdogslegion

Watch Dogs: Legionでもややフレームレートが落ち込んでしまっている。それでもRyzen 9 7900Xと比べて平均fpsが5%低く、最小fpsも7%低いだけに留まっている。スペックの差を考えると妥当だ。競合モデルであるCore i7-13700Kとの差は19%-21%とかなり大きい。ゲーミング性能はやはりIntel第13世代CPUが強力だ。Ryzen 7 7700XやRyzen 7 7700よりもフレームレートが低いのは仕方がないところだろう。ゲームプレイだけを考えるならRyzen 7 7700も魅力的なモデルとなる。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R23

cinebenchRyzen 9 7900-cinbenchr23

Cinebench R23でのスコアを見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べてマルチスレッド性能が16%低く、シングルスレッド性能も4%低くなっている。PL2が88Wに制限されていることで性能面でブレーキが掛かってしまうようだ。もちろんオーバークロックをすればRyzen 9 7900Xと同等のスコアを期待できる。競合モデルであるCore i7-13700Kと比べるとマルチスレッド性能が20%低く、シングルスレッド性能も6%低い。コア・スレッドの違いがそのままスコアに反映されている形だ。その下位モデルであるCore i5-13600Kと同等のスコアということになる。Ryzen 9 7900の性能を見る限り、Core i7-13700Kに対して価格が相応に下がらない限り選ばれることはなさそうだ。

7-Zip

zipRyzen 9 7900-zip

7-Zipファイルでの解凍及び圧縮速度を見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べると解凍速度は14%低く、圧縮速度も8%程度低いことがわかる。CPUコア全体への負荷が高まるとクロック周波数の差が顕著に現れると考えてよいだろう。クリエイター作業を中心に考えているならRyzen 9 7900Xは魅力的な選択肢となる。フラグシップモデルのRyzen 9 7950Xならさらに高いパフォーマンスを得られる。Core i7-13700Kと比べて解凍速度は11%速いが、圧縮速度はCore i7-13700Kの方が6%速い。

Handbrake

handbrakeRyzen 9 7900-handbrake

動画のエンコードソフトであるHandrbakeでのパフォーマンスを見ていく。処理に掛かる時間をまとめたもので数値が少ない方が高性能であるということだ。Ryzen 9 7900は、Ryzen 9 7900Xと比べてx264で13%、x265で10%程度パフォーマンスが低い。やはりゲームプレイよりも負荷の掛かる作業においてXシリーズとの性能差が現れるようだ。競合モデルであるCore i7-13700Kと比べてx264で11%低く、x265でも12%劣っている。Core i7-13700Kに対してはかなり厳しい結果だ。ハイブリッドコアアーキテクチャがうまく機能している。

Adobe Lightroom and Premiere Pro

Adobe Premiere Pro CCRyzen 9 7900-adobe

Lightroom及びPremiere Proでのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べてLightroomでは6%低く、Premiere Proでも1%低い。それほど負荷が高くないからかRyzen 9 7900Xとの性能差は大きくない。競合モデルであるCore i7-13700Kと比べてもLightroomで5%高く、Premiere Proでも5%高い。Adobeソフトは総じてAMD製CPUと相性がよい。なお、Ryzen 7 7700Xの方がスコアが高いのはやはりCCDの搭載数が影響しているのだろう。

Ryzen 9 7900搭載おすすめゲーミングPC

LEVEL-M7A6-R79-TT1X(パソコン工房)

LEVEL-M価格:274,800円+送料2,2200円
CPU:Ryzen 9 7900
GPU:GeForce RTX 4070 SUPER
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:700W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

公式サイト

Ryzen 9 7900×RTX 4070 SUPER搭載のハイクラスのゲーミングPCとなる。ミニタワーケースで価格が抑えられているのが高評価だ。ブラックを基調としたケースデザインがおしゃれだ。4K+レイトレーシングでのゲームプレイにも対応できる。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは700W BRONZEとなる。納期は2日~7日だ。キャンペーン中は7,000円分のポイント還元を受けられる。

GALLERIA XA9R-R47 7900搭載(ドスパラ)

galleriaxseries価格:298,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 9 7900
GPU:GeForce RTX 4070
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

公式サイト

Ryzen 9 7900×RTX 4070搭載のミドルタワーモデルだ。ドスパラのラインナップではRyzen 9 7900XがほとんどなくRyzen 9 7900に注力している。12コア24スレッドとスペックが高いのが嬉しい。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成は平均以上だ。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。省電力性の高いCPUとGPUのコンボでこれぐらいの容量でも問題ない。

GALLERIA XA9R-R47T 7900搭載(ドスパラ)

galleriaxseries価格:349,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 9 7900
GPU:GeForce RTX 4070 Ti SUPER
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:4.6

公式サイト詳細

Ryzen 9 7900×RTX 4070 Ti SUPER搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 4070 Ti SUPERは、Ada Lovelace世代のハイクラスモデルでWQHD環境でのゲーム適性が高い。WQHD環境ならレイトレーシングを有効化しても余裕がある。Ryzen 9 7900の性能だとややバランスが悪いが、GPU重視での選択なら悪くない。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeという構成だ。電源ユニットは750W GOLDを採用している。マザーボードのチップセットはB650だ。X670と比べると価格は抑えられているが、まだまだ高騰していてゲーミングPCの価格も高くなっている。ガレリアブランドのミドルタワーケースはデザイン性も高くゲーマーからの人気が高い。

ZEFT R47AP(セブン)

ZEFT R47AB価格:351,780円(送料込)
CPU:Ryzen 9 7900
GPU:GeForce RTX 4070 Ti SUPER
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

セブンからRyzen 9 7900搭載モデルが販売されている。マイナーなCPUを取り扱う希少なBTOメーカーだ。グラフィックスにはハイエンドクラスのGeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載している。GeForce RTX 4070 Tiよりも高いゲーム性能を持つ。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も十分だ。電源ユニットは850W GOLDを採用している。PCケースにはDEEPCOOL製「CH510 WH」を採用している。白色のケースがかっこいい。初期構成ではケースファン1基のみ搭載で、画像のように光らせるには水冷クーラーを選択する必要がある。

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