gtx660-zotac画像引用元:https://www.zotac.com/

当記事では、GeForce GTX 660の性能スペック&ベンチマークを紹介している。2012年9月に発売されたミドルクラスのグラフィックボードだ。NVIDIAの場合上位モデルから発売していくため、価格の抑えられた60番台であるこのモデルを待ちわびていた方も多かったはずだ。競合モデルはAMDのRadeon Radeon HD 7870となる。

2023年時点では当然ミドルクラスの性能を持っているわけではない。後継モデルは同じKepler世代の「GeForce GTX 760」だ。CUDAコアが増えてより高いパフォーマンスを発揮する。メモリ周りも改善も行われている。もっともいずれにしても現時点でゲーム用途で通用するグラフィックボードではない。マルチモニター環境構築などを考えているユーザーなら問題はない。

よくわかる!!GeForce GTX 660の特徴まとめ
総合評価 :10/100
ゲーム評価:10/100

  • (+)Kepler世代の60番台で待望だった
  • (+)中古価格が下がりきっていて安い
  • (-)現行の50番台にも遠く及ばない性能
  • (-)ゲーミング用途としては通用しない

GeForce GTX 660の基本スペック・仕様

従来モデルと比較

GTX 660 GTX 660 Ti GTX 560
アーキテクチャ Kepler Kepler Fermi
プロセス 28nm 28nm 40nm
GPU GK106 GK104 GF114
トランジスタ数 25.4億 35.4億 19.5億
ダイサイズ 221 mm² 294 mm² 332 mm²
CUDAコア 960基 1344基 336基
コアクロック 980 MHz 915 MHz 810 MHz
ブーストクロック 1032 MHz 980 MHz
GPUメモリ 2GB GDDR5 2GB GDDR5 1GB GDDR5
メモリクロック 1502 MHz
(6.0Gbps)
1502 MHz
(6.0Gbps)
1000 MHz
(4.0Gbps)
メモリバス 192 bit 192 bit 256 bit
メモリバス帯域幅 144.2 GB/s 144.2 GB/s 128.0 GB/s
TDP 140W 150W 150W
MSRP $229 $299 $199
発売日 2012/09/06 2012/08/16 2011/05/17
GTX 660は、2012年9月6日に発売されたKepler世代のグラフィックボードだ。Fermi世代のGTX 560の後継モデルだ。GTX 560と比べるとプロセスが40nmから28nmへと微細化されている。トランジスタ数が30%増えているにも関わらず、ダイサイズは35%小さくなっている。CUDAコア数が2.9倍で960基だ。コアクロックは2%高い。GPUメモリは倍増で2GBとなる。メモリクロックも1.5倍で6.0 Gbpsだ。メモリバスこそ192 bitになったもののバンド幅は12%広く144.2 GB/sだ。TDPは13%ダウンで140Wだ。

上位のGTX 660 Tiから遅れること1ヶ月での発売となっている。両グラフィックボードでは全く異なるGPUを採用している。GTX 660 Tiではより大型のGK104を搭載している。GTX 660で搭載されているGK106よりもパフォーマンスが高い。プロセスはどちらも28nmだ。GTX 660 Tiよりもトランジスタ数が28%少なくダイサイズも25%小さい。CUDAコアもGTX 660 Tiよりも28%少ない。一方でクロック周波数については、5%-7%高い。GTX 660 Tiは、GTX 660よりもワンランク高いスペックを持っている。

メモリ周りについては全く同じだ。メモリ速度6.0GHzでメモリクロックは1502MHzとなっている。GDDR5メモリを2GB搭載だ。メモリバスは192 bitでバンド幅は144.2 GB/sとなる。TDPはGTX 660 Tiの150Wに対してGTX 660では140Wと6%程度抑えられている。価格差は$70だ。

Radeon HD 7870と比較

GTX 660 HD 7870
アーキテクチャ Kepler GCN 1.0
GPU GK106 Pitcairn
プロセス 28nm 28nm
トランジスタ数 25.4億 28.0億
ダイサイズ 221 mm² 212 mm²
CUDAコア数 960基 1280基
コアクロック 980 MHz 1000 MHz
ブーストクロック 1032 MHz
GPUメモリ 2GB 2GB
メモリタイプ GDDR5 GDDR5
メモリクロック 1502 MHz
(6.0Gbps)
1200 MHz
(4.8Gbps)
メモリバス 192 bit 256 bit
バンド幅 144.2 GB/s 153.6 GB/s
TDP 140W 175W
価格 $229 $239
発売日 2012/09/06 2012/03/05
競合となるのはRadeon HD 7870だ。価格は$239でGTX 660よりも$10高い。元々は$249で販売されていたが、GTX 600シリーズの登場で価格調整が行われた。28nmプロセスでGTX 660と共通だ。トランジスタ数は28.0億、ダイサイズは212m㎡でかなり近い。

Radeon HD 7870のCUDAコアが1280基でGTX 660よりも33%い。また、コアクロックもRadeon HD 7870の方が2%高い。Radeon HD 7870にはブーストクロックがないためクロック周波数についてはGTX 660の方が上だろう。メモリ速度はGTX 660の方が25%速く6.0 Gbpsだ。

GPUメモリ容量及びメモリタイプは同じだ。メモリバスが256 bitと上位規格でそのおかげもあってバンド幅は6%程度Radeon HD 7870の方が広い。消費電力は175WとGTX 660よりも25%高い。省電力性についてはGTX 660の方が優れている。

GeForce GTX 660の最新評価【2025年】

性能が低くゲーム向けとは言えない

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さすがに10年も前のミドルクラスのグラフィックボードでは現行モデルとの性能差は歴然だ。Ampere世代のエントリークラスであるRTX 3050の1/3程度の性能となっている。Turing世代のGTX 1650と比べても半分程度だ。GT 1030に毛の生えた程度の性能で十分な性能を持っているとは言えない。Pascal世代のGTX 950にも及ばない。GTX 660でゲームをするならフルHD環境で設定は一番下に下げる必要がある。

タイトルによっては設定を下げてもHD環境にしないと快適にゲームができないこともある。この性能ならゲーム向けモデルと考えない方がよいだろう。CPU内蔵グラフィックスであるIntel UHD 750よりは多少マシ程度に考えておこう。さすがに発売から10年も経ったらこうなることは仕方がない。

中古での流通量が多く探すのに苦労はしない

じゃんぱら・ドスパラ・AamazonなどのECサイトでたくさんGTX 660を見つけることができる。それだけ発売当時多くのユーザーが購入したということだろう。価格は税込1,980円~とこれ以上下がらない水準まで来ている。価格が安いということはそれだけ性能が低いことの裏返しでもある。基本的に今購入するのはおすすめしない。

少し予算を増やしてGTX 1050 Ti(8,980円~)やGTX 1650(11,980円~)を購入した方が満足の行くゲーム環境を構築できるはずだ。10,000円強の予算を用意しておくのが吉だ。極端に安いモデルを購入してもほとんどゲームで使えず結局買い替えが必要になりコストがかさんでしまう。

GeForce GTX 660の発売当時の評価【2012年】

NVIDIAのラインナップの隙間を埋めた

NVIDIA 価格帯 AMD
$329 HD 7950
GTX 660 Ti $299
$239 HD 7870
GTX 660 $229
$199 HD 7850
GTX 650 $109 HD 7770
GTX 640 $99 HD 7750

28nmプロセスが品薄状態になっていたことでNVIDIA製グラフィックボードのラインナップに穴ができていた。GTX 660 Tiは$299でメインストリームとは言えない。今回このミドルクラスに位置するGTX 660が発売されたことでその隙間を埋めることができた。

28nmプロセスの供給不足はNVIDIAにとって痛手だった。収益性の高いメインストリームのモバイル向け及びハイエンドのデスクトップ向け市場を優先せざるを得ない状況になってしまったからだ。やっとNVIDIA製グラフィックボードを販売できる体制が整った。

1600×900に最適な性能を持つ

GTX 660は、ミドルクラスのグラフィックボードで1600×900環境にベストな性能を持つ。競合であるRadeon HD 7870よりも安価でほぼ同等のゲーミング性能が手に入るのは魅力的だ。タイトル次第ではFULL HD環境でも60fpsに近いフレームレートを出すことができる。GTX 660 Tiほどの性能は不要だと考えている方はぜひチェックして欲しい。

GeForce GTX 660のベンチマーク一覧

各タイトルについてFULL HD及びWQHD環境でのフレームレートを計測。これでどのぐらいゲームプレイが快適化を把握できる。GTX 1060 6GBやRadeon RX 480とのスコア差に注目して欲しい。

Far Cry 3

Far Cry 3gtx660-Far Cry 3

Far Cry 3では設定を下げるのが必須だ。1600pでも快適とは言えず設定を下げる必要があるだろう。GTX 660 Tiとの差は22%とそれなりに大きい。Radeon HD 7870よりも僅かながらフレームレートが高い。FULL HD環境では29.9fpsとかなり厳しい。GTX 660 Tiとの差は18%程度だ。競合のHD 7870とはほぼ同等だと考えてよいだろう。

Battlefield 3

battlefield3gtx660-Battlefield 3

1600pでは十分なフレームレートが出ている。下位のGTX 650 Tiよりも17%もフレームレートが高い。FULL HD環境なら20%以上パフォーマンスが向上する。FULL HD環境でもゲームプレイに対応することができる。上位のGTX 660 Tiになると20%程度そこから性能が向上する。余裕をもたせたいならGTX 660 Tiを選択しよう。

Tomb Raider

tombraidergtx660-Tomb Raider

1600pでも最高設定だとやや厳しい。基本的には設定を下げる必要がある。GTX 650 Tiよりも24%フレームレートが高い。GTX 660 Tiとの差は28%だ。Radeon HD 7870との差は16%とやや差が開いている。

Hitman

hitmangtx660-Hitman

Radeon HD 7870との差は19%となっている。GTX 660 Tiとの差が8%とややNVIDIA製グラフィックボードが苦戦していることがわかる。

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