i5-4590画像引用元:https://www.sofmap.com/

当ページでは、Core i5-4590のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2014年に発売されたCPUだ。Core i5-3570の後継モデルで第4世代のCore i5シリーズで真ん中に位置するCPUだ。当時のゲーム事情を考えるとCore i5-4590は性能が低くゲームに適しているとは言えなかった。それでも価格が抑えられるモデルということもあって人気はそこそこあったように思う。

今となってはもはやゲーム用途で通用する性能を持っていない。後継モデルはSkylake世代の「Core i5-6500」だ。現行モデルはRaptor Lake世代の「Core i5-13400」となる。2014年当時から見るとCore i5シリーズの性能は飛躍的に向上していてゲーミングPCに搭載されることも多くなっている。IntelがAMDと競争していく中でCPU性能も高くなっていったと言える。

Core i5-4590の仕様・基本スペック

i5-4590i7-4770i5-3570
コードネームHaswellHaswellIvy Bridge
プロセス22nm22nm22nm
トランジスタ数14億14億-
ダイサイズ177 m㎡177 m㎡133 mm²
CPUコア数444
スレッド数484
定格クロック3.3GHz3.4GHz3.4GHz
最大クロック3.7GHz3.9GHz3.8GHz
L3キャッシュ6MB8MB6MB
内蔵グラフィックスHD Graphics 4600
HD Graphics 4600
HD Graphics 2500
対応メモリDDR3-1600DDR3-1600DDR3-1600
TDP84W84W77W
MSRP$202$312$213
中古価格1,980円5,980円980円
発売日2014/05/012013/06/022012/06/01
Core i5-4590のスペックについて従来モデルのCore i5-3570と同じHaswell世代の上位モデルであるCore i7-4770と比較していく。Core i5-3570のIvy BridgeからHaswellへとコードネームが変更されている。プロセスは22nmが共通だ。ダイサイズが34%大きくなって177 m㎡だ。CPUコア及びスレッド数は4コア4スレッドと共通だ。

定格クロックはCore i5-4590の方が3%低く、最大クロックもCore i5-4590の方が3%低い。クロック周波数を引き下げてもアーキテクチャが変わったことでより高いパフォーマンスを発揮する。L3キャッシュ容量は6MBと共通だ。内蔵グラフィックスもHD Graphics 2500からHD Graphics 4600へとアップグレードされた。対応メモリはDDR3-1600と変更はない。TDPは10%高く84Wだ。価格は$11安くなって購入しやすくなっている。

上位モデルのCore i7-4770と比較していく。コードネーム・プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは共通だ。CPUコアは4つだが、ハイパースレッディングに対応していることでスレッド数は倍の8つとなる。定格クロックはCore i7-4770の方が3%高く、最大クロックもCore i7-4770の方が6%高い。L3キャッシュ容量も33%高く8MBだ。内蔵グラフィックス・対応メモリ・TDPは共通だ。価格差は$110とやや大きい。

Core i5-4590の評価まとめ【2023年】

今では通用しないCPU

i5-4590gamescore
グラフを見て分かる通り、2023年時点でIntel第4世代のCore i5-4590は性能が低くゲーム用途ではとても通用しない。ゲームには不向きとされるCore i3-8100よりも低い性能であることからも分かるだろう。シングルコアの性能が重要だった当時でも、一時的に人気を得ただけで評価はそこまで高くなかった。それでも従来モデルのCore i5-3570と比べて少しだけパフォーマンスが向上している。

2017年以降のゲームはほぼ全てマルチコアCPUに対応していてCPU性能が求められることも増えている。シングルコアの性能が重要だった時代のCPUでは対応しにくい。第4世代登場時と比べてゲームにおけるCPUの重要度は大きく変わっている。グラフィックボードの性能よりもCPU性能が必要なゲームも珍しくない。

Intel第8世代Core iシリーズからCPUは大きく進化していて性能も引き上げられている。Core i5シリーズの廉価モデルであるCore i5-8400でさえ前世代の上位モデルであるCore i7-7700を超えるCPU性能を持つ。この時になってはじめてCore i5シリーズの評価が大きくなった。第6世代のCore i5-6400から第7世代のCore i5-7400だけでも十分な伸びである。当時はCore i5に革命が起きたとCore i5-7400が非常に高く評価されていたのだ。

もちろん今となっては物足りなさがあるが…一方のCore i5-4590は微妙な位置づけのCPUだったと言える。しかしながら、当時のゲーム事情からCore i7よりCore i5を選択するユーザーが多かった。微妙な位置づけで凡庸なCPUとされるCore i5-4590も、ゲームに求められる性能を満たしていたので無難な選択肢だったのだ。

Core i7シリーズはこのCore i5-4590と同じ第4世代から進化を果たし、大きく性能を伸ばしている。Core i5シリーズは第7世代、そして第8世代に至るまでは冬の時代が訪れていた。また、Core i5-4690Kのようなオーバークロックに対応したCPUが注目を集めていた。無印のモデルは第7世代まであまり良い評価を得ていなかったように思う。低価格高性能な評価を得るCore i5になるのはしばらく先の話だ。

中古価格は1,980円前後とかなり安い

i5-4590
Core i5-4590の入手は容易で安価である。じゃんぱらを含めてCore i5-4590の相場は1,980円と格安となっている。搭載できるマザーボードがあれば選んでしまいそうな価格だ。今Core i5-4590をおすすできるユーザーはごくわずかだ。LGA 1150に対応したチップセットを所持していることが前提で使用していた第4世代のCPUが破損等で買い替えが必要になっているユーザーだ。今ある環境をそのまま使用できるようにするための選択以外にない。

筆者もCore i7-860から第4世代のCore i5-4690に買い替えた経緯がある。さすがにIntel第1世代Core iシリーズからの性能向上は素晴らしいものがあった。しかし、その直後に諸事情でCore i7-4790Kに交換することになった。その時感じた快適性はCore i5-4690では得られないものだった。同じ第4世代でもCore i5とCore i7では大きな差がある。

2023年現在、現行のIntel第13世代Core iシリーズなら何と交換してもCore i5-4590とは比べ物にならない快適性を得られる。当時は過小評価されていたようにも思う。現在は論ずるに値しないCPUである。Core i5-4590はその役目をしっかり終えたと言えるだろう。特にゲーム目的での購入は避けるべきだ。

第4世代と当時のゲーム事情を考察

第4世代が登場した2014年前後はゲームに求められる性能はシングルコアの性能だった。同じ第4世代のCore i7-4770は4コア8スレッドと処理性能は高い。しかし、シングルコアの性能はCore i5-4590とほぼ同等である。この事から第2世代、第3世代はゲームをするならi5という認識が高かった。

第4世代のi5シリーズの不幸は時代の移行期に登場してしまったことだ。実際には第3世代あたりからその片鱗はあった。シングルコアの性能よりも総合的な性能が求められるようになったのだ。マルチコア対応、マルチスレッド対応のゲームが登場し始めた。第4世代からハイパースレッディングによりCPUコアの2倍のスレッドを搭載したi7が一躍ゲーム向けのCPUとして人気を得た。同時に、ハイパースレッディングを持たないCore i5は性能面で大きく溝を開けられることになる。

そして、第4世代のCore i7最上位の無印i7-4790と末尾Kのi7-4790Kに性能差が生まれた。これまではオーバークロック機能に対応しているかどうかの差だった。それがしっかり性能に差が生まれたことで選択肢も広がった。オーバークロックしなくても末尾Kモデルを選択するメリットが出たのである。こういった状況からi7シリーズは大きな人気を得た。当然下位シリーズのCore i5は割を喰うことになる。ゲームと言えばCore i5から、ゲームでもCore i7の廉価版に位置づけられた。

そして、同時期にグラフィックボードに革命を起こしたGTX 900シリーズが登場した。GTX 970とGTX 980が2014年9月に発売された。高性能なグラフィックボードに選ばれるのは当然i7シリーズだった。ベンチマークも普及して、ゲーム用のベンチマークは数多く揃っていた。Core i5シリーズが評価されない要素が揃い続けた。Core i5シリーズを基準にCore 7シリーズは性能が高い、Core i3シリーズは性能が低いとしてきた指標は一変した。Core i7シリーズに比べてCore i5シリーズは性能が低い、Core i3シリーズはもっと低いという評価になったのだ。

実際に当時のゲーム事情を考えるとCore i5-4460やCore i5-4590はゲームへの対応力は高いとは言えなかった。Core i7シリーズに対する異常なまでに低かった評価が正当に評価されるようになった結果とも言える。それでも、まだ第1世代や第2世代を現役で使用しているユーザーの居た時代である。十分通用する性能だった。その後、GTX 960やGTX 950が登場した。低価格の組み合わせで一定の人気が出る頃には第6世代が発表された。

Core i5-4590の評価まとめ【発売当時】

Core i5-4590は、Intel第4世代Core iシリーズの中では安価な構成に選ばれやすい必要最低限の性能を持つCPUだ。定格3.3GHz 最大3.7GHzの処理速度はまずまずで、エントリーモデルからミドルクラスのゲーミングPCまで幅広く搭載されている。価格を抑えたモデルに搭載されることが多く、構成次第では微妙にも優れたモデルにもなる。

性能自体はそこまで高くないため、ある程度プレイするジャンルを決めておきたい。特に、CPUの性能が非常に大きく影響するゲームには適さない。そのため、一部のMMO系では性能不足になることもある。デフォルトではあまり存在しないが、カスタマイズでCore i5-4690、Core i5-4690K、Core i5-6600K辺りにアップグレードしても良さそうだ。

対応ソケットはLGA1150、対応チップセットはZ97・H97・Z87・H87・B85・H81となっている。オーバークロックに対応していないCPUなので、チップセットはH97・H81を推奨する。グラフィックボードの相性はGTX 750~GTX 960までローモデルから幅広くカバーしているのが特徴だ。

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