ryzen33300x画像引用元:https://www.amd.com/en/

当ページでは、Ryzen 3 3300Xの性能レビュー及びベンチマークを紹介している。Zen 2を採用した新しいRyzen 3シリーズが登場した。Ryzen 3 1300Xの後継モデルだ。Ryzen 3 3300Xは、同じく発売開始となった「Ryzen 3 3100」の上位モデルということになる。Ryzen 3 3100と比べて8%程度ゲーム性能が高い。

Ryzen 3 3300Xは$120という価格が魅力的で、性能的に競合となるのはCore i5-9400Fだ。40%ほど安く購入できるのが嬉しい。マニアックな存在であるCore i3-9350KFもライバルとなる。価格的な競合はCore i3-9100Fだが、スペック差があり性能差は大きい。ハイパースレッディングに対応しているRyzen 3 3300Xが有利だ。ただし、ゲーム性能はそこまで差があるわけではない。現在搭載されてBTOパソコンは発売されていないが、もしラインナップに入ったらお得なゲーミングPCが生まれるかもしれない。

よくわかる!!Ryzen 3 3300Xの特徴まとめ

コードネーム Zen 2
プロセス 7nm
コア/スレッド数 4コア / 8スレッド
定格/最大クロック 3.8GHz / 4.4GHz
L3キャッシュ 16MB
TDP 65W
MSRP $119
中古価格 データなし
発売日 2020年5月20日
総合評価 4.0
ゲーム評価 4.0

Ryzen 3 3300Xの基本情報

基本スペック

3 3300X 5 3500 3 3100 3 1300X
メーカー AMD AMD AMD AMD
コードネーム Zen 2 Zen 2 Zen 2 Zen
プロセス 7nm 7nm 7nm 14nm
トランジスタ数 38億 38億 38億 48億
ダイサイズ 74 mm² 74 mm² 74 mm² 192 mm²
CPUコア数 4 6 4 4
スレッド数 8 6 8 4
定格クロック 3.8 GHz 3.6 GHz 3.6 GHz 3.4 GHz
最大クロック 4.4 GHz 4.1 GHz 3.9 GHz 3.7 GHz
L3キャッシュ 16MB 16MB 16MB 8MB
対応メモリ DDR4-3200 DDR4-3200 DDR4-3200 DDR4-2666
内蔵グラフィックス 非搭載 非搭載 非搭載 非搭載
CPUクーラー Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth
PCI-Express Gen 4 Gen 4 Gen 4 Gen 3
TDP 65W 65W 65W 65W
MSRP $119 $129 $99 $129
中古価格 データなし 7,980円 5,480円 データなし
発売日 2020年05月20日 2020年02月22日 2020年05月20日 2017年07月27日
従来モデルのRyzen 3 1300X及び同じ世代のRyzen 5 3500及びRyzen 3 3100と比較しながらスペックを見ていく。Ryzen 3 1300Xは初代Zenアーキテクチャを採用したCPUだ。14nmプロセスを採用していてRyzen 3 3300Xよりも倍の大きさだ。Ryzen 3 3300Xでは7nmプロセスが採用している。プロセスの縮小化はパワー効率の向上や省電力性の向上に繋がるため非常に重要なポイントとなる。トランジスタ数は20%少なく、ダイサイズは60%程度小さい。

4コア4スレッドというスペックから4コア8スレッドへとハイパースレッディングに対応となった。定格クロックは12%高く、最大クロックは19%高い。L3キャッシュ容量も倍の16MBだ。対応メモリもDDR4-2666からDDR4-3200へと最新の規格に対応となった。CPUクーラーはWraith Stealthで共通だ。PCI-ExpressもGen 3からGen 4へとアップグレードされている。TDPは65Wと共通だ。価格は$10安くなっている。

上位モデルのRyzen 5 3500は6コア6スレッドというスペックを持つ。ハイパースレッディングには対応していない。スレッド数はRyzen 3 3300Xの方が多くなっている。定格クロックはRyzen 3 3300Xの方が6%高く、最大クロックもRyzen 3 3300Xの方が8%高い。L3キャッシュ容量及び対応メモリは共通だ。MSRPは$129となる。2024年4月時点での中古価格は7,980円とかなり安い。

下位モデルのRyzen 3 3100と比べた時の大きな違いはクロック周波数だ。定格クロックは6%高く、最大クロックも13%高い。実は内部的に大きな違いがあってしっかりと差別化が図られているのだ。Ryzen 3 3300Xは、同じCCX(CPU complex)内の4つのコアがすべて有効化されていてもう一つのCCXは無効化されている。つまり、CCX同士のやり取りは発生せず物理的にレイテンシ(遅延)が発生しないのだ。また、16MBのL3キャッシを活かしやすい。

一方、Ryzen 3 3100は、2コア4スレッドのCCXを2基搭載していて有効化されている。つまり、負荷が掛かるとレイテンシが発生してしまうのだ。L3キャッシュが8MBずつ分散されているのも非効率化に繋がってしまう。スペック差以上のゲーム性能差があると考えて間違いない。L3キャッシュ容量・対応メモリ・CPUクーラー・PCI-Express・TDPは共通だ。価格差は$20となっている。

Intel製CPUと比較

3 3300X i5-9400F i3-9350KF i3-9100F
メーカー AMD Intel Intel Intel
コードネーム Zen 2 Coffee Lake-R Coffee Lake-R Coffee Lake-R
プロセス 7nm 14nm++ 14nm++ 14nm++
トランジスタ数 38億 非公開 非公開 非公開
ダイサイズ 74 mm² 非公開 非公開 非公開
CPUコア数 4 6 4 4
スレッド数 8 6 4 4
定格クロック 3.8 GHz 2.9 GHz 4.0 GHz 3.6 GHz
最大クロック 4.4 GHz 4.1 GHz 4.6 GHz 4.2 GHz
オーバークロック × ×
L3キャッシュ 16MB 9MB 8MB 6MB
対応メモリ DDR4-3200 DDR4-2666 DDR4-2400 DDR4-2400
内蔵グラフィックス 非搭載 非搭載 非搭載 非搭載
CPUクーラー Wraith Stealth ×
PCI-Express Gen 4 Gen 3 Gen 3 Gen 3
TDP 65W 65W 91W 65W
MSRP $119 $182 $159 $97
中古価格 データなし 9,980円 データなし 4,480円
発売日 2020年05月20日 2019年02月01日 2019年01月08日 2019年04月23日
Intel製CPUとスペックを比較していく。Core i3-9100Fは、$97で価格が近い。価格差は$27でRyzen 3 3300Xの方が高価だ。Coofee Lake-Refresh世代のCPUだ。プロセスは14nmとRyzen 3 3300Xよりも一回り大きい。CPUコア/スレッドは4コア4スレッドとハイパースレッディングに対応していない。この点においてRyzen 3 3300Xに優位性がある。

定格クロックはRyzen 3 3300Xの方が6%高く、最大クロックもRyzen 3 3300Xの方が5%高い。Core i3-9100Fはオーバークロックに対応していない。L3キャッシュ容量はRyzen 3 3300Xの方が2.6倍で16MBとなる。対応メモリはDDR4-2666とRyzenの1世代前のものと同じだ。CPUクーラーはどちらも同梱だ。Core i3-9100FではPCIe 3.0に対応している。TDPは65Wと共通だ。

上位モデルのCore i5-9400Fと比較していく。コードネーム・プロセスはCore i3-9100Fと共通だ。Core i5-9400Fは6コア6スレッドというスペックだ。Ryzen 3 3300Xの方がスレッド数は多いが、CPUコアが少ない。これがパフォーマンスにどのような影響を与えるのかが気になるところだ。

定格クロックはRyzen 3 3300Xの方が31%高く、最大クロックもRyzen 3 3300Xの方が8%高い。Core i5-9400Fはオーバークロックに対応していあに。対応目盛り・CPUクーラー・内蔵グラフィックス・PCI-Express・TDPなどはCore i5-9100Fと同等だ。価格差は$62でCore i5-9400Fの方が高価だ。

Ryzen 3 3300Xの最新評価【2025年】

ryzen33300xgamescore
上記グラフは、Ryzen 3 3300X及び性能の近いモデルの性能をまとめたものだ。Ryzen 3 3300Xのゲーム性能スコアは19,725となる。当サイトでは20,000スコアを一つの基準としていてオーバーできていないものの最低限のゲーム性能を有していると考えてよい。おおよそRyzen 3 3500に近いゲーム性能を持っている。クロック周波数が高くタイトルによっては逆転することもある。次世代のRyzen 5 4500と比べると7%程度低い。

また、Intel第9世代のCore i5-9400には届かなかったが、Core i3-9350Kは上回っている。現時点でも旧世代のグラフィックボードとの組み合わせなら大きなデメリットはなさそうだ。4コア8スレッドと最近のモデルと比べるとコアが少なくゲームプレイ時のロード時間などに重さを感じてしまう可能性がある。その点6コア6スレッドのCore i5-9400が有利だ。それでもゲームをプレイする上でそこまで不都合はないだろう。

Ryzen 3 3300Xは中古市場にそれほど流れておらず手に入れることは難しい。上位モデルのRyzen 5 3500の中古価格が7,980円~、下位モデルのRyzen 3 3100が5,480円~となっているので相場的には6,980円前後となりそうだ。10,000円を切る価格帯では魅力的なモデルだ。ゲーム目的ならRyzen 5 3500を選択肢に入れるとよい。

Ryzen 3 3300Xの特徴【2020年時点】

上位のRyzen 5 3500と同等以上の性能を発揮する

ryzen33300xseinou202204Ryzen 3 3300Xは、従来モデルのRyzen 3 1300Xと比べて90%程度高い総合性能を持つCPUだ。上位モデルであるRyzen 5 3500に近いパフォーマンスを発揮する。コア数が少ないもののクロック周波数が高いこともあって性能的に追いついている。Ryzen 5 3500もおよそ3ヶ月前に出たばかりの新しいモデルだがこれだと立ち位置が曖昧になってしまう。

それだけRyzen 3 3300Xのポテンシャルの高さに期待が持てる。各種ベンチマークなどを見る限りクロック周波数の高さがプラスに働いているようだ。安定したフレームレートを計測している。ゲームプレイを考えるのであればRyzen 5 3500よりもRyzen 3 3300Xがよいかもしれない。オーバークロックによるパフォーマンス向上も見逃せない。

なお、中古でのタマは少なく入手困難なCPUだと言える。Ryzen 3 3300Xが入手できないならRyzen 5 3500やRyzen 5 3600で代用が効くはずだ。Ryzen 5 3500なら20,000円前後、Ryzen 5 3600なら中古で25,000円以下で購入できる。さすがにRyzen 5 3300Xに比べると価格は高くなってしまうが、AMDは利益率の高い上位モデルほど力を入れていないのだろう。

Core i5-9400と比べて13%程度処理性能が高い。Core i3-9100と比べると95%程度性能高く圧倒的なパフォーマンスを発揮している。価格帯を考えると非常に魅力的なモデルだと言えるだろう。

低価格帯では圧倒的なコストパフォーマンスを持つ

$100前後の価格帯ではトップクラスに高いコストパフォーマンスを持っている。これまでAMDはミドルクラス以上のCPUに力を入れていたがついにこの価格帯にも本格的に参入してきた。Intel製CPUの供給不足もあって勢いを増すことは必至だ。

上位モデルのRyzen 5 3500よりも7%安く性能は10%近く高い。国内価格がどのぐらいで落ち着くかはわからないが、登場価格次第では革命を起こすかもしれない。搭載ゲーミングPC価格にも期待が持てる。ただし、次のマザーボードの問題が解決してからだ。

B550チップセットマザーボードの発売はまだ

Ryzen 3 3300Xの発売に合わせてB550チップセットのマザーボードの発表も行われた。6月中旬頃には市場に出回るのではないだろうか。安価でかつ従来モデルよりも高性能になっている。グラフィックボードとNVMeストレージをサポートするPCle 4.0搭載がB550マザーボードの最大のポイントだ。

また、4つのPCle 3.0、4つの固定されたSATA 6 Gbpsポート、6つのUSB 2.0ポート、2つのUSB 3.0ポートそして2つのUSB 3.1ポートを持つ。より安価なマザーボードが登場するまではRyzen 3 3300X搭載モデルの本領発揮とはいかない。

Ryzen 3 3300Xのゲームベンチマーク一覧

ゲームのスコア計測方法はフルHD環境でグラフィックボードを統一してCPUの性能を計測している。単位はfpsでフレームレートを指している。

60fpsが快適の基準とされているが、CPU性能を図るためのものであるため今回はその差を見て判断して欲しい。高性能なGTX 1080を搭載しての計測のため数値が高くなる傾向にあるからだ。

Hitman 2

hitman2Ryzen 3 3300X-hitman2

Ryzen 3 3300Xのパフォーマンスの高さが光る。従来モデルのRyzen 3 1300Xと比べて74%もフレームレートが高い。現行のCore i5-9400Fよりも9%も上回る。価格帯を考えると素晴らしい結果だ。Ryzen 5 3600とほぼ同等の性能となっていることからコストパフォーマンスは高いことは間違いない。オーバークロックをすればRyzen 5 3600を2%程度上回りトップとなる。Ryzen 5 3500Xと比べても1%以上フレームレートが高い。

Far Cry 5

farcry5Ryzen 3 3300X-farcry5

Far Cry 5では従来モデルのRyzen 3 1300Xと比べて47%もフレームレートが高い。Ryzen 5 3500Xとおおよそ同等の性能を持つ。Ryzen 5 3600との差は2%程度とそれほど大きくない。オーバークロックをすれば5%程度フレームレートが高くCore i5-9400Fをも上回る。Core iシリーズの安定感の高さはさすがだが、Zen 2コアを持ったRyzen 3シリーズの性能には期待できる。AMD製CPUの場合メニーコアに頼るよりもクロック周波数の引き上げに注力した方がよいのかもしれない。オーバークロックによるパフォーマンス向上は非常に魅力的だろう。

Ashes of the Singularity: Escalation

ashesofthesinguRyzen 3 3300X-ashesofthesingularity

Ashes of the Singularityではグラフィックボードがボトルネックとなっている。40fps以上での伸びがかなり押さえつけられている。それでも従来モデルのRyzen 3 1300Xと比べて2.1倍のパフォーマンス向上が見込める。Core i5-9400Fと比べても20%以上もパフォーマンスが高い。クロック周波数が高いこと及びL3キャッシュ容量が多いことが有利に働いているのではないかと思う。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R20

cinebenchryzen33300x-Cinebench R20

Ryzen 3 3300Xは、Ryzen 5 3500Xとほぼ同等のマルチスレッド性能を持つ。その差は3%と僅かだ。シングルスレッド性能についてはRyzen 5 3500Xよりも6%高くなっている。このシングルスレッド性能の高さがゲームプレイ時の優位性に繋がっているのだろう。従来モデルのRyzen 3 1300Xと比べてマルチスレッド性能は90%程度高く、シングルスレッド性能も33%高い。また、競合モデルであるCore i5-9400Fとの差は大きい。マルチスレッド性能では9%高く、シングルスレッド性能も19%高い。Zen 2アーキテクチャの進化をまじまじと見せつけられる形だ。

Handbrake

handbrakeryzen33300x-handbrake

数値が少ない方が高性能ということになる。動画のエンコードについてはIntelのCore i5-9400Fが優勢だ。物理コアが多いことが要因だろう。その差は3%程度となっている。さらに、Ryzen 5 3600になると27%も高性能だ。6コア12スレッドのスペックが活かせる用途で4コア8スレッドでは太刀打ちできないようだ。それでも従来モデルのRyzen 3 1300Xよりも45%-100%もパフォーマンスが高い。スペックの差が如実に現れている。下位モデルのRyzen 3 3100と比べても6%-8%程度パフォーマンスが高い。

PCMARK10

pcmark10ryzen33300x-pcmark10

PCMARK 10のベンチマークではRyzen 5 3600と同等のパフォーマンスを発揮している。従来モデルのRyzen 3 1300Xと比べても画像編集では25%高く、映像編集でも39%高い。圧倒的な差がある。同価格帯のCore i3-9100と比べても最大20%も性能差がある。下位モデルのRyzen 3 3100との差は8%程度だ。

その他あなたにおすすめの記事はこちら!

あなたにぴったりのゲーミングPCを探す

ベンチマークテスト環境

desktoppc

*

GPU Nvidia GeForce RTX 2080 Ti
GPU Nvidia GeForce RTX 2080 Ti
OS Windows 10 Pro
ストレージ 2TB Intel DC4510 SSD
電源ユニット EVGA Supernova 1600 T2, 1600W
マザーボード MSI MEG X570 Godlike