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当ページでは、Ryzen 9 5950Xの性能レビューをしている。Zen 3アーキテクチャを採用したAMD製CPUの最上位モデルだ。16コア32スレッドというモンスター的なスペックを持っている。メインストリームのモデルとしてはNo.1だ。Zen 3アーキテクチャになりゲームプレイ時の不安定さなど弱点も克服できている
Intel Core i9-10900Kが10コア20スレッドであることを考えるといかに圧倒的なスペックを持っているのかということがわかる。Core i9-10900KやRyzen 9 5900Xなどと比べてどの程度ゲーミング性能が伸びるのか、CPU性能自体はどれぐらい高いのかといったことを見ていこう。
なお、現在在庫が安定していないのか搭載ゲーミングPCのラインナップが極端に少ない状況となっている。定期的に在庫をチェックしておくとよいだろう。搭載モデルについては、「Ryzen 9 5950X搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。
Ryzen 9 5950Xの基本情報
コードネーム | Zen 3 |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 16コア/32スレッド |
定格/最大クロック | 3.4 GHz/ 4.9 Ghz |
L3キャッシュ | 64MB |
TDP | 105W |
発売日 | 2020年11月06日 |
価格 | $799 |
特徴 | (+)16コア32スレッドと高いスペックを持つ (+)Zen 3アーキテクチャでこれまでの弱点を克服した (+)高いゲーミング性能を持つ (-)ゲームプレイだけを考えるとコスパが悪い |
評価 | ・総合評価 ★★★★★★★★★★9.5 ・ゲーム評価 ★★★★★★★★☆☆7.5 |
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当ページの目次
Ryzen 9 5950Xの基本情報
スペック
9 5950X | 9 5900X | 9 3950X | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD |
プロセス | 7nm | 7nm | 7nm |
コードネーム | Zen 3 | Zen 3 | Zen 2 |
CPUコア数 | 16コア | 12コア | 16コア |
スレッド数 | 32スレッド | 24スレッド | 32スレッド |
定格クロック | 3.4 GHz | 3.7 GHz | 3.5 GHz |
最大クロック | 4.9 Ghz | 4.8 Ghz | 4.7 Ghz |
L3キャッシュ | 64MB | 64MB | 64MB |
TDP | 105W | 105W | 105W |
CPUクーラー | なし | なし | なし |
価格 | $799 | $549 | $749 |
発売日 | 2020年11月06日 | 2020年11月06日 | 2019年11月14日 |
消費電力も変わっておらず105Wに留めている。性能が引き上げられていることを考えると省電力製の高さに期待が持てる。CPUクーラーは同梱とはなっていない。価格は$50高くなり$799だ。Zen 3の採用で性能が高くなりプレミアムを付与しても問題ないという判断だろう。ビジネスモデルが高コスパから高性能に変わったと言える。Intelと同等以上の性能を持ちもはや低価格で戦う必要がなくなった証だと言えるかもしれない。
下位モデルのRyzen 9 5900Xは12コア24スレッドの高パフォーマンスモデルだ。同じZen 3アーキテクチャを採用している。Ryzen 9 5900Xと比べると、定格クロックはRyzen 9 5900Xの方が0.3GHz高く、最大クロックはRyzen 9 5950Xの方が0.1GHz高い。L3キャッシュや消費電力は共通だ。価格差は$250とやや大きい。Ryzen 9 5950Xを選ぶかRyzen 9 5900Xを選ぶかという際に一定のハードルがあるのは事実だ。
当ページでは、Ryzen 9 5900Xの性能レビューをしている。Zen 2アーキテクチャのRyzen 9 3900Xの後継モデルが登場した。ゲーム向け最強を謳うCore i9-10900Kに匹敵するゲーミング性能を持つ …
Cinebench R20スコア
Zen 3アーキテクチャによるIPC改善が大きな要因だ。これによってIntel製CPUに比べて劣っていた弱点を克服できたことになる。Ryzen 9 5900Xとの差はマルチスレッド性能で21%、シングルスレッド性能で2%だ。おおよそスペック通りの差があるが、価格差が大きいことを考えると少し物足りないかもしれない。
Intel Core i9-10900Kと比べてマルチスレッド性能は52%高く、シングルスレッド性能も22%高い。ついにRyzenシリーズが本領発揮となった。あとはゲーム性能が気になるところだろう。Intelは次世代のRocket Lakeでどこまで近づけるのかに注目したい。
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Ryzen 9 5950Xの評価【2022年時点】
Ryzen 9 5950 Xは2022年時点で2番目に高いCPU性能を持っている。次世代モデルであるIntel第11世代のCore i9-11900Kまでは上回っていたが、Intel第12世代のCore i9-12900Kがリリースされてトップを明け渡してしまった。10nmプロセスが採用されたモデルで16コア24スレッドというスペックを持つ。2つのコアを持つハイブリッドコアアーキテクチャがうまく機能している。これまでRyzen 9 5950Xが強かったマルチスレッド性能の分野でもついに陥落してしまった。
ゲーム性能についてもCore i9-12900Kに遅れを取っている形だ。Ryzen 9 5950Xの弱点は性能でCore i9-12900Kに負けてしまったことよりも価格が下がっていないことにあるCore i9-12900K搭載モデルと比べても割高でなかなか選びづらい状況だ。今後価格が下がるまで待ちたいところだが、それまでに次世代のZen 4アーキテクチャ採用の新しいモデルがリリースされるかもしれない。
Ryzen 9 5950Xのゲームベンチマーク一覧
フルHD環境及びWQHD環境での平均フレームレートを計測している。すべて最高設定での数値だ。Intel Core i9-10900Kとのフレームレートの差が一番気になるところだろう。全体でみればRyzen 9 5950Xがトップであることは間違いないが、タイトルによってはCore i9-10900Kに劣ってしまうこともある。何よりも価格差が$311と大きいのでRyzen 9 5950Xのコスパが高いとは言えない。詳細を詳しく見ていこう。
Borderlands 3
Shadow of the Tomb Raider
Far Cry 5
その他アプリケーションのベンチマーク
動画のエンコードやオフィスソフトなどより一般的なソフトウェアでのベンチマークを見ていく。Ryzen 9 5950Xが最も得意とする分野で、実際Core i9-10900Kよりも高いパフォーマンスを発揮している。これらの用途をメインに考えるのであればRyzen 9 5950Xは魅力的な選択肢となるだろう。
Handbrake
PCMark 10
Adobe
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Ryzen 9 5950X搭載おすすめゲーミングPC
Ryzen 9 5950X搭載モデルはそれほどラインナップがない。品薄状況が続いているようで各BTOメーカーでは軒並み在庫がなくなってしまっている。ドスパラやG-Tuneのモデルは在庫切れ状態が続いている。
ZEFT CR39E(セブン)
価格:379,280円(税込)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:1000W PLATINUM
RTX 3070搭載のゲーミングPCだ。WQHD環境でのゲームプレイがメインターゲットとなる。PCケースには「Cooler Master MASTERBOX CM694」を採用している。洗練されたデザインで所有欲を満たしてくれる。I/Oパネルは本体上部にまとめられていて使い勝手がよい。メモリ16GB、SSD 500GBと平均的な構成を持つ。電源ユニットは1000W PLATINUMを採用している。余裕のある電源で将来的な換装にも対応可能だ。
LEVEL-R9X6-LCR59W-DZX(パソコン工房)
419,980円(税込) 399,980円(税込)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:Radeon RX 6900 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:850W GOLD
Radeon RX 6900 XTを搭載したハイエンドクラスのゲーミングPCだ。Ryzen 9 5950Xとのバランスにも優れている。このクラスで税込39万円台という価格設定ならまだ購入しやすいと言えるかもしれない。ゲーミング性能は高く4K解像度でのゲームプレイにも対応しやすい。WQHDなら高リフレッシュレートを実現することが可能だ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成は充実している。電源ユニットも850W GOLDを搭載していて万全だ。
GALLERIA UA9R-69XT(ドスパラ)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:Radeon RX 6900 XT
メモリ:DDR4 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
電源:1000W PLATINUM
ドスパラのハイエンドモデルのUシリーズに君臨する一台となっている。高級感のあるPCケースは評価が高い。グラフィックスにはAMD Radeon 6000シリーズのフラグシップモデルであるRadeon RX 6900 XTを搭載している。4K解像度にも対応できる余裕がある。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も圧巻だ。電源ユニットは1000W PLATINUMを採用している。
G-Tune XP-A(G-Tune)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:GeForce RTX 3090
メモリ:DDR4 32GB
SSD:2TB Gen4 NVMe
HDD:4TB
電源:1200W GOLD
RTX 3090×Ryzen 9 5950Xのハイエンドモデルとなっている。2021年時点で購入できる最高峰のゲーミングPCだ。CPUもGPUも性能が高すぎてなかなか扱うことが難しい。ゲームプレイだけなら手を出さない方がよい。ゲーム+様々なクリエイター作業を考えている方向けだ。大規模な3D CADや開発など極端に負荷の掛かる作業を行う方におすすめだ。メモリ32GB、SSD 2TB、HDD 4TBと圧倒的な構成だ。電源ユニットも1200W GOLDと大容量で安心感がある。
ZEFT RX31AS(セブン)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:Radeon RX 6900 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:1000W GOLD
ハイエンドクラスのRyzen 9 5950XにハイエンドクラスのRadeon RX 6900 XTを組み合わせたゲーミングPCとなっている。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も圧巻だ。電源ユニットには高品質な1000W GOLDを採用している。PCケースには「ASUS ROG Strix Helios」を採用している。本体前面にI/Oパネルがまとめられていて使い勝手がよい。この個性的なケースが標準搭載なのはパソコンショップセブンでゲーミングPCを選ぶ醍醐味だろう。
Ryzen 9 5950Xの特徴&注意点【2020年時点】
Zen 3アーキテクチャでIPCが改善された
Zen 3アーキテクチャではIPC(Instruction per cycle)がおよそ19%改善されている。AMDにとって苦手としていた分野でもパフォーマンスが発揮できるようになった。CPUダイの内部を変更したことがその要因の一つだ。Zen 3アーキテクチャではCPUダイにモノリシックのCCX(CPU Complex)を2基採用している。つまり、8コア×2基で16コアということになる。ハイパースレッディングに対応しているので32スレッドだ。
L3キャッシュもCPUダイごとに32MBで合計64MBということになる。CPUダイ内で32MBのL3キャッシュが共有できるようになったのも効率化につながる。メモリレイテンシも軽減されている。特にゲームプレイ時のコアやL3キャッシュのやり取りが加速したのだ。AMDにとって悩みのタネだったレイテンシの原因の一つを潰すことに成功した。
従来のZen 2アーキテクチャでは1つのCPUダイに2つのCCXがある形を採用していた。この場合16MBのL3キャッシュをそれぞれのCCXで共有される形になるので効率的とは言えない。また、コア同士のやり取りにも遅延が生じてしまう。ゲームプレイ時にIntel製CPUと比べて不利だったのはこういったことが要因となっていた。Zen 3アーキテクチャへ掛かる期待は大きいのだ。
他を寄せ付けない高いCPU性能を持つ
Ryzen 9 5950Xは、Ryzen 5000シリーズの最上位モデルであり業界のトップに君臨するCPUだ。16コア32スレッドとメインストリームのCPUでは最高峰のスペックを持つ。競合であるIntelの最上位モデルが10コア20スレッドなので、大きな差を付けていると考えて間違いない。ゲームプレイはもちろん映像編集・写真編集・3D CAD・開発など幅広い用途でパフォーマンスを発揮できる。
アーキテクチャの改良によって従来のRyzenシリーズとは全く異なるモデルとなっている。ゲームプレイなどデメリットと呼べる部分を消すことができたからだ。もちろんこれまでも得意としていたマルチスレッド性能についてもさらに磨きが掛かっている。予算を考えずにとにかく最高峰のCPUを手に入れたいと考えている方ならベストの選択となるはずだ。
ゲームだけを目的とするとコスパが悪い
注意点としてはゲームプレイだけをメインに考えている方は避けた方がよいかもしれないということだ。すでにベンチマークを見てきたとおり、ゲーム性能の高いCPUであることは否定しないが、$799という価格に見合うフレームレートが手に入るわけではない。
$549で販売されているRyzen 9 5900Xや$488のCore i9-10900Kでも同等のフレームレートが手に入るからだ。16コア32スレッドとコア数が増えてもゲームプレイにおいてはそれほど恩恵を得られないということだ。それでもフラグシップモデルにこだわりたいという方にだけおすすめする。
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