GTX 560 Ti画像引用元:https://www.zotac.com/ *イメージ

当記事では、GeForce GTX 560 Tiのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2011年1月にFermi 2.0アーキテクチャを採用した新しいグラフィックボードが登場した。DirectX 11に対応したのは注目ポイントだ。GTX 580・GTX 570に次ぐモデルということになる。国内での販売価格は28,000円~30,000円程度となる。

GPUはGTX 980などで採用されている大型のGF110ではなく、GF104の後継モデルであるGF114となる。9年振りに”Ti”を冠したグラフィックボードが登場したこともあって注目度が高い。今後GTX 560(無印)やGTX 560 SEなどの製品が発売される可能性があることを示唆している。

後継モデルはKepler世代の「GeForce GTX 660 Ti」だ。長らく続いていた40nmプロセスが終わって、ついにプロセスが28nmへと微細化されてパフォーマンスだけではなく省電力性の観点からも優位性がある。

GeForce GTX 560 Tiのスペック

GTX 560 TiGTX 570GTX 460
アーキテクチャFermi 2.0Fermi 2.0Fermi
GPUGF114GF110GF104
プロセス40nm40nm40nm
トランジスタ数19.5億30.0億19.5億
ダイサイズ332 mm²520 mm²332 mm²
SM数8157
CUDAコア数384480336
コアクロック823 MHz732 MHz675 MHz
ブーストクロック1645 MHz1464 MHz1350 MHz
メモリ規格GDDR5GDDR5GDDR5
GPUメモリ1024 MB1280 MB1024 MB
メモリクロック4 Gbps3.8 Gbps3.6 Gbps
メモリバス256 bit320 bit256 bit
メモリバンド幅128.3 GB/s152.0 GB/s115.2 GB/s
TDP170 W219 W160 W
補助電源2x 6-pin2x 6-pin2x 6-pin
MSRP$229$349$229
中古価格データなしデータなしデータなし
発売日2011/01/252010/12/072010/07/12
GTX 560 Tiは、Fermi 2.0アーキテクチャを採用したグラフィックボードとなっている。GTX 460が進化したモデルということだ。GPUがGF104からGF114へと変わった。プロセスは40nmが維持されて、トランジスタ数及びダイサイズに変わりはない。SM数が7→8へと引き上げられている。GF114のフルスペックバージョンということになる。GF104では歩留まりの問題や消費電力の問題から実現しなかったが、GF114ではトランジスタの見直しによって実現した。これによってCUDAコアは384(8×48)へと増えている。GTX 460と比べてコアクロックは22%高く、ブーストクロックも21%高い。

GPUメモリはGDDR5 1024MBと共通だ。メモリクロックが11%引き上げられて4.0 Gbpsとなっている。メモリバスは256 bitと変わっていない。メモリバンド幅は11%広く128.3 GB/sとなった。TDPは10W上がって170Wだ。補助電源は2×6-pinと変わっていない。MSRPは$229と従来モデルの価格が維持されている。

上位モデルのGTX 570と比べていこう。GTX 570では一回り大きいGPU GF110が搭載されている。これはGTX 580と共通だ。プロセスは40nmとなっている。トランジスタ数はGTX 560 Tiよりも54%多く、ダイサイズも57%大きい。SM数が7基増えて15となる。GF110ではSM当たりのCUDAコアは32なので、GTX 570のCUDAコア数は480(15×32)だ。GTX 560 Tiと比べて15%多い。

コアクロックはGTX 560 Tiの方が12%高く、ブーストクロックもGTX 560 Tiの方が12%高い。GPUメモリ規格はGDDR5と共通だが、容量はGTX 570の方が24%多く1280MBとなる。メモリクロックはGTX 560 Tiの方が速いが、メモリバスはGTX 570の方が25%高く320 bitとなる。メモリバンド幅はGTX 570の方が18%広く152.0 GB/sだ。TDPはGTX 570の方が高く219Wとなる。補助電源は2×6-pinと同じだ。価格差は$120でGTX 570の方が高い。

GeForce GTX 560 Tiの最新評価【2024年】

GTX 750相当の性能を持っている

GTX 16509,506
Intel Arc A3809,358
GTX 1050 Ti7,762
GTX 9607,405
GTX 16306,394
GTX 10506,300
GTX 9506,132
GTX 5804,728
GTX 750 Ti4,713
RX 5604,328
GTX 5704,245
GTX 7503,627
GTX 560 Ti3,538
RX 5503,297
GTX 5603,216
Radeon Graphics3,185
GT 1030 GDDR53,103
GTX 460 1GB2,734
UHD Graphics 7502,059
GT 7301,844
UHD Graphics 6301,626
GeForce GTX 560 Tiの性能は、第1世代Maxwellのアーキテクチャを採用したGTX 750と同等だ。正直性能は低くフルHD環境でのゲームプレイも難しい。すでに買い替えの時期が来ている。HDでかつ設定を下げたゲームプレイが中心となる。

Ryzen 7 5700Gなどに採用されているCPU内蔵グラフィックスのRadeon Graphicsとそれほど変わらない。2023年時点のゲーム事情を考えると最低でもGTX 1650を基準にしたい。10,000スコアを一つの基準とするとわかりやすいのではないかと思う。

発売から時間が経ちショップで中古は見つからない

GTX 560 Tiが発売されたのは2011年1月ですでに発売から13年6か月の月日が流れている。これだけ時間が経っていると中古パーツショップなどで在庫を見つけるのは難しい。あったとしてもジャンク品扱いになるのではないかと思う。ヤフオクやメルカリでの個人売買も避けた方がよいだろう。GeForce GTX 1650GeForce GTX 1050 TiGeForce GTX 1050当たりを中古で探す方がよいのではないかと思う。故障リスクも少ないはずだ。

GeForce GTX 560 Tiのフレームレート

最高設定でのフレームレートを計測している。

Battlefield: Bad Company 2

Battlefield Bad Company 2

GTX 570112.8
67.7
HD 587097.9
64.4
HD 6950 2GB91.7
62.3
GTX 560 Ti91.3
54.7
GTX 47090.2
53.9
HD 687088.0
55.1
GTX 460 1GB67.7
41.2
1680×10501920×1080
従来モデルのGTX 460と比べて1050pでは34%高く、1080pでも33%高い。おおよそGTX 470と同等だと考えてよさそうだ。1世代での伸びとしてはトップクラスだと言えるだろう。Radeon HD 6870と比べて1050pでは3%高いが、1080pでは1%低くなっている。Radeon HD 6950 2GBと比べると1080pで12%程度劣る結果となった。GTX 570になると20%以上高いフレームレートを得られる。

F1 2010

f12010

GTX 57079.2
50.5
HD 587075.1
51.6
HD 6950 2GB70.5
48.3
HD 687065.8
40.8
GTX 560 Ti62.3
37.0
GTX 47060.4
37.6
GTX 460 1GB47.9
29.5
1680×10501920×1080
F1 2010でのフレームレートは、1050pで62.3fpsで1080pで37.0fpsとなっている。フルHD(1080p)でのゲームプレイを考えている方は設定を下げるからGTX 570以上のモデルを選択しよう。従来モデルのGTX 460と比べて1050pで30%高く、1080pで26%高い。GTX 470と同等のパフォーマンスを期待dえきる。Radeon HD 6870と比べると5%-9%程度劣っている。

Metro 2033

metro 2033

GTX 57062.0
36.1
HD 6950 2GB61.1
37.3
HD 587055.8
34.5
GTX 560 Ti51.9
31.4
HD 687050.4
30.6
GTX 47047.6
29.0
GTX 460 1GB42.3
22.7
1680×10501920×1080
Metro 2033は非常に負荷の高いタイトルの一つのなっている。GTX 560 Tiの性能を持ってしても1050pで51.9fpsに留まっている。1080pになると31.4fpsとやや厳しい。基本的には設定を下げて対応する必要がありそうだ。従来モデルのGTX 460と比べて1050pで21%高く、1080pでも40%近く性能が高い。Radeon HD 6870と比べるとどちらの解像度でも3%程度高いフレームレートを出している。上位モデルであるGTX 570になると1050pで20%、1080pで15%高いフレームレートが出る形だ。

販売当時のGTX 560 Tiの評価【2011年時点】

GTX 470の上回るグラフィックス処理性能を持つ

GTX 5906,271
GTX 5804,608
GTX 4804,116
GTX 5704,045
HD 58703,748
HD 6950 2GB3,731
HD 6950 1GB3,562
GTX 560 Ti3,538
GTX 4703,409
HD 68703,303
GTX 5603,216
GTX 460 1GB2,734
GTX 460 768MB2,541

GeForce GTX 560 Tiは、Fermi 2.0世代のグラフィックボードで、実に9年ぶりのTi(Titaniumを意味する)を冠したモデルの復活で期待が高まる。従来モデルのGTX 460 1TBと比べて30%近くもパフォーマンスが高く、その上位モデルのGTX 470さえも上回る性能を持つ。1050pならある程度余裕を持ってゲームができて、1080pでのゲームプレイも視野に入る。

競合モデルであるRadeon HD 6870と比べて7%程度性能が高い。GTX 560 Tiの対抗モデルとして登場したRadeon HD 6950 1GBと比べるとわずかにパフォーマンスは劣るが同等だと考えてよさそうだ。一回り大きいダイサイズを持つGTX 570になると15%程度性能が高くなる。より1080pでのゲーム適性が向上する。

消費電力はGTX 460よりも10%近く高い

gtx560tiwatt

GTX 560 Tiのシステム全体での消費電力は268Wとなっている。GTX 460と比べると10%弱高い計算だ。GTX 560 Tiは、消費電力を抑えることよりもパフォーマンスを意識した設計なのだろう。それはクロック周波数の高さからも想像できる。Radeon HD 6950やHD 5870はGTX 560 Tiよりも消費電力が抑えられている。

上位モデルのGTX 570が、その前世代のGTX 470とほとんど消費電力が変わらないことを考えると、今後登場するであろうGTX 560ではかなり省電力性が高いモデルになるのではないかと思う。性能を重視するならGTX 560 Tiで問題ない。推奨電源は500Wと極端に要求スペックが高いわけではない。

GTX 570とGTX 460のギャップを埋める

NVIDIA価格帯AMD
GTX 580$499
GTX 570$349HD 6970
$279HD 6950 2GB
$259HD 6950 1GB
GTX 560 Ti$249
$219HD 6870
GTX 460 1GB$159HD 6850

GTX 560 Tiの登場で、NVIDIAのラインナップで大きく空いていた$159-$349のギャップを埋めることができた。今後GTX 560が発売されればGTX 460に取って代わるはずだ。GTX 560 Tiの国内価格は28,000円~30,000円で上位モデルのGTX 570が40,000円前後なので一気に間口が広がったと考えてよいだろう。Radeonシリーズのラインナップにもない隙間を埋めている。

Radeon HD 6870が27,000円前後、Radeon HD 6950 1GBが30,000円~33,000円となっている。なお、このRadeon HD 6950 1GBは、GTX 560 Tiの対抗モデルとして登場している。性能的にはGTX 560 Tiと同等なのでコストパフォーマンスではGTX 560 Tiの方が上だ。

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