画像引用元:https://www.amd.com/
当ページでは、Ryzen 5 1600のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。初代のRyzenシリーズの中でもコストパフォーマンスの高さから注目されていたモデルだ。当時の競合だったCore i7-7400が4コア4スレッドに対して6コア12スレッドとスペックで圧倒していた。マルチスレッド性能が高くIntelも脅威に感じていたはずだ。AMDでの快進撃はここから始まったのだ。
実際は思ったほどゲーミング性能が伸びずやや苦戦する結果となった。タイトルによっては極端にパフォーマンスが低下してしまうのだ。ゲーム側の最適化がうまくなっていないことも要因だろう。後継モデルはZen +アーキテクチャ採用の「Ryzen 5 2600」だ。IPCが改善してゲーム適正が向上した。その後登場した第3世代Ryzenシリーズの「Ryzen 5 3600」はコストパフォーマンスの高さから人気を博している。2020年にはRyzen 5 2600に近い性能を持つ高コスパな「Ryzen 5 1600 AF」がリリースされた。オリジナルのRyzen 5 1600 AEとは区別されている。
コードネーム | Zen |
---|---|
プロセス | 14nm |
コア/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック | 3.2 GHz/ 3.6 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2017年4月11日 |
MSRP | $219 |
コメント | マルチスレッド性能の高さが魅力だがゲーム適性は低い |
評価 | ・総合評価 2.0 ・ゲーム評価 1.5 |
マルチスレッド性能が高いCPUだが、ゲームプレイでの使用を考えるとおすすめできない。ゲーム側の最適化がうまく行われていないこととRyzenのアーキテクチャ的にレイテンシの問題があることが要因だ。この世代ならIntel製のCPUを選んだ方がよいだろう。中古のタマも少なくRyzen 5 3500やRyzen 5 3600などを選択肢入れた方が満足度が高いはずだ。
当ページの目次
Ryzen 5 1600の基本情報
基本スペック
5 1600 | 5 1600X | 5 2600 | 5 3600 | |
---|---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD | AMD |
コードネーム | Zen | Zen | Zen+ | Zen2 |
プロセス | 14nm | 14nm | 12nm | 7nm |
トランジスタ数 | 48億 | 48億 | 48億 | 38億 |
ダイサイズ | 192 mm² | 192 mm² | 192 mm² | 74 mm² |
CPUコア数 | 6 | 6 | 6 | 6 |
スレッド数 | 12 | 12 | 12 | 12 |
定格クロック | 3.2 GHz | 3.6 GHz | 3.4 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 3.6 GHz | 4.0 GHz | 3.9 GHz | 4.2 GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB | 32MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2933 | DDR4-3200 |
CPUクーラー | Wraith Spire | Wraith Max | Wraith Stealth | Wraith Stealth |
内蔵GPU | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
TDP | 65W | 95W | 65W | 65W |
価格 | $219 | $249 | $199 | $199 |
発売日 | 2017年4月11日 | 2017年4月11日 | 2018年4月19日 | 2019年7月7日 |
定格クロック3.2GHz、最大クロック3.6GHzだ。L3キャッシュ16MBと容量に余裕があるのは第1世代からだ。対応メモリはDDR4-26666だ。CPUクーラーはWraith Spireが同梱となっている。消費電力は65Wに抑えられていて価格は$219になっている。2017年4月にリリースされたCPUだ。
上位のRyzen 5 1600Xは、Ryzen 5 1600と同日に発売された。プロセスやアーキテクチャも同じだ。定格クロックが3.2GHz→3.6GHz、最大クロックが3.6GHz→4.0GHzとそれぞれ10%以上引き上げられている。結果的に消費電力が高くなり95Wになっている。パフォーマンスは向上しているものの消費電力が高くなるという代償があるためryzen 5 1600Xを選択するなら電源ユニットにも気を使う必要がある。L3キャッシュ容量は同じ16MBだ。CPUクーラーにはワンランク上のWraith Maxが同梱だ。価格差は$30となっている。
第2世代、第3世代Ryzen 5シリーズでもコア数及びスレッド数は変わらない。しかしながら、プロセスが14nm→12nm→7nmへと縮小化が図られていてCPUとしてのパフォーマンスは向上し続けている。特に省電力性の高さは素晴らしい。さらに、アーキテクチャ変更によってレイテンシのボトルネックが軽減している。パワー効率が上がりゲーム適正も引き上げられた形だ。数値以上のパフォーマンスを発揮しているのはすでにご存知だろう。いずれのCPUもCPUクーラーにはWraith Stealthが選択されている。価格が安くなっているのも評価できるポイントだ。
Intel製CPUと比較
5 1600 | i5-7400 | i7-7700 | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | Intel | Intel |
コードネーム | Zen | Kaby Lake | Kaby Lake |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
トランジスタ数 | 48億 | - | - |
ダイサイズ | 192 mm² | - | - |
CPUコア数 | 6 | 4 | 4 |
スレッド数 | 12 | 4 | 8 |
定格クロック | 3.2 GHz | 3.0 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック | 3.6 GHz | 3.5 GHz | 4.2 GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 6MB | 8MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-2400 |
CPUクーラー | Wraith Spire | 付属 | × |
内蔵GPU | 非搭載 | HD Graphics 630 | HD Graphics 630 |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $219 | $192 | $303 |
発売日 | 2017年4月11日 | 2017年1月6日 | 2017年1月6日 |
定格クロックはRyzen 5 1600の方が7%高く、最大クロックは3%高いL3キャッシュ容量も2.6倍の16MBだ。対応メモリもワンランク上のDDR4-2666を搭載している。内蔵GPUが非搭載となっているため基本的にグラフィックボードの使用が前提だ。その点Core i5-7400では内蔵GPUが搭載されているためグラフィックボードがなくても使用できる。コスト面でも有利だ。
スペックだけを見るとRyzen 5 1600の性能の高さが期待できる。しかし、実際はアプリケーションとの相性やゲーム最適化の問題もあってうまく性能を発揮できなかった。これは後述の各種ベンチマークを見れば明らかだ。もちろんAMDもそれがわかっていて世代を追うごとに進化を果たしている。
Ryzen 5 1600の最新評価【ゲーム性能】
Ryzen 5 1600のゲーム性能は低く下から数えた方が早い。ゲームプレイにおいては不十分だと言わざるを得ない。理想は20,000以上のスコア、最低でも18,000以上のスコアを考えるべきだ。中古相場は3,980円前後となる。この価格帯なら次世代のRyzen 5 3500を選択する方が賢明だろう。+2,000円の5,980円でワンランク高いパフォーマンスを得られる。
当然ゲーム適性も大きく向上しているし、一般的なアプリケーションの使用でも問題はない。スペック上は6コア6スレッドと落ちているように見えるが、レイテンシの減少など弱点をなくしていることからパフォーマンスは高い。Intel製CPUなら中古のCore i3-10100F(7,980円)やCore i5-9400F(10,980円)などを候補に入れるとよい。ゲーム適正についてはRyzenシリーズを上回る。ゲームプレイだけを考えるならIntel製CPUがおすすめだ。
Ryzen 5 1600の特徴&注意点【2021年】
現行Core i5-9400を超えるCPU性能を持つ
コア/スレッドが多いことから総合性能はそこそこ高い。現行のRyzen 5 3500と同等のパフォーマンスを持っている。さらに、第2世代Ryzen 5 2600、第3世代Ryzen 5 3600へとしっかりと性能を向上させている。Ryzen 5 1600あるいは第1世代Ryzenは、Intelを脅かしたCPUであることは間違いない。
Ryzen 5 1600は実際の環境においてはこの通りのパフォーマンスを発揮できないことが問題だった。総合性能ではRyzen 5 3500と同等でもゲームプレイ時のパフォーマンスなどではそれ以上の差が生じているのも事実だ。メモリレイテンシなどネックとなる部分が多かった。あくまでもRyzenシリーズのスタートにしか過ぎない。
ゲームプレイでは通用しない
はっきりと言えることはゲームプレイを考えるなら選択するべきではない。スペック的にはIntel製CPUと比べて明らかに上回っているのだが、ゲームプレイにおいてはそのとおりにはいかないからだ。kこの時代のRyzenシリーズはまだまだムラのあるモデルだと言える。どちらかというとゲームプレイは苦手で安定感に欠けるのが現状だ。当時はゲーム側でもIntelへの最適化がメインでAMD製CPUについては考えていなかったのだろう。そう考えると仕方のない部分だと言える。
そこから最近の第3世代の快進撃が始まったのだからある意味では歴史に残るCPUだ。ゲーマーの多くがAMD製CPUを選ぶようになったためゲーム側でも対応せざるを得なくなっている。世代を重ねるごとにゲームプレイ時のパフォーマンスも向上している。スペックだけでは解決しないのは難しい問題だ。
Ryzen 5 1600のゲームベンチマーク一覧
Grand Theft Auto 5
Core i5-7600K | |
Core i5-7500 | |
Ryzen 5 1600X | |
Ryzen 5 1600 | |
Ryzen 5 1500X |
Hitman
Ryzen 5 1600X | |
Ryzen 5 1600 | |
Core i5-7600K | |
Core i5-7500 | |
Ryzen 5 1500X |
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R15
Handbrake
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ゲームPC選び方 | セール情報 | 安いゲームPC |
ゲーム推奨 | BTOショップ比較 | グラボ比較表 |
ベンチマークテスト環境
GPU | EVGA GeForce GTX 1080 FE |
---|---|
メモリ | 2x G.Skill FlareX DDR4-3200 |
ストレージ | – |
電源ユニット | SilverStone ST1500, 1500W |
マザーボード | MSI B350 Tomahawk |