
ゲーミングPCの返品や返金について解説していく。国内外のBTOメーカー26社が公式ホームページに記載している内容を参考に返金規定をまとめている。ゲーミングPCを購入したものの思っていたものと違うとか間違って購入してしまったなど返品を考えている方は要チェックだ。
・BTOショップでゲーミングPCを購入したものの返品をしたいと考えている方
・BTOショップでゲーミングPCの購入を検討中で返品規定を事前に確認したい方
BTOパソコンの返品・返金はできるのか!?

初めに答えを言うとBTOパソコンはその特性上初期不良を除いて返品対応していないと考えてよい。当サイトでもBTOパソコン購入者から返品や返金について相談を受けることが多い。返品ではなく返金になるとさらに厳しくなる。なお、仮に返品ができても相応の手数料を取られることになる。つまり、あまり何も考えずに購入してしまうと思いもよらない経済的な負担が生じてしまう。
後から返品しなくてすむように購入前に考える時間を取るべきだ。お店ごとに返品規定が異なるので参考にしてみよう。購入先をまだ決めていない方はBTOメーカーおすすめランキングで保証やサポート体制まで含めて比較しておきたい。基本的には返品手続きには明確な基準があり、手間が掛かる。それはBTOパソコンがあなたのためだけに作成された唯一のPCだということを考えると当然だろう。返品ができるというのはあくまでもBTOメーカー側のサービスで、返品・返金を行うべきだという法律はない。
返品とキャンセルは別物として考える
規定を読むときに混同しやすいのが「返品」と「キャンセル」だ。返品は商品を受け取った後に返すこと、キャンセルは商品が届く前に注文そのものを取り消すことを指す。BTOショップの多くは返品を明確に断っている一方で、キャンセルについては出荷前であれば手数料付きで応じるケースがある。自分がどちらの段階にいるのかを整理してから問い合わせよう。
初期不良でも基本的に返金はできない
初期不良のゲーミングPCでも基本的には修理対応あるいは他のゲーミングPCとの交換となる。返金対応のためにはショップと相談・交渉をする必要がある。初期不良あるいはその後の対応が不満という理由で返金対応をしてもらうできるのだろうか。このケースでは「民法第570条:物の瑕疵に関する担保責任」が適用される可能性がある。
つまり、パソコンに瑕疵(故障・不良)があり本来の目的を達成することができないときは契約の解除を行うことができるというものだ。当然この場合、瑕疵があることを証明する必要がある。できる限り穏便に解決できるようお店と話し合う方がよいだろう。場合によっては弁護士など法律のプロに相談するのもおすすめだ。
各ショップの返品・返金規定まとめ【2026年】
| ショップ | 返品 | キャンセル・手数料 |
|---|---|---|
| ドスパラ | × | 記載なし(7日以内なら同額以上の商品と交換の可能性あり) |
| マウスコンピューター | ○ | 到着後8日以内・未開封のみ/手数料20% |
| パソコン工房 | × | 記載なし |
| フロンティア | × | 記載なし |
| アーク | × | 入金後は総額の30%/代引は往復送料+代引手数料 |
| OZgaming | × | 記載なし |
| TSUKUMO | × | BTO(受注生産品)は対象外 |
| パソコンショップセブン | × | 返金対応も不可 |
| Dell | ○ | 製造中・出荷済になる前なら可/返品は納品後10日以内 |
| サイコム | × | 記載なし |
| ワンズ | × | 誤購入お助けサービスの範囲内のみ |
一覧で各BTOメーカーの返品可否とキャンセル条件をまとめている。返品に応じてくれるのはマウスコンピューターとDellの2社だけだ。なお、マウスコンピューターの場合返品時手数料20%が掛かってしまうので、購入の際は注意しておこう。開封してしまっても返品は不可となる。「記載なし」は各社の返品規定にキャンセルの記述が見当たらないもので、不可という意味ではない。出荷前であれば個別に相談できる可能性があるため、直接問い合わせてみよう。
ドスパラ
原則として、ご注文確定後のお客様都合による返品は承っておりません。
引用元:返品・交換について-ドスパラ
ドスパラでは、返品ができないということを明言している。購入したもののやっぱり必要なかったなどのお客様都合による返品はできない。商品を間違って購入してしまったという場合は、商品到着後7日以内であれば同額以上の商品と交換という形で対応してもらえる可能性がある。これならドスパラ的には大きな被害がなく折れてくれているのだ。
少しだけ柔軟な対応を期待することができそうだ。在庫を見るとキャンセル未使用品がたくさんあるので、場合によってはキャンセルができるのかもしれないが、基本的にはユーザー都合だと無理だと考えておく必要がある。
マウスコンピューター
お客様は、製品の到着日より8日以内に限り、当社販売窓口へお申し出いただくことにより製品を返品することができます。
但し、製品代金(送料を含むお支払金額の総額をいい、消費税を含みます。)の20%を返品事務手数料として申し受けます。
マウスコンピューター(G-Tuneブランドなど)では条件を満たせば返品に対応してもらうことができる。BTOメーカーとしては珍しい対応でとても良心的だと言える。ただし、返品するにあたって、返品事務手数料として商品代金の20%を支払う必要があるので注意が必要となる。例えば本体代金250,000円の代金を支払った場合、その20%である50,000円を事務手数料として支払わなければいけない。
この負担を考えると余程のことがない限り返品を依頼しない方がいいだろう。また、製品到着後9日以上経過してしまった場合や製品が開梱・開封されている場合などは対象外となってしまう。購入後返品の可能性があるのであれば中を開けずにそのままにしておくとよいだろう。
パソコン工房
ご注文後のお客様のご都合による返品・交換は承っておりません。ご注文の際は、十分にご検討の上でご注文手続き頂きますようお願いいたします。
引用元:返品・交換について-パソコン工房
パソコン工房は返品を受け付けていない。同じMCJグループのマウスコンピューターとは対応が異なる。事前にしっかりと確認してから購入しよう。
フロンティア
ご注文後のお客様のご都合による返品は承っておりません。ご注文の際は、十分にご検討の上でご注文手続き頂きますようお願いいたします。
引用元:商品の返品-フロンティア
フロンティアでも返品は受け付けていない。購入する際は慎重に考えよう。セールで安いからといって何も考えずに購入してしまうと後悔することになってしまう。事前に周りの人に相談するのも一つの手段だ。
アーク
お客様のご都合によるご注文確定承認後(お見積りメール送信後)の商品の変更・キャンセルにつきましては承っておりません。また、ご入金確認後、またはご決済完了確認後のキャンセルにつきましては、ご注文総額の30%のキャンセル料をご請求させていただきます。
お買い間違い等、お客様のご都合による返品、交換は承っておりません。
BTOパソコンの注文確定後の仕様変更につきましては別途変更手数料として4,000円頂きます。
アークも返品には対応していない。ただしキャンセルの扱いだけは他のBTOショップよりも細かく決められているのが特徴だ。見積りメールが届いた後の変更・キャンセルは原則不可としつつ、入金や決済が完了した後にキャンセルする場合は注文総額の30%をキャンセル料として請求すると明記されている。代金引換で注文した場合は往復分の送料と代引き手数料が掛かる。商品を受け取ってしまった後のキャンセルはできない。
ここで注意したいのが、「30%払えばいつでも取り消せる」という意味ではないということだ。あくまで原則はキャンセル不可で、店側が応じた場合の手数料が定められているに過ぎない。なお、注文確定後でも4,000円の変更手数料を払えば仕様変更に応じてもらえる。構成を細かく詰められるアークらしい規定で、パーツを選び直したくなったときの逃げ道にはなるだろう。
OZgaming
商品の返品・交換には初期不良の場合を除き、承ることができません。
引用元:返品について-OZgaming
OZgamingでも返品対応は不可となっている。他の多くのショップと同様に初期不良がない限り返品や交換できない。
TSUKUMO
ツクモネットショップでご購入の商品の返品・交換につきましては、原則としてお客様都合による返品・交換は、未開封品・未使用品で商品到着後8日以内にご連絡(電話・メール)を頂いた場合に限り賜ります。※BTO(受注生産品)、メーカー代理店直送品、お取り寄せ品等商品により返品・交換をお断りする場合もございます。
TSUKUMOでもBTO(受注生産品)は返品を行うことができない。お客様に責がない場合は当然返品対応してもらえる。
パソコンショップセブン
返金対応・返品は一切承りかねます。(返品不可)
保証期間内に動作不良、故障が生じた場合は、規約に応じた保証対応をいたします。
詳細は下記をご一読ください。
セブンでも一切の返品を受け付けていない。ここまではっきりと書かれていると気持ちがいい。
Dell
Q:注文した製品が納品されたのですが返品をするには?
A:個人のお客様がデルから直接製品を購入した場合、デルのブランド名が付与された新品の製品については、納品日から土日祝日を含み10日間以内であれば、返品請求が可能です(一部製品を除きます)。
返品にかかる配送料は、返品理由がデルの責めに帰すべき事由による場合を除き、お客様にご負担いただきます。
製品と同梱されているマニュアル、ディスク、CD、電源コード、およびその他の物品も製品と共に返品をお願いいたします。
お客様にご返品頂いた製品が、故意に破損されていると認められる場合、返品をお断りする場合があります。引用元:注文の変更および返品
Dell(ALIENWAREブランドなど)では返品対応を受け付けている。アメリカの企業らしい特徴かもしれない。なお、商品のキャンセルは申込み後の注目ステータスが製造中あるいは出荷済になる前であれば行うことが可能だ。非常に良心的でユーザーのことを考えている。納品日から10日間以内などの条件があるので確認しておくとよいだろう。送料の負担も必要だ。
サイコム
弊社のBTOパソコンはお客様お一人お一人のご希望に添って受注生産を行ういわば特注品となります。
そのためいかなる理由がございましても返品はお受けしておりません。予めよくご検討の上ご注文をお願いいたします。
引用元:返品について-Sycom
サイコムでは一切返品に対応してもらえない。確かにサイコムの場合他のメーカーに比べてカスタマイズの自由度が高く一度販売したものを返品するのが難しいだろう。購入するときはしっかりと考えてから購入しよう。
ワンズ
誤購入お助けサービスの範囲内にて,買い間違いの場合の返品を受付致しますが,性能や使用感の不満足や,購入後に不要なった等の,お客様のご都合による返品は,未使用・未開封であっても,受け付け致しておりません.
ワンズでも基本的に返品を受け付けていない。ただし、誤購入お助けサービスの範囲内であったり、スタッフに相談していたりする場合は対応してもらえるケースがあるということだ。商品の接続や取り付け規格を間違えて購入した場合のみ対象となるが、取り寄せ商品やユーザー都合によるキャンセル・返品は受け付けていないということだ。
その他のBTOショップの返品規定について
ここまでに挙げた10社以外のBTOショップについても、受注生産という性質上お客様都合による返品は受け付けていないケースがほとんどだ。規定は改定されることもあるため、購入前に各社の公式サイトで最新の内容を確認しておこう。各ショップの評判・保証・サポート体制は下記のページでまとめている。
26社すべての評価・コスパ・納期の比較は「BTOパソコンおすすめメーカーランキング」にまとめている。
BTOパソコンはクーリングオフ対象外

次にクーリングオフについてみてみよう。この制度を活用すれば無条件で返品できるのではないかと思ってしまうかもしれないが、実はBTOパソコンには適用されない。クーリングオフの定義は下記の通りだ。
クーリングオフって何のこと?
「クーリング・オフ」とは、契約した後、頭を冷やして(Cooling Off)冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度のことをいいます。
一度契約が成立するとその契約に拘束され、お互いに契約を守るのが契約の原則ですが、この原則に例外を設けたのが「クーリング・オフ」制度です。
これだけだとBTOパソコンもクーリングオフができそうだ。しかし、実は「通信販売」や「店頭販売」はクーリングオフの対象外となる。クーリングオフが適用される条件は下記の通りだ。
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供
- 業務提供誘引販売取引
- 訪問購入
元々クーリングオフは、正常な判断をしづらい状況で商品やサービスに対して代金を支払った人を救済するものだ。例えば、自宅に営業マンが来て強引に勧誘されたので購入してしまったとか、電話で営業があってその場での判断を促されて購入してしまったという方を助ける目的がある。
店頭に訪れて購入したとかネット通販で購入したという場合は100%あなたの意志で購入したと判断されてしまう。つまり通販であれば店頭であれゲーミングPCを購入してもクーリングオフは適用されない。
BTOパソコン(ゲーミングPC)の返品・返金まとめ
すでに見てもらったと思うが、BTOパソコンの返品や返金対応についてはほとんどのお店が対応していない。マウスコンピューターやDellなど一部のショップが対応してくれるが、それでも相応の手数料を支払うことを考えるとできないと考えてもよいかもしれない。アークのように返品は断りつつキャンセル料だけを定めているお店もあるので、注文前に規約のどこまでが「返品」でどこからが「キャンセル」なのかを確認しておきたい。
それは、BTOが受注生産という形をとっていることを考えると仕方がないだろう。ゲーミングPCの購入を検討している方はちゃんと後悔がない選択をしよう。嫌な気持ちにはなりたくないものだ。返品できないことを前提に選ぶのであれば、BTOパソコンおすすめメーカーランキングで26社の評価・コスパ・保証を比較したうえで購入先を決めるのが確実だ。





















あなたは法律を知らないのですね。
BTOパソコンにおいて、初期不良時において返金の選択肢がないのは違法です。
根拠となる法律は、瑕疵担保責任(民法第570条・566条)です。
この瑕疵担保責任、過去の判例で、特定物のみに適用され、非特定物には適用されず、非特定物の場合、債務不履行(民法第412条・541条)が適用されるとされています。
債務不履行(民法第412条・541条)の場合、修理・交換さえ行えばOKで、返金までは行わなくて良いとされています。
一般的に、「新品=非特定物」「中古=特定物」なので、新品のBTOパソコンは非特定物になるので、返金までは行わなくて良い…となるはずなのですが、実際のところ、新品でもオーダーメイド品やハンドメイド品は特定物に該当するので、オーダーメイド品であるBTOパソコンは特定物となり、実際、BTOパソコンはオーダーメイド品であることを理由に特定物であるという判決を下した判例も存在します(←ここ重要)。
(一般的に家電量販店で売られるような量販型のパソコンは非特定物です)
よって、BTOパソコンの初期不良時には瑕疵担保責任(民法第570条・566条)が適用となり、返金拒否は違法となるわけです。
貴重なご意見を頂戴しありがとうございます。法律について知識がないため参考になりました。ショップの規約だけを見ているとダメですね。。