gtx670top画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/

当記事では、GeForce GTX 670の性能スペック&ベンチマークを紹介している。ハイエンドのGTX 680とGTX 690に続いてようやく一般のゲーマーが手を出しやすい価格帯のグラフィックボードが登場した。ハイエンドモデルからリリースするというのはNVIDIAの戦略だ。これは2023年になっても変わらない。また、70番台のグラフィックボードの人気は高くそれも今でも同じだ。

ハイエンドからミドルクラスに移して徐々に生産量を増やして多くのユーザーに届けるということになる。GTX 670は、上位のGTX 680よりも$100安い$399という価格設定だ。GTX 680と同じGPUであるGK104を搭載していることから性能面でも期待が持てる。早速スペックやゲームプレイのベンチマークを検証していく。後継モデルは、「GeForce GTX 770」だ。同じKepler世代だが、フルスペックバージョンのGK104を搭載していてGTX 680を超えるパフォーマンスを発揮する。

よくわかる!!GeForce GTX 670の特徴まとめ
総合評価 :15/100
ゲーム評価:20/100

  • (+)GTX 680に近いゲーミング性能を持つ
  • (+)中古でのコスパがそこそこよい(2022年時点)
  • (-)現行モデルと比べると見劣りする(2022年時点)

GeForce GTX 670の概要

基本スペック・仕様

GTX 670 GTX 680 GTX 570
アーキテクチャ Kepler Kepler Fermi
プロセス 28nm 28nm 40 nm
GPU GK104 GK104 GF110
トランジスタ数 35.4億 35.4億 30.0億
ダイサイズ 294 mm² 294 mm² 520 mm²
CUDAコア 1344基 1536基 480基
コアクロック 915 MHz 1006 MHz 732 MHz
ブーストクロック 980 MHz 1058 MHz 1464 MHz
GPUメモリ 2GB GDDR5 2GB GDDR5 1GB GDDR5
メモリクロック 1502 MHz
(6.0Gbps)
1502 MHz
(6.0Gbps)
950 MHz
(3.8Gbps)
メモリバス 256 bit 256 bit 320 bit
メモリバス帯域幅 192.3 GB/s 192.3 GB/s 152.0 GB/s
TDP 170W 195W 219W
MSRP $399 $499 $349
発売日 2012/05/10 2012/03/22 2010/12/07
GeForce GTX 670は、上位モデルであるGTX 680と同じGPU「GK104」を採用している。アーキテクチャはKepler世代ということになる。プロセスは28nm、トランジスタ数は35.4億とGTX 680と共通だ。ダイサイズは294 mm²となっている。これでGTX 680に近いゲーミング性能を持っているのではないかと期待させてくれる。事実$100安いにも関わらず十分なゲーミング性能を持つグラフィックボードだ。詳細はベンチマークを見て欲しい。参考までに前世代のGTX 580では40nmプロセスだったものが大幅に微細化された。

当然GTX 680との差別化のためにスペックを落としている。GTX 680では8つの全てのSMX(Streaming Multiprocessor eXtreme)が有効化されているが、GTX 670ではその内の1つが無効化されている。1つのSMXに192のCUDAコアが内蔵されているので、GTX 670では1344基あるということだ。また、クロック周波数も引き下げられている。コアクロックが9%、ブーストクロックが8%抑えられている。メモリ周りは共通でそれほどスペックダウンされていないように感じる。消費電力は170Wと13%低い。

従来モデルのGTX 570と比較していく。GTX 570はFermi世代のモデルで40nmプロセスを採用している。GTX 670になって28nmプロセス採用で微細化された形だ。トランジスタ数も18%増えているにも関わらずダイサイズは43%も小さくなった。CUDAコア数は2.8倍で1344基だ。コアクロックはGTX 670の方が25%高い。GPUメモリ容量も倍増で2GBとなる。メモリクロックが58%速いが、メモリバスは28%少なく256 bitとなる。それでもバンド幅は27%広く192.3 GB/sだ。TDPは22%低く170Wだ。価格は$50高くなっている。

Radeon HD 7970と比較

GeForce GTX 670 Radeon HD 7970
アーキテクチャ Kepler GCN 1.0
GPU GK104 Tahiti
プロセス 28 nm 28 nm
トランジスタ数 35.4億 43.13億
ダイサイズ 294 mm² 352 mm²
CUDAコア数 1344基 2048基
コアクロック 915 MHz 925 MHz
ブーストクロック 980 MHz
GPUメモリ 2GB 3GB
メモリタイプ GDDR5 GDDR5
メモリクロック 1502 MHz
(6.0Gbps)
1375 MHz
(5.5 Gbps)
メモリバス 256 bit 384 bit
バンド幅 192.3 GB/s 264.0 GB/s
TDP 170W 250W
価格 $399 $549
発売日 2012/05/10 2011/12/22
AMDのフラグシップモデルであるRadeon HD 7970もGTX 670と同じ28nmプロセスを採用している。トランジスタ数は43.13億でダイサイズは352 mm²と一回り大きい。CUDAコア数は2048基だ。コアクロックは1%高く925MHzとなる。メモリ速度は5.5 Gbpsでメモリクロックは1375 MHzだ。

GPUメモリ3GBとGTX 670よりも少しだけ容量が多い。高解像度では有利になる可能性がある。メモリバスが384 bitとGTX 670やGTX 680よりも広くバンド幅は264.0 GB/sとなる。消費電力は250Wとかなり大きくここはデメリットだと言える。価格は$549だ。

GeForce GTX 670の特徴まとめ【2025年】

性能では現行の50番台にも及ばない

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GeForce GTX 670は、発売時にはトップクラスの性能を持つグラフィックボードだった。しかし、発売から10年の月日が流れ状況は大きく変わっている。2023年時点では現行モデルであるGeForce RTX 3050にも及ばない。その一世代前のGeForce GTX 1650と比べても見劣りしてしまう。GPUメモリ容量が2GBと現行モデルのGeForce RTX 3050が8GBであることを考えると見劣りしてしまう。やはり今はGPUメモリ容量が要求される時代だ。

GeForce GTX 1050に近い性能となっていて高解像度でゲームをプレイしたり、高リフレッシュモニターを活かしたりすることは難しい。基本的にはフルHD環境で設定調整を行う必要がある。もう使えないわけではないが、ライトユーザー以外の方は買い替え推奨だ。近いうちに通用しなくなってしまうだろう。

中古のタマが少なく入手は激むず

GeForce GTX 670はもはやショップ経由で購入するのは難しくなっている。メルカリやヤフオクで購入するのは保証面からおすすめしづらい。一時在庫があったときは4,000円~5,000円程度で販売されていた。GeForce GTX 670と近い性能を持つGeForce GTX 1050の価格は5,980円~だ。

上位モデルのGeForce GTX 1050 Tiだと7,980円~となる。できれば予算を増やしてGeForce GTX 1650(14,980円~)を候補に入れてたい。GeForce GTX 670が中古で販売されれば5,000円前後になるのではないかと思う。さすがに発売から時間が経っているので底値に近い状態になるはずだ。

GeForce GTX 670の発売当時の評価【2012年】

上位のGTX 680に近いゲーミング性能を持つ

GeForce GTX 670は、GTX 680に近いグラフィックス処理性能を持つグラフィックボードとなっている。Kepler世代におけるフラグシップモデルであるGTX 680と同じGPU「GK104」を搭載しているのが特徴だ。スペックダウンもそれほど顕著なものではなくGTX 680に近いゲーミング性能を持っている。

価格差が$100と性能差以上に大きいのでコストパフォーマンスの高さはGTX 670に軍配が上がる。フルHD環境でのゲームプレイをメインに考えるならベストな選択肢だと言える。長い目で見ると投資する価値があるモデルだ。

競合のRadeonシリーズを過去のものにした

NVIDIA 価格帯 AMD
GTX 690 $999
GTX 680 $499
$479 HD 7970
$419 HD 7970
GTX 670 $399 HD 7950
$349 HD 7870
$329 HD 7950
GTX 570 $299
$279 HD 7870
$249 HD 7850
$239 HD 7850

Kepler世代のグラフィックボードの登場でグラフィックボード市場が大きく変わった。GTX 670の価格は$399だが、$479で販売されているAMDのRadeon HD 7970と同等の性能を持っている。結果的にRadeon HD 7970は$419に価格を下げることになった。それでもGTX 670よりも$20高いので、多くのゲーマーが性能で上回るGTX 670を選択するはずだ。

同様にHD 7950も$70安くなり、HD 7870も$70安くなった。競合が生まれたことでユーザーにより安価に提供するという経済的に理想的な形になっている。NVIDIAだけでもAMDだけでもこれは実現しなかっただろう。今後もこの形が続くことを望む。

GeForce GTX 670のベンチマーク一覧

Battlefield 3

battlefield3GTX 670-battlefield3

GTX 680に近いフレームレートが出ている。性能差は4%と小さい。1920p環境ではRadeon HD 7970よりも8%高い。2560pではGPUメモリの差が出ているのかわずかに劣ってしまっている。GTX 580よりも30%以上フレームレートが高くアーキテクチャの進化を感じられる結果だ。

The Elder Scrolls: Skyrim

els5skyrimgtx670-The Elder Scrolls

GTX 680との差は4%だ。これぐらいの差であればGTX 670を選ぶ方がコストパフォーマンスが高い。1920pではRadeon HD 7970よりも高いが、2560pでは2%程度劣っている。同等程度と考えて問題ないだろう。特に高解像度にこだわりがないのであればパフォーマンスは上回っている。

Civilization 5

civ5gtx670-Civilization 5

Radeon HD 7970よりも最大20%程度パフォーマンスが高い。2560pでは7%上回るに留まるが、価格的に安価なGTX 670が健闘していることに変わりはない。GTX 580よりもフレームレートが高く魅力的だ。

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