Core i7-8700K画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Core i7-8700Kのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Kaby Lake世代のCore i7-7700Kの後継モデルだ。4コア8スレッドから6コア12スレッドへと大幅にスペックが強化されている。Core i7-8700Kは、Coffee Lake世代で最上位のモデルだ。6コア12スレッドとマルチスレッド性能が高く、前世代のCPUよりもコア/スレッド共に向上している。

発売当時はゲーミングPCで定番のCPUだった。GTX 1080 TiやGTX 1070 Tiなどのハイクラスのグラフィックボードとの相性も良好だ。現時点での評価を含めて詳しく見ていこう。後継モデルは、「Core i7-9700K」となる。ハイパースレッディングに非対応となったものの物理コアが2コア増えて8コアになった。パフォーマンス向上が期待できる。クリエイター作業にも対応しやすい。

Core i7-8700Kの基本スペック・仕様

i7-8700Ki7-7700K7 1800X7 1700X
メーカーIntelIntelAMDAMD
プロセス14nm14nm14nm14nm
コードネームCoffee LakeKaby LakeZenZen
CPUコア数6488
スレッド数1281616
定格クロック3.7 GHz4.2 GHz3.6 GHz3.4 GHz
最大クロック4.7 GHz4.5 GHz4.0 GHz3.8 GHz
L3キャッシュ12MB8MB16MB16MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2400DDR4-2666DDR4-2666
内蔵グラフィックスUHD 630UHD 630非搭載非搭載
CPUクーラー同梱××××
オーバークロック
TDP95W91W95W95W
価格$359$339$499$399
発売日2017/10/252017/01/042017/03/032017/03/03
Core i7-8700Kは、前世代のCore i7-7700KよりもCPUコア及びスレッド数が50%引き上げられ6コア12スレッドとなっている。クロック数は定格3.7GHz、最大4.7GHzだ。第7世代のCore i7-7700Kが定格4.2GHz、最大4.5GHzなので、定格クロックを落として最大クロックを引き上げた形だ。コア/スレッドが増えているため消費電力を抑えるためにも定格クロックを落とすのは正攻法だと言える。プロセスの微細化が行われるなどアーキテクチャの大きな進化がない限りクロック周波数は上げづらいところだ。

今回スペックをアップを図ったのは2017年3月に発売された競合モデルである第1世代Ryzenシリーズの登場が影響を受けているはずだ。Ryzen 7 1800X/Ryzen 7 1700Xは8コア16スレッドとCore i7-7700Kと比べてコア/スレッド共に倍増とスペックで大幅に上回っていた。6コア12スレッドではまだ足りないが、そこはアーキテクチャでの差で戦うしかない。もちろん価格帯が異なるため純粋な比較は不公平かもしれない。AMDの話はここで終わりにしておく。

話を戻して、Core i7-8700KのL3キャッシュは、Core i7-7700Kと比べて50%アップの12MBとなっている。メモリ周りでのボトルネック軽減に繋がる。Ryzen 7 1800Xが16MBなのでさらにスペックは高い。Ryzen 7 1800XはCPU内蔵グラフィックスが搭載されていないのでゲームプレイなどグラフィックボード搭載が前提となる。いずれのCPUでもオーバークロックに対応することが可能だ。

Core i7-7700Kと比べて消費電力は僅か4Wアップに留めているのはアーキテクチャの進化によるものだ。スペックだけを見ると2世代の前の上位モデルであるCore i7-6800KやCore i7-6850Kに近くなった。もちろん性能的にはCore i7-8700Kの方が上だ。性能は格段に上がり、価格はCore i7-7700Kよりも$20アップとなっているが、性能が大幅に引き上げられているためコストパフォーマンスは良好だと言える。

Core i7-8700Kの最新評価【2023年】

総合性能は現行のエントリークラス並に留まる

i7-8700kgamescore1Core i7-8700Kの性能は現行モデルでいうとCore i3-13100と同等の性能だ。つまり、2023年時点でもある程度ゲームプレイに通用する水準だと言える。グラフィックボードに比べるとCPUの伸びはそれほど大きいわけではないので、数年前の古いモデルでも使いやすい。基本的にはグラフィックボードに投資する方がフレームレートを稼ぎやすい。

合わせるグラフィックボードとしては、GeForce RTX 4060 TiやGeForce RTX 3060 Tiまでにしておくとよい。それ以上になるとCPU性能がボトルネックとなってしまう可能性がある。なお、Core i7-8700Kの発売当時の競合であるRyzen 7 1800Xとの性能差はおよそ25%前後だ。2017年時点ですでに8コア16スレッドというスペックを採用していたRyzenシリーズは脅威だが、ゲーム性能ではCore i7-8700Kがワンランク上の性能を持っていると考えてよい。

中古価格は税込15,980円~

製品名コア/スレッドゲーム性能価格コスパ
Core i3-131004/823,38116,9801.377
Core i3-121004/823,25812,9801.792
Core i5-114006/1223,06218,4801.248
Core i7-8700K6/1222,96415,9801.437
Core i5-104006/1222,69416,4801.377
Core i7-87006/1222,64513,9901.619
Core i5-9600K6/622,54713,9801.613
Core i5-8600K6/622,3269,9802.237

Core i7-8700Kの中古価格は15,980円~となる。保証が付いていて信頼できるパーツショップの相場だ。性能を考えれば妥当な範囲に収まっている。もちろんヤフオクやメルカリなどの個人売買をならもう少し安く購入できるかもしれないが、保証面から不安要素が大きい。コストパフォーマンスを見ればIntel第12世代のCore i3-12100や同じ世代の下位モデルであるCore i5-8600Kが候補に入るだろう。

4コア8スレッドとスペック自体は下がるが、アーキテクチャが代わりパフォーマンスで上回る。新しい方が故障リスクも低くおすすめしやすい。そういう意味ではCore i5-11400Core i5-10400も候補に入れたいところだ。CPU内蔵グラフィックス非搭載のFシリーズならもう少し安く購入できる可能性もある。価格的に選択肢が豊富でCore i7-8700Kを積極的に選ぶ理由は小さい。

Core i7-8700Kの特徴【発売当時】

ハードな使用にも対応できる高性能CPU(+)

Core i7-8700Kは、6コア12スレッドと高パフォーマンスなCPUとなっている。ゲーム用途を含むハードな使用にも耐えられる性能の高さは魅力的だ。例えば、4K動画編集ではCore i7-7700Kよりも32%の処理性能アップ、4K解像度でのゲームプレイでは25%アップ、ゲームと動画配信の同時使用では45%アップといった効果が出ている。

Core i7-8700Kになってコア数とスレッド数が増加したことで、高い負荷を要する作業や複数の作業やアプリケーションの処理に対応することが可能となった恩恵だろう。処理性能に関しては、L3キャッシュが12MBとなったことも大きい。Core i7-7700Kの8MBからこちらもまた50%アップとなっている。

簡単に言えばキャッシュメモリは、メインメモリと違いCPU処理専用の機能を持つメモリのようなもので、メインメモリに指示を出さなくてもその場でCPUが処理できる。この容量が大きければ大きいほど、メインメモリに指示を出して返答を受けるという手順がなくなるため、複数の処理を多く行う際の高速化に繋がるというわけだ。性能の底上げに寄与していると考えてよい。

コスパがよくショップのラインナップが豊富(+)

当初の予想通りCore i7-8700KはゲーミングPCの主力となっている。CPUのフラグシップということで多くのハイクラスモデルで採用されている。これはドスパラの主力モデルである「ガレリアZV」の存在が大きい。Intel第7世代CPUでは、Core i7-7700が主流だったので求められるスペックが高くなっていることを表しているのだと言える。最新のタイトルであっても快適なプレイを約束してくれる。

ゲーミングPC搭載のCPUとしても最高峰の製品で間違いない。ゲーミングPCの価格帯は幅広く15万円~25万円程度だ。価格的にはCore i7-7700K搭載モデルと比べて同等か1~2万円前後アップとなっている。価格が高くなっているのは、登場間もなくプレミアム価格が設定されていることと旧型の在庫を減らさなければいけないことが要因だ。しばらく待てば価格も落ち着くだろう。

今後のゲーミングPCでもCore i7-8700K搭載モデルが主流となることは間違いない。各ショップのラインナップ数も多く、あなたにぴったりのモデルが見つかりやすいと思う。グラフィックボードとのバランスを考えるとGTX 1060以上を選択したい。グラフィックボードがボトルネックとなってしまっては本末転倒だ。

CPUは最高峰のものでも単体で5万円程度とグラフィックボードに比べて安価になっている。グラフィックボードの性能を抑えてCPUの性能を上げておくのも良いだろう。例えば、動画編集をしたり、複数のアプリケーションの同時起動をすることのある方は恩恵を受けられる。Core i7-8700K搭載モデルで絞ると幅広い構成から選択できるので、きっとあなたに合う一台が見つかると思う。是非ラインナップをチェックして欲しい。

高価なZ390チップセットが必要となる(-)

Core i7-8700Kは従来までのマザーボードが使用できなくなっているのがデメリットだ。必ず買い替える必要があるということになる。Intel第8世代になって製造プロセス技術が変わったことと性能が上がったことが理由に挙げられる。CPUの交換で対応したいユーザーにとってはデメリットとなってしまう。

Intel製のCPUは第二世代以降は2世代ごとに対応ソケットが変わる傾向にあるため、第8世代は新しいソケットとチップセットが適用されると踏んでいたユーザーも多いのではないだろうか。同時に、対応するメモリ規格もDDR4-2666(PC4-21333)となり、多少の機能向上や性能アップを期待できる。それでもマザーボード自体は第7世代のものと大きな変化はない。本命はしばらく後に登場するZ390だろうか。安価なチップセットだとオーバークロックに対応できずCore i7-8700Kを選ぶ理由がない。

新しくゲーミングPCの購入を考えているのであれば、トップクラスの性能を誇るi7-8700K搭載のゲーミングPCを選んで後悔することはないだろう。これまで、i7-7700KではボトルネックとなっていたGTX1080Tiなどの高性能なグラフィックボード搭載モデルであれば、その効果は更に大きくなる。一切妥協をしたくないというユーザーは是非検討してみてほしい。

CPUのみを購入したい場合はAmazon.co.jpでチェックしてみて欲しい。ただし、マザーボードは第7世代以前のものと互換性がないため、流用できないので新しくZ370などを用意しなくてはならないので注意が必要だ。また、HDDなどの流用を考えている場合はレジストリの編集などの準備を忘れないようにしたい。

Core i7-8700Kのベンチマーク一覧

Cinebench R15

cinebenchr15i7-8700kcinebench

Cinebench R15ではRyzen 7 1800Xに次いで二番目の性能を誇る。前世代のCore i7-7700Kと比べて47%程度向上している。コア/スレッドが50%向上していることを考えると妥当だ。シングルスレッド性能についてはほぼ同等に留まる。

Ryzen 7 1800Xと比べるとシングルスレッド性能では20%も上回っている。ゲームプレイにおいてはこれは有利に働くだろう。前世代のXシリーズであるCore i7-7800Xも同じ6コア12スレッドだがCore i7-8700Kに劣っている。メインストリームでもここまで来たのかと感慨深い。これはアーキテクチャーの進化が理由だろう。

Adobe Creative Cloud Photoshop

Adobe Premiere Pro CCi7-8700kadobe

Photoshop(画像編集)での処理速度を計測している。数値が少ない方が高性能だ。Photoshopではマルチスレッド性能がそれほど効果を発揮していないように思える。Core i7-7700Kがトップになり、Cinebench R15で圧巻のスコアを叩き出したRyzen 7 1800Xが下の方になってしまった。

まさか現行モデルであるCore i7-8700KまでもがCore i7-7700Kに及ばないとは思わなかった。4コア8スレッドでクロック周波数が高いCPUが有利なのだろう。そうなるとCore i7-7800Xのスコアが低いのも納得できる。

Handbrake

handbrakei7-8700khandbrake

動画のエンコードではCinebench R15と同様の結果となっている。Core i7-8700Kは、Core i7-7700Kよりも26%パフォーマンスが高い。高画質でも標準画質でも同等の結果となっている。トップは8コア16スレッドのスペックの高いRyzen 7 1800Xだ。Core i7-8700KとRyzen 7 1800Xの差は6%-13%となっている。マルチスレッド性能が高い分だけ有利ということだ。

Core i7-8700Kのゲームプレイ時フレームレート

Civilization Ⅵ

civ6i7-8700kciv6

Civilization ⅥではCore i7-8700Kがトップになっている。ゲーム全般に強いということがベンチマークから判断可能だ。Core i7-7700Kよりも5%程度パフォーマンスが向上している。Ryzen 7 1800Xと比べても11%程度高い。ゲームプレイを前提に考えるなら魅力的な選択肢だと言える。

Grand Theft Auto V

gta5i7-8700kgta5

GTA 5でもCore i7-8700Kがトップとなっている。Core i7-7700Kとの差は10%程度と大きい。最小fpsがかなり落ちているが、平均fpsが高いことからたまたま落ちてしまったと判断できる。Ryzen 7 1800Xとの差は28%とかなり大きくなっている。Core i7-7800Xよりも20%程度高くCore i7-8700Kの性能の高さは圧巻だ。

Hitman

hitmani7-8700khitman

Hitmanにおいては、Core i7-700Kよりも10%高い。最小fpsでも11%高くなっている。Ryzen 7 1800Xとの差は27%と大きい。ゲーム適正ではAMD製CPUを圧倒していることがわかる。

Core i7-8700K搭載おすすめゲーミングPC紹介

GALLERIA ZV(ドスパラ)

価格:199,980円
CPU:Core i7-8700K
GPU:GeForce GTX1070Ti
メモリ:DDR4-2666 16GB
SSD:500GB
HDD:2TB
電源:650W BRONZE

ドスパラの売れ筋ゲーミングPCだ。キャンペーン中はCore i7-8086Kにアップグレードされる。単コアで5.0GHzに到達した期間限定のCPUだ。i7-8700Kよりもわずかに性能が高い。グラフィックボードにはGTX1070Tiを搭載し4Kにこだわりがなければ長く使用することができるだろう。SSDとHDDのダブルストレージはドスパラでは一般的。

LEVEL-C37N-LCi7K-RNVI(パソコン工房)

levelc価格:174,980円
CPU:Core i7-8700K
GPU:GeForce 1060 6GB
メモリ:DDR4 16GB
SSD:NVMe 250GB
HDD:2TB
電源:500W SILVER

今となっては珍しくなったコンパクトモデルだ。グラフィックボードにはミドルクラスのGTX1060 6GBを採用。FULL HD環境に高い適正度がある。メモリDDR4 16GB、SSD NVMe対応M.2 250GB、HDD 2TBと構成面も充実。ただし、その代償としてミドルスペックとしてはやや高額だ。

SR-ii7-8833G/S3/GL/W10(パソコンショップセブン)

価格:198,800円
CPU:Core i7-8700K
GPU:GeForce GTX 1070 Ti
メモリ:DDR4-2666 8GB
SSD:240GB
HDD:2TB
電源:600W BRONZE

GALLERIA ZVに似た構成を持つ。現時点ならGALLERIA ZVの方が優勢だろう。当該モデルはキャンペーンで割引されることがあるのでそこが狙い目となる。ダブルストレージなのは嬉しい。

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