ASUS TUF Gaming A17 FA706QR
当ページでは、Ryzen 7 5800Hの性能レビュー及び搭載ゲーミングノートPCの紹介をしている。Zen 3アーキテクチャを採用したAMD製APUがリリースされた。このRyzen 7 5800Hは、前世代のRyzen 7 4800Hの後継モデルということだ。

このRyzen 7 5800Hは、Ryzen 7 4800Hと同様にRyzen 5000シリーズAPUで最も主流のプロセッサーとなるだろう。8コア16スレッドと性能も高くコストパフォーマンスの健在だ。詳しくベンチマークを見ていくこととしよう。

よくわかる!!Ryzen 7 5800Hの特徴まとめ

アーキテクチャーZen 3
プロセス7nm
コア/スレッド数8コア/16スレッド
定格/最大クロック3.2 GHz/ 4.4 Ghz
L3キャッシュ16MB
TDP45W
発売日2021年01月12日
価格非公開
コメント 8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高い
Zen 3アーキテクチャになってシングルスレッド性能も向上
搭載ゲーミングノートのラインナップが増える可能性が高い
評価 ・総合評価
9.5

・ゲーム評価
9.5

Ryzen 7 5800Hの概要

基本スペック

 Ryzen 7 5800HRyzen 9 5900HXRyzen 7 4800H
メーカーAMDAMDAMD
アーキテクチャZen 3Zen 3Zen 2
プロセス7nm7nm7nm
コードネームCezanneCezanneRenoir
CPUコア数8コア8コア8コア
スレッド数16コア16コア16コア
定格クロック3.2 GHz3.3 GHz2.9 GHz
最大クロック4.4 GHz4.6 GHz4.2 GHz
L3キャッシュ16MB16MB8MB
対応メモリDDR4-3200
DDR4-4266
DDR4-3200
DDR4-4266
DDR4-3200
DDR4-4266
内蔵グラフィックスRadeon Vega 8Radeon Vega 8Radeon Vega 7
グラフィックス周波数2000 MHz2100 MHz1600 MHz
TDP45W45W+45W
発売日2021/01/122021/01/122020/01/06
搭載価格134,364円~181,636円~97,000円~
Ryzen 7 5800Hは、Zen 3アーキテクチャを採用した最新のCPUとなっている。前世代のRyzen 7 4800Hと比べるとスペック上はそれほど大きく変わったわけではないが、CPUコアに対するIPCが改善されたり、僅かながらクロック周波数が引き上げられている。同じTSMC製7nmプロセスを採用していることを考えると十分な進化だと言える。8コア16スレッドというのは同じだ。定格クロックが11%高く、最大クロックが5%高くなった。

最も大きい変化としては、L3キャッシュが倍増となっている点が挙げられる。モバイル向けのZen 2アーキテクチャでは4基のCPUコアと8MBの共有L3キャッシュで1つのCCXを構成していた。つまり、2つのCCXを接続する必要があり、CCX同士のやり取り時に遅延が発生していたのだ。Zen 3アーキテクチャでは8基のCPUコアと16MBの共有L3キャッシュを一括りにして1つのCCXで構成(シングルCCXデザイン)されている。結果的に遅延が生じにくい構成になったというわけだ。L3キャッシュ容量も増えて効率的なデータのやり取りが可能となる。

内蔵グラフィックスも少しだけパフォーマンスが向上している。GPUコアが7基から8基になり、グラフィックス周波数も25%引き上げられて2000MHzに到達した。もっともRyzen 7 5800Hは、外付けのグラフィックボードを搭載したモデルが一般的なのでそれほど重要視しなくてもよい。消費電力は45Wと変わらない。アーキテクチャが変わったということでパワー効率が上がり同じ消費電力でもパフォーマンスが高い。

上位モデルにはRyzen 9 5900HXがある。Ryzen 9 4900Hの後継モデルだ。8コア16スレッドという点ではRyzen 7 5800Hと変わらないのは前世代と共通だ。定格クロックは0.1GHz高く、最大クロックは0.2GHz高くなっている。グラフィックス周波数も0.1GHzだけ高いがそれほど大きな違いがあるわけではない。この末尾のHXは45W以上の消費電力を実現できることを意味する。メーカー側で発熱をしっかりコントロールできれば45W以上に引き上げても問題ないということだ。より高みを目指したい方向けだと言える。

Intel製CPUと比較

 Ryzen 7 5800HCore i7-10750H
メーカーAMDIntel
プロセス7nm14nm++
コードネームCezanneComet Lake
CPUコア数8コア6コア
スレッド数16コア12コア
定格クロック3.2 GHz2.6 GHz
最大クロック4.4 GHz5.0 GHz
L3キャッシュ16MB12MB
対応メモリDDR4-3200
DDR4-4266
DDR4-2933
内蔵グラフィックスRadeon Vega 8Intel UHD
グラフィックス周波数2000 MHz3500 MHz
TDP45W45W
発売日2021/01/122020/05/22
搭載価格134,364円~116,980円~
競合モデルとなるのはCore i7-10750Hだ。Intelは今でも14nmプロセスを採用していてAMDよりも遅れている。次世代のTiger Lake世代から10nmプロセスになる。しばらくは時間がかかりそうだ。Intel Core i7-10750Hではコア/スレッドがRyzen 7 5800Hよりも33%少ない6コア12スレッドとなる。Ryzen 7 5800Hの方がマルチスレッド性能は高いと考えて間違いない。定格クロックはRyzen 7 5800Hの方が24%高く、最大クロックはCore i7-10750Hの方が14%高い。L3キャッシュはRyzen 7 5800Hの方が33%多い。これはZen 3アーキテクチャ採用による恩恵だ。

メモリ規格についてもRyzen 7 5800Hの方がワンランク上だ。より高速なメモリを搭載することができる。内蔵グラフィックスについてはそれほど気にしなくてもよいだろう。基本的には外付けのグラフィックボードを搭載しているからだ。消費電力は45Wと一般的なハイパフォーマンスモデルの枠内に収まっている。Core i7-10750H搭載モデルの方が最低価格が安いのはGTX 1660 Ti搭載モデルが入っているからだ。同じ性能で同じ構成ならRyzen 7 5800H搭載モデルの方が安くなると考えている。

Ryzen 7 5800Hの特徴

Ryzen 5000モバイルAPUで真ん中に位置する

モデルコア/スレッド最大クロック(定格)L3キャッシュTDP
Ryzen 9 5980HX8/164.8(3.3)20MB45W+
Ryzen 9 5980HS8/164.8(3.0)20MB35W
Ryzen 9 5900HX8/164.6(3.3)20MB45W+
Ryzen 9 5900HS
8/164.6(3.0)20MB35W
Ryzen 7 5800H8/164.4(3.2)20MB45W
Ryzen 7 5800HS8/164.4(2.8)20MB35W
RYzen 5 5600H6/124.2(3.3)19MB45W
RYzen 5 5600HS6/124.2(3.0)19MB35W

Ryzen 7 5800Hは、Ryzen 5000シリーズモバイルプロセッサーの中で真ん中に位置するCPUだ。このRyzen 7 5800H以上になると、本体にコストが掛かってしまい価格が上がりがちだ。また、Ryzen 9シリーズでは価格に見合う性能を見出すことは難しい。

その点Ryzen 7 5800Hはちょうどよい性能を持つCPUだと言える。コストパフォーマンスの高さでは圧倒的だ。GeForce RTX 30シリーズに合わせるCPUとしても魅力的なのもポイントだと言える。これからはノート向けCPUでも8コア16スレッドが定番となるだろう。

世代を重ねた性能上昇は妥当な水準に落ち着く

ryzen75800hseinou

Ryzen 7 5800Hは非常に高い性能を持つCPUだが、世代ごとの性能アップの程度を見ると妥当な水準に落ち着く。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くゲーミングノートPCに搭載するCPUとして人気がある。前世代のRyzen 7 4800Hと大幅にスペックが変わったわけではないが、アーキテクチャが進化して性能の底上げが行われた。

マルチスレッド性能で10%以上、シングルスレッド性能で15%以上のパフォーマンス向上が見込める。現時点でRyzen 7 4800H搭載ゲーミングノートPCを使用している方が買い換える必要性は薄い。もっともグラフィックボードがRTX 30シリーズになるのであればメリットはあるかもしれない。

すでにASUSから搭載モデルが販売されている

ryzen5000hseries画像引用元:https://www.4gamer.net/

2021年3月時点でRyzen 7 5800H搭載ゲーミングノートPCがASUSから販売されている。今後Lenovo・HP・GIGABYTE・HPなどからも搭載モデルが登場する予定だ。国内BTOメーカーでも前世代のRyzen 7 4800H搭載モデルを販売しているドスパラを筆頭にいくつかのメーカーから発売されるだろう。海外メーカーよりもリリースが遅いのは残念だ。Intel Core i7シリーズに比べて価格な優位性があるため人気ランキングの上位に食い込んでくることを期待している。

Ryzen 7 5800Hのベンチマーク一覧

Cinebench R20

cinebench75800h-cinebench

Cinebench R20は、CPUの純粋な性能を見るのに最適なベンチマークソフトだ。Ryzen 7 4800Hと比べてマルチスレッド性能が10%高く、シングルスレッド性能は17%高くなっている。IPCの改善とクロック周波数の引き上げによってシングルスレッド性能が大きく向上した。

Ryzenシリーズの課題だったシングルスレッド性能をしっかりと改善してきている。Core i7-10875HやCore i9-10980HKよりも高い性能は素晴らしい。上位のRyzen 9 5900HKになるとRyzen 7 5800Hよりも5%程度パフォーマンスが高い。価格差を考えるとそれほど性能が高いというわけではないことがわかる。

Handbrake

handbrake75800h-handbrake

HandbrakeではRyzen 7 4800Hとの性能差はそれほど大きくなく6%程度だ。それでもCore i9-10980HKよりも21%速く、Core i7-10750Hよりも31%も速い。動画編集を得意としているCPUであることは間違いない。ゲーミングPCとしてではなくクリエイターPCとしても評価できる。

PCMark 10

pcmark1075800h-pcmark10

PCMARK 10のベンチマークも見ていこう。Ryzen 5000シリーズの性能の高さが伺える。PCMARK 10では主に2つのベンチマークを計測した。Essentials Testは、アプリケーションの起動速度、ウェブブラウジングの処理速度、ビデオ会議の処理速度を計測するベンチマークだ。Applications Testは、オフィスソフトの使用を想定したベンチマークとなっている。

Essentials Testにおいて、Ryzen 7 5800HはRyzen 7 4800Hよりもおおよそ10%パフォーマンスが向上している。Core i7-10875Hよりも4%程度高い。他のベンチマークに比べるとやや差は小さいように思う。Core i7-10750Hと比べると16%の差がある。

Applications TestでもRyzen 7 5800Hは高い性能を発揮している。Ryzen 9 5900HKに次いで高いスコアを出している。その差は2%とかなり僅差だ。Core i7-10750Hと比較して25%の性能差がある。ビジネス用途でも圧倒的な性能を持っていると考えてよい。

7-Zip

zip75800h-zip

Zipファイルの解凍及び圧縮速度を計測している。Ryzen 9シリーズがトップ2を独占する形だ。Intel製CPUは全く歯が立たない状況になっている。解凍速度についてはRyzen 7 5800Hは、Core i7-10750Hよりも90%程度パフォーマンスが高い。圧縮速度でも47%高くなっている。

同じ価格帯でこれだけ性能差が現れるのは驚きだ。第11世代のTiger Lake世代のCPUが登場するまでIntelは厳しい立場に置かれることになる。前世代のRyzen 7 4800Hよりも6%-27%高い。特に圧縮速度のパフォーマンスの差が大きくなっている。

Ryzen 7 5800Hのゲーミング性能

CPU負荷のタイトルを中心にゲームプレイ時のフレームレートを見ていこう。グラフィックボードの性能を受けづらくCPU性能を客観的に把握するのに参考になるはずだ。

Resident Evil 2

Resident Evil 2

9 5900HX×RTX 3070172
125
i9-10980HK×RTX 3080168
114
7 5800H×RTX 3060165
115
i7-11800H×RTX 3070163
121
i7-10870H×RTX 3070153
108
i7-10750H×RTX 2070138
104
7 4800H×RTX 2060134
105
平均fps1%Low
Ryzen 7 4800Hと比べると23%もフレームレートが伸びている。1%Lowも10%近く高い。上位モデルであるRTX 3070 Mobileを搭載しているCore i7-10870HやCore i7-10750Hよりもフレームレートが高いのは素晴らしい。Zen 2アーキテクチャとは全く異なることがわかる。

Hitman 3

hitman3

i7-11800H×RTX 307089
49
i9-10980HK×RTX 308087
43
9 5900HX×RTX 307086
45
7 5800H×RTX 306082
45
i7-10870H×RTX 307078
39
7 4800H×RTX 206067
33
平均fps1%Low
Hitman 3でもCore i7-10870Hよりも6%-16%も高いフレームレートを計測している。従来モデルのRyzen 7 4800Hと比べても23%も高く目に見える明らかな性能差がある。なお、トップはIntelの最新モデルであるCore i7-11800Hだ。Ryzen 5000シリーズでゲーム適性が向上したとは言ってもやはりIntel勢が強い。

Death Stranding

death stranding

i7-11800H×RTX 3070121
99
9 5900HX×RTX 3070121
98
i9-10980HK×RTX 3080115
94
i7-10870H×RTX 3070111
85
7 5800H×RTX 3060107
85
7 4800H×RTX 206090
72
平均fps1%Low
従来モデルのRyzen 7 4800Hと比べると20%近くもフレームレートが向上している。Core i7-10870Hとの差は4%まで縮めている。Intel優位な状況が変わってきそうだ。

Ryzen 7 5800H搭載のゲーミングノートPC一覧

Dell G15 Ryzen Edition プラチナ(RTX3050Ti搭載)(Dell)

Dell G15 Ryzen Edition価格:166,980円(税込) 138,593円(税込)
液晶:15.6インチ 165Hz
重量:約2.449kg
駆動時間:非公開
CPU:Ryzen 7 5800H
GPU:GeForce RTX 3050 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

公式サイト

Dell G5シリーズはエイリアンウェアよりも安価で購入しやすいのが特徴だ。約28,000円安く購入できる。RTX 3050 Ti×Ryzen 7 5800H搭載のゲーミングノートPCとなっている。GTX 1660 Tiに近い性能を持ちミドルクラス相当だと言える。メモリ16GB、SSD 512GBと構成も十分だ。デメリットは本体重量の重さだろう。2.0kgを大きく上回る重量は持ち運びに適しているとは言えない。

Bravo 15 B5 Bravo-15-B5DD-029JP(MSI)

Bravo 15 B5 Bravo-15-B5DD-029JP価格:148,800円(税込)
液晶:15.6インチ 144Hz
重量:約2.35kg
駆動時間:非公開
CPU:Ryzen 7 5800H
GPU:Radeon RX 5500M
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

公式サイト

Radeon RX5500Mを搭載したゲーミングノートPCだ。AMD製パーツで揃えているのがポイントだ。ゲーミング性能は高くなくGTX 1650よりも低い。フルHD環境で設定を下げることが前提だ。メモリ16GB、SSD 512GBという構成だ。キーボードは赤色に光るのでやる気をアップしてくれるだろう。本体重量は約2.35kgとやや重い。

ROG Zephyrus G15 GA503QM(ASUS)

ROG Zephyrus G15 GA503QM価格:195,400円(税込)
液晶:15.6インチ 165Hz
重量:約1.99kg
駆動時間:約13.6時間
CPU:Ryzen 7 5800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

公式サイト

RTX 3060 Mobile×Ryzen 7 5800H搭載のゲーミングノートPCだ。最新モデルながら価格が抑えられている一台だと言える。15.6インチ、165Hz対応モニター搭載で滑らかなゲーム描写が可能となる。RTX 3060 Mobileは、RTX 2070 SUPER Mobileと同等のゲーミング性能を持ち高リフレッシュレートでのゲームプレイも問題ない。よりゲームプレイを楽しめる環境を作ることができる。メモリ16GB、SSD 512GBと構成も十分だろう。この性能及び構成で本体重量2.0kgを切っているのは驚きだ。持ち運びを考えている方にもおすすめしやすい。

Lenovo Legion 760 – ストームグレー(Lenovo)

Lenovo Legion 760価格:220,845円(税込)
液晶:16.0インチ 165Hz
重量:約2.5kg
駆動時間:約3.1時間
CPU:Ryzen 7 5800H
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載

公式サイト

RTX 3070 Mobile×Ryzen 7 5800H搭載のゲーミングノートPCだ。非常に珍しい16.0インチモニターを搭載している。よりゲームに没頭しやすい環境を作ることが可能だ。ただし、本体重量が約2.5kgと重くバッテリー駆動時間が約3時間と短いのはデメリットだ。性能の代償として実用性を犠牲にしている部分がある。それでもゲーミング性能が高くデスクトップPCに近いゲーム体験を約束してくれるだろう。メモリ16GB、SSD 1TBと構成も抜群だ。

ROG Strix SCAR 15 G533QS(ASUS)

ROG Strix SCAR 15 G533QS (2)価格:299,800円(税込)
液晶:15.6インチ 165Hz
重量:約2.3kg
駆動時間:約11.7時間
CPU:Ryzen 7 5800H
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

公式サイト

ハイエンドクラスのゲーミングノートPCだ。液晶モニターはWQHDディスプレイで165Hz対応となっている。これだけでも只者ではないことがわかる。グラフィックボードにはAmpere世代の最高峰であるRTX 3080 Mobileを搭載している。RTX 2080 SUPERよりも15%以上パフォーマンスが向上していてWQHD環境でも快適にゲームを楽しむことができる。キーボードには高額メカニカルスイッチを採用したゲーミングキーボードを採用している。打鍵性がよく評価が高い。メモリ16GB、SSD 512GBと構成も必要十分だ。

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