ドスパラが販売するゲーミングPC「GALLERIA RM5C-R47」のレビューを行った。ハイクラスのGeForce RTX 4070に、どちらかというと価格重視のCore i5-14400Fを組み合わせた一台だ。これもCore i5シリーズの性能が上がってきたからこそ実現できている。これまでは70番台のグラフィックボードにCore i5シリーズを組み合わせたモデルは少なかった。一時は20万円を切る価格で販売されていたが、値上げされてしまい219,800円となっている。評価的にはやや厳しい状況だ。競合モデルを確認しておくとよい。
GALLERIA RM5C-R47という型番を見てもただの英数字の羅列に見える。実は型番を分解して考えるとグレードや搭載されているグラフィックボード/CPUがわかる仕組みになっている。「GALLERIA RM5C-R47」は、R=シリーズ(Refine:洗練)、M=MicroATX(ケース)、5C=Core i5-13400F、R47=RTX 4070ということだ。
当ページの目次
GALLERIA RM5C-R47のスペック
メーカー | ドスパラ |
---|---|
ブランド名 | GALLERIA |
製品名 | GALLERIA RM5C-R47 |
価格 | 219,980円(税込) |
CPU | Core i5-14400F |
GPU | GeForce RTX 4070 |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB Gen4 NVMe |
HDD | 非搭載 |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
おすすめ度 | Bランク |
評価 | ・コスパ 6.9 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 5.2 ・構成 6.5 ・品質/サポート 9.0 |
GALLERIA-RM5C-R47の各タイトル対応表
Apex Legends | FORTNITE | パルワールド |
---|---|---|
・240fps ・144fps | ・240fps ・144fps | ・144fps ・60fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
GALLERIA RM5C-R47はCore i5-14400FとGeForce RTX 4070を搭載したハイクラスのゲーミングPCだ。GeForce RTX 4070の性能は、最新のゲームにも余裕を持って対応できるほど優れている。Apex Legendsは240Hz環境、フォートナイトは360Hz環境に対応可能だ。ゲームの安定性が重要な対人要素の強いゲームでは、頼もしい性能と言える。話題のパルワールドも高リフレッシュレートでプレイできる。最新のゲームへの対応力の高さは、ハイクラスを選ぶ理由になる。
GALLERIA-RM5C-R47の性能まとめ
ゲーミングPCとは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここでは特に重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。PC初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいだろう。一体として見るよりも一つずつのパーツを見ていくと理解がしやすいと考えている。他のパーツと比較して相対的な位置を見ることは意味がある。
Core i5-14400F(CPU)
当該モデルではCPUに低価格帯のCore i5-14400Fを搭載している。ゲーミングCPUとして人気の高いCore i7-14700Fと比べて単体価格で2.3万円安い。FシリーズということでCPU内蔵グラフィックス非搭載モデルだが、グラフィックボードを搭載しているゲーミングPCのため大きな問題とはならない。ゲーミング性能自体は旧世代のCore i5-13400とそれほど大きく変わらない。最低限必要なゲーミング性能を持っているという認識でよい。GeForce RTX 4070との組み合わせだとバランスはイマイチだが、グラフィックボードの性能の高さで押し切ればいい。
一世代前のRaptor Lake世代からハイブリッドアーキテクチャ採用となりスペックが高くなった。6つのPコアと4つのEコアを組み合わせて10コア16スレッドとなる。マルチコア性能が高く競合モデルのRyzen 5 7600Xを上回るほどだ。これだけの性能ならゲーム実況や動画編集などのクリエイター作業にも通用する。一方で、ゲーミング性能自体はCore i5-12400とそれほど大きく変わらない。
GeForce RTX 4070(GPU)
グラフィックスにはAda Lovelace世代のミドルハイクラスのGeForce RTX 4070を搭載している。従来モデルのGeForce RTX 3070と比べて24%程度処理性能が向上している。従来モデルのGeForce RTX 3080 10GBを上回る高いパフォーマンスを持つ。メインターゲットはWQHDだ。タイトル次第では4K環境にも対応可能だ。グラフィックス処理性能も高くある程度レイトレーシングにも対応できる。ハイライトとしてはDLSS 3.0に対応していることだろう。フレーム生成でより高いフレームレートを実現できる。
GALLERIA-RM5C-R47の特徴まとめ
標準的な価格で特徴は少ない
GALLERIA RM5C-R47は、最新のCore i5-14400Fを搭載となってリニューアルされた。最新世代へ換装されたことで従来モデルよりも10,000円価格が高くなっている。Core i5搭載モデルの強みは、価格を抑えやすいことだ。値上げしてしまっては、その強みが損なわれてしまうようで残念でならない。価格をそのままにすることは難しくても、もう少し値上げの金額を下げれば印象は違ったはずだ。
高いというほどでもなく、安いわけでもない。標準的な価格に落ち着いたGALLERIA RM5C-R47は、それほど魅力的なモデルとは言えない。標準的な水準でバランスを取れたモデルは、どこを取っても物足りなさを感じてしまう。一方で、高い水準でバランスの取れたモデルは優秀で、何かに特化したモデルも魅力的に映る。
GALLERIA RM5C-R47の価格が10,000円安ければ、相場より安く相場より高い水準のモデルになっていた。ゲーミングPCの評価を決めるのは、よくも悪くも価格の影響が大きい。価格に強みがなくても何かに特化していたり、構成が充実していたりすれば多少割高でも選択する価値はある。GALLERIA RM5C-R47のように、魅力と言えるものを持たないモデルは価値を見出しにくい。
標準的でバランスが取れていると言えば聞こえはいいが、言い換えれば平凡という評価だ。他に優れたモデルが多い中、平凡なモデルをおすすめすることはできない。ドスパラではセール・キャンペーンが頻繁に行われている。期間限定の特別なタイミングでは化ける可能性がある。
GALLERIA RM5C-R47は大きな変化に期待して様子を見る方がよさそうだ。現時点でGALLERIA RM5C-R47より優れたモデルは多い。あえて今GALLERIA RM5C-R47を選択するメリットはない。理想を言えば20万円台を切るくらいにまでなってほしい。現実的には従来モデルと同じ209,980円くらいだろうか。少しでも安く、評価の高い時に選びたい。
構成も標準的で平凡なモデル
GALLERIA RM5C-R47は構成も標準で他のモデルと比べた優位性がほとんど見つからない。唯一の強みはストレージだろう。それも強みとしては弱い。SSD 500GBと容量こそ当たり前の構成だが、Gen4接続に対応している。この点だけは、他のメーカーにない構成と言える。しかし、本当に優れているのはこの部分だけだ。実用面ではそれほど恩恵がないことからも、選択する理由になるとは思えない。
メモリもいまだにDDR4-3200だ。このメモリ規格もコストカットの意味合いが強い。Core i5やRyzen 5を搭載したモデルに多い構成だ。価格から見ると、性能も構成も平凡で突出したものがない。強みとなるポイントがなく、おすすめするのが難しいというのが率直な感想だ。よく言えば無難なモデルだろうか。
何を選んでいいかわからない、ドスパラならメーカーとして信用できる。こういった方にはおすすめできそうだ。昔のドスパラには構成に遊びがあったように思う。他のメーカーがHDDを搭載している中、NVMe対応のSSDをいち早く取り入れたのはGALLERIAシリーズだ。常にゲーミングPC市場を率いて、時代をリードしてきていた。今はその面影を一切感じさせない寂しさがある。
何の面白みも持たず、優れた部分もない。GeForce RTX 4070搭載モデルは、予算的に選びやすいことから各メーカーが力を入れている。それだけ優れたモデルが多くなるため、標準的であることはマイナス要素にもなり得る。比較対象に優秀なGeForce RTX 4070搭載モデルをピックアップしている。GALLERIA RM5C-R47を候補に入れているなら確認してみてほしい。他のメーカーがどういったモデルを生み出しているのか、それを知ればGALLERIA RM5C-R47の評価が辛口な理由もわかるはずだ。
似ているゲーミングPCとの比較
ブランド | GALLERIA | LEVELθ |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | GALLERIA RM5C-R47 SSD500GB搭載 | LEVEL-M17M-144F-TLX-WHITE |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 219,980円 | 189,800円 |
送料 | 3,300円 | 2,200円(会員無料) |
保証期間 | 1年間 | 1年間 |
CPU | Core i5-14400F (10コア16スレッド) | Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
GPU | RTX 4070 | RTX 4070 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR5-4800 16GB |
SSD | 500GB Gen4 NVMe | 500GB NVMe |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B760 | B760 |
納期 | 最短翌営業日 | 2-7日 |
保証 (延長保証) | 1年間 (最長5年) | 1年間 (最長5年) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
価格差を覆すには相当な性能や構成差が必要だ。モデルによっては1ランク変わる価格である。GALLERIA RM5C-R47は納期が翌日出荷であるため、すぐに欲しいなら魅力に思えるかもしれない。しかし、たとえ1週間かかったとしても、コストパフォーマンスに優れるLEVEL-M17M-144F-TLX-WHITEをおすすめしたい。
パソコンケースレビュー
正面
ドスパラの新ケースとなっている。デザインハウスが設計したケースだけあってデザイン性が高い。ミニタワーケースとなっているが、従来のミニタワーよりは一回り大きくなっていてミドルタワーの差が縮まっている。違うのは高さだけで奥行きと幅はミドルタワーと共通だ。
右サイド
右サイドはシンプルで吸気口だけが設けられている。高さ分の吸気口があるのでエアフロー改善には効果的だ。ガンメタリックのケースが高級感を演出している。
左サイド
左サイドにも吸気口がある。また、一部クリアガラスパネルを採用していて中身が見えるようになっている。最近のモデルらしいデザインだと言える。
背面パネル
背面パネルについてはオーソドックスなものになっている。前面の両サイドから取り入れられた空気が上部及び後ろから排出してくれる。本体内部に熱がこもらないような工夫が見られる。140mmサイズの冷却ファンを搭載しているのも後押ししてくれる。
I/Oパネル
前面に斜めにI/Oパネルが配置されている。電源ボタン、USB 3.2 Gen1 Type-A x4、ヘッドフォン端子が設けられている。USBが4つもあるのは使い勝手が良い。
本体上部
本体上部にもメッシュ加工が施されていてここから熱を放出する仕組みだ。高性能なグラフィックボードやCPUを搭載していても発熱が問題とならない工夫がある。
本体内部
*GALLERIA RM5R-R36 5600X搭載ではないため一つの参考として欲しい
内部にはある程度の余裕がある。ガレリアブランドの場合ミニタワーケースでもサイズは大きめであることがわかる。
正面-LED
ケースの枠組みにLEDが配置されている。オシャレな演出だ。このLEDについては専用のソフトウェアからコントロールすることができる。
管理人による総評(GALLERIA-RM5C-R47)
GALLERIA-RM5C-R47は、Core i5-14400F×RTX 4070搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCとなっている。70番台のグラフィックボードにCore iシリーズをぶつけてきたのは興味深い。各BTOメーカーから同じようなモデルが登場していて注目度の高さがうかがえる。CPUがCore i5-13400FからCore i5-14400Fへ換装されて10,000円の値上げだ。
今は購入のタイミングではない。セール・キャンペーンを待つべきだろう。候補に入っているのであればタイミングを伺うのもいい。GALLERIAの代名詞のようなモデルになれることを期待している。今すぐ購入したいなら比較対象モデルをチェックしておこう。よりコストパフォーマンスの高いモデルが手に入る。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
219,800円(税込) | Core i5-14400F | RTX4070 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |