サードウェーブ(ドスパラ)が販売する「Lightning AH5 Minecraft: Java&Bedrock Edition for PC同梱版」の詳細レビューをまとめている。値上げが続き厳しい立場に追いやられている。Ryzen 5 4500×GeForce GTX 1650搭載のビジネスPCだ。ジャンル的にはビジネスモデルとなるが、グラフィックボードを搭載していてゲームプレイにも対応できる。
定期的に数千円単位での価格変動はあるものの基本的には市場でもっとも安価なゲーミングPCと言えるだろう。今日見た価格が明日には変わっているということも起こり得る。低価格帯のモデルだからこそ仕入れ状況などに応じてシビアな価格調整が行われる。注意点として性能が高いわけではなくゲームプレイにおいては妥協が必要であることは理解しておこう。競合モデルについても確認しておけばなおよしだ。
当ページの目次
Lightning AH5のスペック解説
メーカー | サードウェーブ(ドスパラ) |
---|---|
ブランド名 | Lightning |
製品名 | Lightning AH5 |
価格 | 93,980円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
GPU | GeForce GTX 1650(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB |
HDD | 非搭載 |
電源 | 450W BRONZE |
マザーボード | チップセットA520 |
おすすめ度 | Cランク |
評価 | ・コスパ 4.7 —–内訳—– ・ショップ評価 8.9 |
価格推移-2024/5/8追記
Lightning AH5は、5,000円の値上げが適用されてから、僅かな期間でさらに3,000円の値上げが適用されてしまい評価を落としている。貴重な低価格帯のモデルだったLightning AH5は、徐々にその特徴とも言える低価格を失いつつある。約1年前は82,980円で展開されていた。ただでさえ9万円台に突入したことで評価をさげている。このままでは10万円台を突破してしまいそうな勢いだ。
ドスパラ製品の場合本体価格とは別に送料3,300円を考慮する必要がある。。100,000円以下であるためには、95,980円が限界だ。96,980円以上になると送料込みで10万円を超えてしまう。低価格帯のカテゴリは、10万円を下回っていることが条件だ。かつて8万円台だったところからも、すでに厳しい立場にあることに変わりはない。
GeForce GTX 1650を搭載しているモデルは、性能よりも価格が重要になる。その最たる例はLightning AH5だった。一般向けモデルであることから、ケースの見た目も品質も高くない。搭載しているパーツは最低限に留まっている。それでも人気があったのは選びやすかったからだ。エントリークラスの理想とも言える価格帯を実現してきた。
パソコンの価格は、搭載しているパーツの価格が反映される。その大部分を占めるのはCPUとグラフィックボードだ。両パーツともに、時間経過で価格は安くなる。どちらも登場から2年ほど経過しており、価格が下がるには十分な時間が経過している。現在の値上げ傾向から見るに、円安の影響をダイレクトに受けている形だ。繰り返される値上げはLightning AH5にとっては致命的だ。
Lightning AH5は送料込みで97,280円である。競合製品は99,800円だ。その差はわずか2,700円にまで迫っている。少しでも安い方が優位だと考えるかもしれない。同じ性能帯のモデルであるならばその通りだ。残念ながら、競合製品はGeForce GTX 1650搭載モデルではない。つまり、上位モデルと同じ価格帯にまで値上げされているということだ。
GeForce GTX 1650搭載モデルは8万円台、GeForce GTX 1660 SUPER搭載モデルは9万円台と棲み分けてきた。GeForce GTX 1660 SUPERの取り扱いは終了したものの、置き換わる製品が登場した。GeForce GTX 1650搭載モデルは、何としても8万円台に踏みとどまらなければならなかった。今現在のLightning AH5はとてもおすすめできるような状況ではない。
Lightning AH5のカスタマイズ(おすすめ度)
- CPU -
- CPUグリス ×
- メモリ ×
- SSD △
- 電源 △
Lightning AH5は基本的にカスタマイズ非推奨だ。構成の強化は価格が高くなり、10万円以下で選べるという特性さえも奪ってしまう。BTOパソコンのカスタマイズは割高なことが多い。少しでも優れた構成を手にしたいなら、カスタマイズではなく標準搭載のモデルを選ぶべきだろう。CPUクーラーやCPUグリスは、Ryzen 5 4500の発熱量を考えれば変更するメリットは薄い。性能が控えめなLightning AH5では、メモリの増量も同じだ。最低限の性能を持つモデルには十分すぎる構成が与えられていると考えるべきだ。
SSDと電源は利便性や安定性、将来性を考えれば一考の価値はある。ただ、ゲームをメインの用途として考える方向けだ。この先、GeForce GTX 1650の性能に不満を持ち、ゲームに関わるパーツを交換する可能性があれば、カスタマイズする意味があるというくらいだ。グラフィックボードを交換すれば、標準の450W 80PLUS BRONZEでは不足するだろう。プレイするゲームの幅が広がればストレージも圧迫する。そうなる未来を想定してのカスタマイズなら悪くないという程度だ。
ただし、そういったことを想定しているなら、カスタマイズではなく標準搭載のモデルを選んだ方がいい。Lightning AH5は、価格を抑えたモデルである。はっきり言えば、そこにしか魅力がない。その魅力を失うカスタマイズは、やはりおすすめはしにくい。仮に行うとしても、どこか一箇所に留めておく方が無難だ。ストレージは外付けで対応可能であるのに対し、電源は交換でしか対応できない。そうなれば、必然的に電源のカスタマイズの優先度が高まる。本当に必要なことであるか、比較の項目にピックアップしているモデルを確認してからもう一度検討してほしい。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
---|---|---|---|
・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz | ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
Lightning AH5はRyzen 5 4500とGTX 1650を搭載したロークラスのモデルだ。ゲーミングPCではなく、ゲームもできる一般向けのビジネスモデルだ。ゲーミングPCとして採用される最低限の性能を有している。ゲーム性能は現行で最も低く、なかなか扱いが難しい。
Apex Legendsは、60fpsでプレイすることに関しては問題はない。ただ、ゲームを有利に進行させる高リフレッシュレートの環境への対応力が低い。本格的にApex Legendsをプレイするにはスペック不足である。これは、同ジャンルのフォートナイトにも言えることだ。144Hz環境なら設定次第で実現できるものの、240Hz環境への対応力は高いとは言えない。やや不安定でも妥協できるなら実現できるラインだろうか。最低限の性能を有するモデルは、標準設定で60fpsを目指すくらいに考えたい。要求スペックが低めのフォートナイトだからこそ240Hzを目指せるのであって、パフォーマンスには不安しかない。
最新のパルワールドに至っては、推奨環境を満たすことができていない。設定が詳細に行えないパルワールドでは、性能の低さがダイレクトに影響する。最低設定で60fpsを目指すのがギリギリだ。今後のアップデート次第では、もう少し余裕を持てるかもしれない。あまり期待ではできないので、最新ゲームは苦手という認識を持ちたい。Minecraftは、今も人気のPCゲームだ。要求スペックが低いので、Modを導入していないバニラ状態ではLightning AH5でも十分快適だ。しかし、グラフィック品質を向上させる影Modなどを導入すると性能不足が顕著になる。最低設定にすれば快適性は維持できるものの、視野の狭さや視認距離の短さで影Modのよさが引き出せない。それどころか、ゲームの進行が極めて難しくなりメリットがない。Minecraftはバニラを基本に、負荷の小さいModの導入をおすすめしたい。
Lightning AH5の性能まとめ
PC初心者の方がスペックを見てもなかなか性能面をイメージすることができないかもしれない。ここでは具体的に当該ゲーミングPCに搭載されているパーツについて解説していく。
Ryzen 5 4500(CPU)
Ryzen 5 4500は、6コア12スレッドのエントリークラスのCPUだ。Ryzen 5 3500の後継モデルとなる。アーキテクチャはRyzen 5 3500と同じZen 2でマイナーチェンジが行われただけだ。Zen 3アーキテクチャ採用のRyzen 5 5500との性能差は大きい。低価格帯のモデルとしては高いマルチスレッド性能を持ち人気がある。ハイパースレッディングに対応となったのは強みになる。
低価格帯のゲーミング用CPUとしては候補に上がることも多いが、Ryzen 5 3600には及ばずあくまでも価格を抑えるためのモデルだと認識しておく必要がある。L3キャッシュ容量が少ないのもパフォーマンスが伸びづらい要因の一つだろう。Intel製CPUに比べるとパフォーマンスで劣る場面も多くゲームプレイをメインに考えている方は注意しよう。
GeForce GTX 1650(GPU)
GeForce GTX 1650は、現行のグラフィックボードでは最も性能が低いモデルだ。従来モデルのGTX 1050と比べると50%も性能が高くなった。ゲームをプレイすることに関しては価格を考えれば優秀な部類で、設定さえ下げれば多くのゲームを快適にプレイすることができる。
一方で、最新のゲームの推奨スペックを満たすのは難しく場合によっては最低設定でも対応しきれないことがある。購入する前は性能についてはよく理解しておいて欲しい。エントリークラスのRyzen 5 3500とのバランスは上々だ。
Lightning AH5の特徴&強み
グラフィックボード搭載の最安値モデル
Lightning AH5 4500搭載の魅力は価格の安さである。ゲームに適したグラフィックボードを搭載した最安値モデルだ。10万円どころか9万円を下回る87,980円で選択できる。価格が唯一の魅力だが、ここ数ヶ月が価格が不安定で5,000円の値上げが適用となってしまった。元々の価格が安いこともあって、価格の変化は1,000円単位で価格変動の幅はそれほど大きくない。
いつでも安価に選べるのが特徴である。初期費用を抑えたい方には心強い存在と言える。その一方で、性能に関してはやや癖があるので初心者の方にはおすすめしにくい。この点は次の項目で詳しく解説している。価格の安さが魅力であっても、価格だけで選んではいけない。想定する用途に対応できなければ意味がない。いかに安いモデルであっても、満足できず買い替えとなれば、高い買い物になってしまう。
PS5やNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機からPCゲームへの移行を考える際に、まず第一の候補に入ってくるのがLightning AH5ではないかと思う。パソコンに慣れていない方ほど、コンシューマーゲーム機と近い価格のモデルを選びがちだ。はっきり言っておくと、PCゲームへの移行でLightning AH5を選択すると高確率で後悔することになる。
繰り返しになるが、Lightning AH5 4500搭載は価格が安いだけのモデルだ。最新のゲームどころか、古いゲームでも快適にプレイできるかわからない。Lightning AH5 4500搭載の持つ特性をよく理解している方でなければ、扱うことは難しい。価格は初心者向けでも、実は上級者向けのモデルである。10万円以下の予算なら他のモデルを選択するべきだろう。
ゲーム性能は現行最低クラス
Lightning AH5 4500搭載の弱みは、その性能の低さだ。CPU・GPU共に旧世代のモデルでゲーミング性能は低い。CPUに採用されているRyzen 5 4500は、Intel製の高コスパモデルであるCore i5-13400と比べて30%以上もゲーム性能が低い。ゲーミングCPUとして見ると心許ない。グラフィックスのGeForce GTX 1650はすでに2世代前のグラフィックボードで、推奨環境を満たせないゲームも多くある。
快適にゲームをプレイするには、かなりの妥協が求められる。これだけ性能が低いと、プレイするゲームを限定しなければいけない。古いタイトルが中心となるだろう。ゲーム用のパソコンとしては汎用性が低く、性能をよく理解しなければならない。初心者の方は価格で選びがちだが、性能や特性を理解した上級者にこそ選んでほしいモデルだ。
人気のApex Legendsやフォートナイトのような対人要素の強いゲームに適した性能とは言えない。FPSやTPSでは解像度を下げた方が安定しやすい。そういった設定や解像度を下げることに抵抗がないことも選択の条件と言える。多少のカクつきでもゲームの進行に影響を与えないようなジャンルのゲームに適している。
GeForce GTX 1650は長らくロークラスで活躍したGeForce GTX 1050 Tiに似た存在だ。コストをかけずに最低限のゲーム性能を有するグラフィックボードだ。GeForce GTX 1050 Tiに比べれば性能は大きく伸びたものの、快適にプレイできるゲームはそれほど増えていない。エントリークラスとしては十分かもしれないが、価格だけで選ぶのは得策ではない。家庭用ゲーム機からの移行は要注意だ。
PCゲームはどういったものかを軽く体験できる程度だ。複数のプラットフォームに対応したゲームでは、プレイステーションの方が遥かに安定する。スペックの低いNintendo Switchからの買い替えならまだ許容範囲だろうか。性能面について理解した上で選んでほしい。
似ているモデルとの比較
ブランド | Lightning | LEVELθ |
---|---|---|
画像 | ||
製品名 | Lightning AH5 | LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE2 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 93,980円 | 99,800円 |
送料 | 3,300円 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | GTX 1650 | RTX 3050 6GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 500GB | NVMe 500GB |
電源 | 450W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | A520 | B550 |
納期 | 最短翌営業日 | 2~7日 |
保証期間 (延長保証) | 1年間 (有償オプションあり) | 1年間 (最長4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEだ。本体価格は5,820円ほど高くなるが、パソコン工房の場合会員登録で送料が無料になる。対して、ドスパラは3,300円かかる。Lightning AH5の購入金額は97,280円となり、価格差は2,520円にまで縮まる。LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEは、グラフィックボードにGeForce RTX 3050 6GBを採用していてゲーム性能でリードしている。
上位のモデルが2,520円で手にできるなら、Lightning AH5を選択するメリットはない。電源容量・チップセットでもLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEがリードしている。Lightning AH5本体に上回る箇所はない。ただ、ドスパラの特徴はパソコン工房より秀でている。納期は最短翌日出荷に対応しており、2~7日かかるLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEよりも速い。基本保証は同じでも延長保証は最長5年間だ。
パソコン工房の4年間よりも1年間長い保証を選択できる。電話サポートはどちらも24時間365日対応している。メーカーとしての特性はドスパラが若干優れている。延長保証はオプションなので費用がかかる。低価格帯のモデルとってはメリットが大きいとは言えない。
納期に関しても、LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEとの差を覆せるものではない。同等の製品であれば、納期が早い方が有利という程度だ。モデルに大きな差をつけられている現状では、これらの要素を加味してもLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEをおすすめしたい。
Lightning AH5のパソコンケースレビュー
正面
ゲーミングPCという印象を受けない。やはり一般用とのパソコンと考えた方が良いだろう。I/Pパネルの一部は全面に配置されている。
右側
本体の右側は何もなくシンプルだ。シンプルなパソコンで特筆すべきところはない。
左側
左側には空気弁が設けられている。ここから空気を取り入れて本体内部を冷やす。
内部
かなりすっきりとした中身となっている。GTX 1650自体がコンパクトなこともあって圧迫感はない。
エアフロー
エアフローの流れをまとめている。前面下及び左サイド部分から吸気を行い、背面から空気を排出する流れだ。多くのPCケースがこのようなエアフローを採用している。
管理人による総評(Lightning AH5)
Lightning AH5 Ryzen5 4500搭載モデルは、Ryzen 5 4500×GTX 1650を搭載したエントリークラスのゲーミングPCだ。コンシューマーゲーム機に近づく価格設定が魅力的だったが、値上げが適用となり評価を落とした。さすがにGeForce GTX 1650搭載モデルで9万円台までになると選びづらい。グラフィックスにGeForce GTX 1650を搭載していることでゲーミング性能は控え目ながら設定次第である程度対応することができる。
特定のタイトルでだけ使うというのがベストな使い方かもしれない。最新タイトルもサクサクとまではいかないのでライトユーザー向けだと言える。初心者の方は性能面をしっかりと理解して選択しよう。比較対象モデルも優秀なので合わせて確認しておくとよいだろう。定期的に千円単位での価格差があることは押さえておこう。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
93,980円 | Ryzen 5 4500 | GTX1650 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |