サードウェーブ（ドスパラ）が販売するLightning AV-Ti5のレビューをしている。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのビジネスPCだ。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの最安値クラスとなる。フルHD環境でのゲームプレイに適している。ビジネスPCということもあってケースデザインはやや落ち着いている。そこにデメリットを感じなければ十分候補に入る。
当ページの目次
Lightning AV-Ti5のスペック解説
| メーカー | サードウェーブ（ドスパラ） |
|---|---|
| ブランド名 | Magnate |
| 製品名 | Lightning AV-Ti5 |
| 価格 | 131,980円（税込） |
| CPU | Ryzen 5 4500（レビュー） |
| グラボ | GeForce RTX 4060 Ti（レビュー） |
| メモリ | DDR5-4800 16GB |
| SSD | 1TB NVMe |
| HDD | 非搭載 |
| 電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
| マザーボード | チップセットH610 |
| 光学ドライブ | 非搭載 |
| カードリーダー | 搭載不可 |
| おすすめ度 | Bランク |
| 評価 | ・コスパ 7.8 —–内訳—– ・ショップ評価 8.9 |
3,000円の値引きが適用となり、コストパフォーマンスの評価は6.7から7.8にまで伸びた。評価だけでもお得なモデルということがわかる。低価格帯のモデルに対する値引きが与えるインパクトは大きい。GeForce RTX 4060 Ti搭載で13万円台は驚異的だ。このままいけば12万円台も夢ではないのではないだろうか。
GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルとしてみれば十分低価格なモデルだ。コストパフォーマンスを意識していなくても、この価格設定は無視できないはずだ。本来ならGeForce RTX 4060搭載モデルやGeForce RTX 3050 6GB搭載モデルの価格帯だ。上位モデルが下位モデルの価格に割って入る。これだけでおすすめする理由になる。ただし、グラフィックボードの性能は優秀でも、CPU性能はかなり控えめだ。
Ryzen 5 4500は性能よりも価格の安さが光るCPUだ。価格を下げられる最大の理由はCPUにあると言える。それだけに、CPU負荷の高い用途には対応しづらく、得手不得手がはっきりしている。この特性をよく理解して選ばなければならない。ゲームはグラフィックボードの性能が重要だが、ゲーム以外の用途はCPU性能が求められる。Lightning AV-Ti5はゲームに特化したモデルと考えて間違いない。
配信や動画編集は苦手なので、これらを想定している場合は注意したい。価格の安さから初心者の方も候補に入れやすいので、こういったデメリットにも目を向ける必要がある。もっとも、現行のCPUの中では性能が低いというだけで、型落ちのCPUと比べて大きく劣るというわけではない。簡単に言えば、何でもできる性能ではなく、妥協が必要となる性能ということだ。131,980円のモデルに高望みし過ぎなければいい。
Lightning AV-Ti5には、マウスとキーボードが付属している。これらは3,000円程度の価値がある。ゲーミングデバイスではないので、そこまで使い勝手はよくないので注意だ。初めてパソコンを購入するなら、ゲーミングデバイスを購入するには、情報も経験も不足しがちだ。自分に合ったマウス・キーボードを見つけるまでのつなぎに使用できる。モニターさえ用意すれば何も追加せずパソコン操作ができるのは強みだ。
すでにマウスもキーボードもあるなら、カスタマイズでそれぞれ500円引きに変更可能だ。つまり、マウスとキーボードなしなら130,980円でLightning AV-Ti5を選択できるということだ。少しでも価格を抑えるために、必要だと思っていながら500円引きを選択することはおすすめしない。なぜなら、マウスとキーボードは1,000円で用意できないからだ。不要なら1,000円引きの方がよいというだけで、必要ならそのまま変更しないことをおすすめする。
おすすめカスタマイズ
- CPU -
- CPUファン –
- CPUグリス ×
- グラフィックボード ×
- メモリ △
- SSD ◯
- 電源 ×
Lightning AV-Ti5は価格を抑えたモデルだ。この価格を活かすためにも、カスタマイズは最低限に留めたい。価格が安い分、個性を出しやすいのでカスタマイズ自体は検討してもいい。カスタマイズし過ぎると、かえって持ち味を失うことになるので、変更するにしても1～2箇所程度が無難だ。基本的には標準構成での選択を検討したい。
CPUグリスはRyzen 5 4500には不要だ。もともとの発熱量が小さいため、冷却効率や冷却性能が向上しても恩恵を受けにくい。CPUファンは変更不可で、仮に変更できてもCPUグリスと同じ理由で変更はおすすめしなかっただろう。グラフィックボードはGeForce RTX 4060 Ti 16GBを選択できるが、変更してもゲームに対するパフォーマンスはほとんど変わらない。高解像度へのアプローチがよくなる程度だろうか。20,000円でカスタマイズするメリットは一切ない。
メモリは32GBへ変更すればそれなりに恩恵を受けられる。GeForce RTX 4060 Tiの性能なら32GBを活かす用途もあるのは間違いない。ただし、Ryzen 5 4500の性能が足を引っ張る可能性がある。ゲーム以外でも32GBが必要な環境に、Ryzen 5 4500が対応できない可能性がある。メモリは必要性を感じたら増設で対応すればいいので、カスタマイズでの変更はあまりおすすめできない。
SSDはカスタマイズを積極的に検討してもよい部分だ。何をするにもストレージ容量が必要になる。1TBへの変更は標準の500GBに比べて単純に2倍というわけではない。パソコンを起動させるシステムに100GB使用すれば、保存できる容量の差は大きくなる。400GBと900GBになれば、その差は2.25倍だ。絶対に保存しなければならないアプリやゲームの数で余裕のある容量は変わる。こういった事情から1TBへのカスタマイズはおすすめだ。
電源は標準の650W 80PLUS BRONZEで問題ない。電源をカスタマイズすると容量に余裕があるので安定しやすくなる。しかしながら、標準の電源でも安定するので、変更するメリットはそれほど大きくない。CPUやグラフィックボードを交換する可能性があるなら考えるくらいだ。購入する前から買い替えを検討するようなことはないはずだ。電源は650W 80PLUS BRONZEで十分だ。
各タイトルの対応表
| Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
|---|---|---|---|
 ・240Hz ・144Hz |  ・240Hz ・144Hz |  ・144Hz ・60Hz |  ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
Lightning AV-Ti5はRyzen 5 4500とGeForce RTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのモデルだ。ゲーミングPCではないが、ゲーミングPCと同じ性能を有している。見た目以外は、ゲーミングPCのミドルハイクラスと全く同じだ。扱いやすく、多くのゲームを快適にプレイできる。CPUとグラフィックボードの性能は低い。最新のゲームをスペック気にせずプレイすることはできない。基本的に最新のゲームは要求されるスペックが高めだ。設定と解像度を下げるくらいに考えておく必要がある。
高い人気を誇るApex Legendsは144fps以上の安定を目指しやすい。設定はそれなりに下げなければならないが、200fps前後は目指せそうだ。240Hz対応モニターも活用できるため、Apex Legendsを本格的にプレイしたい方にもおすすめの性能だ。同じジャンルのフォートナイトも144fpsが目指しやすい。DirectX 11環境であればフレームレートを高められる。DirectX 12の環境では100fps以上程度の安定になる。設定の調整は必須だ。
一時期話題を集めたパルワールドは、快適にプレイするには設定を標準より少し下げた方がいいかもしれない。基本的には60fpsで安定するが、開けた場所では少しフレームレートが落ちる。また、144fpsの安定は少しむずかしい。設定次第で100fps程度は目指せるので、144Hz対応モニターを活用することはできる。今も高い人気を集めるMinecraftは、バニラ状態ならとくに性能に困らない。ただし、経験値タワーやトラップタワーのように、負荷が集中する建物周辺は著しくフレームレートが低下する。影Modのようなグラフィックを向上させるModも苦手だ。あまり多くのModを導入するとカクつきやすくなるので、その点にも注意が必要だ。基本的には性能に問題はない。
Lightning AV-Ti5のゲーミング性能
AMD Ryzen 5 4500（CPU）
CPUはRyzen 5 4500が選択されている。ゲーム性能はそこまで高くない。2024年時点で購入できるCPUの中では一番下だ。従来モデルのRyzen 5 3500と比べて6%程度高い。人気の高いRyzen 7 5700Xと比べると20%以上性能が低くなっている。ゲームプレイにおいて最低限の性能を持つに留まる。
GeForce RTX 4060 Ti（GPU）
グラフィックスにはAda Lovelace世代で人気のGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。従来モデルのGeForce RTX 3060 Tiと比べて15%以上性能が向上している。GeForce RTX 3070に匹敵する性能だ。メインターゲットはフルHD環境だ。高リフレッシュレートに対応できるポテンシャルを持つ。
CPUとGPUのバランス考察
Ryzen 5 4500とGeForce RTX 4060 Tiのバランスはよいとは言えない。性能のバランスよりも価格を重視した組み合わせだ。ある意味で、バランスよりも重要な箇所に力を入れていると言っていい。CPU性能が求められるゲームが苦手なくらいで、基本的にはグラフィックボードの性能が求められる。一部のゲームを除き、苦手という印象はない。あくまでも組み合わせのバランスは指標の一つに過ぎない。参考程度にしてもらえると幸いだ。
Lightning AV-Ti5の特徴
GeForce RTX 4060 Ti搭載最安値クラスのモデル
Lightning AV-Ti5の魅力は、なんと言っても抑えられた価格だ。円安の影響で価格が少し高まっている今、13万円台で選択できるGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルはない。ゲーミングPCではなく、ビジネスPCだからこそ実現できているのではないかと思う。セールモデルや特別モデルよりも明らかに価格が安い。下位グレードであるGeForce RTX 4060搭載のゲーミングPCよりも安価だといえるほどだ。
ゲーミングPCで最も人気がある価格帯は150,000円前後だ。134,979円のLightning AV-Ti5は、その価格帯のゲーミングPCよりも性能が高く選びやすい。1ランク下の価格で、1ランク上の性能を手にできる。多少のデメリットがあっても、選択するメリットのあるモデルと言える。価格の安さは何にも代えがたい特徴だ。
Lightning AV-Ti5は、GALLERIAシリーズよりも露出が少ない。ゲーマーにおすすめしやすいモデルだが、ゲーマーの認知度は高くないように感じる。ゲーミングPCではないから当然と言えば当然である持っている性能はGALLERIA RM5R-R46Tと同じだ。一般向けのケースが採用され、カテゴリが違うだけだ。
人気のあるGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルを13万円台で選択できるのは、現時点でLightning AV-Ti5くらいだ。予算を抑えたい方、初心者の方でも安心して選べるモデルだ。本格的なゲームプレイにも対応できるので、予算が15万円以下の方には有力な選択肢となるはずだ。
Lightning AV-Ti5のコストパフォーマンスがそれほど高くない理由は後述するが、それなりのマイナス要素を持っている。ゲームプレイ自体にマイナスがあるわけではないので、価格が安く扱いやすいモデルだということは理解してもらいたい。
ケースのリニューアルも弱点は変わらず
Lightning AV-Ti5には、少し選びにくくなるデメリットがある。それはCPU性能の低さとPCケースにある。CPU性能が低いことは百も承知かもしれない。GeForce RTX 4060 Tiの性能を最大限引き出せるか危うい場面もある。ただ、Ryzen 5 4500を採用していることで低価格という強みを生み出している。デメリットであり、メリットでもあるのでCPUの特性は知っておこう。
もう一つの弱点であるPCケースは選択をためらう方が多い。それはデザイン性・機能性の低さだ。ゲーミングPCのGALLERIAケースに比べて、明らかに見劣りするデザインだ。派手なLEDもクリアパネルもない。スリムでコンパクトにまとめたケースには拡張性もない。ゲーミングPCらしい見た目を好む方は見向きもしないのではないだろうか。
PCケースは最近リニューアルされ、少しデザインはよくなったように思う。それでも、ゲーミングPCには遠く及ばないのが現実だ。Lightning AV-Ti5は見た目を気にしない方であれば候補になる。中身はゲーミングPCと同じ性能なので、実用性を重視するなら問題ないはずだ。このPCケースには、見た目以外にもう一つ弱点がある。それは外部メディアに弱いということだ。
Lightning AV-Ti5には、光学ドライブもカードリーダーも非搭載だ。以前のLightningシリーズには光学ドライブが搭載されていたが、それもなくなったのはマイナス要素である。多くのゲーミングPCが光学ドライブを採用しなくなり、マルチカードリーダーを採用している。CD-Rではなく、SDカードへの対応を進めている状況にある。
カスタマイズで追加するか、外付けで対応することになりそうだ。使用するかどうかは別として、PCケースには標準となりつつある機能がない。機能性が低いという評価も仕方がない。これらがコストカットで、Lightning AV-Ti5の価格に反映されているならまだ納得はできる。
OSでさえフラッシュメモリで対応する時代だ。外部メディアへの対応がなくても困らないという判断だろう。こういった点でLightning AV-Ti5は、機能性・利便性に落ちる。気にするか気にしないかで評価は一変するので、しっかり把握しておきたい。
似ているモデルとの比較
| ブランド名 | Lightning | LEVELθ |
|---|---|---|
| イメージ |  |  |
| 製品名 | Lightning AV-Ti5 | LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITE |
| サイズ | ミニ | ミニ |
| 価格 | 131,980円 | 139,800円 |
| 送料 | 3,300円 | 2,200円（会員無料） |
| CPU | Ryzen 5 4500 （6コア12スレッド） | Ryzen 5 4500 |
| GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
| メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
| SSD | 500GB NVMe | NVMe 500GB |
| 電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
| チップセット | A520 | B550 |
| 納期 | 最短翌営業日出荷 | 2～7日後 |
| 基本保証 | 1年間 （最大5年延長可） | 1年間 （最長4年間） |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
| レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEだ。価格は7,820円高くなる。ただし、パソコン工房は無料会員登録を行えば送料が掛からない。そのため、送料込みの価格差は4,520円程度にまで詰まる。こうなると、Lightning AV-Ti5の独擅場とは言えなくなる。チップセットとケースデザインに優れるLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEも候補に入ってくる。
少しでも価格を抑えるなら、マウスとキーボードが付属するLightning AV-Ti5をおすすめする。しかし、どちらも予算内で、ケースデザインも重要視するならLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEをおすすめしたい。ゲーミングPCらしい見た目は、一般向けのLightning AV-Ti5との違いを痛感させられる。見た目のよさはモチベーションにもつながるので軽視できない。見た目を重視するかしないかで選択肢はかわる。双方ともに優れたモデルなので、好みで選ぶくらいでいい。
Magnate MVのパソコンケースレビュー
本体正面
Magnate MVではミニタワーケースを採用している。新しいモデルで従来ケースよりも35%小型化されている。
左側面
左側にはやや大きめの吸気口がある。ファンの力を借りて多くの空気を取り入れられる。
内部（左側面）
I/Oパネル
本体前面にI/Oパネルが配置されている。USB 2.0×2基、USB 3.0×2基が搭載されている。Type-Cポートは使用できない。Magnate Xシリーズ（B760） でのみ使用できるようだ。
エアフロー
ミニタワーモデルだ。ビジネス向けモデルということもあって落ち着いたデザインとなっている。一般的なエアフローでゲームプレイにも問題はない。フロントパネルにあるスリットと側面の給気孔から冷たい空気を取り入れる。もっとも性能的にも熱を持ちにくく対応しやすい。
管理人による総評（Lightning AV-Ti5）
Lightning AV-Ti5は、Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060 Ti搭載のビジネスモデルだ。ゲーミングPCと比べるとケースデザインは普通過ぎるかもしれない。もっとも見た目以外で大きなデメリットがあるわけではない。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルで最安値なのは魅力だ。フルHD環境で余裕を持ったゲームプレイが実現できる。CPU性能は控えめながら2024年時点で最低限必要な性能を有している。価格重視するなら悪くないモデルだ。ゲーミングPCらしいモデルを探しているなら比較対象モデルを確認しておこう。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 131,980円 | Ryzen 5 4500 | RTX4060Ti |
| メモリ | SSD | HDD |
| DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |
