マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 3070搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。旧世代のCPUとGPUをうまく合わせることでコストパフォーマンスの高い一台に仕上げられている。少し前までGeForce RTX 3060 Ti搭載モデルが安く販売されていたが、すぐに販売終了となった。当該モデルについてもすぐに購入できなくなるはずだ。購入検討中の方は急いだ方がよいだろう。+7,700円で「ホワイトカラーモデル」を選択できる。価格は少し上がるが、コストパフォーマンスの高いモデルであることに違いはない。
当ページの目次
NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載のスペック解説
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
ブランド名 | NEXTGEAR |
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載 |
価格 | 144,800円(税込) 152,500円/ホワイトカラーモデル |
CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 3070(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ(ホワイトカラーモデル含む) 10.0 —–内訳—– ・ショップ評価 8.9 |
NEXTGEAR JG-A7G70のコストパフォーマンス指標は、最高評価の10.0となっている。旧世代のグラフィックボードを採用し、しっかり価格を抑えたことで高い評価を得た。これぞ旧世代搭載モデルのよさと言えるほど、圧倒的なコストパフォーマンスを武器にしている。NEXTGEARシリーズだからこそ、これだけ優れた評価のモデルを展開できた。多少のデメリットがあっても、コストパフォーマンスの高さでカバーできるだろう。
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カスタマイズについて(おすすめ度)
- CPU ×
- CPUファン –
- CPUグリス △
- メモリ △
- SSD ×
- 電源 ○
NEXTGEAR JG-A7G70の抑えられた価格を活かし、カスタマイズを行うのも悪くない。カスタマイズ費用が割高なので、候補になるのは電源ユニットぐらいだろう。CPUはRyzen 7 5700X3Dが選択できるが、ゲーム以外の用途への対応力が低く、価格に見合っていない。Ryzen 7 5700X3Dに魅力を感じるなら、標準搭載のモデルを探す方がいい。
CPUファンは初期構成で水冷式が採用されており、変更はできない。冷却性能の高さから、CPUグリスの変更は悪くない。Ryzen 7 5700Xの発熱自体はそこまで高くなく、水冷式自体がオーバースペックだ。CPUグリスの交換をしても体感できるほどの差はない。ただ、水冷の冷却効果をさらに高められることから、構成を活かすカスタマイズと言えるだろう。
メモリ容量は32GBあっても困らない。ただし、マウスコンピューターのメモリカスタマイズ費用は価格が高くおすすめしづらい。DDR4-3200 16GBからDDR4-3200 32GBへのカスタマイズ費用は15,400円だ。これなら後から増設した方が安上がりである。
カスタマイズ費用の高さはメモリだけではない。SSDを2TBへ変更する費用も高めだ。他のメーカーでは10,000円程度だが、マウスコンピューターでは25,300円と倍以上の価格設定となっている。割高なカスタマイズ費用から、有用なカスタマイズであってもおすすめしにくい。
電源のカスタマイズは費用が抑えられている。標準で750W 80PLUS BRONZEを搭載し、容量に余裕があるせいか上位の電源を安く選択できる。750W 80PLUS GOLDは3,300円、850W 80PLUS GOLDは11,000円だ。価格的に選択しやすいことから、電源のカスタマイズはおすすめできる。選択肢が2つしかないので、こだわりのある方は満足しにくいだろう。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
---|---|---|---|
・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz | ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
NEXTGEAR JG-A7G70はRyzen 7 5700XとGeForce RTX 3070を搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。旧世代のGeForce RTX 3070は、現行のGeForce RTX 4060 Tiと同等以上の性能がある。扱いやすく、ほぼ全てのゲームの推奨環境を満たせる。Apex Legendsは240fpsを目指せる。ただし、240fpsの張り付きは難しく、200fps以上を維持するくらいに考えたい。設定を少し下げ、比較的負荷の軽い場面では240fpsに到達することがあるくらいだ。最低設定にまで下げれば、より安定して高いフレームレートを稼げるが、それでも240fpsの張り付きは難しい。概ね200fps以上を維持できるため、240Hz環境に適した性能と言える。同じジャンルのフォートナイトは、240fpsに余裕を持って到達できる。フォートナイトをメインにしている方には最適な性能だ。
話題のパルワールドは、推奨環境にメモリ32GBが要求される。そのため、最高設定での安定や高リフレッシュレートは少し難しい。場面、環境によっては100fps以上を維持できる。もう少し設定を細かくできるようになれば、144fpsでの安定もできそうだ。人気のMinecraftは完璧に対応できる。影Modのようにグラフィックの品質を向上させるModは負荷を増大させる。そんな環境でも快適にプレイできる。高リフレッシュレートにも対応できるが、影Modを導入し、視認できるチャンクを広げるとその限りではない。画質を高める分には対応できるため、設定を高くし過ぎないように注意したい。
NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載の性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなど様々なパーツの集合体だ。ゲーミングPCの性能を決める重要な部分はCPUとグラフィックボードの性能だ。この2つのスペックを詳しく見ていく。CPUとグラフィックボードの性能を数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方にとっても直感的にわかりやすいはずだ。
AMD Ryzen 7 5700X(CPU)
NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載ではCPUに第4世代RyzenシリーズのRyzen 7 5700Xを搭載している。8コア16スレッドとゲーム用途において十分なスペックを持つ。ゲーム性能自体はCore i5-13400よりも7%弱低いが、最低限必要な性能は有している。下位モデルのRyzen 5 5600Xと比べて5%程度性能が高い。次世代のRyzen 7 7700Xとの性能差は大きく20%近く劣る結果だ。それでもCore i5シリーズのゲーム性能を持っていると考えれば悪くない。何よりも価格が抑えられているというのが最大の魅力だ。なお、マルチコア性能ではCore i5シリーズと比べて大きく劣る点は理解しておこう。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用したIntel製CPUは強力だ。
当ページでは、Ryzen 7 5700Xの性能レビュー&搭載ゲーミングPCを紹介している。Ryzen 7 5800Xが登場してから1年半の月日が流れて、ようやく下位モデルであるRyzen 7 5700Xがリリースとなった …
GeForce RTX 3070(GPU)
当該モデルではグラフィックスにAmpere世代のGeForce RTX 3070を搭載している。登場時はハイクラスに属していたが、現行モデルとの比較ではミドルハイクラス相当となる。下位モデルのGeForce RTX 3060 Tiと比べて15%以上性能が高い。次世代のGeForce RTX 4060 Tiと同等のパフォーマンスを期待できる。レイトレーシング・DLSSなどの機能についてはGeForce RTX 40シリーズと比べて低くなっているが、純粋なグラフィックス処理性能では引けを取らない。フルHD環境でのゲームプレイがメインターゲットだ。高リフレッシュレートを目指すこともできる。
画像引用元:https://www.zotac.com/ *イメージ 当記事では、GeForce RTX 3070の性能スペックレビュー&おすすめBTOパソコンの紹介をしている。RTX 3080・RTX 3090に次いで …
CPUとGPUのバランス考察
Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 3070は優れたバランスを持っている。このバランスは、CPUの性能がグラフィックボードの性能をどの程度引き出しやすいかの目安だ。フレームレートは意外とCPUの影響を受ける。性能の高いグラフィックボードに対してCPUの性能が低いと、性能の高いCPUと比べて目に見えてフレームレートは低下する。この下がり幅を考慮してのバランスだ。ゲームにもよるところなので、必ずしもこのバランス表通りにはならない。
CPUとグラフィックボード(GPU)のおすすめ構成例を比較して紹介。Intel第13世代CPUやRTX 40シリーズに対応している。ゲーミングPCの購入前に是非参考にしてほしい。
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NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載の特徴
ミドルハイクラスで圧倒的な低価格を実現
NEXTGEAR JG-A7G70の魅力は価格の安さにある。1世代前のグラフィックスであるGeForce RTX 3070を搭載することで、価格を抑えているのが特徴だ。最近のゲーミングPCは、旧世代となるグラフィックボードを搭載しても、価格が抑えられていないモデルばかりだ。1世代前のグラフィックボードでも、現行のグラフィックボードに類似した性能がある。
たとえば、GeForce RTX 3070はGeForce RTX 4060 Tiに近い性能だ。この場合、GeForce RTX 3070を搭載していても、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルと価格がほとんど変わらない。いつからこうなったかはわからないが、旧世代のモデルを選択するメリットは失われつつあった。その中で、NEXTGEAR JG-A7G70は、旧世代搭載で価格を抑え、魅力を最大限引き出したモデルとなっている。
本来、旧世代搭載モデルはお得な選択肢であるべきだ。数年前まで、新世代の登場は旧世代をお得に購入できる最大の買い時でもあった。そんなゲーミングPCの文化とも言えるイベントは、グラフィックボードの価格が高くなることでなくなっていった。旧世代の価格を下げず据え置くことで、新製品が安く感じられる引き立て役のような扱いに変わったからだ。
時には、すぐに入れかえるように市場から消えることも珍しくない。旧世代搭載モデルの印象は悪くなるばかりだったが、NEXTGEAR JG-A7G70はその評価を一変させた。扱いやすく、選びやすいモデルだ。旧世代のモデルとはNEXTGEAR JG-A7G70のように、選択するメリットがしっかりあるものだ。今はGeForce RTX 4060 Tiの価格が高騰しつつある。同等以上の性能を持つモデルが安価に選択できる。
このタイミングだからこそ、NEXTGEAR JG-A7G70の価値は一層高くなっているように感じる。Ryzen 7 5700XとGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルは、16万円台でも最安値クラスとなっている。同等以上の性能がありながら、NEXTGEAR JG-A7G70は14万円台だ。ミドルハイクラスを探しているなら、有力な選択肢となるはずだ。
実用性抜群!今選びたい旧モデル
NEXTGEAR JG-A7G70は、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルと同等以上の性能がありながら、GeForce RTX 4060搭載モデルより安く展開されている。世代落ちと言っても性能は1世代程度なら型番が1つ下がるくらいだ。GeForce RTX 3080ならGeForce RTX 4070 SUPERと同等といった具合だ。GeForce RTX 3070は70番台のハイクラスだ。世代が一つ進むと一つ下がり、GeForce RTX 4060 Tiと同等のミドルハイクラスである。
順当に行けば、次世代のGeForce RTX 50シリーズでは60番台のミドルクラスに並ぶことになる。性能の高いグラフィックボードが長く使えるというのは、耐久性ではなく性能的な意味合いが強い。旧世代だからと言って、持っている性能が下がることはない。高解像度・高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応しやすく、本格的なゲームプレイも実現できる。
実用性は変わらないので、旧世代のモデルは現行の性能と比べて考える必要がある。負荷の高いパルワールドや高リフレッシュレートでのゲームプレイが推奨されるApex Legendsにも適している。ゲームのスペックをあまり気にしなくていいのはNEXTGEAR JG-A7G70の強みだ。価格が近く、世代が新しいGeForce RTX 4060搭載モデルとは性能で差をつけている。これこそ旧世代のモデルに求めているものだ。
現行だから必ずしも優れているわけではない。旧世代の方が性能で上回るグラフィックボードは多くある。GeForce RTX 3070の性能がGeForce RTX 4060 Tiと同等であるように、2世代前ならGeForce RTX 2080 Tiも同じくらいの性能だ。世代だけで性能を判断するのは難しい。このことを理解すれば、NEXTGEAR JG-A7G70がいかに優れたモデルかわかりやすいはずだ。
CPUやグラフィックボードは定期的に新製品が登場する。CPUはマザーボードやメモリの兼ね合いから、新しいモデルの方が有用なことが多い。一方で、グラフィックボードはそうなるとは限らない。もちろんレイトレーシング・DLSSといった機能は最新モデルの方が優れているが、全てのユーザーが重視しているわけではないだろう。
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競合モデルとの比較
ブランド名 | NEXTGEAR | NEXTGEAR |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載 | NEXTGEAR JG-A7G60 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 144,800円 | 149,800円 |
送料 | 無料 | 無料 |
CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
GPU | RTX 3070 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe | NVMe 1TB |
電源 | 750W BRONZE | 750W BRONZE |
マザーボード | B550 | B550 |
納期 | 約11営業日 | 約11営業日 |
保証 (延長) | 3年間 (延長保証なし) | 3年間 (延長保証なし) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
世代が新しい現行のグラフィックボードは、市場価格の影響を受けやすい。一方で、すでに生産が終了しているGeForce RTX 3070は、市場価格の影響を受けにくい。円安のせいか値上げ傾向のあるゲーミングPCにとって、旧世代のグラフィックボードは救世主になりそうだ。NEXTGEARシリーズは価格の安さが特徴だ。そのNEXTGEARシリーズのGeForce RTX 4060搭載モデルよりも安い。
この事実がNEXTGEAR JG-A7G70をおすすめする理由になる。予算が15万円程度であるなら、NEXTGEAR JG-A7G70を強くおすすめしたい。注意点としてはDLSS 3.0のフレーム生成に対応していないことだ。フレーム生成に対応したタイトルでは飛躍的にフレームレートを引き上げられるため次世代のGeForce RT 40シリーズを選ぶ理由になる。
パソコンケースレビュー
「NEXTGEAR JG-A5G1D」のレビューで撮影したケース画像だ。基本的な中身は同じだ。カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評(NEXTGEAR JG-A7G70)
NEXTGEAR JG-A7G70 RTX 3070搭載は、Ryzen 7 5700X×GeForce RTX 3070搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。旧世代のCPUとグラフィックボードを搭載した高コスパモデルとなる。現行のGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルが14万円台で購入できるとなると魅力的だろう。レイトレーシング・DLSSを重視しないなら十分候補に入る。構成もメモリDDR4-3200 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと必要十分だ。しばらくすれば品切れとなるはずなので、購入検討中の方は早めの決断がポイントとなる。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
144,800円 | 7 5700X | RTX3070 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |