画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i9-10900の性能レビュー&ベンチマークをしている。Core i9-10900KやCore i9-10850Kとは違って無印でオーバークロックに対応していないモデルだ。無印モデルは特にコア数を重視したCPU探しをしている方にぴったりだ。10コア20スレッドとマルチスレッド性能の高さが魅力だ。
クロック周波数が抑えられている分省電力性が高いというメリットもある。後継モデルはIntel第11世代のCore i9-11900だ。8コア16スレッドとスペックダウンが図られたがCPUコアの改良もあってパフォーマンスは向上している。動画編集などコア数が有利に働く用途では劣ってしまうこともある。
2022年3月時点でも搭載モデルが販売されている。フロンティアのセールモデルが中心でコストパフォーマンスはまずまずだ。2世代前のCPUでも十分通用すると考えてよい。搭載モデルについては、「Core i9-10900搭載おすすめゲーミングPC」でまとめているので参考にして欲しい。次世代モデルは「Core i9-11900」だ。
Core i9-10900の基本情報
コードネーム | Comet Lake |
---|---|
プロセス | 14nm |
コア/スレッド数 | 10コア/20スレッド |
定格/最大クロック | 2.8 GHz/ 5.2 Ghz |
L3キャッシュ | 20MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年05月20日 |
MSRP | $439 |
中古価格 | 32,980円~ 30,980円/Fモデル |
特徴 | (+) 10コア20スレッドとパフォーマンスが高い (+) Kシリーズよりも省電力性が高い (-) ゲーム性能ではi7シリーズに劣ることがある |
評価 | ・総合評価 6.5 ・ゲーム評価 6.5 |
当ページの目次
Core i9-10900の基本情報
スペック
i9-10900 | i9-10900K | i9-9900 | 9 5900X | |
---|---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | Intel | AMD |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm | 7nm |
コードネーム | Comet Lake | Comet Lake | Coffee Lake | Zen 3 |
CPUコア数 | 10 | 10 | 8 | 12 |
スレッド数 | 20 | 20 | 16 | 24 |
定格クロック | 2.8 GHz | 3.7 GHz | 3.1 GHz | 3.7 GHz |
最大クロック | 5.2 GHz | 5.3 GHz | 5.0 GHz | 4.8 GHz |
TBM 3.0 | 5.1 GHz | 5.2 GHz | - | - |
L3キャッシュ | 20MB | 20MB | 16MB | 64MB |
対応メモリ | DDR4-2933 | DDR4-2933 | DDR4-2666 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD 630 | UHD 630 | UHD 630 | 非搭載 |
CPUクーラー同梱 | ◯ | × | ◯ | × |
TDP | 65W | 125W | 65W | 105W |
MSRP | $439 | $488 | $439 | $549 |
中古価格 | 32,980円~ (30,980円/Fモデル) | 38,980円~ | 36,980円~ | 46,980円~ |
発売日 | 2020/05/20 | 2020/05/20 | 2019/08/09 | 2020/11/06 |
L3キャッシュは20MBと共通だ。Core i9-10900には、Core i9-10900Kと同様に内蔵グラフィックスが搭載されている。Core i9-10900ではCPUクーラーが同梱となっているので、コスト面でも優勢だ。消費電力は65Wと48%程度省電力だ。価格差は$49となっている。
前世代のCore i9-9900が8コア16スレッドだったのでComet Lake世代になってそれぞれ25%引き上げられている。定格クロックは10%ダウン、最大クロックは4%ダウンとなっている。L3キャッシュは16MBだ。対応メモリはDDR-2666と前世代の規格となっている。内蔵グラフィックスは共通だ。価格は同じ$439となっている。
Ryzen 9 5900Xが競合となる。Zen 3アーキテクチャを採用していてZen 2アーキテクチャのRyzen 9 3900Xから進化している。Core i9-10900と比べると物理コアの多さがポイントだ。20%多い12コア24スレッドとなっている。最大クロックは4.8 GHzで、定格クロックは3.7GHzだ。L3キャッシュが64MBと大容量だ。
内蔵グラフィックスは非搭載となっている。CPUクーラーも同梱されていないため別途用意しなければいけない。オーバークロックを考えているならCPUクーラーにはコストを掛ける必要がある。消費電力は105Wだ。価格差はRyzen 9 3900Xよりも$50高くなって$549となっている。
Core i9-10900の中古価格は40,800円だ。上位モデルのCore i9-10900Kとほとんど価格が変わらないため不利な状況だと言える。より高いクロック周波数を実現しているのでワンランク上のパフォーマンスを得られる。旧世代のCore i9-9900は37,800円と少しだけ安い。コア数/スレッド数が8コア16スレッドと少ないことを考えるとCore i9-10900の方が魅力的だろう。
競合モデルのRyzen 9 5900Xは新品で51,980円と少し価格は上がるが、12コア24スレッドと高いスペックを持つ。現行モデルだとCore i5-12400(28,450円)やRyzen 5 5600(27,463円)と同等の性能に留まる。ただし、コア/スレッドは6コア12スレッドとスペックが控えめなため用途によってはCore i9-10900の方がおすすめだ。
総合性能
前世代のCore i9-9900と比べて20%程度パフォーマンスが向上している。Core i9-9900の8コア16スレッドだと現行のCore i7-10700Kと同等だ。10コア20スレッドのパフォーマンスは魅力的だと言える。特に上位モデルになればなるほどゲームだけには留まらず、クリエイターの方向けだという側面がある。
現行モデルで言えばCore i5-12400よりも劣ってしまうのは驚きだ。もちろん10コアというのは強みになるが、総合性能ではCore i5シリーズにも及ばない。次世代モデルのCore i9-11900になると26%程度処理性能が向上している。8コア16スレッドとスペックダウンとなっているが、CPUコアが改良されてより高いパフォーマンスを発揮する。2年の月日が流れてCPU性能の底上げもしっかり行われている。
Core i9-10900の最新評価【2024年】
10コア20スレッドの高性能CPU
Core i9-10900のゲーム性能スコアは24,608だ。4世代前のCPUながら今でも通用する高い性能を有している。次世代のCore i7-11700KやCore i7-11700と近い。2世代後のCore i5-12400と比べると6%程度低いのは驚きだろう。Core i5シリーズも性能の底上げが行われてゲーム適性が向上している。Core i9-10900は10コア20スレッドとスペックが高く有利に働くケースもある。次の世代のCore i9-11900になると8コア16スレッドとスペックが引き下げられているので強みとなる。
ゲーミングCPUとしてのコスパは悪い
製品名 | コア/スレッド | ゲーム性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|
Core i9-11900KF | 8/16 | 26,816 | 41,980 | 0.639 |
Core i9-11900F | 8/16 | 26,742 | 36,980 | 0.723 |
Core i5-12400F | 6/12 | 26,448 | 19,480 | 1.358 |
Core i9-10900K | 10/20 | 24,927 | 38,980 | 0.639 |
Core i7-11700K | 8/16 | 24,902 | 33,980 | 0.733 |
Core i7-11700 | 8/16 | 24,828 | 29,980 | 0.828 |
Core i9-10900F | 10/20 | 24,608 | 30,980 | 0.794 |
Core i5-11600KF | 6/12 | 24,264 | 23,980 | 1.012 |
Core i7-10700KF | 8/16 | 23,773 | 24,980 | 0.952 |
Core i7-10700 | 8/16 | 23,553 | 22,980 | 1.025 |
Core i3-14100F | 4/8 | 23,605 | 15,980 | 1.477 |
コストパフォーマンスの高いCPUとは言えないのが残念だ。Core i9シリーズは価格が下がりづらいという特性がある。同じゲーム性能を持つCore i5-11600Kなら7,000円も安く購入できる。Core i5-12400も価格が安くコストパフォーマンスが高い。もっともコア・スレッド数が異なるのでゲームによってはCore i9-10900が有利になることもある。また、動画編集や画像編集などのクリエイティブ作業を考えているならコアが多い方が有利だ。
Core i9-10900の特徴&注意点【2020年時点】
10コア20スレッドの高パフォーマンスモデル
Core i9-10900は、10コア20スレッドの高パフォーマンスなCPUだ。前世代のCore i9-9900では8コア16スレッドなので、2コア増えたというのはインパクトが大きい。物理コアが多いということは動画編集・エンコード・写真編集・CGレンダリングなどを考えている方におすすめだ。プロフェッショナルの方であればこのハイパフォーマンスモデルを最大限活かせるということになる。
ゲーム用途においては8コア16スレッドがベストだと言われているので、10コア20スレッドというメニーコアによるメリットは小さい。実際、ゲーミング性能ではCore i7-10700Kに劣ることもあるぐらいだ。ゲーミングPCでの選択を考えているならCore i7シリーズを検討するとよい。ただし、Core i9-10900搭載モデルがかなり安く手に入るのであればその限りではない。
Core i9-10900と比較されることの多いCPU一覧
型番 | コア/スレッド | 性能 |
---|---|---|
Core i9-10900K | 10/20 | ★★★★☆ |
Core i9-10900 | 10/20 | ★★★★☆ |
Core i9-10850K | 10/20 | ★★★★☆ |
Core i7-10700K | 8/16 | ★★★★☆ |
Core i7-10700 | 8/16 | ★★★☆☆ |
Ryzen 9 5900X | 12/24 | ★★★★★ |
Ryzen 7 5800X | 8/16 | ★★★★☆ |
Ryzen 9 3900X | 12/24 | ★★★★☆ |
”K”シリーズと比べて省電力性が高い
Core i9-10900は、末尾に「K」を冠したCore i9-10900KやCore i7-10700Kと比べて消費電力が抑えられているのが特徴だ。電源ユニットなどについて余裕を持って選択することができる。ミニタワーケースでもカバーできそうだ。Comet Lake世代のCPUは全体的に消費電力が高いためこれは大きなメリットとなる。
パフォーマンス面を見ると消費電力が抑えられていることからKシリーズよりも劣ることがある。下位モデルであるCore i7-10700Kと比べても不利な立場だ。省電力性を取るのか、パフォーマンスを取るのかあなたの想定している用途に合わせて選択したい。
マイナーだが一部BTOパソコンが販売されている
Core i9-10900自体非常にマイナーなCPUとなっている。特にBTOパソコンになると搭載モデルがほとんどない。それでもパソコン工房・フロンティアなどで少しだけラインナップが用意されています。サイコムではカスタマイズで選択することが可能だ。やはり中上級者向けのCPUだと言えるだろう。
やはりゲーミングPC用CPUとしてメインとなるのはCore i9-10900KやCore i7-10700となる。より高みを目指したいならフラグシップモデルのCore i9-10900Kがおすすめだ。消費電力が高い分高いパフォーマンスを得られる。Core i7-10700は、Core i9シリーズよりも価格が抑えられているが、ゲーミング性能だけで言えばCore i9シリーズと同等だ。
Core i9-10900のゲームベンチマークまとめ
フルHD及びWQHD環境でのフレームレートを計測している。Core i9-10900はパワーリミットが設定されていて、このリミットを無制限にするとパフォーマンスが向上する。しかし、初心者の方向けとは言えないため箱から取り出したままの状態での計測だ。フレームレートがCore i7-10700Kに劣ってしまうことがあるのはこのパワーリミットの影響だと言える。ゲームプレイだけを考えるならCore i7-10700KやCore i7-10700でも満足のいく数値になると結論付けた。
Borderlands 3
Shadow of the Tomb Raider
Far Cry 5
その他アプリケーションのベンチマーク
実生活を想定した様々なアプリケーションでのベンチマークを計測した。これらのアプリケーションでもゲームと同じようにパワーリミットの影響を受けて思うようにスコアが伸びていない。価格相応のパフォーマンスを得るにはパワーリミットを調整する必要がある。その点からも初心者向けとは言えない。
Cinebench R20
Handbrake
Puget Systems Adobe
Core i9-10900搭載おすすめゲーミングPC
フロンティアの台数限定モデルでCore i9-10900F搭載モデルが販売されている。10コア20スレッドと高スペックを活かしてゲームプレイ+αで考えている方におすすめだ。なお、末尾のFは内蔵GPU非搭載モデルであることを意味する。グラフィックボードを搭載することが一般的なゲーミングPCにおいては価格が抑えられるFシリーズは十分だ。
GAシリーズ FRGAH570/WS973/NTK
CPU:Core i9-10900F
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:850W GOLD
Core i9-10900F×RTX 3070搭載のゲーミングPCとなっている。税込21万円台なら選択するのも悪くない。RTX 3070は高解像度への適性の高いグラフィックボードで将来性も高い。WQHD環境でのゲームプレイを考えている方やフルHD環境で高リフレッシュレートを実現したい方におすすめだ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も充実している。メモリ32GBというのはややオーバースペックだが、クリエイター作業まで考えているならメリットとなる。電源ユニットは850W GOLDを採用していて万全だ。
GHシリーズ FRGH570/WSB
CPU:Core i9-10900F
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:1000W電源 80PLUS GOLD
サイドクリアガラスパネルを採用したケースデザインが秀逸だ。ハイエンドクラスのRTX 3080を搭載したゲーミングPCとなっている。コストパフォーマンスは良好だ。RTX 3080に合わせるにはCore i9-10900Fではやや物足りなさがある。ボトルネックとはなりにくいもののやはり最低でもCore i9-10900K以上を選択したいのが本音だ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も抜群だ。電源ユニットは1000W GOLDを採用している。
G-Master Mace H470(サイコム)
CPU:Core i9-10900 +40,200円
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4 16GB +3,880円
SSD:480GB
HDD:非搭載
電源:650W GOLD
サイコムではカスタマイズで選択することができる。Core i9-10900を選択した場合DDR4-2933メモリを選択する必要がある。合計で44,080円アップだ。グラフィックボードにはミドルクラスのGTX 1660 SUPERを搭載している。もちろんグラフィックボードのアップグレードをすることも可能だ。電源ユニットは650W GOLDとなっている。クリエイター向けとしてもぴったりだ。
LEVEL-R049-iX9-TASH(パソコン工房)
CPU:Core i9-10900
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:480GB
HDD:2TB
電源:700W BRONZE
RTX 3070×Core i9-10900搭載のゲーミングPCだ。高解像度でのゲームプレイを考えている方向けだと言える。ミドルタワーで拡張性・機能性が高い。メモリ16GB、SSD 480GB、HDD 2TBと構成も充実している。最近はシングルストレージが多いので、ダブルストレージ採用モデルというのは高評価だ。電源ユニットは700W BRONZEとなっている。
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