cpungpubalance
初心者を惑わすことが多いCPUとGPUの組み合わせ・バランスについて具体的な例を交えて解説していく。BTOパソコンの購入を考えている方から自作PCを組みたい方まで参考にしていただけると幸いだ。BTOメーカーで販売されているモデルの中にはCPUとグラフィックボードのバランスが悪い製品があるので初めてBTOパソコンを購入するという方は注意が必要だ。ボトルネックが発生してグラフィックボードの性能を100%引き出せなくなってしまう。バランスが悪いからといってゲームができないわけではないので、安心して欲しい。何らかのメリット(基本的には価格)があって意図してバランスを崩している場合もあるかもしれない。

それでも何も知らないよりはバランスについて理解していれば失敗することはなくなるだろう。バランスがいいのか悪いのかをある程度判断できるように当サイトが考えるおすすめの組み合わせを紹介しようと思う。CPUはメインストリーム全体でみると数十種類が存在している。しかしながら、実際はゲーミングCPUとしての括りで考えると数はかなり限られている。ドスパラなどのBTOショップで販売されているゲーミングPCを見ると数種類しかないということがわかるはずだ。

ゲーム用途に優れたグラフィックボードに関しても、同様のことが言える。過去の製品についてはページの最下部でまとめている。Intel第13世代/第12世代/第11世代/第10世代/第9世代/第8世代/第7世代/第6世代、GeForce RTX 2000番台/GTX 1000番台/GTX 900番台/GTX 700番台のバランスを知りたい方は参考にして欲しい。AMD製CPU及びGPUについてもまとめている。




CPUとGPUのバランス表【2025年最新】

CPU・グラボ組み合わせ表の見方

各組み合わせにおけるバランスを評価している。☆/◎/◯/△/✕という順に評価が低くなっていく。基本的には「☆」・「◎」の組み合わせを選択するべきだろう。もちろんCPU・GPUの特性を理解しているならその限りではない。別ページでCPUの性能比較表及びグラフィックボードの性能比較表をまとめているので合わせて確認していただければ有益だろう。

GeForce RTX 50シリーズ

CPU/GPU RTX5090 RTX5080 RTX5070Ti RTX5070 RTX5060Ti 16GB RTX5060Ti 8GB RTX5060 RTX5050 RTX3050 6GB
Core Ultra 9 285K ×
Core Ultra 9 285 ×
Core Ultra 7 265K × ×
Core Ultra 7 265 ×
Core Ultra 5 245K × ×
Core Ultra 5 235 × × ×
Core Ultra 5 225 × × ×
Core i9-14900K ×
Core i9-14900 ×
Core i7-14700K
Core i7-14700
Core i5-14600K
Core i5-14500 × × ×
Core i5-14400 × × ×
Core i3-14100 × × × ×
Ryzen 9 9950X3D × ×
Ryzen 9 9900X3D × ×
Ryzen 7 9800X3D × ×
Ryzen 9 9950X × ×
Ryzen 9 9900X × ×
Ryzen 7 9700X
Ryzen 5 9600X
Ryzen 5 9600
Ryzen 5 9500F
Ryzen 7 7800X3D × ×
Ryzen 7 7700X
Ryzen 7 7700
Ryzen 5 7600X × × ×
Ryzen 5 7600 × × ×
Ryzen 5 7500F × × ×
Ryzen 7 5700X3D ×
Ryzen 7 5700X × × ×
Ryzen 5 5600X × × ×
Ryzen 5 5500 × × ×
Ryzen 5 4500 × × ×

Radeon RX 9000/RX 7000シリーズ

CPU/GPU RX9070XT RX9070 RX9060XT 16GB RX9060XT 8GB RX9060 RX7900XTX RX7900XT RX7800XT RX7700XT RX7600 RX6600 RX6500XT RX6400
Core Ultra 9 285K × × ×
Core Ultra 9 285 × × ×
Core Ultra 7 265K × ×
Core Ultra 7 265 ×
Core Ultra 5 245K
Core Ultra 5 235 × × ×
Core Ultra 5 225 × × ×
Core i9-14900K × × ×
Core i9-14900 × × ×
Core i7-14700K ×
Core i7-14700 ×
Core i5-14600K
Core i5-14500 ×
Core i5-14400 × ×
Core i3-14100 × × × × ×
Ryzen 7 9800X3D × × × × × × ×
Ryzen 9 9950X × ×
Ryzen 9 9900X × ×
Ryzen 7 9700X ×
Ryzen 5 9600X
Ryzen 5 9600
Ryzen 5 9500F
Ryzen 7 7800X3D × × × × ×
Ryzen 7 7700X
Ryzen 7 7700
Ryzen 5 7600X
Ryzen 5 7600
Ryzen 5 7500F × ×
Ryzen 7 5700X3D × ×
Ryzen 7 5700X × ×
Ryzen 5 5600X × × × × × ×
Ryzen 5 5500 × × × × × ×
Ryzen 5 4500 × × × × × ×




ゲーミングPCおすすめ構成ランキング

ゲーミングPCで人気のおすすめ構成をまとめている。ドスパラ・マウスコンピューター・パソコン工房・フロンティアなど大手BTOメーカーを中心にピックアップした。「管理人厳選!!ゲーミングPCおすすめランキング」をチェックして欲しい。今はRyzen 9000シリーズ/Ryzen 7000シリーズが人気だ。特に3D V-Cache搭載モデルに注目が集まる。

1位:Ryzen 7シリーズとGeForce RTX 5070

コスパ イメージ 製品名(公式) レビュー 価格 CPU GPU メモリ SSD 電源
10.0 Magnate-G MTW12th Lightning-G AF7W レビュー 209,980 7 7700 RTX5070 16GB 500GB 750W(G)
調査中 LEVEL-M17M-144F-SLX LEVEL-M1A6-LCR78D-TK4X 準備中 239,800 7 7800X3D RTX5070 16GB 500GB 650W(B)
9.7 NEXTGEAR JG-A7G6T NEXTGEAR JG-A7G70 7700搭載 レビュー 219,800 7 7700 RTX5070 16GB 1TB 750W(B)
9.3 NEXTGEAR JG-A7G6T NEXTGEAR JG-A7G70 7800X3D搭載 レビュー 239,800 7 7800X3D RTX5070 16GB 1TB 750W(B)
調査中 GALLERIA RM7R-R46 5700XInsight View GALLERIA XA7R-R57 7700 準備中 273,380 7 7700 RTX5070 32GB 1TB 750W(G)

今Ryzen 7 7700搭載モデルが熱い。旧世代とはいえZen 4アーキテクチャ採用でゲーム適性が高い。高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応できる。AM5プラットフォームは将来性が高く長く使い続けられるというメリットもある。次世代のRyzen 9000シリーズだけではなく、その後登場する新世代モデルでも対応可能だ。Ryzen 7 7800X3Dはゲーム特化型のモデルだ。価格は上がるが、選択する価値はある。ハイクラスのGeForce RTX 5070との相性もばっちりだ。

2位:Ryzen 7シリーズとGeForce RTX 5060

コスパ イメージ 製品名(公式) レビュー 価格 CPU GPU メモリ SSD 電源
調査中 LEVEL-M17M-144F-SLX LEVEL-M1P5-R57X-RK4X 準備中 139,800 7 5700X RTX5060 16GB 500GB 650W(B)
8.1 Magnate-G MTW12th Lightning-G AV7XW レビュー 154,980 7 5700X RTX5060 16GB 500GB 650W(B)
10.0 NEXTGEAR JG-A7A6X NEXTGEAR JG-A7G60 レビュー 149,800 7 5700X RTX5060 16GB 1TB 750W(B)

昨今のメモリ価格高騰の影響もあり注目されている組み合わせだ。15万円前後の予算で購入できるのが魅力といえる。GeForce RTX 5060は王道のミドルクラスモデルでフルHD環境でのゲームプレイに最適だ。Ryzen 7 5700Xとのバランスもいい。

3位:Ryzen 7シリーズとRadeon RX 9070 XT

コスパ イメージ 製品名(公式) レビュー 価格 CPU GPU メモリ SSD 電源
調査中 FRGHLB760WSA FRGHLMB650/WS1129 準備中 279,800 7 7800X3D RX9070XT 32GB 2TB 850W(P)
10.0 FRGHLB760WSA FRGHLMB650/WS1127 レビュー 296,800 7 9800X3D RX9070XT 32GB 2TB 850W(P)
8.3 newNEXTGEAR-minileft NEXTGEAR JG-A7A7X レビュー 289,800 7 7800X3D RX9070XT 16GB 1TB 850W(G)
調査中 GALLERIA-newcase GALLERIA XDR7A-97XT-GD 準備中 384,980 7 9800X3D RX9070XT 32GB 1TB 1000W(P)

Radeon RX 9070 XTは、AMD Radeon RX 9000シリーズの上位モデルとなる。NVIDIA製GeForce RTX 5070 TiとGeForce RTX 5070の間でGeForce RTX 5070 Ti寄りの性能を持つ。Ryzen 7シリーズ特に3D V-Cache搭載モデルとの組み合わせが人気だ。コストパフォーマンスも良好だ。この組み合わせが発売された直後は即完売となったほどだ。

4位:Core i7/Ultra 7シリーズとGeForce RTX 5070

コスパ イメージ 製品名(公式) レビュー 価格 CPU GPU メモリ SSD 電源
調査中 LEVEL-M17M-144F-SLX LEVEL-M17M-147F-TK4X 準備中 229,700 i7-14700F RTX5070 16GB 500GB 650W(B)
7.1 GALLERIA-newcase GALLERIA XPC7A-R57-GD レビュー 294,980 7 265F RTX5070 16GB 1TB 750W(G)
調査中 G-GEAR GE7J-D242B G-GEAR GE7J-G250/BH 準備中 285,800 7 265K RTX5070 32GB 1TB 750W(G)
調査中 G-TUNE-DG-I5A6X9060xt16gb-sleft G TUNE DG-I7G70 準備中 299,800 i7-14700F RTX5070 32GB 2TB 750W(B)

Core i7シリーズ/Core Ultra 7シリーズとGeForce RTX 5070と組み合わせたモデルだ。特にCore i7-14700Fは価格が下落傾向にあり今が狙い目だ。次世代のCore Ultra 7 265F搭載モデルも増えてきている。ゲーム性能はCore i7-14700Fに劣るものの総合力は高い。2025年9月に生まれ変わった最新のGALLERIAシリーズではIntel製CPUはCore Ultraシリーズ2に限定されている。メモリ価格高騰の影響で全体的に価格が上がっている。




CPU・GPUとの様々なバランス例

バランスがよい場合

まずはバランスがよいCPUとGPUの組み合わせを考えてみよう。例えば、CPU「Ryzen 7 9700X」の処理容量を1,000、GPU「GeForce RTX 5070 Ti」の処理容量を同じく1,000とした場合を考える。(ここでいう容量とは、性能と置き換えてもよい)。仮に、GeForce RTX 5070 Tiに800の負荷がかかったとすれば、CPUにかかる負荷も同じく800である。その調子で1,000まで引き上げても問題ない。つまりこのケースは、バランスがよく、お互いの性能をしっかりと引き出せている理想の形である。この状態がもっとも高いフレームレートを期待できるということだ。今回は便宜上1,000と1,000で数値を合わせたが、厳密には完璧なバランスを取ることは難しいという点は押さえておいてほしい。

少し異なるケースを見ていこう。今度は容量800のCPU(仮にRyzen 7 7700としておく)と、容量1,000のGeForce RTX 5070 Tiの組み合わせではどうか。 このケースでも理論上800の負荷には耐えられるので、ゲームプレイ自体には問題がない。ただし、CPUにかかる負荷は許容量のMAX(限界)となっている点は理解しておく必要がある。つまり、GPU側にはまだ余裕があるのにCPUが限界を迎えてしまい、性能をすべて引き出しきれないため、ベストな組み合わせとは言えなくなるのだ。

バランスが悪い場合(ボトルネック)

容量500しかないCPU(Ryzen 5 9500Fなど)と、容量1000のGeForce RTX 5070 Tiを組み合わせるとどうだろうか。CPUに500の負荷がかかった時点で、GeForce RTX 5070 Tiも500の負荷で止まってしまい、GeForce RTX 5070 Tiの性能には余裕があっても、それ以上を引き出せなくなってしまうのだ。これこそが、CPUがボトルネックとなってグラフィックボードの性能を引き出せなくなっている状態だ。(該当のページではより詳しくCPUがボトルネックになった場合のフレームレートの差を検証している。)

性能の高いグラフィックボードに対して、バランスの取れていない(性能の低い)CPUを搭載してしまうと、釣り合いが取れずにそれぞれの長所を活かしきれない。パーツの性能を最大限に引き出すためには、この「バランス」が重要だ。もちろん、厳密に言えばCPUとGPUにかかる負荷は同一のものではなく、メモリなどの性能にも左右される。今回の数値はあくまで簡潔に分かりやすく例えただけで、原理としてはこういうものだと思っておいてほしい。

CPUとGPU、双方が重要なパーツであることは間違いない。しかし、予算が限られているならグラフィックボードに優先して投資するほうが、高いフレームレートを実現しやすいのも事実だ。そのため、あえてボトルネックを許容するケースもある。 例えば、「Ryzen 5 9500F×GeForce RTX 5070 Ti」と「Ryzen 7 9700X×GeForce RTX 5060」を比較した場合、前者の方がゲーミング性能は高くなることが多いからだ。

特殊なバランス関係の例

基本的に、高性のバランスはグラフィックボードに合わせるべきである。ゲームプレイ時のフレームレートに与える影響が最も大きいのは、グラフィックボードだからだ。そのため、グラフィックボードの性能を最大限に引き出せるCPU選択が重要となる。では逆に、CPU性能が高く、グラフィックボードの性能が低い場合はどうだろうか。結論から言えば、この場合はゲームプレイにおいて「悪いバランス」にはならない。

例えば、1,000の容量を持つCPUと500の容量を持つグラフィックボードの組み合わせで考えてみよう。500の負荷がかかった時点で、グラフィックボードは限界を迎える。CPU側にはまだ余裕があるが、グラフィックボードの性能自体は100%引き出せているため、ゲーミングPCとしての役割は十分に果たせるのだ。

つまり、「ゲームだけをするならCPUの性能はもう少し低くても良い(オーバースペックである)」という意味ではコストパフォーマンス的なバランスは悪いが、動作に悪影響が出るわけではない。むしろ、CPUはゲーム以外の用途でも使用することの多いパーツなので、性能が高いこと自体はマイナスにはならない。 例えば、ゲーム実況の配信や動画編集など、クリエイター作業を中心に行うなら、CPUに余裕があるこの構成は理想的な組み合わせと言えるかもしれない。




CPUにも意識を向けてみよう

CPUは表に出てこない縁の下の力持ち

CPUは、いわば「表に出てこない縁の下の力持ち」だ。ユーザーからはその働きが見えづらいためか、グラフィックボードに比べると軽視されがちである。「ゲーミングPC=グラフィックボード」というイメージを持っている方も多いのではないだろうか。しかし実際には、CPUはゲームにおいて演算関係全般を実行するという非常に重要な役割を担っている。具体的には、シューティングゲームで飛び交う銃弾の弾道計算、MMORPGでのモンスターやプレイヤーの位置座標、そしてゲーム全般における「当たり判定」など、その処理は多岐に渡る。

グラフィックボードは、CPUが計算したそれらのオブジェクトの上に、テクスチャなどの描写を貼り付けていく役割となる。そのため、まずは土台となるCPUがしっかりしていないと、カクつきの根本原因を解消することはできないのだ。かつては、グラフィックボードの飛躍的な進化に対し、CPUの成長が追いついていない時期もあった。しかし、Intel第12世代CPUで「ハイブリッド・アーキテクチャ」が採用されたことは大きなプラスとなった。一気に性能が底上げされ、現在の高性能なグラフィックボードともバランスが取りやすくなったと言える。

以前から「ゲームのカクつきはCPUが原因であることが多い」にも関わらず、グラフィックボードばかりを重要視する声は今も時折聞こえてくる。 もちろんグラフィックボードも重要だが、その性能を最大限に引き出すためには、CPUの性能も底上げしていかなくてはならない。CPUの処理能力が追いつかないと、そこがボトルネックとなり、高価なグラフィックボードが無駄になってしまうからだ。必要なスペックは、プレイするゲームの規模や負荷によって大きく異なる。

例えば、作りこまれたマップで3,000人が同時に動く大規模MMOと、簡素で小さなマップで20人が動くゲームとでは、CPUにかかる負荷が圧倒的に違うことは想像できるだろう。2013年のGTX 700番台、2015年のGTX 900番台の登場以降、グラフィックボードの性能は飛躍的に伸び、ユーザーはより高い描画性能を手にしやすくなった。 その結果、「グラフィックボードさえ良ければいい」という時代は終わり、「進化したグラフィックボードを活かすために、CPUも重視する」というバランス重視の時代になったと言えるだろう。

古いタイトルでもCPU性能が重要な事がある

負荷の高い最新ゲームだけでなく、古い2Dゲームをプレイする場合にもCPU性能は重要となる。現在のグラフィックボードは主に3Dグラフィック等の処理に長けており、古い2D処理に関しては最適化されていないケースも少なくない。そのため、高性能なグラフィックボードを搭載していても、相性によっては動作が重くなったり、ラグを感じやすくなったりすることがある。

2DゲームにおいてはCPUのシングルコア性能などが重要となり、基本的にはCPU内蔵GPU(iGPU)で十分対応できる。 注意点は、Intel製CPUの末尾「F」付きモデルや、内蔵グラフィック非搭載のRyzenシリーズを選ぶ場合だ。これらは映像出力機能を持たないため、別途グラフィックボードが必須となる。一方、古い3Dゲームであれば、CPU性能よりもグラフィックボードの性能が重視される傾向にある。ただし、カクつきやラグの根本原因はCPU側にあることも多いため、決して軽視してはいけない。

ジャンルごとの傾向を見てみよう。 MMORPGのように大人数が参加するオンラインゲームにおいては、「CPU = グラフィックボード」という対等なバランスが求められ、全体的にハイスペックなパソコンが必要になってくる。対して、少人数かつ狭いエリアで戦う競技性の高いFPSでは、グラフィックボードの負荷よりもCPUの演算速度がボトルネックになりやすい傾向があり、グラフィック設定を下げればミドルスペックのグラフィックボードでも十分なフレームレートが出せるとされている。フォートナイトでの検証を見れば明らかだ。CPU性能が高いモデル(3D V-Cache搭載モデルなど)の方がフレームレートが伸びやすい。

3Dゲームでは、グラフィック設定を上げて描写が美しくなればなるほど、画面上に表示されるオブジェクトの数や、背景の描写距離も増えてくる。そうなると演算処理にかかる負担も増大するため、「グラフィック設定の向上は、グラフィックボードだけでなくCPUへの負荷増加も意味する」のだ。ゲーム内設定で「描写距離」を短くするなど、CPU負荷が高い項目を調整して軽量化できるゲームも多い。しかし、描写距離を落とすことで遠くの敵が見えなくなるなど、対戦で不利に働く場合もある。画質や有利不利に不満を抱えながらプレイするのは、本来の快適なゲームプレイとは言えないだろう。

CPUとGPUのバランスを追求したいなら自作がよい

今はもう、自作PCに「安さ」を求める時代ではなく、「こだわり」を求める時代である。いわゆる「ロマン」の追求だ。特に、CPUとGPUのバランスを徹底的に自分好みにしたいなら、自作の方が適している場合がある。BTOメーカーのラインナップは売れ筋の構成に最適化されていて選択肢が狭い。例えば「Ryzen 9 9950X3Dを搭載しながら、グラボはあえてエントリークラスにする(動画編集特化など)」といった極端な構成や、「Core i3-14100」などのローエンドCPUを搭載したゲーミングモデルは選択肢がないと考えてよい。

コストパフォーマンス最優先で、お得にゲーミングPCを手に入れることだけを考えるのであれば、自作よりもBTOメーカーなどの専門ショップで購入したほうが断然お得である。大量にパーツを入荷して組み上げるショップでは、パーツ一つ一つの仕入れ単価が圧倒的に安い。一般ユーザーが自作でその価格を実現することは不可能に近いからだ。価格が安いことで品質を疑問視するユーザーもいるが、ドスパラなどの大手BTOメーカーでは、使用しているパーツの多くが信頼性の高い市販品(またはそのOEM版)であるため、過度な心配は不要だ。

「カスタマイズできる部分が少ないほど価格が安く、自由度が高いほど価格が高くなる」というのがBTOショップの大きな特徴である。こだわりを捨ててコスパを取るなら「パッケージ化されたBTO」、細部までこだわり抜くなら「自作」。 この住み分けを理解していれば、失敗することはなくなるだろう。もちろん、中にはカスタマイズ性が低いのに価格が高いというショップも存在するため、購入前の価格チェックは怠らないようにしてほしい。




過去のCPU&GPUバランス表アーカイブ

過去に作成したCPUとグラフィックボードのバランス表をまとめている。現在の指標と計算方法が異なるので、参考程度に見ていただければと思う。

  • AMD Radeon RX 6000シリーズ 2025/01/18更新!!
  • rtx40series-balance

  • AMD Radeon RX 6000シリーズ 2024/07/25更新!!
  • rx6000seriesbalance

  • Intel第13世代/Ryzen 5000シリーズ 2024/07/25更新!!
  • intel13thcpungpu

  • GeForce RTX 30シリーズ 2023/05/13更新!!
  • rtx30seriesbalance

  • Intel第12世代 2023/01/04更新!!
  • intel12thbalance

  • GeForce RTX 20シリーズ 2022/04/13更新!!
  • rtx20balance

  • Intel第10世代 2021/04/08更新!!
  • 2021cpugpubalance

  • Intel第10世代 2020/03/26更新!!
  • CPUGPUhikakuhyou2020-08

  • Intel第9世代 2020/03/26更新!!
  • CPUGPUhikakuhyou

  • GeForce GTX 10シリーズ 2019/06/17更新!!
  • cpungpu201811

  • Intel第8世代 2018/05/12更新!!
  • cpugpubalance

  • Intel第7世代CPU 2017/03/25更新!!
  • cputogpu2017

  • Intel第6世代CPU 2016/12/23更新!!
  • cpugpu