フロンティアが販売するFRONTIER GAシリーズFRGAG-B550/WS824のレビューをしている。Ryzen 5 5600X×RTX 4060搭載のゲーミングPCだ。価格を抑えつつも一定の性能を維持したミドルクラスのモデルである。Ryzen 5 4500ではなくワンランク上のRyzen 5 5600Xを搭載しているのがポイントだ。
今はあまり見かけないCPUだが、実用性に長けていてミドルクラスとして十分過ぎる性能がある。この価格でこの性能を持つモデルはない。フロンティアのセールモデルだからこそと言ったモデルに仕上がっている。予算を抑えたゲーミングPC探しをしている方は必見だ。
当ページの目次
FRGAG-B550/WS824のスペック解説
ブランド名 | FRONTIER |
---|---|
製品名 | FRGAG-B550/WS824 |
価格 | 125,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 5600X(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 512GB |
電源 | 600W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 9.6 ・構成 6.5 ・品質/サポート 8.5 ・総合評価 8.2 |
コストパフォーマンスの評価が9.6と非常に高いことに注目して欲しい。15万円以下のモデルはコストパフォーマンスの評価が伸びにくい傾向にある。7.0を超えれば十分と言える。構成の評価が6.5と標準的なことを考えても、突き抜けて価格が抑えられているということだ。
低価格なモデルは構成も価格がどこのショップも似たようなものになりやすい。それだけに、コストパフォーマンスの評価で9.0を超えるようなモデルは滅多に見かけない。総合評価8.2にしても、この価格帯のモデルではなかなかお目にかかれない。数値だけで語るものではないが、数値だけ見ても異常なまでのモデルであることがわかる。
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
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・4K ・WQHD | ・240fps ・144pfs | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
FRGAG-B550/WS824はRyzen 5 5600XとRTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。CPUとGPUのバランスがよく、ゲームも作業もそつなくこなすことができる。Apex Legendsやフォートナイトは設定次第で240Hz環境に対応可能だ。高解像度はあまり得意ではないものの、ゲームによってはWQHD解像度でプレイできる。よく言えば無難な性能である。ライバルとなるCore i5-13400Fよりも汎用性は下がる。もちろんそれが価格に反映されているので評価自体は悪くない。
FRGAG-B550/WS824のゲーミング性能
Ryzen 5 5600X(CPU)
Core i7-12700 | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 7 5800X | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i7-11700 | |
Ryzen 5 5600 | |
Ryzen 5 3600X | |
Core i5-11400 | |
Ryzen 5 4500 |
当該モデルに搭載されているのは第4世代のRyzen 5 5600Xだ。登場が2020年11月と古めのCPUとなる。6コア12スレッドと今となっては少し平凡なスペックのCPUだ。Ryzen 5 4500に対しては30%以上高い処理性能を有している。一方で、競合のIntel第13世代Core i5-13400に20%近く引き離されている。
その分だけ価格を抑えやすく、Ryzen 5 5600Xは価格を抑えつつ、扱いやすい処理性能を有したCPUとして人気があった。現在はRyzen 5 5600Xを搭載したモデルは減少傾向にある。Ryzen 5 4500とCore i5-13400Fに対して、性能も価格も中間であることから、中途半端な立ち位置になりやすいことも影響していそうだ。FRGAG-B550/WS824のように、価格をしっかり抑えきれるモデルにとっては強力なCPUになる。
GeForce RTX 4060(GPU)
RTX 4070 | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 4060 | |
RX 7600 | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 SUPER |
GeForce RTX 4060は2023年5月に登場したグラフィックボードだ。ミドルクラスの性能を有し、一世代前のRTX 3060の後継機だ。RTX 3060は非常に高い人気を誇り、長らく多くのゲーマーに選ばれてきたグラフィックボードだ。性能はRTX 3060とRTX 3060 Tiの中間で、消費電力はRTX 3050と同等となっている。
性能の向上よりも、ミドルクラスらしい進化を遂げている。省電力化が進むと搭載する電源容量を抑えられ、価格を抑えることにもつながる。小さいながらも性能は伸びており、60番台らしい成長の歩みを感じられる。扱いやすく、選びやすいという特性も引き継いでいる。まずはRTX 4060を中心にグラフィックボードを検討しよう。
FRGAG-B550/WS824の特徴まとめ
価格と性能を両立させたモデル
FRGAG-B550/WS824はRTX 4060を搭載したゲーミングPCの中で、最も価格が安いモデルの一つである。近い価格のモデルは存在するが、その多くがRyzen 5 4500搭載だ。Ryzen 5 5600XとRyzen 5 4500では性能に大きな差がある。このことから、RTX 4060搭載最強クラスのモデルと言っても過言ではない。低価格・高コストパフォーマンスを実現しながら、実用性にも長けたモデルだ。
価格を抑えるならRyzen 5 4500搭載が当たり前となっている中で、Ryzen 5 5600Xを搭載してRyzen 5 4500搭載モデルよりも安く展開している。これができるのは、FRGAG-B550/WS824がフロンティアのセールモデルだからだろう。セールモデルなだけに、常時販売されている他ショップのラインナップより優れていて当然だ。
しかし、FRGAG-B550/WS824はその当然の枠を超えたモデルだ。Ryzen 5 4500とRTX 4060で125,800円は安いが、他製品でも同等のモデルを輩出することはできる。仮に11万円台で展開できていたとしても、価格しか強みのないモデルだった。もちろん、価格が安いだけでもセールモデルとしては十分ではある。
価格で勝負するモデルは、価格で並ばれたり近づかれたりすると一気に不利になりやすい。Ryzen 5 4500ではなくRyzen 5 5600Xを搭載して、しっかり価格を抑えられているFRGAG-B550/WS824は唯一無二の存在だ。価格でも性能でも勝負できるモデルは、おそらく他ショップから登場することはない。Ryzen 5 5600Xを搭載しているということが、FRGAG-B550/WS824の評価を高めている。
性能は高いが価格も高いあるいは性能は低いが価格も安いとこれらの特性を持つモデルはどこのショップにもある。FRGAG-B550/WS824も突き詰めて言えば性能は低く、価格は安いに属するモデルだ。ただ、低いと言われる性能の中では比較的高い性能とも言える。性能と価格を両立しつつ、圧倒的に選びやすいモデルだ。
弱点も無駄もない優秀なモデル
FRGAG-B550/WS824の強みは価格の安さだ。それと同時に、CPUに高パフォーマンスのRyzen 5 5600Xを搭載していることで、この価格帯では見られない性能も有している。性能と価格が強力であることが最大の特徴だ。こうなると、構成が弱点になりやすが、FRGAG-B550/WS824の構成は標準的だ。構成に関して過剰なところも不足しているところもない。
必要な部分に必要な分だけあり、弱点と言える箇所がない。低価格を実現しているモデルには、どこか妥協した構成が基本となりつつある。FRGAG-B550/WS824にはその妥協が見られない。その一方で、構成に特徴を持たせているところもない。基本に忠実などこにでもありそうな構成だ。
それでも価格を抑えているところに、FRGAG-B550/WS824の凄さがある。価格が高ければ過剰な部分があり、価格が安ければ不足しているところがあるものだ。過不足のない構成は、無駄だけを削ぎ落としたかのようだ。FRGAG-B550/WS824は他製品には決して真似のできないモデルと言える。
類似した製品が登場しないということは、フロンティアのセールモデルでしか成し得ないということだ。予算が12万円前後あるいは15万円以下であるなら、FRGAG-B550/WS824よりも優れたモデルはない。Ryzen 5 5600XとRTX 4060の組み合わせ自体、少し珍しいものというのもある。
それをRyzen 5 4500とRTX 4060の組み合わせと同等以下の価格で展開している。これだけで、選択する理由になるほどだ。この価格帯の弱点はCPUが弱いことだった。Ryzen 5 5600Xを搭載したことで、その弱点をも克服した、この価格帯最高峰のモデルと言えるだろう。
他社メーカーのモデルと比較
ブランド | FRONTIER | NEXTGEAR |
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イメージ | ||
製品名 | FRGAG-B550/WS824 | NEXTGEAR JG-A5G60 |
ケース | ミドル | ミニ |
価格 | 125,800円(税込) | 129,800円(税込) |
送料 | 3,300円(税込) | 無料 |
基本保証期間 | 1年間 | 3年間 |
サポート | 10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) | 24時間365日 |
CPU | Ryzen 5 5600X | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 512GB | NVMe 1TB |
電源 | 600W BRONZE | 750W BRONZE |
マザボ | B550 | B550 |
公式 | 公式 | 公式 |
比較対象はマウスコンピューターのNEXTGEAR JG-A5G60だ。価格差は4,000円でNEXTGEAR JG-A5G60の方が少し高いが、送料がかからないので実質の価格差は700円となる。それでいて基本保証期間が3年間で24時間365日の電話サポート付きだ。初心者の方にとってはサポートも手厚いNEXTGEAR JG-A5G60の方が選びやすいかもしれない。
両モデルの大きな違いはCPUだ。NEXTGEAR JG-A5G60ではCPUに廉価モデルであるRyzen 5 4500を搭載している。性能的にはFRGAG-B550/WS824で採用されているRyzen 5 5600Xの方が上だ。同じ6コア12スレッドでもアーキテクチャが異なり大きな差があると考えてよい。
ストレージについてはNEXTGEAR JG-A5G60の方が多く1TBとなる。電源容量も150W多く余裕がある。もっとも性能的には600W BRONZEでも問題ない。パソコン自体の評価はFRGAG-B550/WS824でも、全体で見るとNEXTGEAR JG-A5G60も侮れない。どちらも優れたモデルなので、自分に合う方を選んでほしい。
GAシリーズケース詳細
正面
ケースは黒色と白2022年11月18日に登場したばかりの新しいミドルタワーケースだ。色の2種類から選択することができる。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体上部に集約されている。ヘッドセット接続端子×1、USB Type-A×2、USB Type-A 3.2 Gen1×2と十分な端子を持つ。
底面
底面にはメッシュ加工が施されていてしっかりと排熱を行える仕組みがある。最近はCPU・GPUの性能が上がり熱対策が急務となっている。まさに今の時代に合ったケースだと言えるだろう。
管理人による総評(FRGAG-B550/WS824)
FRGAG-B550/WS824は、フロンティアの期間限定セールの対象モデルだ。Ryzen 5 5600X×RTX 4060搭載で性能帯最安値のモデルだ。他ショップでは15万円台をようやく切るような構成で、12万円台中盤という圧倒的な低価格を実現している。これぞセールモデルといった非常に選びやすいモデルである。エントリークラスとしても選びやすく、コアなゲーマーにも受け入れられる性能は魅力的だ。
予算が15万円以下であるなら、FRGAG-B550/WS824は有力な候補に入るはずだ。この価格帯でRyzen 5 5600XとRTX 4060を搭載したモデルは登場しない。フロンティアのセールモデルだからこそのモデルだ。単純に安いだけではなく、価格以上の優れた性能がある。この価格帯のモデルは消去法でのおすすめになりやすが、FRGAG-B550/WS824は胸を張っておすすめできるモデルだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
125,800円(税込) | Ryzen 5 5600X | RTX4060 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 512GB | 非搭載 |