当ページでは、ドスパラのフラグシップモデル「GALLERIA ZA9C-R80T」のレビューをまとめている。グラフィックボードにはRTX 2080 Tiを搭載していて2020年7月時点で購入できる最高峰のパフォーマンスを持つ一台(SLIなど特殊な環境を除く)となっている。
税込30万円という価格は購入するユーザーを選ぶはずだ。それでもその高い性能に満足せざるを得ないだろう。予算に余裕がある方やゲーミングPCの性能にこだわりを持ちたいと考えている方は必見だ。
当ページの目次
GALLERIA ZA9C-R80Tスペック
ブランド名 | GALLERIA |
---|---|
製品名 | ZA9C-R80T |
価格 | Windows 10 / 279,980円 |
CPU | Core i9-10850K |
グラフィックボード | GeForce RTX 2080 Ti |
メモリ | DDR4-2933 16GB |
SSD | NVMe 1TB |
HDD | 非搭載 |
電源 | 750W GOLD |
マザーボード | チップセットZ490 |
コスパ | ★★★★★★★★☆☆7.5 |
各タイトルの対応表
X4:Foundations | PUBG | 黒い砂漠 | FF14 | Fortnite |
---|---|---|---|---|
![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ | ![]() ★★★★★ |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
GALLERIA ZA9C-R80Tのゲーミング性能
GeForce RTX 2080 Ti(グラフィックボード)
現行トップクラスのCPUであるCore i9-10850Kを搭載したモデルに対して、グラフィックボードでバランスが取れるのはRTX 2080 Tiのみだろう。CPUと同じく「世界最速」の肩書を持つグラフィックボードだ。価格も高いが性能については不足はない。
その高い性能は今後数年先までトップであり続けられるはずだ。一方で、高すぎる性能はオーバースペックになりやすい。フルHDでのゲームプレイだけでは性能が無駄になってしまう。240hzを超える高リフレッシュレートを実現するならぜひとも導入したい。こだわりのゲーム環境を構築したいゲーマーの方は必見だ。
Core i9-10850K(CPU)
Core i9-10850Kは、2020年5月に登場した最新のCPUだ。10コア20スレッドと高い性能を持っている。Core i9-10900Kの廉価モデルとしてラインナップに加わった。個人的にはRTX 2080 Tiに対してはCore i9-10900Kをあわせたいというのが本音だ。
第10世代に最適化されたゲームでは突き抜ける性能を発揮する。タイトルによっては最適化がされておらずCore i7-9700KやCore i9-9900Kと同等のパフォーマンスになる。ゲーム以外でのアプリケーションの使用時などには突き抜けた性能を発揮できるので、Ryzenのような特性を持つと考えるとわかりやすい。
総合性能
話題のCore i9-10850Kを採用し、注目度の高まるモデルだ。従来モデルと比べてCPUが変更されただけで基本的な用途は変わらない。RTX 2080 Tiを搭載していることでゲームを快適にプレイする事にかけては最も適している。そのGPU性能に対してバランスの取れるCPUは第10世代のCore i9シリーズのみだ。最高の環境でゲームをプレイしたいハイエンドゲーマーにおすすめな性能だ。
一方で、フルHDを基本とするユーザーにとっては、恩恵の受けにくい性能でもある。RTX 2080 Tiは4K解像度を前提とするほど高いパフォーマンスを有している。フルHD環境ではRTX 2070 SUPERとあまり変わらないタイトルも多い。もちろん現行最強クラスの性能はそれだけ長く使用できるということもである。数年はスペックに困らず買い替えを検討しなくてよくなる。
最初の費用は高くてもこれだけの性能があれば、耐用年数で考えればミドルクラスよりもお得かもしれない。製品寿命をコストパフォーマンスに組み込むとハイエンドモデルはトップクラスだ。性能の高さはゲームへの対応力そのものである。RTX 2080 Tiでスペック不足になるまで10年以上かかる。
長く使えるという意味では随一のCPU性能とGPU性能だ。メモリ容量は賛否が分かれるところだ。この性能なら32GBを目指してほしかった。4Kが前提の性能ならメモリ容量は重要なポイントだ。最高峰の性能を最大限引き出した状態では16GBと32GBでは快適性に差が出る。カスタマイズの余地を残した構成は、トップモデルまであともう一歩というところだろう。
GALLERIA ZA9C-R80Tの概要&特徴
1万円の値下げで従来モデルに追いつく
GALLERIA ZA9C-R80Tについて、Core i9-10900KからCore i9-10850Kへ変更された分の値下げが少し遅れて適用された。1万円の値下げはCPUの変更分を収める妥当な値引きだ。この値引きで従来のGALLERIA ZZと同じ価格にまでなった。GALLERIAシリーズの後継機の中では最も早く従来と並んだモデルとなった。
問題は、GALLERIA ZZ自体の評価がそこまで高くなかったということだ。価格が並んだだけでは物足りなさがある。ハイエンドモデルは高価になることが当たり前で、1万円の値引きによる恩恵が小さい。GALLERIA ZA9C-R80Tは従来に並んだだけでは売れ筋モデルになるには厳しいモデルだ。人気モデルはそれでよくても、選ばれにくいハイエンドモデルは特徴でアピールしなければならない。
構成が統一されたGALLERIAシリーズでは特徴を出しにくい。できるとすれば価格を下げて最安値モデルにしたり、コストパフォーマンスを重視したりするくらいだ。GALLERIA ZA9C-R80Tにしかない要素がなければ候補に入るのも難しい。最高峰のGPU性能を誇るRTX 2080 Ti搭載モデルは構成でしか個性を出しにくい。GALLERIA ZA9C-R80Tは優れた構成であっても、特別な構成ではない。
最上位モデルからすると凡庸な構成とも言える。税抜25万円を超えるモデルは突出した性能に、圧倒的な構成があってこそ輝く。コストパフォーマンスではなく、どれだけ充実しているかが求められがちだ。従来モデルに価格が追いついても製品自体の評価が高くなるわけではない。
評価されるためには構成面で大きく上回るか、評価は高くなくても唯一と言える特徴が必要だ。逆に言えばこれらの強みがあればゲーマーに選ばれるのがハイエンドだ。王道で行くにしても、変化球で行くにしても中途半端さがある。無難なモデルと言えなくもないので、選択肢としては悪くないのかもしれない。ただ、おすすめはしにくい。
RTX 2080 Tiに合わせるにはi9-10850Kは役不足?
性能に関してRTX 2080 Ti搭載モデルのCPUに廉価モデルであるCore i9-10850Kを組み合わせることは必ずしもメリットにならない。最上位モデルに限りCore i9-10850Kはマイナス要素と捉えられることもあるということだ。RTX 2080 Tiを選択するユーザーは頂点の性能を望んで選択していることが多い。高価なRTX 2080 Tiを選択するのだから当然である。そのGPUに対して性能ではなく価格が優秀なCore i9-10850Kはベストとは言えない。
ハイエンドモデルでコストパフォーマンスを求めるならRTX 2080 SUPER搭載モデルを選択すべきだ。RTX 2080 Tiは性能の高さこそが最大の魅力である。組み合わせるCPUも相応の性能が求められる。Core i9-10850Kを搭載するのであれば、RTX 2080 TiとCore i9搭載最安値クラスでなければ意味がない。価格は特別安くなく、性能も最高峰ではない。
性能もコストパフォーマンスも中途半端であることがGALLERIA ZA9C-R80Tにとって大きなマイナスとなっている。ただし、それは今だけの問題でもある。現在のGALLERIAシリーズは新ケース採用で価格が高く設定されている。このケース価格が落ち着き、キャンペーンやセールが適用されると最も選びやすいRTX 2080 Ti搭載モデルとなる可能性がある。Core i9-10850KはRTX 2080 Tiの性能を引き出すことはできる。
総合的な面でCore i9-10900Kに劣っていても実用面では通用する。それは価格が伴って初めて意味を成すことだ。まだ本格的な値引きやキャンペーンが適用されていないGALLERIA ZA9C-R80Tには可能性がある。現時点ではおすすめできなくても、近い将来評価を一変するような変化が適用されるはずだ。Core i9-10850Kを搭載することによるデメリットをメリットが上回る日が来れば一気に人気モデルになる。それまでは様子を見るべきだろう。
似ているモデルとの比較
ブランド名 | GALLERIA | G-Tune |
---|---|---|
イメージ | ![]() | ![]() |
製品名 | ZA9C-R80T | TD-P |
価格 | 279,980円 | 278,300円 |
CPU | Core i9-10850K | Core i9-10900K(水冷) |
GPU | RTX 2080 Ti | RTX 2080 Ti |
メモリ | DDR4-2933 16GB | DDR4-2666 32GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 512GB |
SSD2 | 非搭載 | SATA 512GB |
HDD | 非搭載 | 4TB |
電源 | 750W GOLD | 800W TITANIUM |
マザーボード | Z490 | Z490 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
この圧倒的な差を覆すことは至難の業だ。ただ、G-Tune TD-Pよりも2万円以上安くなれば少し変わってくる。この価格帯の2万円は小さくても、予算の都合を考えると大きい。税込み30万円以下のモデルになれば選択の余地はある。G-Tune TD-Pを始め、アップグレードはできても価格の下がるダウングレードが出来ないモデルは多い。価格が安いということはそれだけで強みになる。
多少構成で劣っていても、価格差で覆せない差であっても選択肢に加えられることは十分考えられる。真っ向からの比較では勝負にならなくても、価格が下がる可能性の高いGALLERIA ZA9C-R80Tは期待できる。RTX 2080 TiにカスタマイズしたG-Tune TD-PはRTX 2080 Ti搭載モデルの中でもトップクラスのモデルだ。
現在はG-Tune TD-Pをカスタマイズしたモデルをおすすめしている。しかし、GALLERIA ZA9C-R80Tの価格が税抜25万円台になれば評価は変わるかも知れない。しっかりした性能を持ち、価格が抑えられたハイエンドモデルは貴重だ。GALLERIA ZA9C-R80Tを選択する際は価格に注意してほしい。
パソコンケースレビュー
正面
新しいケースはユーザー目線に立ったモデルだ。GALLERIAのロゴが真ん中に位置している。吸気口が正面下部から両サイドに変わり排熱効率が大幅にアップしている。グラフィックボードなどのパーツの高性能化による発熱量をカバーするのに十分だ。
正面-LED
ゲートのようにLEDが張り巡らされていてオシャレだ。ソフトウェアからカラーを任意で変更することが可能だ。デザイン自体はコンセプトカーや工業プロダクトデザインを得意とするデザインハウスが担当している。無骨なデザインからより万人受けするデザインになったと言える。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体の上部に斜めに配置されている。USB端子も豊富で利便性が高い。ゲーミングヘッドセットを使う際にもコードが曲がらず使い勝手がよい。天板にものを置くことも可能だ。
サイド
本体サイドには吸気口が見える。また、クリアガラスパネルを採用していてゲーミングPCらしさが演出されている。高級感のあるデザインは評価も高い。
管理人による総評(GALLERIA ZA9C-R80T)

Core i9-10850Kを搭載したゲーミングPCが早速登場した。Core i9-10900KからCore i9-10850Kへのダウングレードで1万円の値引きが適用となった。ドスパラは最新パーツの導入が早いのが魅力だ。グラフィックボードにもフラグシップモデルのRTX 2080 Tiを搭載していてゲーミング性能について文句の付け所がない。4K解像度や240Hzリフレッシュレートモニターを活かすのに最適だと言える。コストパフォーマンスを考えると上々だが、やはりフラグシップモデルにはCore i9-10900Kをあわせたい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
279,980円 | Core i9-10850K | RTX2080Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |
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