msi-GeForce RTX 4060 Ti GAMING X TRIO 8G画像引用元:https://jp.msi.com/ *イメージ

当記事では、GeForce RTX 4060 Tiの性能スペックレビュー&おすすめゲーミングPCの紹介をしている。2023年5月24日にAda Lovelace世代における60番台の第一弾モデルがリリースされた。Ampere世代で人気の高かったGeForce RTX 3060 Tiの後継モデルだ。GeForce RTX 4060 TiのメインターゲットはフルHDでのゲームプレイとなる。多くのユーザーにとってちょうどよい性能を持つモデルだと言えるだろう。当サイトのおすすめランキングでもGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルが人気だ。

上位モデルのGeForce RTX 4070が発売されてからおよそ1ヶ月後の発売だ。なお、2023年7月にはGPUメモリ容量が倍の16GB搭載のGeForce RTX 4060 Ti 16GBが発売された。GPUメモリ容量以外のスペックは8GBモデルと共通だ。クリエイター作業などGPUメモリへの負荷が高い用途での使用におすすめだ。BTOパソコンにおいては16GBモデルは割高でコストパフォーマンスは8GBの方が高い。ゲームプレイにおいて高解像度でのゲームプレイを考えているならGeForce RTX 4060 Ti 16GBを待つよりも上位モデルのGeForce RTX 4070を選択する方がよい。搭載モデルについては、「GeForce RTX 4060 Ti搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。

GeForce RTX 4060 Tiスペック

世代Ada Lovelace
プロセス5nm
CUDAコア4,352
ベースクロック2310 MHz
ブーストクロック2535 MHz
GPUメモリGDDR6 8GB
TDP160W
MSRP$399
国内価格57,800円~ *2024/12時点
発売日2023/05/24
よくわかる!!GeForce RTX 4060 Tiの特徴まとめ

  • (+)RTX 3070と同等のグラフィックス処理性能を持つ
  • (+)省電力性に長けている
  • (+)RTX 3060 Tiと同じMSRP(定価)を維持している
  • (-)GPUメモリ周りのスペックがやや控え目
  • (-)大幅に性能がアップしたわけではない

GeForce RTX 4060 Tiの基本スペック

GeForce RTX 3060 Tiと比較

RTX 4060 TiRTX 4070RTX 3060 Ti
コードネームAda LovelaceAda LovelaceAmpere
GPUAD106AD104GA104
プロセス5 nm5 nm8 nm
ダイサイズ190.0 mm²295.0 mm²392.5 m㎡
トランジスタ数229億358億174億
SMs3446
38
CUDAコア数435258884864
RTコア数34基46基38基
Tensorコア数136基184基152基
ベースクロック2310 MHz1920 MHz1410 MHz
ブーストクロック2535 MHz2475 MHz1665 MHz
GPUメモリGDDR6 8GBGDDR6X 12GBGDDR6 8GB
メモリクロック18.0 Gbps21.0 Gbps14.0 Gbps
メモリバス128 bit192 bit256 bit
メモリバス帯域幅288.0 GB/s504.2 GB/s448.0 GB/s
L2キャッシュ32 MB36 MB4 MB
FP32 Compute22.06 TFLOPS29.15 TFLOPS16.20 TFLOPS
TDP160W200W200W
補助電源1x 16-pin1x 16-pin1x 12-pin
バスインターフェイスPCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16
MSRP$399$599$399
国内価格57,800円86,800円*35,980円
ゲーミングPC価格159,800円~194,800円~144,800円~
発売日2023/05/242023/04/132020/12/02
*中古価格

GeForce RTX 4060 Tiは、AD106を採用したAda Lovelace世代のグラフィックボードだ。上位モデルであるAD104よりも一回り小さいものが採用されている。RTX 3060 Tiが70番台のRTX 3070と同じGPUを採用していたのとは異なる。実はこのAD106はモバイル向けのRTX 4070 Mobileと共通だ。RTX 4060のダイサイズは190.0m㎡とRTX 4070よりも36%小さい。トランジスタ数も36%少なく229億だ。

SM数は12個少なく34基だ。フルスペックのAD106では36基のSMを搭載しているので、2基が無効化されているということになる。CUDAコア数も26%少なく4,352に留まる。RTコア及びTensorコアもそれぞれ26%減だ。ベースクロックはRTX 4060 Tiの方が23%高く、ブーストクロックもRTX 4060 Tiの方が2%高い。RTX 4070よりも発熱などでの余力があるということだろう。実測値ではどちらのモデルももう少し高くなる点を補足しておく。

メモリ周りはRTX 4070と差別化が図られていてワンランク落ちる。RTX 4070ではGDDR6X 12GBを搭載しているのに対して、RTX 4060 TiではGDDR6 8GBが搭載されている。メモリクロックはRTX 4070よりも14%遅く18.0 Gbpsだ。メモリバスも192 bitから128 bitへとダウングレードされている。結果的にメモリバス帯域幅は288.0 GB/sとRTX 4070よりも43%程度狭い。L2キャッシュはRTX 4070よりも4MB少ない。FP32 Computeは24%少なく22.06 TFLOPSだ。

TDPはRTX 4070よりも20%少なく160Wとなる。補助電源は1×16-pinと共通だ。バスインターフェースもPCIe 4.0 x16と同じだ。価格差は$200でRTX 4060 Tiの方が安価だ。実売価格では23,000円の差がある。搭載ゲーミングPCの価格でも20,000円程度の差がある。総合的に見てRTX 4070よりもツーランクもスペック・パフォーマンスを落としたモデルだ。RTX 4070と同じAD104を採用していれば結果も違っただろう。

Ampere世代のRTX 3060 Tiと比較していく。RTX 3060 Tiで採用されているGPUはGA104だ。RTX 3060 Tiのプロセスは8nmで5nmプロセスのRTX 4060の方が小さい。ダイサイズは392.5m㎡でRTX 4060では半分以下だ。トランジスタ数は32%増えて229億だ。SM数はおよそ10%少なく38→34へと減少している。CUDAコア数も4,864→4,352へと少なくなった。RTコア及びTensorコアもSM数に依存するため減少している。

CUDAコアの少なさはクロック周波数の高さで補う形だ。RTX 4060 Tiは、RTX 3060 Tiと比べてベースクロックが64%高く、ブーストクロックも53%も高い。これもTSMC 4Nプロセスノードの恩恵だ。GPUメモリはGDDR6 8GBと変更されていない。メモリクロックこそ29%高くなったもののメモリバスは半減の128 bitだ。メモリバス帯域幅288.0 GB/sとRTX 3060 Tiよりも36%狭い。

なお、NVIDIAの公式ニュース(NVIDIA, 2023)によると、32MBのL2キャッシュのおかげで554.0 GB/sのAmpere世代のGPUと同様のパフォーマンスを発揮するということだ。つまり、実質のメモリバス帯域幅ではRTX 3060 Tiを20%以上上回る。L2キャッシュを増やしてヒット率を上げることでGPUメモリへの負荷も小さくなるというメリットがある。

FP32 Computeは37%高くなった。RTX 4060 TiのTDPは160Wで、RTX 3060 Tiと比べて20%減で省電力性の高さが光る。補助電源は1×12-pinから1×16-pinへと変更されている。バスインターフェースはPCIe- 4.0×16と共通だ。MSRPは$399と維持されている。実売価格はほとんど変わらずすでに世代交代が進んでいそうだ。RTX 3060 Tiが発売から2年半も経過していることを考えると妥当だろう。RTX 3060 Tiについては搭載ゲーミングPC価格も下落傾向だ。

RTX 4070 Mobileと比較

RTX 4060 TiRTX 4070 Mobile
プラットフォームPCモバイル
コードネームAda LovelaceAda Lovelace
GPUAD106AD106
プロセス5 nm5 nm
ダイサイズ190.0 mm²190.0 mm²
トランジスタ数229億229億
SMs3436
CUDAコア数43524608
RTコア数34基36基
Tensorコア数136基144基
ベースクロック2310 MHz1395 MHz-
2070 MHz
ブーストクロック2535 MHz1695 MHz-
2175 MHz
GPUメモリGDDR6 8GBGDDR6 8GB
メモリクロック18.0 Gbps16.0 Gbps
メモリバス128 bit128 bit
メモリバス帯域幅288.0 GB/s256.0 GB/s
L2キャッシュ32 MB32 MB
FP32 Compute22.06 TFLOPS15.62 TFLOPS
TDP160W80W-115W
補助電源1x 16-pin-
バスインターフェイスPCIe 4.0 x16PCIe 4.0 x16
価格$399-
ゲーミングPC価格159,800円~239,800円~
発売日2023/05/242023/01/03

実はRTX 4060 Tiは、モバイル向けのRTX 4070 Mobileと同じGPUを搭載している。SM数が36基→34基と2つが無効化されている。つまり、RTX 4070 MobileになりきれなかったGPUの再利用ということだ。CUDAコアも5%少なく4352に留まる。RTコア及びTensorコアも5%少ない。同じGPUを使用していてデスクトップ向けモデルの方がCUDAコア数が少ないのはRTX 4060 Tiが初めてだ。RTX 4060 Tiの評価が高くならないのはこういったところにも要因があるのかもしれない。

クロック周波数はベースクロック・ブーストクロック共に高くなっていてここにデスクトップモデルの強さが現れている。モバイル向けモデルは消費電力などの制約があるので不利だ。メモリ周りもメモリクロックが11%抑えられていて結果的にメモリバス帯域幅も11%狭い。FP32 ComputeはRTX 4060 Tiの方が40%以上大きい。TDPもRTX 4060 Tiの方が最大で2倍高い。RTX 4060 Tiは、RTX 4070 Ti Mobileよりも性能は高いが、使用しているGPUがフルスペックではないのは残念だ。

搭載モデルになるとRTX 4070 Mobileは価格が跳ね上がってしまう。冷却システムの構築などにコストが掛かるのだろう。販売台数がそれほど多くないことも価格高騰に影響しているのかもしれない。一方で、RTX 4060 TiはCPU次第でかなり安く購入可能だ。コストパフォーマンスではデスクトップ向けモデルが優勢だ。

GeForce RTX 4060 Tiの特徴&強み

RTX 3070と同等のゲーミング性能を持つ

RTX 407034,914
RTX 3080 10GB34,282
RX 680030,479
RTX 3070 Ti29,957
RTX 307028,194
RTX 4060 Ti 16GB28,061
RTX 4060 Ti28,036
RTX 2080 Ti26,552
RX 6700 XT25,895
RTX 3060 Ti24,213
RTX 306020,322
RTX 2060 SUPER19,366
RTX 206017,012
GTX 1660 SUPER14,113

GeForce RTX 4060 Tiは、Ampere世代のGeForce RTX 3070と同等のゲーミング性能を持つグラフィックボードだ。メインターゲットはフルHD(1920×1080)となる。2023年4月時点のSteam統計では64.52%のユーザーがフルHD環境でゲームをプレイ(Steam, 2023)している。つまり、RTX 4060 Tiは多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となる。それはAmpere世代の60番台であるRTX 3060 TiやRTX 3060から引き継いでいる形だ。前評判は芳しいとは言えないがそこまで悪いモデルではないように思う。RTX 4060 Ti 16GBとの性能差はほとんどないと考えてよい。ゲームプレイだけなら8GBモデルで十分だ。

従来モデルのRTX 3060 Tiと比べて15%程度処理性能が高くなった。Radeon RX 6700 XTと比べても8%程度上回っている。WQHD・4K環境とより高解像度になるとRTX 3070に劣ってしまうことがあるもののフルHD環境では上回る。60番台のモデルとしての役割を果たしているが、飛躍的に性能が向上しているわけではないので現在RTX 3060 TiやRTX 3070を所有している方が買い替えを検討しない方がよい。RTX 2060 SUPERやGTX 1060などを現在所有している方が対象だ。もっともDLSS 3.0を目的としているなら候補に入れてもよいかもしれない。

省電力性が高い

RTX 4060 Ti135
RTX 3060156
RTX 4070177
RTX 3060 Ti195
RX 6700 XT203
RX 6800212
RTX 3070218
RTX 3070 Ti261
RTX 3080 10GB320
GeForce RTX 4060 Tiは、他のAda Lovelace世代のモデルと同様に省電力性に優れたグラフィックボードとなっている。公式のスペックでもRTX 3060 Tiが200Wだったのに対して、RTX 4060 Tiでは160Wと20%も引き下げられている。上記グラフはゲームプレイ時の消費電力をまとめたものだ。RTX 4060 Tiは135Wと消費電力が低いことがわかる。これらのラインナップの中ではトップということだ。

従来モデルのRTX 3060 Tiと比べて30%も消費電力が低く公式発表の数値以上だ。推奨電源も600Wから550Wへと引き下げられている。同等の性能を持つRTX 3070と比べて消費電力が38%も抑えられているのは興味深い。RTX 4060 Tiの魅力は性能そのものよりも消費電力の低さにあるのかもしれない。消費電力が低いということは電源ユニット・ケースファンなどのコストを抑えられるのでメリットがある。

DLSS 3.0をサポートしている

rtx4060tinvidiadlss3.0出典:(NVIDIA, 2023)

RTX 4060 Tiの強みの一つとしてDLSS 3.0をサポートしていることが挙げられる。新しい技術に興味がある方はぜひチェックしておこう。RTX 30シリーズから強化されている点だ。DLSSは超解像度技術のことでAIを使って低解像度の動画を高解像度に変更することができる。つまり、負荷を下げつつより高いフレームレートを得られる夢の技術だ。レイトレーシングなどの負荷のかかる機能との組み合わせで本領発揮となる。

DLSS 3.0の新しいFrame Generationを有効化すればRTX 3060 Tiよりも1.7倍性能が高く、RTX 2060 SUPERよりも2.6倍性能が高い。Frame Generationを使用しなくても最大1.6倍も性能が高いことがわかる。まだまだ対応タイトル自体少ないものの今後タイトルが増えてくればより魅力的なモデルとなる。将来性の高いグラフィックボードだ。

世界のインフレ率を考慮すれば割安な価格設定

RTX 4060 TiのMSRP(定価)は$399と従来モデルのRTX 3060 Tiと同じ価格設定だ。世界のインフレ率を考慮すると割安だと言えるのではないだろうか。RTX 3060 Tiが発売された2020年からのアメリカのインフレ率を見ると、1.2%(2020年)・4.7%(2021年)・8.0%(2022年)とかなり高い(Statista, 2023)ことがわかる。これをグラフィックボード価格に当てはめると$456.59だ。RTX 4060 Tiの実質価格は下がっていると考えることもできる。およそ13%安い計算だ。

2023年5月時点でグラフィックボード単体の価格は66,800円となっている。RTX 3060 Tiの価格が52,980円まで下がっているので、もう少し時間が経てば5万円台になるのではないかと思う。RTX 3060 Tiと比べてダイサイズが半減しているのは後押ししてくれる。搭載BTOパソコンの価格もそれほど割高になっておらずコストパフォーマンスは良好だ。半導体不足の影響もやや落ち着いてきているのだろう。ゲーマーにとってはいい時期になった。

GeForce RTX 4060 Tiの評価がイマイチな理由

どのメディアを見てもGeForce RTX 4060 Tiの評価は芳しくない。その要因として、やはり思ったほど性能が高くないことが要因ではないかと思う。それに加えて価格が割高であることもマイナスだ。GPUメモリ容量16GBのGeForce RTX 4060 Tiが8GBのRTX 4060 Tiの価格であれば不満は出なかったはずだ。GeForce RTX 3060 Tiと比べてダイサイズが小さくなっていることを考慮すればもう少しコストを抑えられるように思う。もっともインフレ率を考慮すればむしろ割安感はあるが…ユーザーはそうは見てくれないのだ。

また、GPU AD106がGeForce RTX 4070 Mobileのダウングレードバージョンとなっているのも悲しい。フルスペックのGeForce RTX 4070 Mobileに大して、GeForce RTX 4060 TiではSMが2基無効化されている。つまり、モバイル版のおこぼれによって誕生したモデルということだ。ビジネスとしてはGPUの有効活用ができるのでプラスだが、ユーザー目線で見ればやはりデメリットが大きい。

次に従来モデルのGeForce RTX 3060 TiよりもSM数及びCUDAコアが少なくなったのも悩ましい。確かにGeForce RTX 4060 Tiになって最大で20%程度性能が伸びているが、それはコア自体の改良というよりもTSMC 4N(5nm)採用によるクロック周波数の引き上げとL2キャッシュ増量が寄与している。つまり、コアが減少していることはそれほどよいニュースとは言えないのだ。フルスペックでもGeForce RTX 3060 Tiの4864には及ばないのがなんとも言い難い。

最後にGPUメモリ容量が8GBと控え目なのも議論を呼んだ。これは多くの方がすでにご存知だろう。それに対してはNVIDAがL2キャッシュ増量でカバーできるという点を強調(NVIDIA, 2023)した。実際フルHD環境だけであればそこまでGPUメモリ容量が足りなくなる可能性は低い。BTOメーカーが販売に力を入れていてかつ売れ筋ランキング上位にあることからそこまで不安に思う必要はなさそうだ。

GeForce RTX 4060 Tiのフレームレート一覧

Far Cry 6

farcry6

RTX 4070181.4
134.0
RX 6800160.9
122.8
RTX 3080156.6
129.4
RTX 3070 Ti146.0
112.4
RTX 4060 Ti145.5
105.3
RX 6700 XT139.2
98.0
RTX 3070138.7
101.9
RTX 3060 Ti128.6
96.2
RTX 306098.7
73.8
フルHDWQHD
Far Cry 6ではRTX 3070と比べてフルHDで5%高く、WQHD環境で3%高い。フルHD環境ではその上位モデルであるRTX 3070 Tiに匹敵するほどだ。前世代のRTX 3060 Tiと比べてもフルHD環境で13%高く、WQHD環境でも9%高い結果となっている。競合モデルのRadeon RX 6700 XTとの性能差は4%-7%だ。期待通りのパフォーマンスが発揮できているのではないだろうか。

Horizon Zero Dawn

horizon zero dawn

RTX 4070189.1
142.6
RTX 3080182.4
148.2
RX 6800163.9
133.5
RTX 3070 Ti157.6
127.5
RTX 3070149.3
109.8
RTX 4060 Ti143.1
103.9
RX 6700 XT137.5
106.2
RTX 3060 Ti135.0
105.8
RTX 3060103.7
78.3
フルHDWQHD
Horizon Zero DawnではRTX 3070に及ばなかった。フルHDで4%低く、WQHDでも5%低い。従来モデルのRTX 3060 Tiと比べてフルHDこそ6%高いもののWQHDでは2%程度劣っている。実行メモリバス帯域幅がRTX 3060 Tiを上回っていることを考えるとメモリ周りがボトルネックというわけではなさそうだ。最適化が進めば順当にRTX 4060 Tiが上回る可能性もある。競合モデルであるRX 6700 XTと比べてもフルHDでは4%高いが、WQHDでは2%低くなった。

Borderlands 3

boarderland3

RTX 4070149.4
103.1
RX 6800148.0
105.2
RTX 3080147.2
109.7
RX 6700 XT123.5
85.6
RTX 3070 Ti121.9
87.8
RTX 4060 Ti114.3
79.5
RTX 3070113.8
80.7
RTX 3060 Ti103.4
71.0
RTX 306077.1
54.6
フルHDWQHD
Borderlands 3でのフレームレートを見ていく。RTX 3070と比べてフルHDでは1%未満ながらフレームレートは上だ。一方で、WQHDでは2%劣る結果となった。従来モデルのRTX 3060 Tiと比べてフルHDでは10%高く、WQHDでも12%高い。世代が変わった新しいグラフィックボードとしては伸びはそれほど大きくないが、及第点はあげられるだろう。競合モデルのRadeon RX 6700 XTはBorderlands 3との相性がよく8%パフォーマンスが高い。

Watch Dogs: Legion

watchdogslegion

RTX 4070129.5
95.6
RTX 3080127.0
93.7
RX 6800119.5
88.3
RTX 3070 Ti104.4
79.0
RX 6700 XT102.8
73.8
RTX 4060 Ti99.1
72.6
RTX 307098.9
71.8
RTX 3060 Ti87.6
64.2
RTX 306063.9
48.1
フルHDWQHD
Watch Dogs: Legionでは、フルHD・WQHD共にRTX 3070よりを上回るフレームレートが出ている。RTX 3060 Tiと比べてもフルHD・WQHDでそれぞれ13%高い。Radeon RX 6700 XTには少し及ばず1%-2%程度低い結果となった。それでもWQHDで70fpsを超えるパフォーマンスは評価できる。

GeForce RTX 4060 Tiのレイトレーシング性能

レイトレーシング有効化時のパフォーマンスを見ていく。

Control

control

RTX 308098.0
63.4
RTX 407096.5
60.8
RTX 3070 Ti78.1
48.3
RTX 307073.7
45.5
RTX 4060 Ti69.9
44.2
RTX 3060 Ti65.0
42.8
RX 680064.7
38.7
RX 6700 XT49.6
29.4
RTX 306046.4
28.7
フルHDWQHD
Controlではそれほど大きく伸びなかった。RTX 3060 Tiと比べてフルHDで7%高く、WQHDで3%高いだけに留まる。RTX 3070と比べても3%-5%フレームレートが低い。一方で、競合モデルであるRadeon RX 6700 XTとの性能差は大きく最大で50%まで広がる。上位モデルのRadeon RX 6800よりもレイトレーシング性能は上だ。レイトレーシングについてはNVIDIAが優勢だと考えてよいだろう。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077top

RTX 407079.1
40.1
RTX 308077.8
41.2
RTX 3070 Ti62.6
30.4
RTX 4060 Ti59.2
28.9
RTX 307057.9
28.8
RTX 3060 Ti52.6
25.0
RX 680047.3
19.7
RTX 306039.0
19.4
RX 6700 XT37.2
15.3
フルHDWQHD
Cyberpunk 2077は負荷の高いタイトルの一つだ。RTX 4060 Tiの性能ではWQHD環境以上で安定したゲームプレイは難しい。従来モデルのRTX 3060 Tiと比べてフルHDで12%高く、WQHDでも15%高い。上位モデルのRTX 3070を上回るフレームレートとなる。RX 6700 XTと比べるとフルHDで59%高く、WQHDでも90%高い。Radeon 6000シリーズとのレイトレーシング性能差は明白だ。

Spider-Man: Miles Morales

Marvel’s Spider-Man Miles Morales

RTX 407094.9
68.7
RTX 308086.4
65.9
RTX 3070 Ti75.1
45.9
RTX 4060 Ti72.5
42.7
RTX 307071.8
44.0
RX 680067.0
32.6
RTX 3060 Ti64.2
38.6
RX 6700 XT58.3
25.9
RTX 306053.7
26.8
フルHDWQHD
Spider-Man: Miles MoralesではフルHDではRTX 3070よりも1%フレームレートが高いが、WQHDでは3%程度劣る結果となっている。RTX 3060 Tiと比べてフルHDで13%高く、WQHDでも11%高い。大幅な伸びがあるわけではないが、想定通りのパフォーマンスを発揮していると言えるだろう。Radeon RX 6700 XTと比べると最大65%もフレームレートが高く圧倒している。

GeForce RTX 4060 Ti搭載おすすめゲーミングPC

LEVEL-M1P5-R45-SLX-WHITE2(パソコン工房)

LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE2価格:139,800円+送料2,200円
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:7.8

公式サイトLEVEL-M17M-144F-RLX-WHITE詳細

GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの最安値クラスの一台はこのモデルで決まりだ。CPUに安価なRyzen 5 4500を組み合わせることで139,800円という価格を実現している。Ryzen 5 4500は現時点で購入できるゲーム向けCPUとして最低クラスだ。通常のゲームプレイだけならそこまでマイナスはない。問題となるのは負荷の高いタイトルで高リフレッシュレートを目指す場合やゲーム配信や動画編集などのクリエイター作業を考えている場合だ。最近のCPUはコアも増えて性能が高い。アーキテクチャ的に古いのもマイナスだ。最近フロンティアが低価格帯のモデルに力を入れなくなってきたのでパソコン工房が目立っている。白色のケースを採用していてデザイン性も高い。ユーザーの要望に応えている形だ。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 500GB NVMeと構成も十分だ。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。

FRGKB760/WS1202/NTK(フロンティア)

FRGKB760WS1201価格:162,800円(税込)
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:600W 80PLUS BRONZE
コスパ:10.0

公式サイト詳細

Core i5-14400FとGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせで税込162,800円と16万円台に抑えられているのは驚きだ。旧世代のモデルと同等の価格設定なのは評価できる。フルHD環境で高リフレッシュレートを目指したい方は必見だ。CPUには高コスパなCore i5-14400Fを搭載している。Ryzen 5 7500Fと同等のゲーム性能を有する。10コア16スレッドとマルチコア性能が高いのもプラスといえる。競合のRyzen 7 5700Xと比べても優位性がある。電源が最小限の600W BRONZEであることはマイナス点だ。必要に応じてカスタマイズを検討するとよい。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeと平均以上だ。マザーボードのチップセットも平均以上のB760を採用している。コストパフォーマンス指標は10.0と高い。

FRGKB550/WS1202/NTK(フロンティア)

FRGKB550WS501NTK価格:162,980円+送料2,200円
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:600W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.8

公式サイト詳細

高コストパフォーマンスの一台だ。フロンティアの週間セール対象モデルとして販売されている。CPUにRyzen 7 5700Xを搭載して税込16万円台は素晴らしい。コスパ指標はマックスの10だ。PCケースは2023年12月に発売されたキューブ型だ。底面吸気・上部及び後方排気となる。あまり見かけないエアフローだが効率性が高く高性能モデルにも通用する。グラフィックスにはGeForce RTX 4060 Tiを搭載していて高いレベルでゲームを楽しめる。タイトルあるいは設定によっては高リフレッシュレートも実現可能だ。メモリDDR4-3200 32GB・SSD 1TB NVMeと構成も十分すぎる。電源ユニットは600W BRONZEを採用している。

LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE2 (パソコン工房)

LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE2価格:179,800円+送料2,200円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.1

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Core i5-14400F×GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの最安値クラスの一台だ。税込179,800円という価格は魅力的だろう。会員登録をすれば送料も掛からない。CPUにIntel第14世代のCore i5-14400Fを搭載している。Core i5シリーズながら高いゲーム性能を持つ。また、10コア16スレッドとハイブリッドコアアーキテクチャを採用していて高いマルチコア性能を発揮する。ゲーム実況や動画編集などの作業にも対応しやすい。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 500GBと構成は平均的だ。DDR5メモリを搭載しているのはメリットといえる。本格的なゲーム実況などを考えているならもう少し予算を増やしてCore i7-14700F搭載モデルなどを検討しよう。コア・スレッド数も多く有利だからだ。

NEXTGEAR JG-A7G6T(ホワイトカラーモデル) おすすめ!

NEXTGEAR JG-A7G6Twhite価格:179,800円(送料無料)
CPU:Ryzen 7 5700X(水冷)
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:550W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

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Ryzen 7 5700X×RTX 4060 Ti搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。Ryzen 7 5700Xは価格が下がってきているため注目度が増している。ゲーミング性能はCore i5-13400と同等でミドルクラスのグラフィックボードとの組み合わせなら候補に入れてもよいだろう。ゲーミングPC全体の価格が高騰している中で値上げされなかったモデルだ。現在シークレットモデルとして販売されている。トップクラスのコストパフォーマンスを誇る。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは550W BRONZEを採用している。基本保証が3年間と長く24時間365日の電話サポートを受けられるのは特徴だ。

GALLERIA RA7C-R46T 2024年末限定特価モデル (ドスパラ)

GALLERIA RM5C-G60S価格:189,979円+送料3,300円
CPU:Core i7-14700F
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:10.0

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Core i7-14700F×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。年末限定特価モデルとして販売されている。コストパフォーマンスが高くおすすめしやすい。高解像度でのゲームプレイも視野に入る。CPUにハイクラスのCore i7-14700Fを搭載していることで高フレームレートでのゲームプレイやクリエイティブ作業にも対応しやすい。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 500GB Gen4 NVMeと構成も必要十分だろう。電源ユニットは650W BRONZEを採用している。GeForce RTX 4060 Ti自体省電力性の高いモデルなのでこれぐらいの容量でも十分だ。

GeForce RTX 4060 Ti搭載のゲーミングPC一覧

製品名価格CPUGPUメモリSSDHDD
GALLERIA RM5C-R46T173,980i5-14400FRTX4060Ti16GB500GB×
GALLERIA XA7C-R46T194,980i7-14700FRTX4060Ti32GB1TB×
GALLERIA RM5R-R46T144,9805 4500RTX4060Ti16GB500GB×
GALLERIA XA7R-R46T 5700X搭載189,9797 5700XRTX4060Ti16GB1TB×
GALLERIA RM7C-R46T212,980i7-14700FRTX4060Ti16GB500GB×
GALLERIA RA7C-R46T 2024年末限定特価モデル189,979i7-14700FRTX4060Ti16GB500GB×
Magnate MV-Ti153,980i5-14400FRTX4060Ti16GB500GB×
Lightning AV-Ti5131,9805 4500RTX4060Ti16GB500GB×
NEXTGEAR JG-A5G6T154,8005 4500RTX4060Ti16GB1TB×
NEXTGEAR JG-A7G6T179,8007 5700XRTX4060Ti16GB1TB×
NEXTGEAR JG-A5G6T 7500F搭載179,8005 7500FRTX4060Ti16GB1TB×
G-Tune DG-I5G6T(スターター7点セット)249,800i5-14400FRTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M1P5-R45-SLX139,8005 4500RTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M17M-144F-SLX-WHITE2179,800i5-14400FRTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M1A6-R75F-SLX159,8005 7500FRTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M2A6-R75F-SLX164,8005 7500FRTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M7P5-R45-SLX139,8005 4500RTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M7P5-R57X-SL9X159,8007 5700XRTX4060Ti16GB500GB×
LEVEL-M7P5-R57X-SLX154,8007 5700XRTX4060Ti16GB1TB×
LEVEL-M77M-144F-SL4X184,800i5-14400FRTX4060Ti16GB1TB×
LEVEL-R779-137F-SL1X219,800i7-13700FRTX4060Ti16GB500GB×
FRGKB760/WS1202/NTK169,800i5-14400FRTX4060Ti32GB1TB×
FRGKB550/WS1212/NTK164,8007 5700XRTX4060Ti32GB1TB×
FRGKB760/WS1131/NTK194,800i7-14700FRTX4060Ti32GB1TB×
FRGXB760/WS831/NTK149,980i5-13400FRTX4060Ti16GB512GB×
Victus 15L(インテル)パフォーマンスプラス169,800i7-14700FRTX4060Ti16GB1TB×

参照外部サイト

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