HPが販売する「Victus 15L Gaming Desktop TG02パフォーマンスモデル(以下:Victus 15L(インテル)パフォーマンス)」のレビューを行った。Core i7-13700F×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。抑えられた価格と実用性の高い充実の構成が特徴となる。現時点でRTX 4060 Ti搭載モデルの頂点に君臨すると言っても過言ではない。
SSD 512GB+HDD 2TBと今では珍しいSSDとHDDのデュアルストレージ採用モデルだ。総ストレージ容量は2.5TBとなる。上手く使い分ければSSD 512GBでも十分に感じられるはずだ。また、Wi-FiとBluetoothにも対応しているので、有線LANや無線LANの子機を準備しなくても使用できる。機能面での実用性の高さも魅力の一つだ。
当ページの目次
Victus 15L(インテル)パフォーマンスのスペック解説
ブランド名 | victus 15L |
---|---|
製品名 | Victus 15L Gaming Desktop TG02パフォーマンス |
価格 | 187,000円(税込) |
CPU | Core i7-13700F(レビュー) |
グラボ | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 512GB NVMe+ HDD 2TB |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットH760 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 8.4 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 9.2 ・構成 7.0 ・品質/サポート 9.0 |
コスパ指標は7.9とまずまず高い数値だ。CPUとGPUを基準にした場合は9.2と高くなる。構成はこの価格帯としては充実していて7.0だ。電源ユニットが少し平均よりも低いぐらいだ。HPではゲーミングPCに特化したサポートサービス「Café de OMEN」が提供されている。ゲーミングPCの設定やゲーミングマウスなどデバイスの設定などをサポートしてもらえる。サポート時間は平日9:00-21:00、土9:00-17:00だ。初めてゲーミングPCを購入する方にもおすすめしやすい。
>>Victus 15L(インテル)パフォーマンスを購入<<
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
---|---|---|
・4K ・WQHD | ・240fps ・144fps | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
Victus 15L(インテル)パフォーマンスはCore i7-13700FとRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。Apex Legendsやフォートナイトを240Hz環境でプレイすることができる。ただし、240fps張り付きは難しいので、概ね200fps以上と考えた方がいいだろう。4K解像度で快適にプレイできるゲームも多く、環境を選ばない性能が魅力である。
Victus 15L(インテル)パフォーマンスのゲーミング性能
ゲーミングPCは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ゲームをプレイする上で重要なグラフィックボードとCPUについて細かく見ていく。
初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいはずだ。グラフと数値で全体を見ることで、一つずつのパーツの性能や特性が理解しやすいと考えている。
Core i7-13700F(CPU)
Victus 15L(インテル)パフォーマンス)で採用されているCPUは、Intel第13世代のCore i7-13700Fだ。CPU内蔵グラフィックスは非搭載だが、グラフィックボード搭載が当たり前のゲーミングPCではそれほど気にしなくてもよい。従来モデルのCore i9-12900Kと比べて12%程度ゲーミング性能が高い。
無印のCore i7が従来最上位のCPUを上回っている。これだけでCore i7-13700Fの性能の高さがわかるはずだ。競合モデルであるRyzen 9 7950Xと比べても10%以上ゲーム性能で上回っている。70番台のグラフィックボードとのバランスも取りやすい。また、ハイブリッドコアアーキテクチャ採用で16コア24スレッドと高いスペックを持ちゲーム実況・動画エンコードなどの用途への適性も高い。ゲーム環境を含めて用途の幅は広い。
GeForce RTX 4060 Ti 8GB(GPU)
当該モデルではグラフィックスにAda Lovelace世代のGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。グラフィックボード全体の中でも人気のあるモデルだ。従来のRTX 3060 Tiと同じく、選びやすい価格に対して性能が高いことが人気の秘訣だ。性能が足りないということになりにくく、設定次第で最新のゲームも快適にプレイできる。
FPSは240Hz、RGPは4Kのような対応ができるのが強みだ。処理性能はRTX 3060 Tiと比べて16%ほど高く、フルHDのみならずWQHDへも高い対応力を示している。価格はRTX 3060 Tiに近く、性能はRTX 3070に匹敵する。大幅な性能の伸びは見せていないが、実直な進化を見せている。現行シリーズでも高い支持を得ているため、とりあえずRTX 4060 Tiを選択しておけばいいと言えるほどだ。
>>Victus 15L(インテル)パフォーマンスを購入<<
Victus 15L(インテル)パフォーマンスの特徴
価格が安く構成も優れたモデル
Victus 15L(インテル)パフォーマンスは、Core i7-13700FとRTX 4060 Tiを搭載したモデルでは最安値クラスだ。CPUやストレージなどの構成を削っているわけでもなく、しっかりと価格が抑えられている。18万円台を実現しているのは素晴らしい。RTX 4060 Ti搭載モデルは、一時期と比べて少し価格が高騰しているように感じる。
他のメーカー製品では、20万円を切りそうだったモデルが22万円台になっている。仮に構成を削ったとしても、Victus 15L(インテル)パフォーマンスと同等の価格まで引き下げられるモデルは少ないはずだ。セール対象モデルでもなく通常販売されているモデルとしては偉業とも言える価格設定だ。
総ストレージ容量2.5GBのSSDとHDDのデュアルストレージ、Wi-FiとBluetooth接続が可能なアンテナ内蔵と唯一無二の構成が魅力を引き上げている。ストレージ容量はゲームプレイに直接的な影響はないが、ゲームの補助を行うような役割を果たす。プレイ動画の保存、編集ファイルの一時保存など、用途を挙げればキリがない。
SSDはゲームなど、動作中に読み込みが発生するファイルの保存に適している。HDDはアクセス時にしか読み込みが発生しないファイルの保存に適している。これらの特性からゲームはSSD、動画や写真はHDDと割り振ると容量を圧迫しにくくなる。SSD容量が512GBと少なく感じるかもしれないが、HDHの容量が2TBと必要十分だ。
無線環境が整っているのも嬉しいことだ。Wi-Fiもかなり安定するようになり、ゲームは有線LANが絶対と感じなくなってきた。無線を前提にしている方にとって、何も追加せずとも無線に接続できるのはメリットになるはずだ。届いたその時から、LANケーブルを引っ張るわけでもなく、好きな場所にパソコンを置いてそのままスタートできる。
スペースや場所を気にしなくていいのは、購入後に設置場所が限定されてしまうことを防げる。デュアルストレージと無線環境が整っているモデルは意外と少ない。特に価格を抑えたモデルでは皆無だ。Victus 15L(インテル)パフォーマンスの魅力は価格と構成にある。価格は選びやすさ、構成は利便性につながる。
拡張性の低さが最大の弱点
価格と構成に優れるVictus 15L(インテル)パフォーマンスにも弱点はある。それは拡張性の低さだ。中級者以上の方にとっては重要な要素となるかもしれないので注意してほしい。Victus 15L(インテル)パフォーマンスで採用されているケースは、ミニタワーというよりもスリム型に近い。非常にコンパクトで、大手BTOメーカーのミニタワーと比べても一回り小さくなっている。
コンパクトであることをメリットだが、内部スペースが狭くなることで搭載できるパーツが限定的になるのはデメリットだ。たとえば、Victus 15L Gaming Desktop TG02パフォーマンスモデルに搭載されているマザーボードは、コンパクトなケースにもあう小さいサイズのMicroATX規格のものだ。小さいマザーボードでは、接続できるスロットが少なくなる。
メモリスロットは2つで、すでにメモリ8GB×2が専有している。32GBにするには、8GBのメモリを16GBのメモリに交換しなくてはならない。4つスロットがあれば、8GB×2を追加するだけで済む。2つしかないので交換になり、元々搭載されていたメモリが余る状態だ。余ってしまっても他に使い道がなければ無駄になってしまう。こういったことが、拡張性の低いモデルでは起こりやすい。
内部スペースの問題はグラフィックボードにも影響がある。一般的なゲーミングPCのミニタワーは奥行きが400mm程度ある。対して、Victus 15L(インテル)パフォーマンスのケースは奥行きが297mmしかない。グラフィックボードのサイズは、RTX 4060 Tiで200mm程度だ。これがRTX 4070 Tiのような高性能なグラフィックボードになると337mmになる。
奥行きが297mmで、ケーズの厚み、マザーボードの位置を考えると297mm全てを使えるわけではない。仮に使えたとしても、物理的に搭載できないグラフィックボードがある。何年か先に性能不足を感じても、搭載できるグラフィックボードが限定されてしまう。年々グラフィックボードのサイズが大きくなっているため、このままいけばミドルクラスが上限になるかもしれない。
>>Victus 15L(インテル)パフォーマンスを購入<<
競合モデルとの比較
ブランド | Victus | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | Victus 15L Gaming Desktop TG02 パフォーマンスモデル | GALLERIA RM7C-R46T SSD500GB搭載 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 187,000円(税込) | 194,980円(税込) |
送料 | 無料 | 3,300円(税込) |
納期 | 10営業日 | 最短翌営業日 |
CPU | Core i7-13700F | Core i7-13700F |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB NVMe | 500GB Gen4 NVMe |
HDD | 2TB | 非搭載 |
電源 | 500W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | H670 | B760 |
備考 | WiFi/Bluetooth搭載 | × |
保証 | 1年間 (最大3年間) | 1年間 (最大5年間) |
電話サポート | 平日9時-21時 土9時-17時 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
今RTX 4060 Ti搭載モデルを選択するなら、Victus 15L(インテル)パフォーマンスがおすすめだ。ただし、納期が長く11月時点で4週間近く掛かってしまうのがデメリットだ。すぐに必要だと感じているなら、翌営業日出荷対応のGALLERIA RM7C-R46Tを検討してもよいだろう。
パソコンケースレビュー
概要
Victusのケースはコンパクトなミニタワーとなっている。定番の箱型ながら、角を丸くしていることで黒い箱という印象もない。ミニタワーというよりもスリム型に近い形状で、省スペース化に特化しているように感じる。マザーボードはメモリスロットが2つしかないMicroATXを採用している。拡張性よりもスタイルと省スペースを意識した形状だ。
比較的コンパクトなゲーミングPCのミニタワーよりも細身で小さい。Victusのサイズを見ると幅155mm×奥行き297mm×高さ337mmである。幅も然ることながら、奥行きが非常に小さく、高さも抑えられている。人気のフロンティアのミニタワーは幅190mm×奥行き356mm×高さ421mmだ。パソコン工房のLEVELミニタワーは幅190mm×奥行き410mm×高さ356mmとなる奥行きが小さくなると高さが出る。
高さを抑えると奥行きが伸びるというのがミニタワーの特性だ。省スペース性に優れたケースは、採用されているマザーボードや電源は特殊なサイズ、規格になるので交換が難しい。グラフィックボードの大きさにも制限がかかるため、パソコンのパーツを交換することはあまり想定されていないように感じる。
正面
正面からのシルエットは細身なケースというのがよくわかる。下部には「VICTUS」の印字が薄くされ、中央にはロゴが大きく陣取っている。このロゴはRGBに対応したLEDで、設定した色に発光する。シンプルでもゲーミングPCらしさのあるデザインだ。角ばっていないケースに角ばったロゴがマッチしている。角の丸いケースはあまり見たことはないが、ここまで印象が変わるとは思わなかった。パッと見ただけではスマートフォンのように見える。
I/Oパネル
正面右側にフロントI/Oパネルが集約されている。上から、電源、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、USB3.2 Gen 1 × 2、USB 3.2 Gen2 × 2、USB3.2 Gen 1 Type-C × 1となっている。必要最低限と言ったところだろうか。ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートなので、3.5mmなどのミニプラグで接続するヘッドセットなどは分配器が必要になる。USB接続ができるならそれほど困ることはない。今はUSBが主流となっているので、この構成であっても問題はなさそうだ。
左側面
左側には吸気用のエアホールがある。コンパクトなケースであるため、ケースファンがない。背面からの排気で負圧がかかり、このエアホールから吸気ということになる。サイズ的にもハイクラス以上のグラフィックボードには適していない。
右側面
右側面はVICTUSの印字があるだけのシンプルなものだ。角を丸くしているせいか、前面と右側面はケースと一体化しており取り外しはできない。この特性はコンパクトケースやスリム型に見られるものだ。やはり、ミニタワーというカテゴリにあるだけで、スリム型のパソコンとして見た方がいいのかもしれない。
管理人による総評(Victus 15Lパフォーマンス)
Victus 15L(インテル)パフォーマンスは、Core i7-13700FとRTX 4060 Tiを搭載したモデルだ。非常に人気のある性能で、フルHDで240Hz、WQHDで144Hzも目指せる汎用性が魅力だ。とくに注目したいのが価格の安さだ。構成を剤っているわけでもなく、競合製品の中で頭一つ抜けた価格設定となっている。
こういった価格設定のできるモデルがもっと増えれば、ゲーミングPCはもっと身近になるのではないだろうか。初心者の方にも選びやすく、上級者の方にも扱いやすい。また、ゲーマーだけでなく、ストリーマーやクリエイターの方にも対応できる性能と構成だ。HDDを搭載していることで、動画の保存がしやすいのも幅広い層の方におすすめできる特徴である。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
187,000円(税込) | Core i7-13700F | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 500GB | 2TB |