ヤマダ電機グループに属するBTOメーカーであるフロンティアが販売する「FRGXB550/WS1006/NTK」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 5 5600X×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのセール対象ゲーミングPCだ。CPUにはあまり見かけなくなったRyzen 5 5600X搭載となる。低価格帯のモデルで人気のRyzen 5 4500と比べてもパフォーマンスは高い。RTX 4060 Tiと組み合わせるならバランスが取れるCPUだ。
FRGXB550/WS1006/NTKはエントリークラスとしてもおすすめしやすい価格を実現しているのが魅力だ。ただ価格が安いだけではない。構成も必要十分なもので、構成を削って価格を抑えているわけではない。SSD容量は1TBあり、チップセットもミドルグレードのB550が採用されている。一般的なミドルクラスのモデルよりも安くしっかりしたモデルだ。このモデルが13万円台で選択できるなら選ばない理由はない。そう言い切れるほど突き抜けた価格を持っている。
当ページの目次
FRGXB550/WS1006/NTKのスペック
ブランド名 | FRONTIER |
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製品名 | FRGXB550/WS1006/NTK |
価格 | 134,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 5600X(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB |
電源 | 600W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 8.1 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 9.0 ・構成 7.5 ・品質/サポート 8.0 |
コストパフォーマンスは8.3と高い。全体的なバランスに優れている。当該モデルについては延長保証に加入できずかつ電話サポートの時間が短いことから品質/サポートの評価は8.0だ。これらの要素を気にしないのであればコストパフォーマンスも高くおすすめしやすい。
各タイトルの対応表
FF15 | Apex Legends | FORTNITE |
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・4K ・WQHD | ・240fps ・144pfs | ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
FRGXB550/WS1006/NTKはRyzen 5 5600XとRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。フォートナイトやApex Legendsなどの人気タイトルでも240Hz環境でプレイできる性能がある。フォートナイトは240fpsを超えて安定させることができるので、360Hz環境も目指しやすい。ただし、Apex Legendsは設定を下げても240fpsの張り付きは目指しにくい。240fpsで安定していても、戦闘時などでは200fps程度で安定することになる。ゲームの性質上200fpsを超えたあたりからフレームレートが稼ぎにくくなる印象がある。
GeForce RTX 4060 Tiの性能があれば4K環境も実現できる。FF15のようなRPGでは高リフレッシュレートよりも高解像度が好まれる傾向にある。高解像度でのゲームプレイにも対応できるのは頼もしい。注意したいのは海外の最新RPGのようなゲームはWQHDでも最高設定が難しいことがある。4K解像度やWQHD解像度では、最高設定で安定するゲームは多くない。あくまでも、その解像度でゲームがプレイできるくらいに考えておきたい。
FRGXB550/WS1006/NTKのゲーミング性能
Ryzen 5 5600X(CPU)
FRGXB550/WS1006/NTKに採用されているCPUは、第4世代Ryzenシリーズ(Zen 3)のRyzen 5 5600Xだ。従来モデルのRyzen 5 3600Xと同じ6コア12スレッドというスペックながら、アーキテクチャが代わり25%以上もゲーム性能が向上している。対抗製品のCore i5-12400とおおよそ同等のゲーム性能を誇る。
次世代のCore i5-13400と比べると10%程度スコアが低いが、価格が抑えられている分アドバンテージを築けている。ゲームではCPUよりもGPUが重要であるため、使用感に大きな差は生じていないように感じる。なお、マルチコア性能ではCore i5-13400に大きく劣ってしまう。Core i5-13400は10コア16スレッドとハイブリッドコアアーキテクチャを採用していて圧倒している形だ。ゲーム性能以上に大きく向上している。
GeForce RTX 4060 Ti 8GB(GPU)
GeForce RTX 4060 Tiは、2023年5月24日に発売された最新のグラフィックボードだ。従来のRTX 3060 Tiよりも15%以上性能を伸ばし、RTX 3070と同等にまでなっている。価格的にはRTX 3060 Tiに近い。人気のあった両GPUのよいところを集約したような存在だ。ターゲット的にはフルHD環境~WQHD環境でのゲームプレイとなる。タイトル次第では4Kにも対応できるポテンシャルがある。60番台でも世代を重ねるごとに対応できる幅が広がっている。
FRGXB550/WS1006/NTKの特徴まとめ
従来のミドルクラス並の価格が強み
FRGXB550/WS1006/NTKは、RTX 4060 Ti搭載モデルでは最安値クラスの134,800円という価格が最大の特徴だ。安い部類のミドルクラス並の価格設定は、予算を抑えたい方には心強い存在となる。あまりにも相場からかけ離れた価格設定で不安に思う方もいるかもしれないと感じるほどずば抜けている。フロンティアの期間限定セールの対象モデルでしかありえない価格だ。
RTX 4060 Tiの従来モデルであるRTX 3060 Ti搭載モデルでさえ、この価格を実現できていなかったように思う。一世代前の13万円台は、ミドルクラスの王道だったRTX 3060搭載モデルだ。つまり、現行のミドルクラスどころか、従来のミドルクラスの価格に匹敵する。
RTX 4060 Tiの性能は旧世代の上位グレードであるRTX 3070と同等だ。つまり、FRGXB550/WS1006/NTKはRyzen 5 5600XとRTX 3070を搭載モデルに並ぶということになる。Ryzen 5 5600XとRTX 3070の組み合わせで13万円台は、確実にありえなかったと断言できる。17万円台で選択することも難しかったモデルだ。
注意するべきなのは、いつでもこの価格で選択できるわけではないということだ。FRGXB550/WS1006/NTKは期間限定セールの対象モデルであるため、セールの更新で販売が終了してしまうかもしれない。フロンティアでは毎週金曜日にセールの更新がある。候補に入ったなら早めに選択したい。
もっとも毎回変更が加えられるわけではなく、次回のセールにも残ったり、型番が異なる類似モデルが登場したりもする。その時は構成や価格が変化することもある。価格は1,000円単位で微妙に変動しているので、必ず購入前にチェックしてほしい。1万円あるいは2万円と値上げすることは、これまで一度もなかったので価格帯が変わるようなことはないはずだ。
しっかりした構成も高ポイントだ
当該モデルは価格に見合わず構成も充実しているのがポイントだ。よくあるRyzen 5 4500・SSD 500GB・チップセットA520のような構成を削ったモデルではない。Ryzen 5 5600X・SSD 1TB・チップセットB550とそれぞれワンランクアップした構成だ。突出した構成というわけではないが、価格を考えれば素晴らしい。物足りなさを感じないので、標準構成のままでも使いやすいモデルだ。
SSD容量は1TBあるので安心だ。500GBではプレイしたいゲームをインストールするために、古いゲームをアンインストールしなくてはならないこともある。アンインストールしたゲームをまたプレイしたくなれば、同じことを繰り返す手間が生じる。最新のゲームでは150GBを超えるものも多く、500GBでは余裕のある容量とは言えない。
PCゲームは新旧含めると数えきれないほど存在している。特定のゲームしかプレイするつもりがなくても、興味が出てくるものだ。プレイ動画やリプレイ動画の保存まですれば、500GBでは到底足りない。SSDの容量を重要視していなくても、1TBは利便性を高め、安心できる理想的な容量と言える。
比較的コンパクトなミニタワーということもあり、MicroATX規格のマザーボードが採用されている。メモリスロットは2つしかなく、8GB×2の構成で空きスロットはない。購入後にメモリを32GB以上へ容量アップしようとすると、搭載されている8GBのメモリを外し、16GBのメモリと交換しなくてはならない。この点だけは注意が必要だ。性能的に16GBで十分事足りるので、32GBが絶対必要だという方は初めからカスタマイズで対応しよう。
電源は可もなく不可もない容量と規格の600W 80PLUS BRONZEを搭載している。Ryzen 5 5600XとRTX 4060 Tiの組み合わせなら十分なものだ。しかしながら、電源はこだわりや好みが出るパーツだ。理想を追求してカスタマイズするのも悪くない。価格の安さを利用して、そのまま使用するもよし、カスタマイズして理想の構成を持つモデルに仕上げてもいい。FRGXB550/WS1006/NTKはユーザーにとって、自由度の高いモデルである。
他社メーカーのモデルと比較
ブランド名 | FRONTIER | GALLERIA |
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イメージ | ||
製品名 | FRGXB550/WS1006/NTK | GALLERIA RM5R-R46T 4500搭載 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 134,800円(税込) | 144,980円(税込) |
送料 | 2,200円(税込) | 3,300円(税込) |
CPU | Ryzen 5 5600X | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 1TB |
電源 | 600W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | B550 | A520 |
保証(延長) | 1年間(なし) | 1年間(5年間) |
サポート | 10:00-19:00 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象はドスパラのGALLERIA RM5R-R46 4500搭載だ。価格の近いモデルをピックアップした。いかにFRGXB550/WS1006/NTKが優れているかわかりやすいはずだ。両モデルともメモリ・SSD・電源は同等だ。しかしながら、GALLERIA RM5R-R46 4500搭載ではCPUのランクが大きく下がり、GPUとチップセットはワンランク落ちる。これだけ性能差があると、ゲームを含めた様々な用途で性能の違いを体感できるだろう。
GALLERIA RM5R-R46 4500搭載も価格をしっかり抑えたモデルだ。決して割高なモデルではない。むしろ、この構成ではやや安いと言えるモデルだ。それでもFRGXB550/WS1006/NTKには到底及ばない。この価格帯に限らず、RTX 4060 Ti搭載モデルの中でも頭一つ抜けた存在である。予算がこのあたりなら、FRGXB550/WS1006/NTKをおすすめしたい。サポート・長期保証・優れたケースなどがGALLERIA RM5R-R46 4500搭載を選ぶ理由となる。
GXシリーズケース詳細
2020年9月23日に新発売となったケースだ。比較的新しいケースということもあってエアフローと拡張性の高いミドルタワーとなっている。
正面
フロンパネルが一新された。これによって高級感のあるデザインとなっている。縦に入った赤色のラインがオシャレだ。
本体上部
本体上部には特に何もない。ここから吸気を行うモデルもある。
I/Oパネル
I/Oパネルは前面上部にまとめられていて使い勝手も良好だ。
右側面
右側面はすっきりとしている。
左側面
左側面に大型の排気口が設けられている。高性能なグラフィックボードやCPUを搭載しても安心だ。
背面
背面は一般的なものだ。搭載するグラフィックボードなどによって異なることがある。
裏面
裏面はアルミ素材だ。四隅にはゴム製の滑り止めが取り付けられている。
管理人による総評(FRGXB550/WS1006/NTK)
FRGXB550/WS1006/NTKは、フロンティアの期間限定セールの対象モデルとなっている。Ryzen 5 5600X×RTX 4060 Ti搭載で13万円台は圧倒的だ。CPUがRyzen 5 4500ではなくRyzen 5 5600Xなのは素晴らしい。また、SSD容量は1TB、チップセットはB550を採用しており、構成を剤って価格を下げているわけではない。
従来のミドルクラスの価格でありながら、しっかりとした構成も持っている。FRGXB550/WS1006/NTKはフロンティアでしか実現できない価格のモデルだ。セールの更新で値上げされる可能性もあるので、定期的に確認することをおすすめする。また、候補に入っているなら、値上げや販売終了する前に購入したい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
134,800円(税込) | 5 5600X | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |